2022/08/12

🟦アメリカCDC、新型コロナ対策緩和 ワクチン未接種でも濃厚接触者の隔離不要

 アメリカの疾病対策センター(CDC)は11日、新型コロナウイルスに関するガイドラインを更新し、ワクチンの接種状況にかかわらず感染者と濃厚接触した人の隔離を不要とし、代わりに一定期間、高性能マスクの着用を推奨すると発表しました。

 アメリカでは7月中旬以降、1日に報告される新型コロナウイルスの感染者は平均で約10万人余り、死者の数は400人ほどで推移しています。

 こうした中、CDCは11日、新型コロナウイルスへの対応を示したガイドラインを更新しました。

 この中で、感染者と濃厚接触した人について、これまではワクチンの接種状況によっては一定期間、隔離を求めていましたが、これを緩和して症状がない人は隔離を不要とし、代わりに最後に接触してから5日間空けて検査を受け、10日間は高性能のマスクを着用するよう推奨する内容に変更しました。

 一方、検査で陽性が確認された人は少なくとも5日間の隔離を推奨し、症状があるものの検査結果が出ていない人は結果が出るまでは隔離を求めています。

 また、ソーシャルディスタンス(社会的距離)に関しても「自身や周囲の人々を守る手段の1つに過ぎない」と推奨のレベルを下げ、地域の感染状況や換気設備の有無などを考慮して必要性を判断すべきだとしました。

 今回の変更についてCDCは、「ワクチンや治療法など、重症化を防ぐ手段はいくつもあり、リスクは大幅に減少している。パンデミックはまだ終わっていないが、新型コロナによって日常生活が大きく混乱することがないよう、今回の変更を行った」としています。  ただ、3回目の接種を終えたのは5歳以上の約48%にとどまるなど、ワクチンの接種促進はアメリカ政府の思惑通りには進んでいません。50歳以上が対象になっている4回目の接種も、対象者の3割程度しか受けていません。

 2022年8月12日(金)

🟦新型コロナ重症化にかかわるタンパク質を確認 慶応大などの研究チーム

 新型コロナウイルスに感染し、重症になった人では、免疫の制御にかかわる遺伝子が作るタンパク質の量が少なくなっていたとする分析結果を、慶応大学などの研究チームが発表しました。このタンパク質を活性化する薬剤が見付かれば、新たな治療法になる可能性があるとしています。

 この研究は、慶応大学の福永興壱教授や大阪大学の岡田随象教授らの研究チームが科学雑誌の「ネイチャー」に発表しました。

 研究チームは、ゲノムワイド関連解析という手法で新型コロナの感染者などの遺伝子のデータを分析した結果、免疫の制御にかかわる「DOCK2」と呼ばれる遺伝子の領域に変異があると重症化のリスクが高いことを確認しました。

 実際に、重症の患者では重症化しなかった患者に比べてこの遺伝子の発現が低下していたことがわかりました。

 また、重症化して亡くなった人の肺の組織を調べたところ、この遺伝子が作るタンパク質の量が少なかったということです。

 その上で、新型コロナに感染したハムスターでこのタンパク質の働きを抑える実験を行った結果、体重が減少したり、重い肺炎にかかったりして重症化したということです。

 研究チームは、このタンパク質の働きの低下が重症化にかかわっていることが確認できたとしています。

 福永教授は、「このタンパク質を活性化させる薬剤が、新たな治療薬となる可能性がある」と述べています。

 2022年8月12日(金)

🟦早期の大腸がん、内視鏡治療「ESD」で再発ほぼなく5年生存率約94% 国立がん研究センターが発表

 国立がん研究センターは、転移するリスクの低い早期の大腸がんは大きさが2センチメートル以上でも内視鏡治療で再発リスクを抑えられるとの研究結果を発表しました。電気メスでがんを切除する内視鏡治療「ESD」の効果を確かめたもので、外科手術に比べて生活の質を高く保ちやすく、早期大腸がんの標準的な治療法になる可能性があるとしています。

 国内の医療機関で「ESD」を受けた早期大腸がん患者で、がん組織の大きさが2センチ以上だった約1700人を対象に、手術後5年間の生存率や治療箇所近くでの再発率、腸管を手術せずに温存できた確率を調べました。

 5年生存率は約94%と高く、治療時に再発リスクがないと判断された人で大腸がんにより死亡した人はいませんでした。がんが再発した人は8人と0・5%にとどまり、全例で内視鏡による追加治療が可能でした。腸管を温存できた確率も約89%と高くなりました。ただ、治療後に再発とは異なる新たな大腸がんを発症した例が1%あったことから、定期的な経過観察が重要としています。

 早期の大腸がんはがん組織が粘膜や粘膜下層の浅い部分にとどまるため、転移の危険性が低く、内視鏡治療などで切除すれば根治が期待できます。

 内視鏡治療には円形のワイヤでがんを切除する「EMR」というタイプもあり、「ESD」よりも簡単で治療時間も短くすみます。ただ、がんが2センチより大きいと分割して切除することになるため取り残しやすく、10~20%が再発するとされます。一方、外科手術はがんを残さず切除しやすいものの、患者の負担が大きく、術後の生活の質に影響しやすくなります。

 国立がん研究センター中央病院の斎藤豊・内視鏡科長は、「患者の負担が小さいESDで多くの人が完治することがわかった。早期のがんが適用なので検診を受診し、なるべく早くがんを見付けることが重要だ」と話しています。

 2022年8月12日(金)

🇮🇪偽膜性腸炎

抗生物質の投与後に、水のような便が出る下痢が発生

偽膜性腸炎とは、何らかの疾患のために抗生物質を投与されている人に現れる急性腸炎。偽膜とは、大腸粘膜に発生するうみの固まりです。

基礎疾患のある高齢者に多くみられ、抗生剤を投与された5〜10日後に、水のような便が出る下痢に見舞われます。大量の粘液を含んだ便が出たり、その中に血液が混じっていることもあります。腹鳴、下腹の鈍痛、腹部膨満感、中等度の発熱も伴います。ひどい場合には、複数の症状を起こし、ショック状態になることもあります。

偽膜性腸炎を起こす薬剤としては抗生剤が最も多く、そのほか非ステロイド性消炎鎮痛剤、抗がん剤、免疫抑制剤、重金属製剤、経口避妊剤などの薬剤も誘因となることがあります。

原因としては、疾患に対する治療を目的に投与された抗生物質、特にセフェム系やリンコマイシン系の抗生物質がその目的に反する副作用として、腸内細菌のバランスの乱れが引き起こし、ディフィシル菌が異常増殖し、それが作る毒素が大腸粘膜の循環障害を引き起こすとされています。

抗生物質は微生物を原料にして作られた薬剤で、副作用は少ないのですが、人によってはアレルギー反応が起きたり、発疹(はっしん)、のどの渇き、めまいなどの症状が現れることもあります。

偽膜性腸炎の検査と診断と治療

何か薬剤を服用している期間中に、思い当たる原因もなく腹痛や下痢、発熱が続くような症状が現れたら、内科、消化器科、胃腸科の担当医に相談します。

医師による診断では、まず、抗生物質の投与歴を確認します。あれば、抗生物質の内容も確認します。次いで、便中のディフィシル菌毒素の検出や便の培養検査を行います。

大腸内視鏡検査を行うと、大腸粘膜に、黄白色で半球状に隆起したうみの固まりである偽膜が多発しています。偽膜が互いに融合して、地図のような形になっているものもあります。この変化は直腸下端から始まることが多いので、前処置なしに検査できる直腸鏡でも診断することができます。ひどい場合には、偽膜が全大腸に及んでいることもあります。

治療はまず、投与中の抗生物質をすぐに中止すること。次いで、ディフィシル菌に著しい効果を示すバンコマイシン、ないしメトロニダゾール(フラジール)という抗生物質1〜2グラムを5日間投与しますが、1〜2週間で病状は改善します。

時には、内視鏡検査を行うだけで、改善するケースもあります。これは検査によって大腸へ空気が注入されることが、細菌の増殖に何らかの影響を与えるためではないかと考えられています。

🇮🇪脚長差

さまざまな原因により、左右の脚の長さに差がある状態

脚長差とは、左右の脚の長さに差がある状態。脚長不等、下肢長差、下肢長不等とも呼ばれます。

もともと、人間の体は完全な左右対照ではなく、腕などは通常よく使うほうが若干長くなっているのが普通で、左右の脚の長さも正確にいえば、個々人の状態で若干の差はあります。また、足の裏のアーチの低下などによって生じる見掛けの脚長差もあり、左右の脚の骨自体の長さが違う真の脚長差もあります。

脚長差にはさまざまな原因があり、短いほうの脚に問題がある場合も、長いほうの脚に問題がある場合もあります。新生児の時にすでに脚長差がはっきりしている場合もあれば、成長過程で目立ってくる場合もあります。

原因となる疾患としては、先天性脛骨(けいこつ)欠損、先天性腓骨(ひこつ)欠損、先天性大腿骨(だいたいこつ)短縮、先天性股関節脱臼(こかんせつだっきゅう)、片側肥大症、片側委縮症、半肢症、プロテウス症候群、神経繊維腫症(レックリングハウゼン病)、骨髄炎による成長軟骨障害、ペルテス病、成長軟骨損傷、股関節炎、ポリオ、脳性片まひ、二分脊椎(せきつい)、さまざまな良性骨腫瘍(しゅよう)、血管腫、リンパ管腫、変形性関節症、関節リウマチ、大腿骨骨折の後遺症、人工関節や自骨の手術後の後遺症、足部の変形、放射線障害などがあります。

脚長差が3センチ以下では、歩行中に骨盤、体幹、下肢全体の代償運動により、外見的な異常歩行が認められないこともあります。短いほうの脚が地面に接地している立脚時(立脚相)では、立脚側の骨盤が下降傾斜して外見上の脚長差を補い、その骨盤の下降傾斜を脊椎の側屈により代償しているためです。

脚長差が3センチ以上では、歩行中に伴う代償運動で補いきれずに、外見的な異常歩行が認められます。長いほうの脚が地面から離れている遊脚期 (遊脚相)では、股関節と膝(しつ)関節で過度の屈曲、足関節で過度の背屈が生じ、肩が短いほうの脚側に下がり、短いほうの足がつま先立ちとなります。歩行速度を早くすると、肩が左右に揺れる異常歩行が明らかになります。

また、長いほうの脚には、短いほうの脚よりも荷重が大きくかかるため、股関節、膝関節、筋肉の痛みを生じることがあります。骨盤が左右に傾くため、脊椎が変形して腰痛を生じることもあります。

脚長差の検査と診断と治療

整形外科、あるいは形成外科の医師による診断では、X線(レントゲン)検査を行い、左右の脚の骨長や変形の程度を計測します。X線検査では肢位やX線照射角による誤差が生じるため、CT(コンピュータ断層撮影)検査による計測を行うこともあります。

整形外科、あるいは形成外科の医師による治療では、一般的に1センチ未満の脚長差は放置します。1〜3センチの脚長差に対しては、靴の中に入れる中敷き(足挿板)で高さの補正を行う補高、あるいは靴の底で高さの補正を行う補高などを行います。3センチを超える脚長差に対しては、手術による脚長補正を行います。

もちろん原因となっている疾患、発症者の希望により、対応はケースバイケースです。

中敷きや靴による補高では、左右の脚の差分を単純に補高すればよいというものではなく、調整には工夫を必要とします。補高した状態で左右の骨盤の高さが同じになるのが望ましい状態ですが、脚長差がありすぎる場合にいきなり同じ高さにするとバランスを崩しやすくなるため、徐々に高さを合わせるようにします。

また、4~5センチの脚長差を靴によって補高する場合は、その高くなったぶん不安定になり捻挫(ねんざ)や転倒の原因になりやすいため、踵(かかと)部分をフレアースカートのように着地面に向かって広げていくフレアーヒール加工を用いるなど、安定性を考慮した構造の靴加工を行います。ふだんの靴のほかに、スポーツシューズ、サンダル、下駄(げた)なども補高できます。

手術による脚長補正には、主に長いほうの脚に問題がある場合に行う骨短縮術、あるいは成長軟骨抑制術(成長軟骨固定術)と、主に短いほうの脚に問題がある場合に行う骨延長術(脚延長術)があります。

骨短縮術は、骨をそのまま切除する方法です。成長軟骨抑制術(成長軟骨固定術)は、成長期の子供の骨に存在する成長軟骨をステープルという金属で一時的に抑制したり、完全に停止したりする方法です。将来の脚長差を計算して予測し、どのタイミングで手術を行うかがポイントとなります。

骨延長術(脚延長術)は、リング型(イリザロフ)、あるいは単支柱型(オルソフィクス)の創外固定器を用いて、骨を延長する方法です。原理としては、手術的に骨を切り、その部位にできた仮骨と呼ばれる軟らかい骨を創外固定器により、徐々に引っ張っていきます。

下肢短縮を伴う先天奇形などの疾患に対し有効であり、変形を伴う場合でもこれを矯正しながら、骨を延長を行うことも可能です。欠点としては、延長に時間がかかること、創外固定器のワイヤーが皮膚の外に出ているために感染を起こしやすいことなどが挙げられます。

🇮🇪逆流性食道炎

胃液、十二指腸液の逆流による、食道粘膜の炎症

逆流性食道炎とは、胃液、十二指腸液の食道への逆流によって、食道の内面を覆う粘膜に炎症が起こった疾患。炎症が粘膜の下にまで深く及び、強いただれの起こった食道潰瘍(かいよう)も、本質的には食道炎に含みます。

正常な人では、胃の入り口である噴門が閉じて、胃の内容物の食道への逆流を防いでいます。たとえ胃液、十二指腸液の多少の逆流があっても、食道の収縮運動で再び胃内へ戻す働きもあります。

しかし、手術で胃を全部切除した人は噴門の働きがなく、胆汁の逆流によるアルカリ食道炎を起こします。食道裂孔ヘルニアなどの疾患があると、寝たり、前かがみになったり、食事をした後には、胃液が食道へ逆流して食道炎が起こります。

膠原(こうげん)病の合併症としてのものや、胃・十二指腸潰瘍(かいよう)でピロリ菌の除菌治療後に発症することもあります。しかし、逆流性食道炎の大部分は、胃酸逆流によるものです。

この胃酸逆流によるものは、胃食道逆流症(GERD)とも呼ばれ、食道裂孔ヘルニアがなくても起こります。高齢者に多く、近年増加しつつあります。

症状としては、胸焼け、胸痛が主なもので、狭心症と似ていることもあります。また、早朝の咽頭(いんとう)部の不快感、せきなどもあり、気管支ぜんそくにも似ていることがあります。重症になると、嚥下(えんげ)障害を起こすこともあります。

食道炎が慢性に経過すると、障害された食道粘膜上皮がなくなり、胃粘膜上皮で覆われることがあり、バレット上皮食道と呼ばれます。ここには食道がんが発症しやすく、注意が必要です。

逆流性食道炎の検査と診断と治療

逆流性食道炎の診断に際しては、内視鏡検査が最も重要な検査の一つで、特徴的な内視鏡像を呈します。しかし、近年、内視鏡検査でも診断のつかないケースがしばしばあることがわかったため、半日ないし1日の食道内の酸度を連続測定する24時間PH(ペーハー)モニターという方法を行うことがあります。

そのほか、逆流を防ぐ噴門の働きや、逆流した胃液を再び胃内へ戻す収縮力が、どのくらいのレベルまで低下しているかを詳しく調べる食道内圧測定もあります。

逆流性食道炎の治療では、胃酸分泌を抑える薬が効果的。症状が長引いてる場合には、逆流をしないように手術をしなければならないこともあります。

日常生活における注意としては、脂肪食の制限、禁煙、就寝時に上体を高く上げて胃液の逆流を防ぐ、などがあります。腹部を圧迫しないこと、便秘を避けること、さらに太りすぎの人は標準体重に近付けること、なども大切です。

🏴󠁧󠁢󠁷󠁬󠁳󠁿逆行性射精

射精時に精液が膀胱側へ流れ込む状態で、男性不妊症の原因にも

逆行性射精とは、射精時に精液が陰茎の外尿道口から外部に放出されず、逆方向の膀胱(ぼうこう)に流れ込む状態。

男性の陰茎が勃起(ぼっき)して性行為も正常に行なえ、射精感もあるにもかかわらず、外尿道口から精液が全く出ないか、非常に少なくなります。

これは、通常の射精時には閉じているはずの内尿道口が閉じ切らず、膀胱頸部(けいぶ)が開いたままになるために起こります。内尿道口を閉じるためには交感神経の力が必要で、交感神経が鈍るなどの原因で内尿道口の締まりが悪くなると、通常であれば射精時に陰茎側に向かうべき精液が膀胱側に向かってしまいます。

膀胱内に精液が流れ込んでも痛みなどは特になく、人体には影響はありません。外見からわかる症状は放出される精液量が減るということで、正常値は1・5ml以上といわれる精液量が1mlに満たない場合には、逆行性射精も考えられます。また、射精後の尿が白く濁る、射精後の尿と一緒にドロッとしたものが出てくるなどの症状がある場合もあります。

男性不妊症の原因となることもあります。放出される精液量とその精液の中の精子数や運動率にもよるため、日常生活の中でパートナーが完全に自然妊娠できないということはないものの、妊娠する可能性は低くなります。

逆行性射精の原因は、交感神経の障害や切断があって内尿道口に影響するものと、交感神経以外に問題があって内尿道口の閉鎖不全となるものとに大別されます。

交感神経の障害の原因としては糖尿病が多く、逆行性射精の原因の半数を占めます。糖尿病は軽症でも勃起障害を来し、重症になると逆行性射精や射精障害を来します。交感神経の切断は、脊髄(せきずい)の損傷、また、腹部や骨盤部の悪性腫瘍(しゅよう)などの外科的手術によって起こります。

交感神経以外の原因としては、前立腺(ぜんりつせん)の外科的手術が挙げられ、前立腺肥大症の人の前立腺を切除して尿道を拡張した結果、内尿道口と前立腺の締まりが悪くなることによって起こります。また、前立腺肥大症の薬など特定の薬物の服用が、内尿道口の閉鎖不全を起こすこともあります。

男性不妊症が問題になる場合は、泌尿器科の専門医を受診することが勧められます。

逆行性射精の検査と診断と治療

泌尿器科の医師による診断では、射精後すぐに採取された尿サンプルに多量の精液が含まれていれば、逆行性射精と判断します。

泌尿器科の医師による治療では、交感神経の障害が原因となっている場合には、射精時に交感神経を活発にし、内尿道口を閉じさせる作用のあるアモキサピン(アモキサン)やイミプラミン(トフラニール)という薬などを処方します。定期的に内服してもらう場合と性交渉の前に内服してもらう場合がありますが、眠気を催す副作用の可能性が高い薬であり、注意が必要です。

糖尿病が原因となっている場合には、まず糖尿病を治療して血糖値を安定させることが重要です。血糖値が安定すれば、時間を掛けて自然治癒する可能性はあります。

特定の薬物の服用が原因となっている場合には、その薬物の内服を中止して別の薬物に変更すれば治る可能性はあります。薬を変更する際には、主治医とよく相談することが勧められます。

薬物治療で効果が認められない場合には、膀胱内に射精された精子を回収して、人工授精や体外受精を行うことがあります。この際、射精した後の尿を回収すると精子が死んでしまうため、手順を踏んだ処置を行います。

まず、膀胱内の残尿をカテーテルなどですべて抜いた後、電解質が入っていないブドウ糖液を膀胱内に注入し、そこからマスターベーションによる射精をしてもらい、精子を含んだブドウ糖液をカテーテルで回収します。こうして回収、採取した精子は、その数や運動率などに基づく判断で、人工授精または体外受精に使用し、妊娠を期待します。

膀胱内に射精された精子を回収する処置で、精子が採取できない場合には、精巣精子採取法を行って、精巣の精細管や精巣上体、精管から精子を直接取り出すこともあります。

逆行性射精そのものの予防法は、ありません。しかし、逆行性射精は糖尿病、脊髄損傷、悪性腫瘍の手術などに伴って起こってくるため、それらを予防することが逆行性射精の予防にもつながります。食生活に注意して糖尿病を防ぎ、悪性腫瘍は早期発見できるよう心掛けることが大切となります。

🟥COP30、合意文書採択し閉幕 脱化石燃料の工程表は見送り

 ブラジル北部ベレンで開かれた国連気候変動枠組み条約第30回締約国会議(COP30)は22日、温室効果ガス排出削減の加速を促す新たな対策などを盛り込んだ合意文書を採択し、閉幕した。争点となっていた「化石燃料からの脱却」の実現に向けたロードマップ(工程表)策定に関する直接的な記述...