愛知医科大病院(愛知県長久手市)で2018年7月、人工呼吸器のチューブが外れて入院中の男児(5)=当時7カ月=が意識不明の重体となる医療事故があり、愛知県警捜査1課と愛知署は21日、担当の看護師だった女性3人を業務上過失傷害容疑で書類送検しました。県警は起訴を求める「厳重処分」の意見を付けました。
送検容疑は2018年7月19日、病院の総合集中治療室(GICU)で、男児の体位を変えるために体を持ち上げた際、人工呼吸器のチューブが気管から外れたのに適切に対応せず、重度の低酸素脳症に陥らせたとしています。
男児は約30分間にわたって心停止となりました。チューブが食道に入っていることに気付いた医師が気管に挿し直したものの、男児は約5年が経過した現在も意識が戻っていません。
男児は事故2日前に激しいせきで救急搬送され、気管支炎と肺炎の疑いで入院。気管にチューブを挿入する人工呼吸管理を受けていました。30~33歳の3人は当時GICUを担当し、事故後に退職しました。
県警から書類送検の知らせを受けた男児の母親(46)は、「親としてほっとしている。警察が捜査を尽くしてくれたことに感謝したい。看護師らが刑事罰を受けてけじめをつけなければ、同じことが繰り返される」と話しました。
事故を巡っては、男児の両親らは今年1月、3人を刑事告訴。3月には同病院側を相手取り、約1億7000万円の損害賠償を求めて名古屋地裁に提訴しています。
2023年6月21日(水)
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