保険診療の対象となる病気やけがの治療で全国の医療機関に支払われた2021年度の医療費の総額「国民医療費」は、前年度より2兆694億円(4・8%)増えて45兆359億円でした。年代別にみると、65歳以上が27兆3036億円で、全体の60・6%を占めました。
厚生労働省が24日、発表しました。2019年度の44兆3895億円を上回り、過去最高となりました。
新型コロナの感染拡大に伴う医療機関の受診控えが収まった反動で、前年度から増えた額では過去最大となりました。都道府県別でみると、前年度からの増加幅が最も大きかったのは東京都の7・4%でした。神奈川県、埼玉県、千葉県と続いていて、新型コロナの感染者数が首都圏で比較的多かったことが影響したとみられています。新型コロナにかかわる医療費は全体で4500億円となりました。
2021年度の国民1人当たりの医療費は、前年度から1万8200円(5・3%)増えて35万8800円。年齢別では、「0~14歳」が前年度比16・7%増の16万3500円で、大きく伸びました。新型コロナ禍の受診控えの反動や、RSウイルスの流行などが影響したとみられます。「15~44歳」は前年度比9・3%増の13万3300円、「45~64歳」は前年度比4・9%増の29万700円、「65歳以上」が前年度比2・8%増の75万4000円でした。
2020年度は新型コロナウイルスの感染拡大で受診控えが起きたほか、マスク着用や手洗いといった対策で、例年より他の感染症が流行しなかったことなどから、医療費が減少しました。2021年度は再び増加に転じました。
2023年10月25日(水)
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