厚生労働省は9日、新型コロナウイルスの感染拡大時に、都道府県などが住民への注意喚起や医療提供体制の強化を検討する際の「目安」を示しました。確保病床の使用率や定点医療機関当たりの患者報告数などを参考にできるとしました。ただ暫定的なもので、今後も変更の可能性があるとしています。
コロナは5類移行後、新規感染者数の把握は全数報告から定点医療機関からの報告に移行し、感染状況の実態がわかりにくくなっています。季節性インフルエンザの流行で使われる「注意報」「警報」といった、広く注意を呼び掛けるための指標の導入を求める意見が出ていました。
厚労省は9日付の事務連絡で都道府県などに周知しました。
事務連絡は、直近の沖縄県の感染拡大の状況などを踏まえ、注意喚起などを検討する目安として▽「外来逼迫(ひっぱく)あり」と回答した医療機関の割合が25%を超える▽定点医療機関当たりの報告数が、直近の感染拡大時(オミクロン型)の「外来逼迫あり」割合のピークから2週間前の報告数を超える▽入院者数がオミクロン型の感染拡大ピーク時の半分を超える▽確保病床使用率が50%を超える――の4項目を示しました。
住民への注意喚起の具体的な内容として▽発熱などの体調不良時、発症後5日間、症状軽快後24時間経過するまで外出を控える▽医療機関などマスク着用推奨場面でのマスク着用の徹底――などを例示しました。
一方で、厚労省は、目安は医療提供体制確保のための暫定的なもので、季節性インフルエンザの流行状況に関する「注意報」「警報」とは考え方が異なると説明。インフルエンザと同様の基準を設定するには、長期間のデータの蓄積などが必要となり、「現時点では困難」としています。
また、コロナ流行の目安を巡っては、都道府県の中にはすでに独自に目安を設けているところもあり、国の目安を使用するかどうかは自治体が地域の医療提供体制の特性などを踏まえて判断することになります。
2023年8月10日(木)
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