兵庫県の宝塚市立病院は10日、腰椎椎間板ヘルニアの40歳代女性患者とリウマチの60歳代女性患者の手術で、それぞれ手術部位を誤認する医療事故があったと発表しました。患者はいずれも市内在住で、ヘルニア患者は右太もも後ろ側の痛みやしびれ、リウマチ患者は左手親指の痛みなどが残ったままの状態といいます。
同病院によると、ヘルニアの女性は昨年5月、腰の痛みなどを訴えて整形外科で手術を受けました。その際、50歳代の男性医師は手術が必要な腰椎よりも3、4センチ上にある腰椎の突起部を切除。部位の目印となる長さ約2センチの金属針を突起部に刺していたものの、医師がよく確認していなかったとみられます。
手術後、女性の痛みやしびれが悪化。今年4月、別の民間病院に相談すると、違う部位が切除されたことを指摘され、市立病院で再受診し、医療ミスが発覚しました。健康面に影響はないといいます。
リウマチ患者の女性は今年4月、親指付け根の関節変性疾患「母指CM関節症」で左手親指の痛みを訴え、リウマチ科で手術。担当した40歳代の男性医師は親指付け根の大菱形骨(だいりょうけいこつ)ではなく、隣接する舟状骨(しゅうじょうこつ)を誤って摘出しました。リウマチによって骨が変形するなどしていたため、医師が正確な部位を見誤ったといいます。
手術後の放射線撮影でミスが判明。本来必要な骨を摘出したため、市立病院は患者の親指付け根周辺の骨を補強する手術などを検討しています。
市立病院は「患者と家族に大変な苦痛をかけ、心よりおわびする。放射線撮影で何度も手術部位を確認するなど医療事故の再発防止策の徹底に努めていく」としています。
2023年8月13日(日)
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