マダニが媒介する感染症「重症熱性血小板減少症候群(SFTS)」について、今年これまでに全国から報告された患者数は速報値で143人となった。今年はこれまで感染が確認されていなかった地域でも患者が報告されていて、厚生労働省は注意を呼び掛けている。
SFTSは、主に原因となるウイルスを持つマダニに刺されることで感染する感染症で、重症化すると血液中の血小板が減少して出血が止まらなくなったり、意識障害が起きたりして死亡することがあり、感染して死亡する患者の割合は10%から30%に上るとされている。
国立健康危機管理研究機構によると、8月17日までの1週間に全国から報告されたSFTSの患者は三重、兵庫、佐賀、熊本、鹿児島の各県でそれぞれ1人ずつの5人で、今年の累計の患者数は速報値で143人となり、国内で初めて感染が報告された2013年以降の最多を更新した。
感染者が報告されているのは31道府県で、高知県で14人、大分県で11人、熊本県、長崎県で9人、鹿児島県、島根県、兵庫県で8人など、西日本を中心に多くなっているが、今年はこれまで感染が確認されていなかった関東地方や北海道でも報告されている。
厚労省は、西日本に限らず他の地域でも患者が報告される可能性があるとして、マダニに刺されないよう野外で肌の露出を減らすなどの対策を周知するよう自治体に通知を出して注意を呼び掛けている。
2025年8月26日(火)
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