今年の秋から冬にかけての子供への新型コロナワクチンの接種について、日本小児科学会は感染や重症化を防ぐためにワクチン接種は効果があるとして、引き続き「すべての小児に接種を推奨する」という考え方を示しました。
厚生労働省の審議会が今年秋以降の新型コロナワクチン接種について、接種を勧める対象を重症化リスクの高い人に限定したことなどを受け、日本小児科学会は、子供への接種を推奨するかどうか改めて検討し、その結果を公表しました。
それによりますと、現在国内で主流となっているオミクロン型のXBB系統や、さらに変異した「EG・5」(通称:エリス)と呼ばれる変異ウイルスが広がり、今後流行の拡大が想定されるとしています。
その上で、この秋以降接種されるワクチンは、従来のワクチンよりも変異ウイルスに対して発症を予防する効果が高いと考えられることから、引き続き「すべての小児に接種を推奨する」としています。
また、安全性については、5歳から11歳の子供に対してこれまで述べ430万回以上、0歳から4歳に対しては40万回以上接種され、膨大なデータに基づき、信頼性の高い安全性の評価が行われているとしています。
一方で、5歳から11歳では接種100万回当たり0・6件程度の割合で心筋炎の発生が報告されているとして、接種後しばらくの間、胸痛や息切れなどの症状に注意するよう呼び掛けています。
日本小児科学会は、「小児に対する新型コロナの脅威は依然として存在し、感染や重症化を予防する手段としてワクチン接種は有効だ」としています。
学会の理事で新潟大学の齋藤昭彦教授は、「感染した子供の中には重い合併症が長引くケースも報告されている。可能な限り新しいワクチンを接種して、感染や重症化予防の高い効果を得てほしい」と話しています。
2023年10月7日(土)
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