2024年の世界の平均気温は、産業革命前に比べて1・5度以上高くなるとの見通しを、ヨーロッパ連合(EU)の気象情報機関「コペルニクス気候変動サービス」が7日、発表しました。
上昇幅を1・5度までに抑えるのは気候変動対策の国際ルール「パリ協定」で世界が目指す目標で、単年ではすぐに目標未達成にはならないものの、極めて深刻な状況が示されました。
コペルニクス気候変動サービスによると、今年10月の世界の平均気温は15・25度で、過去2番目に暑くなりました。10月までの分析結果を考慮すると、2024年の年間の平均気温は産業革命前から1・55度以上高くなるとみられ、1・5度を超えることは「ほぼ確実」だといいます。2023年は産業革命前より1・48度上昇で過去最高でした。
国連の気候変動に関する政府間パネル(IPCC)は、1・5度の気温上昇が起こると、上昇がない場合と比べて、「10年に1度」の頻度だった猛暑は4・1倍、豪雨は1・5倍に増えるとしています。
11日からアゼルバイジャンの首都バクーで始まる国連気候変動会議(COP29)で世界各国が対策の議論を始める前に、一刻の猶予もない現状が浮き彫りとなった形です。
コペルニクス気候変動サービスのサマンサ・バージェス副所長は、アゼルバイジャンで開催されるCOP29で、温暖化ガス排出量削減の加速を改めて呼び掛けるべきだと強調しました。
国連(UN)のアントニオ・グテレス事務総長は7日の演説で、「人類は地球を燃やし、その代償を払っている」とし、今年世界で発生した壊滅的な洪水や火災、熱波、ハリケーンなどを列挙。「こうした報道一つ一つの背後には、人類の悲劇、経済的・生態学的な破壊、そして政治的な失敗がある」と語りました。
2024年11月11日(月)
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