周辺に医療機関がない「無医地区」は2022年10月末時点で全国557地区だったことが、8月1日までに、厚生労働省の調査でわかりました。2019年の前回調査と比べ33地区減少。無医地区内の人口は計12万2206人で、4645人減少しました。
無医地区は半径約4キロの範囲に50人以上が暮らす地区のうち、車などを使っても1時間以内に病院を受診できないといった、容易に医療機関を利用できない地域。厚労省によると、過疎化が進み人口50人を割り込む地区が増えていることや、交通の利便性向上を背景に減少が続いています。
無医地区が最多だったのは64地区の北海道で、広島県53地区、大分県38地区、島根県28地区、岩手県24地区、高知県23地区、岡山県21地区と続きました。無医地区が存在しないのは山形県、埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県、大阪府、佐賀県の7都府県。
2014年調査から「無医地区ゼロ」となっていた長崎県では、今回、無医地区が管内に1地区生じて、再び無医地区になり、愛知県や福岡県などでは無医地区が増加しています。
全国の無医地区は減少してきており、各都道府県の努力が現れているといえるでしょう。もっとも「全国であまねく社会インフラを整備することは困難であり、少子化が進む中で、医師配置等についてはとりわけ困難になる。スマートシティ、コンパクトシティを意識して地域の在り方を検討することも、今後、極めて重要になる」と指摘する識者も少なくない点に留意が必要です。
例えば、「高齢の医師が1人で地域の医療を守っている」ような山間部や離島などでは、当該医師が引退すれば無医地区が生じてしまいます。愛知県や福岡県といった大都市を抱える県にも無医地区があり、「医師派遣」などの対策に力を入れていくことが重要でしょう。
2023年8月3日(木)
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