東京都内で健康診断を受けた人の血液を調べたところ、98%がビタミンD不足に該当していたとの調査結果を東京慈恵会医科大学などの研究チームが5日、発表しました。特にシイタケなどのキノコ類から取れる植物由来のビタミンDはほとんど検出されませんでした。若い人ほど不足している傾向があり、食生活の変化が原因の可能性があるとみています。
調査は2019年4月~2020年3月までの期間に、東京都内で健康診断を受けた成人男女5518人を対象に実施。島津製作所と新開発の液体クロマトグラフィー・質量分析法システムを使用して、血中ビタミンD濃度を算出した結果、全体の98%が必要とされる値を下回りました。検出されたビタミンDの種類を調べると、動物あるいは日光由来のビタミンD5であり、シイタケなどの植物由来のビタミンD2はほぼ検出されなかったといいます。また、年齢が低いほどビタミンD不足の割合が高くなりました。
今回の研究結果から、日本人の食生活の変化によって、現代社会では特に植物由来のビタミンDが摂取されなくなったことが推察されます。
ビタミンDはカルシウムの吸収を促す働きがあり、不足すると骨粗しょう症や骨折するリスクが高まる恐れがあります。
越智小枝・東京慈恵会医科大学教授は、「都市部の生活では日光を十分に浴びるのは難しい。食生活も欧米化しており、不足している場合はサプリメントで取り入れてほしい」と話しました。
2023年6月7日(水)
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