ロイター通信は14日、新型コロナウイルスが世界的に流行していた2020年春から2021年半ばにかけて、アメリカ軍が中国製ワクチンに対する不信をあおる宣伝戦をフィリピンなどで展開していたと報じました。ワクチン外交を通じた中国の影響力拡大に対抗するため、偽情報をソーシャルメディアで流布していました。
アメリカ製も含むワクチン全体への信頼を損なうもので、対中戦略のために民間人を危険にさらしたとの批判が出ています。元情報機関幹部も、「一線を越えた」と非難しました。
フィリピンでは当時、接種の遅れによる被害拡大が問題になっていました。アメリカ
軍はフィリピン人になりすまして、「新型コロナは中国からきた。ワクチンも中国からきた。中国を信用するな!」などとタガログ語でX(旧ツイッター)やフェイスブックに投稿しました。
中央アジアや中東でも、イスラム教で禁忌される豚のゼラチンが中国製ワクチンに含まれているとの偽情報を広めました。
ドナルド・トランプ前政権で始まった宣伝戦は続いたものの、ジョー・バイデン政権になって停止が命じられたといいます。
2024年6月16日(日)
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