東京都は7日、新型コロナウイルスのオミクロン型の新たな派生型「BA・2・86」系統を1例確認したと発表しました。都によると、海外では南アメリカやデンマーク、アメリカなどで計42件(6日時点)の報告があるものの、国内では初めて。
病原性や感染力は不明といいます。患者は軽症で、海外渡航歴はありません。
国立感染症研究所の斎藤智也感染症危機管理研究センター長によると、ウイルスが細胞に侵入するためのタンパク質に多数の変異が見付かっています。
免疫を逃れる性質は、現在主流の「XBB」系統よりも強いか同程度だと考えられているといいます。「感染者や重症者の動向を注視し、流行に応じた感染対策をしてほしい」と語りました。
「XBB」系統と「BA・2・86」」系統の差について、感染症に詳しい東京医科大学の濱田篤郎特任教授は、「デルタ型とオミクロン型くらいの違いがあり、BA・2・86は免疫をすり抜ける力が高い可能性がある」と指摘します。
国内では、9月20日に秋接種が始まります。使われるワクチンは「XBB・1・5」系統に対応しますが、「もしBA・2・86が今後広がれば、秋接種のワクチンがあまり効かない可能性はある」と警戒します。
ただ、重症化の予防効果は期待できるといい、「まずは現在の流行を抑えるためにも、ワクチン接種を検討してほしい」と呼び掛けています。
2023年9月8日(金)
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