2022/08/11

🇩🇪仮面高血圧

医療機関の診察室で医師が測ると正常血圧なのに、病院以外のふだんは高血圧の病態を、「隠された高血圧」、「正常血圧という仮面をつけた高血圧」という意味で「仮面高血圧」と呼びます。

仮面高血圧は発見しにくく、治療もされない状態が続くため、将来、「持続性高血圧」と同等に脳卒中、心筋梗塞(こうそく)などになるリスクが高い病態として、近年、非常に注目されています。

誰でも簡単に計れる電子血圧計が家庭に普及したことや、持続血圧モニタリング装置で24時間血圧の測定が可能になったことで、仮面高血圧の存在が予想以上に多いことがわかってきたのです。中には健康上、無視できないほどに高い値の人もいます。

結局、医師が外来診察室で測定した血圧データは、必ずしも受診者の平常時の血圧を反映したデータではないのです。時には、治療すべき患者が見逃されていたり、時には、不必要な治療が行われたりする可能性が生じます。

医療機関で測った外来血圧と平常時の家庭血圧が異なるわけは、人間の血圧というものが気持ちや、環境に大きく左右されるからです。

仮面高血圧になるきっかけとして、いくつかの原因が挙げられます。一つはタバコで、タバコを吸うと間違いなく血圧が上昇します。病院の中や、医師による検診中は吸えませんので、受診者の血圧は正常の値まで下がります。

しかし、ヘビースモーカーなら、タバコを吸っている時の血圧のほうが、その人にとってのふだんの血圧です。外来血圧が低く出たからといって、正常ではなく、本来は薬物療法の対象となるべき人です。

ヘビースモーカーのほか、仕事に追われているハードワーカー、仕事と家事を両立して多忙な主婦、ストレスを感じやすい人などの例では、診察の待ち時間にリラクゼーション効果があるため、診察時の血圧が低く出てしまう場合があります。

日本人の高血圧の一因は、塩分の取りすぎだといわれています。塩分を控えめにすることが、まず肝心です。

現在の指導では、塩分の摂取量を1日6グラムまでに抑えるのが、理想だとされています。日本人は10グラム以上の塩分を摂取していますから、かなり減らす必要があります。 

加工食品を控えて、調味料を少なくすることが大切。加工食品にはナトリウム量が表示されていますが、2・5倍すると塩分量になります。

肥満は、血圧に悪影響をおよぼします。運動を行って、体重を減らすように心掛けましょう。

高血圧の人には、ゲーム性の高いスポーツや、激しい運動は不向きです。ウオーキングやサイクリングなど、穏やかな運動がお勧めです。まずは一駅ぶん歩くなど、身近なことから始めてみましょう。

冬場は、外気温と体温の差が大きい上、塩辛いものを食べがちなので、高血圧には危険な季節となります。気温の大きな変化には、十分に注意しましょう。

冬季の風呂場での心臓発作は、高血圧も関係があります。特に高齢者は、注意が必要です。

逆に秋は、気候が穏やかで、健康管理に適しています。秋の間に、体重を落とすための運動を始めるなど、血圧対策をスタートさせるといいでしょう。

🇩🇪仮面ぶどう膜炎

眼内にできる腫瘍により、ぶどう膜炎のような眼内の炎症を起こす疾患

仮面ぶどう膜炎とは、さまざまな眼内腫瘍(しゅよう)により、ぶどう膜炎のような眼内の炎症を起こす疾患。そのため、仮面と名付けられています。

単なるぶどう膜炎は、眼球を覆っているぶどう膜の一部あるいは、すべてが炎症を起こす疾患。ぶどう膜は、眼球の外膜と内膜に挟まれた中間の層で、果物のぶどうの色をしていて、形もぶどうによく似ており、虹彩(こうさい)、毛様体、脈絡膜の3つの部分で構成されています。

ぶどう膜に対する過剰な自己免疫反応や、細菌やウイルスなどによる感染が原因となることがありますが、原因を特定できないこともしばしばで、特発性ぶどう膜炎と呼ばれます。

昔から有名なぶどう膜炎の原因疾患として、ベーチェット病、サルコイドーシス、原田病が挙げられ、3大ぶどう膜炎と呼ばれています。3大ぶどう膜炎はいずれも、目ばかりでなく、それぞれの疾患に特徴的な全身症状が認められます。サルコイドーシス、原田病は自己免疫系の異常が原因で発症し、ベーチェット病は原因不明で、ウイルス説、アレルギー説、自己免疫説などが考えられています。

仮面ぶどう膜炎のほうは、発症頻度としては非常にまれです。原因となるさまざまな眼内腫瘍の中では、特に成人の悪性リンパ腫、悪性黒色腫、小児の網膜芽細胞腫が多く、そのほかに白血病、ほかの臓器からの転移性の眼内腫瘍が原因となる場合もあります。

成人の悪性リンパ腫が原因となる場合は、全身の悪性リンパ腫が眼内に転移してくる場合と、眼から生じてくる原発性の場合の2通りがあります。眼に発生する場合には、脳神経系にも生じていることもあり、脳神経系の症状が先に出てくる場合と、眼の症状が先に出てくる場合とがあります。

仮面ぶどう膜炎の症状は、一般的に初期には自覚症状が軽いことが多いのが特徴です。

小児の場合は、物体が2つに見える斜視と呼ばれる状態や、瞳孔(どうこう)の赤色反射の喪失される白色瞳孔と呼ばれる状態になることがあります。

一方、成人の場合は、視野の中に虫が飛んでいるように見える飛蚊(ひぶん)症や、視界に霧がかかったように見える霧視、光をまぶしく感じる羞明(しゅうめい)感、視力の低下、眼痛、充血などの症状が起こることがあります。

これらの症状は、片目だけの場合や、両目の場合もあり、両目交互に発生する場合もあります。徐々に悪化するものもあれば、一時的によくなり再び悪化するものなどもありますが、仮面ぶどう膜炎の場合、長期にわたり炎症が持続することが多いのが特徴です。

仮面ぶどう膜炎の検査と診断と治療

眼科の医師による診断では、悪性黒色腫や網膜芽細胞腫が原因の場合は、一般的な眼科の検査に加え、瞳孔を開いた散瞳下の精密眼底検査でほぼ判断が可能です。

悪性リンパ腫、白血病、そのほかの腫瘍が原因の場合は、全身を検索するとともに、硝子体(しょうしたい)手術などで得られる組織や細胞のサンプルを病理検査します。また、悪性リンパ腫では、脳神経系の病変の有無を調べるためにCT(コンピュータ断層撮影)検査やMRI(磁気共鳴画像撮影)検査を併用して行います。

これらの検査を行い、疑わしい場合は血液内科、脳外科などの医師と連携して診断を確定します。

眼科の医師による治療では、原因となる腫瘍そのものに対する治療を行います。悪性リンパ腫が原因の場合は、放射線治療の効果が期待できます。抗悪性腫瘍剤のメトトレキサートの硝子体内投与も効果があります。

ほかの臓器からの転移性の悪性リンパ腫である場合は、化学療法が主になります。一方、眼から生じてくる原発性の悪性リンパ腫の予後は、大変不良です。

仮面ぶどう膜炎を予防するためには、根本原因となる悪性リンパ腫や、悪性黒色腫などにならないための対策を行う必要があります。日常的な予防策としては、規則正しい生活と、適切な食事などが挙げられます。

食事では、栄養バランスに気を使う必要があり、特にビタミンAやビタミンCを含む野菜を多く摂取するのも、効果的といわれています。また、食品添加物が使用されている食材を避けることも、賢明です。

ストレスや過労をためることも好ましくはなく、極力ストレスをためない生活を送り、心身ともに十分な休養を取ることも大切です。

🇮🇩ガラクト-ス血症

糖の一種であるガラクトースを代謝する酵素系の障害のために、体内にガラクトースがたまる遺伝的疾患

ガラクトース血症とは、糖の一種であるガラクトースを代謝する酵素系の障害のために、体内に大量のガラクトースがたまる疾患。先天性代謝異常症の一種です。

ガラクトースは乳糖(ラクトース)という糖の構成成分で、乳糖は母乳、ミルクに多く含まれています。ガラクトースとブドウ糖(グルコース)の2種類の糖が結合してできている乳糖は、乳糖分解酵素によってガラクトースとブドウ糖に分解され、小腸で吸収されます。人間は、ガラクトースをそのまま利用できないため、肝臓でブドウ糖に作り変えて利用しています。

このガラクトースをブドウ糖に変換する酵素系の障害により、授乳開始直後から体内に大量のガラクトースがたまって、血液中のガラクトース値が上昇し、尿中にも多量に排出される、いわゆるガラクトース尿がみられ、新生児期あるいは乳幼児期にガラクトース血症を発症します。

健康な人のガラクトースの値は、血液1dℓ中1mg程度ですが、ガラクトースの代謝に異常があると、ガラクトースとその誘導体であるガラクトース1リン酸が体内に蓄積し、さまざまな症状が現れます。

ガラクトース血症は、ガラクトースの代謝のどの過程に異常があるかにより、ガラクトース血症Ⅰ型(トランスフェラーゼ欠損症)、ガラクトース血症Ⅱ型(ガラクトキナーゼ欠損症)、ガラクトース血症Ⅲ型(エピメラーゼ欠損症)の3つに分類され、いずれも常染色体劣性遺伝の形をとります。

ガラクトース血症は早期発見、早期治療により正常な発育を期待できるため、新生児の集団スクリーニングの実施対象疾患となっており、このスクリーニングで発見される頻度は、ガラクトース血症Ⅰ型が100万人に1人、ガラクトース血症Ⅱ型が50万人に1人、ガラクトース血症Ⅲ型は10万人に1人とされています。

最も症状の重いのは、ガラクトース血症Ⅰ型です。ガラクトース1リン酸ウリジルトランスフェラーゼ、略称トランスフェラーゼという肝臓の酵素が欠けているために、血液中のガラクトースとガラクトース1リン酸の量が増加するタイプで、尿中に多量のガラクトースが排出されてきます。

ほとんどの新生児で、生後2週間以内に授乳力低下、嘔吐(おうと)、下痢などの消化器症状が現れ、体重の増加が悪くなります。低血糖がみられ、肝臓がはれ、黄疸(おうだん)が長引き、肝機能障害がみられます。細菌が感染しやすく、敗血症、髄膜(ずいまく)炎などで重症になることが多いといわれています。

このまま授乳を続けると、肝障害が進行し、肝硬変になります。この結果、肝臓で作られる出血を止める成分が欠乏し、体のあちらこちらに内出血が起こるようになります。腎臓(じんぞう)にも影響が現れ、アミノ酸尿が起こるようになります。

新生児のころから目が白内障となり、脳浮腫(ふしゅ)が起こって、筋肉の緊張が低下します。乳児期以降まで治療が行われないと、知能や運動機能の発達が遅れます。

ガラクトース血症Ⅱ型は、ガラクトキナーゼという肝臓の酵素が欠けているために、血液中のガラクトースの値が上昇し、尿中に大量に排出されるものの、ガラクトース1リン酸の血液中の値は上昇しないタイプ。

起こる障害は目の白内障だけで、ガラクトース血症Ⅰ型のような低血糖、黄疸、知能や運動機能の障害などは起こりません。

ガラクトース血症Ⅲ型は、赤血球に含まれるエピメラーゼという酵素が欠損しているために、赤血球中のガラクトース1リン酸の値が上昇し、ガラクトースの値は正常なタイプ。

新生児の集団スクリーニング検査が開始されてから見付かるようになった疾患で、かなりの頻度で発見されています。しかし、肝機能障害や白内障などの障害は起こらず、通常無症状とされています。

これは、エピメラーゼが欠損しているのは赤血球だけで、肝臓などのほかの臓器や組織でのトランスフェラーゼやガラクトキナーゼの活性には異常がみられないためといわれています。

ガラクトース血症の検査と診断と治療

ガラクトース血症は、新生児の集団スクリーニングという集団検診の対象疾患になっています。具体的なスクリーニングの流れは、まず産科医療機関で生後4~7日目の新生児のかかとからごく少量の血液をろ紙に採り、スクリーニングセンターに郵送します。

スクリーニングセンターでは、ペイゲン法、ボイトラー法、藤村法などを組み合わせた検査で、血液中のガラクトースとガラクトース1リン酸の量とともに、赤血球のトランスフェラーゼなどの酵素の活性を測定するなどして、ガラクトース血症を発見しています。

結果に異常のある場合、小児科の医師による診断で、精密検査が行われます。血液中や尿中のガラクトースは新生児の肝臓病や血管の奇形、他の代謝異常症でも高値になることがあるので、最終的な診断には酵素活性を測定して、それが低下していることを確かめます。

小児科の医師による治療は、ガラクトース血症Ⅰ型、ガラクトース血症Ⅱ型ではガラクトース、すなわち乳糖を食事から除去することが原則で、乳糖を除去した無乳糖乳や豆乳を用います。

治療としては、母乳ならびに保育用ミルクの投与を中止し、無乳糖乳や豆乳(市販名ボンラクト、ラクトレス、ラクトースフリーなど)を用いることによって、大部分は症状が軽快します。

離乳食が始まると、乳製品はもちろんのこと、乳糖を含むさまざまな食品を除去する必要があります。3歳ぐらいになるとガラクトース代謝を代行する代謝経路ができるので、2歳までは厳密に行い、5歳以降は普通食でもよいとされています。

しかし、早期の治療が行われたとしても完全にコントロールすることが難しい場合は、乳糖やガラクトースの制限は生涯続けることが必要で、中断すると再び症状が現れてきます。

また、この疾患の経過は必ずしも順調とはいえず、食事療法を厳格に行っているのに、心身の発育に遅れや神経症状が出現したり、女児の場合は卵巣の障害などが出現したりすることもあります。従って、代謝を専門とする医師の定期的な診察を受けることが大切です。

ガラクトース血症Ⅲ型では、治療の必要がないとされ、食事療法も必要ありません。ただし、ガラクトース血症Ⅰ型と同じ障害を起こすケースもあるという報告もあるので、代謝を専門とする医師の一定期間の経過観察が必要です。

🇮🇩空の巣症候群

中高年の専業主婦が陥りやすい心身の不安定な状態

空(から)の巣症候群とは、40歳代後半から50歳代の専業主婦が陥りやすい心身の不安定な状態。エンプティネストシンドローム(empty nest syndrome)とも呼ばれます。

生きがいだった子供たちが大学進学や就職で一人暮らしを始めたり、結婚などで巣立っていき、独り家庭に取り残された専業主婦が、母親としての役割をなくした孤独感や、生きがいを失った虚無感を感じて、新たな生きがいを見付けられずに、抑うつ感などにとらわれて心身の不調を覚える状態です。

この時期の女性は更年期でもあり、夫が仕事で家にいる時間が少なかったり、単身赴任で不在だったりという他の要因とも重なりやすいので、空の巣症候群になりやすい時期に相当します。

子育てに熱心だった良妻賢母型の専業主婦、内交的で近所付き合いがあまり好きではない性格の人、特に趣味を持たずに一日中家にいて家事をやっていることが多い人、外に出るよりも家にいるほうが好きな人に、空の巣症候群になりやすい傾向があります。

心の不調に加えて、頭痛、肩凝り、胸苦しさ、吐き気、食欲低下、不眠などの身体症状を伴うことが多く、誤診されやすいのも空の巣症候群の特徴です。日常的に襲うむなしさや自信喪失、不安から逃れるために、手近にある酒に頼ってキッチンドランカーになり体を壊すケースもあります。夫が定年退職して退職金をもらうのと同時に、妻が離婚を宣言するといったほうに展開していくこともあります。

まずは何も考えずにゆっくりと休むのが、何よりの薬です。子供はいずれ育っていくものと考え、新たに趣味や習い事を始めたり、地域の集まりや行事に積極的に参加し、子供以外の生きがいを見付けたいものです。

夫との絆(きずな)の弱さも要因として指摘されていますので、夫とのコミュニケーションを増やして、第二の人生を夫婦で楽しく過ごせるようにあらかじめ人生設計を立て、共通の趣味を見付けてゆくのもよいでしょう。

状態が悪い時には医療が必要で、薬が効果的です。心療内科やメンタルクリニックを受診し、じっくりと話して自分を見詰め直すのも、空の巣症候群を改善する大切な方法です。

🇮🇩顆粒球減少症

白血球の中の顆粒球が減少し、発熱、のどの痛みが発現

顆粒(かりゅう)球減少症とは、白血球の中の顆粒球が正常値の下限以下に減少する疾患。顆粒球の正常値下限は、1マイクロリットル中に2000です。

白血球には、顆粒球、リンパ球、単球の3つの種類があります。この内、顆粒球が白血球の約60パーセントを占めます。また、顆粒球はさらに、好中球、好酸球、好塩基球の3つに分類されます。顆粒球減少症では、顆粒球の中でも特に好中球が急激に減少します。

顆粒球の主要な役割は、感染症に対する防御です。体内に侵入してきた異物を取り込んで処理する機能があり、好中球を始めとする顆粒球が不足すると、体の防衛機能が低下してしまいます。とりわけ、顆粒球が1000以下、特に500以下に減って、血液中の白血球がほとんどリンパ球だけになると、感染症にかかる危険が大きく、いったん発生すると重症になりがち。治療の上で問題となるのは、このように高度の顆粒球減少症で、無顆粒球症とも呼びます。

顆粒球減少症はインフルエンザ、肝炎、粟粒(ぞくりゅう)結核などの感染症や、再生不良性貧血などの造血器疾患に際しても生じますが、無顆粒球症は化学的物理的原因、特に医薬品によって生じた場合を指します。

医薬品の中には、抗がん剤のように一定量以上を使えば、必ず無顆粒球症をもたらすものがある一方、使用者全体からみると、ごく一部の人にのみもたらすものがあります。ある種の解熱剤、消炎剤、抗甲状腺(せん)剤、利尿剤、抗生物質なども、無顆粒球症の原因になります。

これらの医薬品が顆粒球を減少させる原因としては、アレルギーによる顆粒球の崩壊と、骨髄抑制に基づく顆粒球産生減少の二つが考えられます。

顆粒球減少症の症状は、突然の震えを伴った高熱で始まり、扁桃(へんとう)や咽頭(いんとう)に炎症が起こります。ひどくなると、潰瘍(かいよう)や壊死(えし)が生じます。潰瘍は急激に進行する傾向があり、痛みを生じます。感染症にもかかりやすくなり、肺炎や敗血症になることもあります。高齢者の場合は、なかなか治りにくい傾向がありますが、若年者では比較的経過は良好のようです。

顆粒球減少症の検査と診断と治療

顆粒球減少症に気が付けば、因果関係が疑われる医薬品の使用を直ちに中止します。そして、軽症の場合は自然に回復するのを待ちます。

発熱を伴う中等症、重症の場合は、直ちに治療を開始し、感染症に対して十分な措置を講じなければなりません。無菌ベッドへ収容して、細菌などの外部侵入を防ぎ、抗生物質の投与や、好中球の減少を抑えるGーCSF製剤の投与をしつつ、血液検査をして白血球の推移を見守るというのが、一般的な治療法です。

抗生物質の投与にもかかわらず発熱が7日間以上持続し、治療に対して反応不良であれば、顆粒球輸血も考慮されます。

2022/08/10

🟥国内の新型コロナ感染、過去最多25万403人 20の道県で最多更新

 国内では10日午後6時15分の時点で、東京都で3万4243人、大阪府で2万3730人、愛知県で1万8862人、埼玉県で1万3035人、神奈川県で1万2965人、福岡県で1万2260人、兵庫県で1万2254人など全47都道府県と空港検疫で、新たに25万403人の新型コロナウイルスへの感染が発表されました。

 これまでで最も多かった今月3日を上回り過去最多となりました。また、全国20の道県で最多となっています。

 1日当たりの新規感染者は3日の約24万9700人を上回り、過去最多となりました。青森や岩手、宮城、鳥取、徳島、高知、宮崎など地方を中心に20道県で過去最多となっています。

 また、大阪府で33人、神奈川県で25人、愛知県で23人、千葉県で20人、福岡県で18人、東京都で17人、兵庫県で11人、埼玉県で11人、静岡県で10人など計251人の死亡の発表がありました。

 国内で感染が確認された人は、空港検疫などを含め1490万2675人、クルーズ船の乗客・乗員が712人で、合わせて1490万3387人となっています。

 感染して亡くなった人は、国内で感染が確認された人が3万4377人、クルーズ船の乗船者が13人で、合わせて3万4390人です。

 厚生労働省によりますと、新型コロナウイルスへの感染が確認された人で、人工呼吸器や集中治療室などで治療を受けるなどしている重症者は、前日より16人増えて10日時点で597人となっています。

 一方、大阪府は10日、新型コロナウイルスの新たな感染者を2万3730人確認したと発表。感染者数は前週同曜日(2万4038人)と比べ308人減りました。府内の感染者の累計は156万8312人。

 新たに50~90歳代の男女33人の死亡が判明し、府内の累計死者数は5558人。

 10日時点の重症者は前日から3人減の71人で、重症病床(599床)の同日の実質使用率(重い持病などを抱える軽症・中等症患者らを含む)は23・5%になりました。軽症・中等症病床には3041人が入院しており、軽症・中等症病床(4229床)の使用率は71・9%となりました。

 新規感染者のうち、感染者と同居して症状があり、PCR検査を受けずに医師の診断で陽性と判断された濃厚接触者は767人でした。自宅療養者は14万7330人。公費によるPCR検査などを3万6741件実施しました。

 2022年8月10日(水)

🟥東京都、新たに3万4243人が新型コロナに感染 1週間前より4697人減少

 東京都は10日、都内で新たに10歳未満から100歳以上の3万4243人が新型コロナウイルスに感染していることを確認したと発表しました。

 1週間前の水曜日より4697人減り、5日続けて前の週の同じ曜日を下回りました。10日までの7日間平均は3万233人で、前の週の90・5%となり、4日連続で100%を下回りました。

 新規感染者を年代別にみると、30歳代が6317人と最も多く、40歳代が5971人、20歳代が5681人と続きました。65歳以上の高齢者は3825人。

 ワクチンの接種状況別でみると、2回接種済みが2万2313人、未接種は5640人でした。

 病床使用率は57・9%。また、都が緊急事態宣言の要請を判断する指標を30~40%としている重症者用病床使用率は36・7%。「人工呼吸器か体外式膜型人工肺(ECMO<エクモ>)を使用」とする都基準の重症者数は、前日と同じ40人でした。

 一方、都は、感染が確認された40歳代と70歳代から100歳以上までの男女合わせて17人が死亡したことを発表しました。

 東京都の累計の感染者数は247万104人となり、累計の死者数は4804人になりました。

 2022年8月10日(水)

🟥COP30、合意文書採択し閉幕 脱化石燃料の工程表は見送り

 ブラジル北部ベレンで開かれた国連気候変動枠組み条約第30回締約国会議(COP30)は22日、温室効果ガス排出削減の加速を促す新たな対策などを盛り込んだ合意文書を採択し、閉幕した。争点となっていた「化石燃料からの脱却」の実現に向けたロードマップ(工程表)策定に関する直接的な記述...