アメリカのペンシルベニア大学などは、遺伝子を操作したブタの肝臓を脳死状態の患者の体につなぎ血液を循環させたところ、72時間にわたって、患者の状態が安定したという研究結果を発表しました。
アメリカではここ数年、ブタの臓器を移植できないか研究が進められており、人間の臓器の代わりとなるのか、注目されています。
この研究はアメリカのペンシルベニア大学と、アメリカのバイオ企業「イージェネシス」などが18日、発表しました。
研究では拒絶反応が起こりにくいよう、遺伝子を操作したブタの肝臓を専用の装置に入れ、脳死状態になった患者の体の外からチューブでつなぎ、血液を循環させました。
その結果、患者の状態は72時間にわたって安定し、ブタの肝臓が炎症を起こすなどの兆候はみられなかったということです。
アメリカでは、ここ数年、遺伝子を操作したブタの臓器を人間に移植できないか、研究が進められていて、2021年にはブタの腎臓を脳死状態の患者に移植する試みが行われたほか、2022年には、ほかの治療法で回復が見込めない患者がブタの心臓の移植を受け、約2カ月間、生存しています。
アメリカでは現在、10万人以上が何らかの臓器移植を待っている状態で、1日に平均17人が死亡しているとされ、ブタの臓器が人間の臓器の代わりとなるのか、注目されています。
2024年1月19日(金)
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