日本とアメリカの製薬会社が共同で開発したアルツハイマー病の新薬について、アメリカの食品医薬品局(FDA)の外部の専門家でつくる諮問委員会は、治療薬としての承認を全会一致で推奨しました。FDAはすでに「迅速承認」という仕組みで承認しており、今後、完全な本承認をするか判断します。
FDAは9日、外部の専門家を集めた諮問委員会を開き、日本の製薬大手「エーザイ」とアメリカの医薬品大手「バイオジェン」が共同で開発を進めてきたアルツハイマー病の新しい治療薬「レカネマブ」について話し合いました。
この薬はアルツハイマー病の患者の脳にたまる「アミロイドβ」という異常なたんぱく質を取り除くことで、症状の進行を抑えることが期待されています。
諮問委員会では、製薬会社側が約1800人が参加した臨床試験の最終的なデータを示し、投与開始から1年半後の時点で、薬効のない偽薬を使った人に比べ、認知症状の進行を27%遅らせる効果があったと説明しました。
出席した6人の専門家は全会一致で「患者への効果が確認できた」とする結論をまとめ、FDAに対し薬の承認を推奨しました。
FDAはこの薬について、今年1月、深刻な病気の患者に対し、より早く治療を提供する仮免許に当たる「迅速承認」という仕組みでいったん承認しており、今回示された臨床試験の最終的なデータをもとに、完全な本承認をするか7月6日までに判断します。
2023年6月11日(日)
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