アメリカのモデルナは4日、同社が開発する新型コロナウイルスと季節性インフルエンザの混合ワクチンの初期・中期臨床試験(治験)で、安全性と効果が確認できたとする中間報告を発表しました。年内にも最終段階の治験を始め、2025年の承認取得を目指します。利便性が高い混合ワクチンを真っ先に実用化し需要を取り込みます。
この治験は50歳以上が対象。50〜64歳と65〜79歳の治験グループに、メッセンジャーRNA(mRNA)技術を使ったモデルナのコロナ・インフル混合ワクチン候補「mRNAー1083」と既存のインフルワクチンをそれぞれ接種し、免疫反応などを比べました。
その結果、混合ワクチン候補を接種したグループで、インフルエンザに対し既存のインフルワクチンと同等か、それ以上の予防効果が期待できる免疫反応を確認しました。副作用の発生率や症例は、これまでに実用化したモデルナ製のコロナワクチンと変わりませんでした。
コロナとインフルの混合ワクチンは、冬季に流行しやすい2種類の呼吸器系感染症の予防が1度の接種ですむ利点があります。患者や医療関係者の負担軽減に加え、インフルとコロナ両方の接種率の引き上げにつながるとの期待もあり、製薬会社の間で開発競争が激しくなっています。mRNA技術を使った混合ワクチンは、モデルナのほかにアメリカのファイザーとドイツのビオンテックも開発を手掛けています。
2023年10月6日(金)
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