富山大は23日、フィルムや機能繊維などを手掛ける東洋紡(大阪市)と共同で、新型コロナウイルスとA型インフルエンザ、B型インフルエンザ、RSウイルスに感染しているかどうかを同時に調べられる検査キットを開発したと発表しました。富山大独自の新型コロナに関する技術を活用し、各ウイルスを別々に調べる負担を軽減し、検査の効率化につなげます。10月末から東洋紡が医療機関や検査施設向けに販売します。
東洋紡によると、この4種類のウイルスを一度に検査するキットが、厚生労働省から製造販売承認を受けたのは国内初。検査時間は約15分といいます。従来はコロナとインフルや、インフルとRSウイルスの同時検査にとどまっており、症状だけでは判別しにくいことから何度も綿棒を患者の鼻の中に入れて調べる必要がありました。
開発にかかわったのは、富山大先端抗体医薬開発センターの磯部正治センター長と学術研究部工学系の黒澤信幸教授の研究チーム。2021年5月に東洋紡とともにコロナの抗原検査キットを開発した後、4種類を一度に検査する研究を進めてきました。研究チームの持つコロナの抗体取得技術などを活用しました。
今冬は新型コロナとインフルの同時流行が懸念されており、磯部センター長は「本格的な冬を前に販売にこぎ着けられてよかった。広く利用されることを期待したい」と話しました。
2023年10月24日(火)
0 件のコメント:
コメントを投稿