京都大学の研究チームは、人のiPS細胞(人工多能性幹細胞)から、免疫に関して重要な役割を果たす「胸腺」の細胞を作ることに成功したと発表した。
将来的には重い免疫不全などの治療につながる可能性があるとして、さらに研究を進めるということである。
この研究は、京都大学iPS細胞研究所の浜崎洋子教授らのチームが発表したものである。
胸腺は、ウイルスやがんなどの異物を体の中から排除する「免疫応答」で中心的な役割を担う「T細胞」を作り出している。
今回、研究チームはこの胸腺に注目し、人のiPS細胞を使って、胸腺の内部にある細胞を作り出すことに成功したということである
さらにこれを、T細胞のもとになる細胞とともに実験室で培養したところ、さまざまな異物に反応できるT細胞そのものができることがわかったということである。
研究チームは、今回の手法が、年齢とともに免疫の機能が衰えた人や、重い免疫不全の患者の治療に、将来的につながる可能性があるとして、さらに研究を進めることにしている。
浜崎教授は、「今回の方法を使えば、本来、私たちが持っている免疫の機能を与えることができる可能性がある。高齢者や新生児など免疫が十分ではない人に必要な免疫を与えられる未来につながることを期待したい」と話していた。
2025年8月27日(水)
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