産婦人科の医師の団体が妊婦での梅毒の感染状況を調査したところ、一昨年(2022年)1年間で感染がわかった妊婦の数は370人あまりで、感染者の割合は8年前(2016年)の調査の3倍以上となったことがわかりました。専門家は、「梅毒は早期に治療すれば治せる病気なので心配な時は婦人科に相談してほしい」と話しています。
ここ数年、国内で梅毒の患者が急増していることを受けて、日本産婦人科医会は妊婦の感染状況について出産を取り扱っている約2000の医療機関を対象にアンケート調査を行い、1346の施設から回答を得ました。
アンケートの結果、回答した施設で2022年に出産した妊婦約45万5000人のうち梅毒に感染していたのは376人で、感染している人の割合は前回調査した2016年と比べ約3・3倍に増えていることがわかりました。
感染がわかった時期については、80・9%が妊娠初期の健診でわかった一方、健診を受けずに出産するなどした結果感染がわかったケースも14・5%と前回の調査よりも増えていました。
また、梅毒に感染した妊婦から胎児に母子感染する「先天梅毒」の子供は28人いたほか、梅毒との関係はわからないものの、死産も8例あったということです。
調査をとりまとめた東邦大学の早田英二郎 准教授は、「今回の調査は国内の出産数の6割ほどが対象のため、梅毒に感染している妊婦はもっと多い可能性がある。梅毒は早期に治療すれば治すことができる病気なので、心配な時は婦人科に相談してほしい」と話しています。
2024年1月11日(木)
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