小林製薬が製造・販売した「紅麹(べにこうじ)」成分のサプリメントを巡る健康被害問題を受け、同社は8日の取締役会で紅麹事業からの撤退を決定しました。関連製品の製造・販売事業を取りやめます。健康被害の補償を19日から始める方針も明らかにしました。関連損失は79億円となりました。
紅麹事業からの撤退は8日に開催した取締役会で決議しました。完了日は未定としています。補償は「紅麹コレステヘルプ」を含む3製品の使用者が対象で、医療費や慰謝料、休業などを補償します。
同日発表した2024年6月中間連結決算では関連製品の回収に伴う特別損失40億円を新たに計上しました。
同社は2016年にグンゼから事業を引き継ぎ、紅麹原料を製造。協力会社でサプリなどの製品をつくり、「紅麹コレステヘルプ」などを販売していました。2023年12月期決算では、全体で約1730億円の年間売り上げがあり、そのうち紅麹関連事業は約0・44%を占めていました。
今年1月にサプリとの関連が疑われる腎疾患の症例を同社が把握。その後、健康被害を訴える報告が同社に相次ぎ、厚生労働省によると、死亡と製品の因果関係を調査している事例は8月6日時点で100人を超えています。
同社は事業撤退について、「重大な健康被害を引き起こし、社会にご迷惑をおかけしていることを踏まえた」としています。
2024年8月8日(木)
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