ヨーロッパ連合(EU)の薬事当局のヨーロッパ医薬品庁(EMA)は26日、医薬品の科学的評価を担当する委員会が日本の製薬大手エーザイがアメリカの製薬会社バイオジェンと共同開発したアルツハイマー病治療薬「レカネマブ」(商品名:レケンビ)を販売承認しないよう勧告したと発表しました。認知機能の低下を緩和する効果が副作用のリスクに見合わないと判断しました。
レカネマブは認知症の早期段階にある患者を対象に、病気の原因とされる脳内の有害タンパク質「アミロイド・ベータ」を除去する抗体薬。臨床試験では、1年半の投与で症状悪化のペースを27%抑えられた一方、13%に脳の浮腫、17%に脳の微小出血が起こる副作用がみられました。
アメリカや日本など6カ国・地域で承認され、日本、アメリカ、中国ではすでに販売されています。エーザイは「極めて残念だ」とコメントし、再審議を請求すると表明しました。
委員会は、臨床試験ではレカネマブは薬効のない偽薬に比べて認知症状の進行を遅らせることはできたものの、その差は小さいと指摘しました。脳内の微小な腫れや出血がみられ、一部は重症化する上、アルツハイマー病になる危険性が高い遺伝子変異を持つ人で特に副作用が懸念されることも重視。全体として、投薬による利益は副作用のリスクを大きく上回るものではないとしました。
2024年7月28日(日)
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