親が育てられない子供を匿名で預かる、いわゆる「赤ちゃんポスト」の運用を東京都墨田区の病院が始めて1カ月がたちましたが、これまでに生後間もない赤ちゃんが実際に預けられていたことが1日、初めてわかりました。
東京都墨田区の賛育会病院は今年3月31日から親が育てられない子供を匿名で預かる、いわゆる「赤ちゃんポスト」を「ベビーバスケット」と名付け、運用を始めました。
また、妊婦が医療機関以外に身元を明かさずに出産する「内密出産」も同時に開始し、いずれも、医療機関としては熊本市の慈恵病院に続いて全国で2例目となります。
事業開始から1カ月となる中、これまでに内密出産の相談や問い合わせが複数件、寄せられたほか、生後間もない赤ちゃんが実際にベビーバスケットに預けられたケースがあったことが、病院への取材で初めてわかりました。
具体的な件数は明らかにされていませんが、病院によりますと、赤ちゃんの健康状態に問題があった事例はなく、親がしたためたとみられる書き置きが残されていたこともあったということです。
賛育会病院の賀藤均院長は、「赤ちゃんが生きていてよかった、よく預けに来てくれたと思っています。身近な家族に相談できずに追い込まれている人はたくさんいます。赤ちゃんが遺棄される事件が繰り返される中、社会がどう対応していくのかみんなで考えていかないといけません。とにかく1人で悩まず相談してほしい」と話しています。
病院では妊娠や出産の悩みについて匿名での電話相談にも応じていて、不安があればまずは連絡してほしいと呼び掛けています。
2025年5月1日(木)
0 件のコメント:
コメントを投稿