ロイター通信は28日、インド保健省が同国東部の西ベンガル州で2025年12月以降、致死率の高い感染症「ニパウイルス」の感染者を計2人確認したと発表したと報じた。タイなどアジアの国では入国時の審査強化など水際対策に乗り出している。
インド保健省は、2人と接触した196人を特定した上で健康状態を調査したことも公表。いずれの接触者も症状はなく、ウイルス検査の結果は全員が陰性だったという。
世界保健機関(WHO)によると、ニパウイルスの潜伏期間は通常4~14日程度。ヒトが感染した場合の致死率は推計40~75%と高い。
インドでのニパウイルス感染者の確認を受け、タイ保健省はニパウイルス感染者の発生地域から到着する航空機向けに駐機場を割り当て、乗客に対して、入国審査を通過する前に健康申告を行うことを国際空港に義務付けた。マレーシアの保健省も、特にリスクの高い国からの入国者に対し、国際空港や港湾施設などの入国地点で健康診断を行うなど対策を強化している。
また、日本の外務省は1月27日、ホームページでインドを対象国とするニパウイルス感染症に関する注意喚起を発表した。在留邦人および渡航者への注意として、手洗い、手指消毒、動物との不用意な接触回避、生の果物など食品・飲料への摂取時の注意などを呼び掛けている。
日本の国立健康危機管理研究機構によると、ニパウイルス感染症の症状は発熱、頭痛、嘔吐、筋肉痛などから始まり、その後、意識障害などの神経症状が現れる。重症化すると急性脳炎に至ることがある。ワクチンがないため、対症療法が中心となる。
ヒトへの感染経路は、主にオオコウモリやブタといった感染動物との接触や、感染動物の唾液や尿などの体液で汚染された食物の摂取。患者の血液や体液との接触による「ヒト-ヒト感染」も報告されている。
これまでに日本国内での患者の報告はない。一方、海外では1998~1999年にマレーシアで初めて発生が確認された。2001年以降はバングラデシュやインドでほぼ毎年患者が報告されている。
2026年1月29日(木)
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