2022/08/10

🇧🇷腸重積症

上方の腸管が下方の腸管の中に入り込んだ状態で、腸閉塞の一種

腸重積(じゅうせき)症とは、上方の腸管が下方の腸管の中に入り込んだ状態。腸閉塞(へいそく)の一種で、腸の内容物が通過できなくなります。

年齢的には、10歳未満の子供、特に1歳以下の乳児に多くみられます。成人の場合には、腸のポリープが先導となって引き込まれるような形で、腸重積を起こします。早く診断して処置をしないと、生命に危険の及ぶ疾患です。

よく起こるのは、小腸の最後の部分である回盲部が上行結腸の中に入り込むケースで、腸管が二重、または三重になることがあります。乳児の小腸と上行結腸は腸間膜による固定が弱くて、動きやすいため、回盲部が上行結腸の中に入り込みやすくなります。下方の小腸の中へ上方の小腸が入り込んだりもします。

いったん上行結腸へ回盲部が入り込んで、その先端に腫瘤(しゅりゅう)のようなものができると、回盲部には大腸から小腸へ内容物が逆流しないように弁があるので、その回盲弁に腫瘤が引っ掛かって抜けなくなります。入り込んだ小腸はどんどん、肛門(こうもん)のほうへ進入していきます。

狭い腸の中に入り込んだ小腸は、上を覆っている大腸によって締め付けられ、血液がうまく流れなくなり、長い時間そのままにしておくと、血液がこない組織は生命力を失う壊死(えし)に至ります。

発症は急で、突然に乳児の顔色が青白くなり、腹痛のために、脚を腹につけるような格好で激しく泣き叫んで、嘔吐(おうと)します。この腹痛の発作は数分で収まりますが、また繰り返します。嘔吐が続くと脱水症状を来し、重なっている部分の腸管が炎症を起こして出血し、粘液の混ざった血液が自然に下血として排出されたり、浣腸(かんちょう)をすると血便が出てきたりします。

腹部を触ると、右上腹部からへその上部あたりに、ソーセージ状の腫瘤を触れることがあります。最悪のケースでは、腸管が破れて腹膜炎を起こし、命にかかわることがあります。

腸重積症の検査と診断と治療

乳児などに腸重積症の症状が重なって現れ、続くようなら、小児科を受診します。夜間なら救急外来を受診します。

医師による診断は、症状、経過のほかに、右上腹部を押すと痛みのある腫瘤を触れること、超音波検査で特徴的な所見を示すこと、肛門からカテーテルを入れて造影剤を注入し、X線撮影する注腸造影などで行います。

発症後12時間以内で全身状態が比較的よい場合は、診断を兼ねて注腸造影を行って、圧力を加えることにより整復を試みます。X線透視下で造影剤、あるいは空気を用いた整復が一般的ですが、現在では超音波下で整復を行う医療機関もあります。整復が成功した場合でも、再発が起こらないかどうか入院して経過を観察します。再発の半数は、初回整復後5日以内にみられます。

発症から長時間経過している場合、腸閉塞が高度である場合、全身状態が著しく悪く注腸造影で整復できない場合、すでに腹膜炎を合併している場合は、開腹手術が必要になります。

なお、乳児が一度、腸重積を起こしたら、腸の固定がよくなる2歳ごろまで、再発に絶えず注意を払う必要があります。

🇺🇸腸上皮化生性胃炎

委縮性胃炎が進行して、委縮した胃粘膜が腸のような粘膜に置き換わる疾患

腸上皮化生性胃炎とは、委縮性胃炎が進行して委縮した胃粘膜の性質が変わり、腸のような粘膜に置き換わる疾患。化生性胃炎とも呼ばれます。

腸上皮化生性胃炎に進行する委縮性胃炎は、慢性的な胃の炎症によって、胃液を分泌する胃腺(せん)の部分の粘膜が委縮していく疾患。胃粘膜の委縮の度合はさまざまで、胃の一部しか委縮しないケースから、胃全体が委縮するケースまであります。

さらに進行すると、粘膜の性質が変わって、腸の粘膜に近いような細胞に姿を変えます。これを腸上皮化生といい、それが著しい場合は腸上皮化生性胃炎となります。

委縮性胃炎には、大きく分けてA型胃炎(自己免疫性胃炎)とB型胃炎(多巣性委縮性胃炎)という2つのタイプが存在しています。

A型胃炎(自己免疫性胃炎)は、胃の真ん中の部分を中心として、広い範囲で委縮が広がり、主に胃液を出す壁細胞という細胞が減っていきます。その進行した病態が腸上皮化生、腸上皮化生性胃炎で、自分の細胞に対する抗体ができることによる疾患であり、一種の自己免疫疾患です。

悪性貧血という貧血を伴い、カルチノイドという腫瘍(しゅよう)を誘発しやすいのも特徴です。このタイプは、海外に比較的多く、日本では非常にまれだと見なされています。

一方、B型胃炎(多巣性委縮性胃炎)は、ほとんどの場合、委縮が胃の出口の付近から始まり、進行とともに、次第に胃の上のほうへと上がっていきます。進行すると、胃の全体に広がり、腸上皮化生、腸上皮化生性胃炎がみられるようになります。

委縮の進行した粘膜には遺伝子異常が起こり、これが胃がんの大きな原因となるのも特徴です。このタイプが、日本人の委縮性胃炎の大部分を占めます。

B型胃炎(多巣性委縮性胃炎)の原因の大部分は、ピロリ菌の感染であると見なされています。

人間の胃にピロリ菌が感染すると、まず表面が赤くはれるようなタイプの胃炎が起こります。その中には潰瘍(かいよう)化するものもあり、しばらくすると、胃の出口から胃の細胞の減少、すなわち委縮が始まります。

さらに進行すると、胃の粘膜の細胞に遺伝子異常が起こり、腸上皮化生、腸上皮化生性胃炎が起こります。この腸上皮化生性胃炎が進行すると、胃酸はほとんど出なくなり、胃の中の酸度は低下します。

ピロリ菌は胃粘膜の環境に適合しているので、委縮性胃炎が高度になると、ピロリ菌はかえって減少し、時には胃の中からいなくなります。つまり、委縮性胃炎の原因はピロリ菌なのですが、進行した委縮性胃炎では、往々にしてピロリ菌は見付からないことがあるのです。

ピロリ菌の感染から数十年を掛けて、委縮性胃炎が発生し、それからさらに十数年を経て腸上皮化生、腸上皮化生性胃炎が生じるというのが、一般的な時間経過と考えられています。従って、高齢者に多く見られ、食欲不振、食後のもたれ、上腹部の張りを覚える人もいます。

腸上皮化生、腸上皮化生性胃炎の初期には、委縮した胃粘膜が小腸のような粘膜に置き換わります。進行すると、大腸のような粘膜に置き換わります。後者では、がん化のリスクが高いとされ、委縮の程度は進んでいます。

腸上皮化生性胃炎が進行すると、胃酸はほとんど出なくなり、胃の中の酸度は低下しますので、食事を消化することができず、胃の動きも悪くなるために、食物は胃の中に停滞し、発酵してガスを出します。胃の中はただれ、胃はもたれ、下痢になり、体調は悪化します。

腸上皮化生性胃炎の検査と診断と治療

消化器科、内科の医師による診断では、胃内視鏡検査で胃の粘膜の状態を見て、委縮や腸上皮化生が生じているかどうか判断します。通常の粘膜であれば胃の血管は見えませんが、委縮が生じている場合は、粘膜が薄くなり、胃の血管が黄色っぽく見えてきます。腸上皮化生が生じている場合は、粘膜の凹凸が目立ちます。

また、胃内視鏡検査の時に胃の粘膜の一部を採取し、顕微鏡で調べる生検を行うと、胃粘膜が組織学的および機能的に、小腸や大腸のような粘膜に置き換わっているかどうかを確認できます。生検を行うと、原因となるヘリコバクター・ピロリがいるかどうかを確認することもできます。

委縮性胃炎、腸上皮化生、腸上皮化生性胃炎と区別すべき疾患としては、胃がんが最も重要です。

消化器科、内科の医師による治療では、委縮してしまった粘膜を元に戻す画期的な方法はありません。ピロリ菌が原因のB型胃炎(多巣性委縮性胃炎)の場合は、除菌という方法があります。ピロリ菌に感染しているかどうかを調べ、陽性の場合は、除菌すれば胃の壁の状態が回復し、胃液分泌も元に戻ります。しかし、除菌したからといって、委縮が治るわけではありません。

胃がんを発症した人はほぼ100パーセントがピロリ菌に感染していたことがわかっており、ピロリ菌の除菌をすれば、胃がんのリスクの減少につながります。もちろん、ピロリ菌に感染している人がすべて胃がんになるわけではなく、1000人の陽性者のうち胃がんを発症する人は2~3人にすぎません。

除菌だけで、すべてが解決するわけでもありません。委縮性胃炎、腸上皮化生、腸上皮化生性胃炎の状態では、胃液の分泌が少ないかほとんどないため、できるだけ胃に負担をかけない食生活を心掛けることが大切です。1日3食を規則正しく摂取するようにして、脂っこいものなど消化の悪いものや、香辛料など刺激の強いものは控えめにします。

委縮性胃炎、腸上皮化生、腸上皮化生性胃炎を持っている人は胃がん発症のリスクが高くなりますから、最低でも年に一度の内視鏡検査は必ず受けることも大切です。

たとえ胃がんが発生したとしても、早期発見ならば内視鏡による胃粘膜切除手術で、簡単に切除することができます。早期の胃がんの5年生存率は90パーセント以上と高くなっています。

🇺🇸超女性

女性だけにみられる性染色体異常で、言葉の障害や運動機能の遅れがみられる疾患を有する人

超女性とは、染色体異常のうちの性染色体異常の疾患で、女性にだけ起こる先天的なスーパー女性症候群(XXX症候群、トリプルX症候群)を有する人。スーパー女性とも呼ばれます。

染色体は、体を作るすべての細胞の内部にあり、2つに分かれる細胞分裂の一定の時期のみ、色素で染めると棒状の形で確認できます。染色体には22対の常染色体と2対の性染色体とがあります。父親から22本の常染色体と1本の性染色体、母親から同じく22本の常染色体と1本の性染色体を受け継いで、全部で46対の染色体を持つことになります。

性染色体にはXとYという2つの種類があり、Xを2本持つ場合は女性に、XとYを1本ずつ持つ場合は男性になります。染色体は女性だと46XX、男性だと46XYということになります。

先天的なスーパー女性症候群を有する超女性の場合は、性染色体がXXXと1本多く、女性約1000人に1人の割合で生まれるといわれます。

正確な原因は不明ですが、減数分裂の際に2対の染色体が分裂し損なってXが1つ多い卵子もしくは精子を作り出す、もしくは減数分裂後の受精段階で、胎児の前身の胎芽の細胞分裂でXが1つ多くなることで起こるとされます。母親の高齢出産で、スーパー女性症候群を有する超女性の新生児女児が生まれる頻度が高いともいわれています。

このスーパー女性症候群を有する超女性は、パトリシア・ジェイコブズらがイギリスのスコットランドで、染色体構成47XXXを持つ2人の女性を見付け、1961年に最初に報告しました。

染色体構成47XXXを持つ新生児女児のほとんどは、スーパー女性症候群の症状をいくつかしか持っていないか、全く持っていません。

新生児女児のほとんどは、身体的には誕生時から正常に発育します。ただし、誕生時の平均体重値は、正常な染色体を持つ女児よりわずかに低くなっています。8歳までは、正常な染色体を持つ女児よりやや身長の伸びが速く、最終的に2、3cm高くなり、高身長で手足の長い細身の体形になる人が多いとされます。

ほとんどは、性関連と性ホルモン条件に関して、正常な染色体を持つ女児と違いはありません。外陰部や卵巣、子宮、膣(ちつ)に異常はなく、一般的な胸部、体毛の成長、そして第二次性徴も普通に現れます。妊娠、出産も可能で、その子供の大部分は正常な染色体を持って生まれます。

染色体構成47XXXを持つ女児のほとんどは、通常の知能、もしくは低くても通常の範囲の知能を持っています。しかし、その多くは、言葉の障害や学習障害を持ち、運動機能や感情の発達の遅れがみられます。数は少ないものの、軽い知的障害を持っていることもあります。

なお、スーパー女性症候群の症状の現れ方は人によって大きく異なり、筋緊張低下によって上まぶたにしわが寄ったり、小指が短く内側に曲がった斜指症がみられることがあります。中には、発作や、腎臓(じんぞう)を含む泌尿生殖器の奇形など、より深刻な状態がみられることもあります。

普通、スーパー女性症候群を有する超女性のほとんどは、治療の必要はありません。

🇬🇦聴神経腫瘍

脳の腫瘍による障害が聴神経に及び、聴力が低下する疾患

聴神経腫瘍(しゅよう)とは、脳の聴神経の回りを鞘(さや)のように覆っているシュワン細胞から発生する非がん性の腫瘍。聴神経鞘腫(しょうしゅ)、前庭神経鞘腫、第8脳神経腫とも呼ばれます。

聴神経には、聴覚に関係する蝸牛(かぎゅう)神経と、平衡感覚に関する前庭(ぜんてい)神経があります。腫瘍は通常、前庭神経から生じますが、前庭神経と一緒に脳から出る蝸牛神経に障害が及んで聴力の低下が生じることが多いので、聴神経腫瘍という疾患名が付けられています。

良性の腫瘍であり、非常にゆっくりとしたスピードで大きくなります。腫瘍が成長するのに時間がかかるので、これによる症状が出現するまでには何年もかけて大きくなってきていることが多いと思われます。まれに、短期間で腫瘍が大きくなることもあります。

>聴神経腫瘍の初期症状として最も多いのは、聴力の低下。腫瘍は聴神経の回りを覆っているシュワン細胞から発生するので、まず一番に聴神経を圧迫して、腫瘍のある側の耳の聞こえが悪くなるという症状が出現します。聴力の低下は徐々に出現するため、初めのうちは本人もあまり意識しないこともあるものの、悪いほうの耳では電話の声が聞こえにくいなどの兆候があったりします。

突然耳が聞こえなくなる突発型難聴を起こすものも、少なくありません。耳の聞こえがよくなったり悪くなったり、聴力の程度が変動することもあります。その他の初期症状として、片側の耳のみの耳鳴り、めまい、急に向きを変えるとバランスを失ったり、ふらつくなどがみられます。

腫瘍が大きくなって、顔面神経や三叉(さんさ)神経といった脳の他の部分の神経を圧迫すると、顔面のしびれ、顔の筋肉の脱力やまひ、嚥下(えんか)障害などが生じます。

聴神経腫瘍の原因は明らかではないものの、遺伝したりするものではありません。神経線維腫症といって特殊例として両側に腫瘍が生じるものでは、遺伝性の原因が明らかにされています。

多くのケースでは、片側の耳の聞こえの悪さを覚えて耳鼻科を受診し、頭のCTスキャンなどの検査をして、腫瘍が見付かるという経過をとります。

聴神経腫瘍の検査と診断と治療

片側の耳の聞こえが徐々に悪くなってきたり、めまいの発作を繰り返すなどの症状がある場合は、聴神経腫瘍の可能性を疑って、まず耳鼻咽喉(いんこう)科の専門医を受診します。

聴力検査、音刺激に反応する脳波を調べる聴性脳幹反応、平衡機能(めまい)検査により聴神経腫瘍が疑われる場合は、頭部MRIによる画像検査が行われます。特に、造影剤を静脈に注射しながら行う造営MRI検査では、小さい腫瘍も見付けることができます。そのほかにも、頭部の単純レント ゲンや、CTスキャンの検査が行われ、他の脳神経に異常がないかどうかを調べます。

治療は大きく、手術療法と放射線療法に分かれます。手術療法には、腫瘍が発生した部位や大きさ、残存聴力などに応じていくつかの手術方法があり、耳鼻咽喉科または脳外科が担当します。顕微鏡を用いた手術であるマイクロサージャリーが、行われることもあります。

マイクロサージャリーは、耳の後ろの部分の皮膚に小さな切開を加え、顕微鏡で拡大しながら周辺の脳神経を損傷しないように注意を払って、腫瘍を摘出します。通常10日から2週間程度の入院期間が必要です。

放射線療法には、ガンマナイフまたはリニアックによる治療法があり、腫瘍を消失させるのではなく、腫瘍が大きくなるのを抑えることを目的としています。それぞれの治療法は、聴力の悪化、顔面神経まひなど合併症に関して長所と短所があり、専門医の説明をよく聞いて選択します。

聴神経腫瘍は比較的ゆっくり成長する良性腫瘍であるため、高齢者で腫瘍が小さい場合には治療を行わずに経過をみることもあります。

🇬🇦調節緊張性近視

目の疲労によって、一時的に近視と同じ症状を生じる状態

調節緊張性近視とは、目の中の毛様体筋の持続的緊張が起こり、近視と同じ症状を生じるに至った状態。仮性近視、偽(ぎ)近視とも呼ばれ、近視に含めない考えで単に調節緊張とも呼ばれます。

目には、近くを見る時に網膜上に正しく焦点を合わせるため、毛様体筋を働かせて水晶体を厚くし、屈折を強くする調節力が備わっています。子供などが試験前の猛勉強や読書、テレビ、コンピューターゲームなどで、近い距離に長時間視点を合わせた場合には、毛様体筋の緊張が続いて一時的に水晶体が元の厚さに戻りにくくなり、軽い近視と同じ調節緊張性近視になります。文字や画面との距離の近すぎのほか、照明や姿勢の不良も原因となり、軽い遠視がある子供がなりやすい傾向があります。

子供の調節緊張性近視は、あまり長時間近くを見ないように心掛けるだけで、いずれは治ります。しかし、調節緊張性近視を放置して、同じような目に悪い生活習慣を続けると、症状はますます悪化して本当の近視になります。

調節緊張性近視にもかかわらず、眼鏡やコンタクトレンズを使用してしまった際にも、毛様体筋の緊張がなく、水晶体が薄くても楽に近くが見えるような目に適応し、本当の近視になります。学校の健康診断などで視力の低下が指摘された時は、すぐに眼鏡やコンタクトレンズを作る前に、まずは眼科で正確な屈折検査を受け、本当の近視なのか一時的な調節緊張性近視なのかを調べることが大切です。

授業の合間に行われることが多い学校の健康診断の場合は、教科書などの近くの文字を見た後にすぐ目の検査をすることになり、調節力が大人より強い子供では近くにピントがあったままになってしまい、遠くが見えない調節緊張性近視を生じていることもある点に、留意が必要です。

大人になると、毛様体筋の緊張が長時間続きにくくなるため、調節緊張性近視は起こりにくくなります。ただし、パソコンを始めたりして目を酷使すると、大人でも調節緊張性近視になりやすいので注意が必要です。時々、パソコン作業を中止して目を休めたり、遠くを見る必要があります。

調節緊張性近視の検査と診断と治療

子供の近視が増えている時勢ですが、子供の近視は大人の近視と違い、一時的な調節緊張性近視(仮性近視)の場合があります。視力が低下したからといって、すぐに眼鏡やコンタクトレンズを使用するのではなく、本当の近視なのか一時的な調節緊張性近視なのかを眼科で検査する必要があります。

眼科では、裸眼視力の測定、機械による屈折力の測定、眼鏡をかけての矯正視力の測定を行います。機械による屈折検査で近視がみられ、これを矯正する眼鏡をかけて視力が1・0以上あれば、近視です。調節をまひさせる点眼薬をさして、もう一度屈折検査を行い、屈折度が1D(ディオプター)以上遠視側、すなわち近視度が少ない方向に変化すれば、調節緊張性近視と診断されます。

わざとピントが合わないようにした眼鏡を20分ほどかけて、調節ができない状態から調節緊張性近視を診断する雲霧(うんむ)法が行われることもあります。

調節緊張性近視と診断されると、ミドリン、もしくはサンドールという調節をまひさせる点眼薬を処方されます。この点眼薬を何日か寝る前にさすことにより、寝ている間に目の回りの筋肉である毛様体筋がリラックスし、近視が改善することがあります。ミドリンは本来、眼底を検査するために用いられる薬ですが、硬くなった毛様体筋を緩めることを目的に、濃度を薄めて用いられています。

調節緊張性近視ではない軽度近視の始まりの場合は、調節をまひさせるミドリンの点眼で近視を改善することは困難なものの、進行を遅らせる可能性はあります。しかし、教室の黒板の字が見えにくいなどの不都合が生じた時点で、眼鏡やコンタクトレンズを作ることになります。

調節緊張性近視の進行を予防する一般的な注意事項としては、悪い姿勢や暗い照明の下で、勉強、読書、ゲームなどをしないことです。目に疲れが出たら、こまめに目薬を点眼するのも効果的です。そのほか、ブルーベリーなどのサプリメントの効果が期待できるのも調節緊張性近視の特徴ですので、積極的に服用します。ブルーベリーに含まれるアントシアニンは、視覚機能を高めるということから、近年とても注目されているところです。

2022/08/09

🟥東京都で2万9115人が新型コロナ感染 死亡20人、重症40人

 東京都は9日、都内で新たに10歳未満から100歳以上の2万9115人が新型コロナウイルスに感染していることを確認したと発表しました。

 1週間前の火曜日より1727人減り、4日続けて前の週の同じ曜日を下回りました。9日までの7日間平均は3万904人で、前の週(3万2009人)の96・5%となり、3日連続で100%を下回りました。

 新規感染者を年代別にみると、20歳代が5280人と最も多く、30歳代が5086人、40歳代が5051人と続きました。65歳以上の高齢者は2925人でした。

 ワクチンの接種状況別では、2回接種済みが1万8842人、未接種は4957人でした。

 9日時点の重症者用の病床使用率は前の日から0・4ポイント下がって33・6%、全体の病床使用率は8日と同じ58・3%。人工呼吸器か体外式膜型人工肺(ECMO<エクモ>)を使っている重症の患者は、8日より1人増えて40人でした。

 一方、都は、感染が確認された20歳代と50歳代から100歳以上までの男女合わせて20人が死亡したことを発表しました。

 東京都の累計の感染者数は243万5861人となり、累計の死者数は4787人になりました。

 東京都の担当者は、「感染者数は極めて高い水準で推移していることに変わりはない」との認識を示しました。

 東京、埼玉、千葉、神奈川の1都3県は9日午後、夏休み期間中の感染拡大を防ぐため共同メッセージを出しました。

 混雑する場所や時間帯をできるだけ避けることや高齢者と会う時は正しくマスクを着用すること、重症化リスクや症状に応じて検査・診療を受けることなどを改めて訴えました。

 東京都は現在、6つの主要な駅などに無料の検査場を臨時で設置しており、旅行や帰省の前後に活用してほしいと呼び掛けています。

 2022年8月9日(火)

🟥救急搬送困難、2週連続で過去最多 7日までの1週間に6589件

 新型コロナウイルスの感染が拡大する中、7日までの1週間に、救急患者の受け入れ先がすぐに決まらない「搬送が困難な事例」は6589件と、2週連続で過去最多となったことが総務省消防庁のまとめでかりました。

 総務省消防庁は、救急患者の搬送先が決まるまでに病院への照会が4回以上あったケース救急搬送困難事案は、救急隊が医療機関に救急患者の受け入れが可能かを4回以上問い合わせ、現場に30分以上とどまったケースを「搬送が困難な事例」として、県庁所在地の消防本部など全国の52の消防機関の報告をもとに、2020年4月から1週間ごとに集計しています。

 7日までの1週間は6589件で、第7波を受けて過去最多となった前の週から282件(4%)を上回り、2週連続で過去最多となりました。

 これは、第6波で最多だった今年2月の6064件より500件余り多く、新型コロナウイルスの感染拡大前に当たる2019年の同じ時期の約5倍となっています。

 このうち、新型コロナウイルスの感染が疑われるケースも全体の43%の2873件で、3週連続で最多を更新しました。

 「搬送が困難な事例」を地域別にみると、東京都が2900件、大阪市が552件、横浜市が456件、千葉市が270件、さいたま市が238件、名古屋市が179件、福岡市が174件、神戸市が171件、札幌市が160件、京都市が153件、仙台市が147件、広島市が107件などとなっています。

 新型コロナウイルスの感染拡大前に当たる2019年の同じ時期と比べると、東京都で5・5倍、大阪市で3・52倍、横浜市で9・91倍、千葉市で4・35倍、さいたま市で7・21倍、名古屋市で14・92倍、福岡市で29倍、神戸市で9倍、札幌市で4・21倍、京都市で9倍、仙台市で3・13倍、広島市が4・28倍などとなっています。

 このほか、大都市と比べると件数は多くないものの、全国各地で搬送困難な事例が感染拡大前に比べて増えています。

 総務省消防庁は、「厳しい状況が続いている。今後の動向を注視し、厚生労働省と連携しながら対応していきたい」としています。

 2022年8月9日(火) 

🟥COP30、合意文書採択し閉幕 脱化石燃料の工程表は見送り

 ブラジル北部ベレンで開かれた国連気候変動枠組み条約第30回締約国会議(COP30)は22日、温室効果ガス排出削減の加速を促す新たな対策などを盛り込んだ合意文書を採択し、閉幕した。争点となっていた「化石燃料からの脱却」の実現に向けたロードマップ(工程表)策定に関する直接的な記述...