来年度から医師の働き方改革が本格的に始まるのを前に、去年行われた医師の勤務実態調査の結果が公表され、休日・時間外労働の時間が来年度以降、「上限」の1つとなる年間960時間を超える医師の割合は4年前より減少したものの、依然として2割に上っていたことがわかりました。
医師の働き方を巡っては2024年4月から、患者の診療に当たる勤務医に対して、労働基準法に基づき、休日・時間外労働の上限規定が適用され、年間換算で960時間が上限となります。
これを前に、12日、厚生労働省の検討会が開かれ、2022年に行われた医師の勤務実態調査の結果が公表されました。
この中で、休日・時間外労働時間が年間に換算すると、過労死ラインとされる月平均80時間に相当する960時間の上限を超える医師の割合は全体の21・2%、1920時間を超える医師は3・6%いることがわかりました。4年前の同様の調査より16・6%と4・9%、それぞれ減少したものの、依然、長時間労働が課題となっています。
一方、働き方改革と地域医療体制の維持との両立が課題となる中、地域医療で中心的な役割を担う医療機関への調査では、来年4月時点で、大学病院の医師の引き上げにより診療機能に支障が出ることが見込まれる医療機関の数は、46の都道府県で合わせて「30」あったということです。
検討会で委員からは、「単に労働時間を短縮するのでなく、現場の医師がワークライフバランスを実感できることが重要だ」とか、「自己研さんの時間が適切に勤務時間と認められているのか見直す必要がある」といった意見が出されていました。
来年4月に向けて、各地の医療機関は労働時間短縮に向けた計画をまとめていて、国は研修会などを通して今後、さらに長時間労働の是正に向けた呼び掛けを進めることにしています。
2023年10月16日(月)
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