2023/12/24

🟧神戸徳洲会病院、インスリン投与せず糖尿病の男性患者死亡 院長が既往歴見落としか

 神戸徳洲会病院(神戸市垂水区)に入院していた糖尿病の70歳代男性が9月に死亡した事案があり、市保健所は22日、医師が既往歴を見落とし適切な対応をしなかった可能性があるとして、医療法に基づき病院を立ち入り検査しました。

 市や病院によると、通院患者だった男性は新型コロナウイルスへの感染で肺炎が重症化し、8月に別の大学病院に転院。症状が改善したため9月5日に神戸徳洲会病院に戻り入院したものの、9月15日に死亡しました。主治医の新保雅也院長が糖尿病の既往歴を見落とし、インスリンの投与など必要な治療がなされず、血糖値のコントロールができずに死亡した可能性があります。

 同病院は当初、遺族側に死因を肺炎と説明。内部で調査委員会を立ち上げたものの、医療事故かどうかの結論は出さず国などに報告していませんでした。市の指摘を受け12月、国の医療事故調査制度に基づき外部機関に検証を依頼しました。病院の担当者は、「市の指導を受けながら院内の情報共有体制などを調べる」としています。

 同病院を巡っては、循環器内科の男性医師がかかわったカテーテル手術後に11人の患者が死亡した問題が、7月に発覚。市が8月に、安全管理体制に不備があったとして行政指導しました。11月に指導の是正状況を病院に確認する過程で、今回の入院した男性へのインスリン投与を一時実施せず、死亡したことがわかったといいます。

 市が病院側に指摘した後、病院側は遺族への説明内容を「死因は肺炎」から「血糖値をコントロールする治療をできずに死亡した可能性がある」と変更したといいます。

 2023年12月24日(日)

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