アゼルバイジャンの首都バクーで開かれている国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP29)は24日、焦点となっていた途上国の気候変動対策を支援する資金について、会期を延長した末、合意に達したとして、「2035年までに少なくとも年間3000億ドル、日本円にして46兆円あまりを途上国に対して支援する」などとする成果文書を採択し閉幕しました。
その上で、「すべての国や機関が協力し、公的資金や民間資金からの途上国に対する支援の規模を、2035年までに最低でも年間1兆3000億ドル、日本円にして201兆円あまりに拡大させるよう呼び掛ける」としています。
支援額は現状の年間1000億ドルから引き上げられたものの、5000億ドルを求めていた途上国グループは不満を表明。採択直後にはインドを始めとしたとした途上国や新興国から、目標額が低すぎるなどと合意内容を批判する発言が相次ぎ、先進国側との対立を残す異例の結末となりました。
インドの代表は、「成果文書は気候変動の重大さに応えておらず、採択には反対だ」と述べ、不満をあらわにしました。
また、ナイジェリアの代表も合意された目標額について、「冗談のような金額で問題だ」などと述べて非難し、こうした途上国からの反発に会場からは大きな拍手が起きました。
これに対し、ヨーロッパ連合(EU)の代表は「目標額は3倍に増やされ、これは野心的で達成可能だ」と述べ、合意の意義を強調しました。
議長のアゼルバイジャンは、「発言は記録される」とだけ述べ合意は変わらないという姿勢を示しました。
COP29の合意について国連のアントニオ・グテーレス事務総長は23日、声明を発表し、「1・5度の制限を維持するためには合意は不可欠だった。各国はそれを実現した」と評価しました。
一方で、「私たちが直面している大きな課題に対応するため、資金面などでより野心的な成果を望んでいた」として、合意した内容は十分ではなかったという認識も示しました。
その上で、「各国政府に対してこの合意を土台にして積み上げていくことを訴える。化石燃料の時代の終わりは経済的に避けられないことだ」と強調し、来年、ブラジルで開かれるCOP30に向けて各国にさらなる協力を呼び掛けました。
2024年11月24日(日)
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