アステラス製薬は16日、更年期障害向け治療薬「フェゾリネタント」について、女性の閉経に伴う中等度から重度の血管運動神経症状「VMS」に対する経口の非ホルモン治療薬として、ヨーロッパ医薬品庁(EMA)のヨーロッパ医薬品委員会(CHMP)が販売承認勧告を採択したと発表しました。CHMPの販売承認勧告を受けて、欧州委員会(EC)が今後67日以内に最終的な承認可否を判断する予定。
VMSは、顔のほてりやのぼせ、夜の発汗などの症状が特徴。フェゾリネタントは、脳の体温調節中枢のバランス回復を助け、閉経に伴う中等度から重度のVMSの頻度と重症度を軽減すると期待されます。
現在、更年期障害にはホルモン補充療法が行われているものの、乳がんと血栓の発症リスクを高める恐れがあります。フェゾリネタントは非ホルモン治療薬で、臨床試験によって症状を緩和し、患者の生活の質が向上することが示されました。ただし、同薬には肝酵素の上昇ないし肝障害の発症についての注意書きが添付されます。
フェゾリネタントは5月に、アメリカで承認を取得しています。アステラス製薬は同薬のピーク時の売上高を最大5000億円と見込み、注力製品の1つと位置付けています。
CHMPの販売承認勧告により、イギリス医薬品医療製品規制庁(MHRA)への承認申請が可能となり、MHRAによる承認可否の判断は数カ月以内に行われる見込み。
2023年10月16日(月)
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