国連(UN)のアントニオ・グテレス事務総長は27日、7月の世界の平均気温が観測史上最も高くなる見通しとなったことを受けて記者会見し、「地球温暖化の時代は終わり、地球灼熱化の時代が到来した」と警告しました。「まだ最悪の事態は防げる」とも述べ、各国の指導者に気候変動対策の強化を求めました。
ヨーロッパ連合(EU)の気象情報機関「コペルニクス気候変動サービス」と世界気象機関(WMO)は27日、7月の気温が月平均で最も暑かった2019年7月の16・63度を上回る見込みだと発表しました。
グテレス事務総長は「人類の責任だ」と強調。20カ国・地域(G20)が世界の温室効果ガスの約8割を排出していると指摘し、9月のG20首脳会議などで「野心的な排出量の削減目標」を提示する必要があると語りました。
また、「異常気象がニューノーマル(新常態)になりつつある」と危機感を示しました。洪水や干ばつで打撃を受ける途上国の防災強化などに先進国が年1000億ドルを拠出するとの約束を守るべきだと訴えました。先進7カ国(G7)でドイツとカナダ以外は拠出目標を達成していないと懸念を表明しました。
2023年7月30日(日)
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