ダイエットを目的としたオンライン診療を受け、食欲を抑えるなどとうたって糖尿病の治療薬を処方され、体調不良につながる事例が相次いでいるとして、国民生活センターが注意を呼び掛けています。
国民生活センターによりますと、全国の消費生活センターなどに寄せられた「美容医療のオンライン診療」に関する相談は、今年4月からの半年間で169件に上り、昨年の同じ時期の1・7倍に増加していて、およそ9割が糖尿病の治療薬を処方されたことに関する相談だということです。
こうした中、本来、糖尿病の治療薬として承認されている「GLPー1受容体作動薬」が、食欲を抑える目的で副作用の説明が不十分なまま処方され、体調不良につながるケースが相次いでいるということです。
このうち、40歳代の女性が、ダイエット目的で申し込んだオンライン診療で、医師から「効果を得るために半年ほど服用してほしい」などといわれ、1カ月ほど服用を続けると頭痛や吐き気、めまいなどの症状が現れたという事例や、30歳代の男性が、わずか1分のオンライン診療で3カ月分の糖尿病治療薬を処方され、服用したところ腹痛や下痢の症状が現れたという事例が報告されているということです。また、薬が定期的に届く「定期購入」の契約になっていて、解約ができないといったトラブルの事例も相次いでいるということです。
体的には、糖尿病の治療薬を「ダイエット治療薬」として副作用の説明なく処方されるケースや、基礎疾患や服用中の薬を聞かれることなく処方されるケースがあったということです。
国民生活センターによりますと、「GLPー1受容体作動薬」はダイエット目的で使用する際の安全性や有効性は確認されておらず、厚生労働省の指針でも、医学的な必要性に基づかない処方は不適切とされています。
国民生活センターは、副作用が出ても補償を受けられないことがあることから、医師の説明が不十分だと感じた場合は、安易に薬の処方を受けないよう注意を呼び掛けています。
2023年12月20日(水)
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