マウスピースを使った歯列矯正治療が「実質無料で受けられる」と勧誘されて高額なローン契約を結んだ後、施術が受けられなくなったとして、男女約150人が6日、歯科医院を運営する医療法人「デンタルオフィスX」などを相手取り、約2億6200万円の損害賠償を求める訴えを東京地裁に起こしました。
この医療法人を巡っては今年1月にも患者らが集団訴訟を起こしており、原告数は合計312人、請求総額は約4億5900万円に上ります。原告側は詐欺罪などで医療法人の理事長らを警視庁に刑事告訴しています。
訴状によると、原告らは東京都、京都府、福岡県にある医療法人などが経営する歯科クリニックと治療の契約を結ぶ一方、別会社とモニター契約を締結。SNSなどで宣伝をすれば「毎月モニター報酬が支払われるので実質的に無料で治療が受けられる」と説明を受けていたというものの、昨年3月以降、報酬の支払いが停止しました。
原告側は追加提訴後に会見。代理人の加藤博太郎弁護士は、原告側にはローン返済が残ったほか、健康被害も生じているとし「破綻することが明らかな詐欺的なモニター商法だった」と指摘しました。原告の20歳代女性は、「マウスピースを作るために歯を削ったが、治療は途中で終わってしまった。歯がしみることもあり、これからどうなるのか心配だ」と話しました。
歯科クリニック側は、「弁護士と相談しながら対応していきたい」などとコメントしています。
2023年6月6日(火)
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