2022/08/16

🇰🇮マヨッキー紫斑

下肢に環状の紫斑ができ、慢性化して褐色調の色素斑をみる皮膚疾患

マヨッキー紫斑(しはん)とは、主に下肢の両側に紫色の点状斑が多発して環状に配列し、慢性化するうち、次第に褐色調の色素斑をみるようになる皮膚疾患。血管拡張性環状紫斑、マヨッキー血管拡張性環状紫斑とも呼ばれます。

このマヨッキー紫斑は、慢性(特発性)色素性紫斑という疾患群の一つに分類されています。その慢性色素性紫斑には、マヨッキー紫斑のほかに、不規則な斑(まだら)ができるシャンバーグ病、丘疹(きゅうしん)状の皮疹をみる色素性紫斑性苔癬(たいせん)様皮膚炎(グージュロー・ブルム病)、かゆみの強い瘙痒(そうよう)性紫斑など、いくつかの型があります。

マヨッキー紫斑は比較的まれな皮膚疾患ですが、中年以降の人に好発し、やや女性に多くみられます。時に小児、若年者にもみられます。

真の原因は不明ながら、静脈性の微小循環障害と毛細血管壁の弱さが関係するものと考えられています。また、何らかの遅延型過敏反応であるという説もあり、衣類の接触、扁桃(へんとう)炎などからの病巣感染、ある種の薬剤の関与などを指摘する報告などがあります。

紫色の点状斑の多発で始まり、毛細血管が拡張し、次第に進行して環状に配列する紫斑となります。この環状の紫斑が主体で、通常、かゆみなどの自覚症状はありません。紫斑は赤血球を主とする血液が皮膚の表面近くの微小な毛細血管壁から漏れた状態で、皮膚に出血がみられますが、血液学的に異常はなく、内臓などの全身臓器からの出血はありません。内臓疾患、他の全身症状を伴うことはなく、予後も心配ありません。

基本的に下肢、特に下腿(かたい)の裏側が好発部位で、おおかたは両脚に発症します。紫色の環状斑が大腿、腰臀(ようでん)部へと拡大することもあり、ひどいと手や上半身にも出ることもあります。色はやがて薄れてゆきますが、しばしば新生を繰り返して慢性化し、数年に渡ることもあります。

慢性化すると、褐色調の色素沈着を来します。沈着する色素は、メラニンだけでなく主にヘモジデリン。ヘモジデリンは、赤血球の中にあるヘモグロビンに由来する褐色調の顆粒状あるいは結晶様の色素であり、鉄を含んでいます。

血液の疾患や血管の疾患で、マヨッキー紫斑と似たような症状が出ることもあります。マヨッキー紫斑に気付いたら、疾患を正しく把握するためにも、皮膚科、ないし皮膚泌尿器科の医師に相談してみることが勧められます。

マヨッキー紫斑の検査と診断と治療

皮膚科、ないし皮膚泌尿器科の医師による診断では、出血傾向の一般検査を行い、血液学的に異常をみないことを確認します。組織を病理検査すると、慢性的な出血性の炎症がみられ、真皮上層の血管周囲にリンパ球浸潤、血管拡張および出血を認めます。病変部は明らかな色素の沈着を残すので、診断は比較的容易です。うっ滞性紫斑との鑑別が必要です。

積極的な治療の必要はありません。症状の程度によって、ビタミンCなどの血管強化剤、止血剤、抗プラスミン剤、抗炎症剤などが使用されます。病因を絶つ根本治療ではなく、対症的治療にとどまります。

適当な強さの副腎(ふくじん)皮質ホルモン剤(ステロイド剤)の外用が有効なことがあります。慢性かつ進行性で一進一退を繰り返し難治性ですが、自然軽快もあり得ます。

対症的治療にとどまるため、症状が悪化しないように下肢の安静や、足先を少し高くして休むようにする挙上を心掛けることが重要です。弾性ストッキングの着用が有効な場合もあります。

衣類の接触とともに、使用中の薬剤などが疾患を悪化させているかどうかを観察し、日常生活の中で関係していると思われるものがあれば、それを避けるようにします。下肢の血液の循環に負担をかけないように心掛けることが大切で、長時間の歩行、立ち仕事などは避けるようにします。

🇲🇹マラセチア毛包炎

胸や背中、顔などに、小さく赤い丘疹がまばらに多発する皮膚疾患

マラセチア毛包炎とは、胸や背中、顔などに毛穴と一致して、小さく比較的均一な紅色丘疹(きゅうしん)や小膿疱(しょうのうほう)が多発する皮膚疾患。

皮膚に住み着く常在菌で、真菌の一種であるマラセチア(癜風〔でんぷう〕菌)が、胞子の形のままで、毛穴の奥で毛根を包んでいる毛包内で増殖するために、マラセチア毛包炎が生じます。現在のところ10種類のマラセチアが確認されていますが、実際に皮膚の炎症に関係するのは、マラセチア・ファーファー、マラセチア・グロボーサ、 マラセチア・レストリクタ、マラセチア・シンポディアリス、マラセチア・ダーマティスの5種類と見なされています。

増殖には脂質が必要であることから、マラセチアは皮膚表面や毛穴の皮脂を好み、栄養にします。そのため比較的皮脂が多く出やすい胸、背中、額、こめかみ、首、肩から二の腕にかけての毛穴の奥の毛包内でマラセチアが増えると、分解された皮脂は遊離脂肪酸という肌にとって刺激になり得るものに変わります。この刺激に強く反応すると、炎症が起き、小さな紅色丘疹がまばらにできたり、うみがたまる小さな膿疱ができたりします。

一般に夏場の高温多湿の条件下で、汗をかいたり、不潔にしていると、マラセチア毛包炎を生じます。

生じる部位が同じだったり、小さな赤い丘疹ができたり、うみがたまる点で、いわゆるにきび(尋常性痤瘡〔ざそう〕)に似ています。にきびが思春期以降に出やすくなるのに対し、マラセチア毛包炎は9~10歳からの若年層でも、中年層でも、幅広い年齢層でみられます。かゆみは軽度のことが多いとされていますが、時として強いかゆみを覚えることもあります。

また、マラセチア毛包炎を起こす人は、アトピー性皮膚炎や癜風(でんぷう、黒なまず)、脂漏性皮膚炎といった、ほかの皮膚症状を同時に起こすこともあります。マラセチアは、マラセチア毛包炎の原因になるとともに、癜風、脂漏性皮膚炎の原因になることもありますし、アトピー性皮膚炎の発症への関与も疑われています。

体幹の治りにくい丘疹や膿疱はマラセチア毛包炎の可能性があるので、皮膚科、皮膚泌尿器科の医師を受診して下さい。的確な診断、それに見合った治療をすることで、著しくよくなることも多くみられます。にきびの症状と似ていますが、アクネ桿菌(かんきん)という細菌が関係するにきびとは発生原因が異なるため、治療法にも違いがあります。

マラセチア毛包炎の検査と診断と治療

皮膚科、皮膚泌尿器科の医師による診断では、丘疹や膿疱の内容物を顕微鏡で観察すると、マラセチア(癜風菌)のイースト型(丸い型)の胞子を多数認めます。ズームブルーという真菌染色用試薬を用いると、マラセチアが染色され顕微鏡での観察に有用です。

皮膚科、皮膚泌尿器科の医師による治療では、マラセチアに抗菌力のあるイミダゾール系のケトコナゾール(ニゾラールローションなど)といった外用剤を主に用います。外用剤だけで治りにくい場合には、イトラコナゾール(イトリゾール)を1週間程度内服します。また、清潔、洗浄、乾燥などのスキンケアも重要です。

外用剤の使用に際しては、1~2カ月の間、完全に症状がなくなるまで、コツコツ塗り続けるのがコツです。中途半端で塗るのをやめてしまうと、再発を繰り返すことも多くなります。再発を繰り返すと、黒い色素沈着がなかなか消えないこともあります。

予防法としては、皮膚を清潔にすることでマラセチア毛包炎の発生を抑制できます。マラセチアは皮脂や湿気の多い部位で増殖する性質があるため、特に夏場などは汗をかいたらこまめに皮膚を洗浄して、菌の繁殖を抑えることが大切です。

エアコンなどで温度と湿度をコントロールするのも有用。ただし、冷えすぎるのも代謝にとって悪影響があるため、28度以下にならないようにします。

🇲🇹マラリア

マラリアは、寄生虫のマラリア原虫(プラスモジウム)が原因の感染症で、特徴的な発熱のほか、悪寒、頭痛、吐き気などの症状が現れます。メスのハマダラカが感染者の血液を吸い、別の人を刺して広がります。原虫の種類により、熱帯熱マラリア、四日熱マラリア 、三日熱マラリア 、卵型マラリア の四種類があり、種類ごとに熱の出方が異なります。

熱帯、亜熱帯地域に広く分布し、世界100カ国余りの国々で流行しています。WHO(世界保健機関)の推計では、全世界で毎年、3・5億~5億人の感染者、150万~270万人の死者があると報告されています。また、そのうちの90パーセントはアフリカ熱帯地方で発生していると報告され、エイズ、結核と並ぶアフリカの三大感染症に数えられます。

日本においても、1935年ころまでは年間数万人の患者が発生していましたが、媒介する蚊の撲滅などの結果、現在では海外で感染する、いわゆる輸入マラリア感染者のみの発生であり、毎年100人~150人が報告されています。感染者数が少ないために医師の認識が低く、風邪などと誤診されて治療が遅れ、死亡するケ-スもいくつあります。

効果的なワクチンはありませんが、抗マラリア薬で治療します。しかしながら、薬が効かない薬剤耐性マラリアが増えており、WHOでは二剤併用療法の導入を進めています。

🇲🇹マルファン症候群

全身性の結合組織障害で、特徴のある体形を示す遺伝性の疾患

マルファン症候群とは、体を構成する組織や器官をつなぐ結合組織に、異常を来す遺伝性の疾患。主に骨格系、視覚器系、心臓血管系に異常が認められ、特徴のある体型を示します。

染色体の異常な遺伝子による疾患で、常染色体優性遺伝を示します。フィブリリン遺伝子の異常により、体に必要な結合組織を作るフィブリリンという物質に異常が起こるため、正常な蛋白(たんぱく)質を生産できなくなり、結合組織が弱くなります。

また、TGFβ(ベータ)R2という別な遺伝子の異常によることもあります。約25パーセントは遺伝ではなく、卵子または精子での異常遺伝子の出現、すなわち自発的な新たな突然変異によって引き起こされると見なされています。

人種や民族にかかわらず男性にも女性にも等しく現れるものとして1896年、マルファン博士により初めて報告された疾患で、日本人では2万5000人から4万1000人の発症者が存在すると見なされています。

骨格系の異常により、背が高くやせており、長い手足と指を持つ体形を示します。脊椎(せきつい)側湾や、脊椎の胸椎部が後方へ曲がって突き出している亀背(きはい)などの背骨の異常、鳩胸(はとむね)や漏斗胸、関節痛や脱臼(だっきゅう)を起こしやすい関節の過可動性などがよく認められます。

生命にかかわる心臓血管系の疾患が、重要です。無症状の段階で診断されやすいものとしては、大動脈弁を含む大動脈基部の拡張、大動脈弁閉鎖不全、僧帽弁閉鎖不全があります。血管壁の結合組織が弱くなっている場合には、血管内の圧力により少しずつ大動脈が拡張して、大動脈弁が閉じなくなり、血流の逆流を生じたり、血管壁に解離が起きて危険な状態になることがあります。胸背部の激痛がみられた時には、大動脈解離を考える必要があります。

視覚器系の症状としては、目の水晶体亜脱臼、偏位、近視などがみられます。また、腰椎仙骨部の硬膜の拡張により、腹部や足の痛みが起こることもあります。

ただし、マルファン症候群になったからといってすべての症状や特徴が必ず現れるわけではなく、症状が現れたとしても、その度合いは個人差があり、人によって異なります。そのために、マルファン症候群であると気付くのが遅れたり、自分はマルファン症候群ではないと考えてしまうことがあり、心臓血管系に現れる症状などは年が経つにつれて進行することがあるので、最悪の結果になることがあります。

マルファン症候群の検査と診断と治療

小児科、内科などの医師による診断は、家族歴と多臓器における特徴的所見に基づいて臨床的に行われます。加えて、骨格系のX線検査、心エコー検査、眼科的検査、腰椎仙骨部のCTやMRIなどが行われます。遺伝子検査も、原因を調べるために行われます。

生命にかかわる突然の事態を少しでも回避するには、心臓血管系の対策が最も重要です。大動脈基部が5センチ以上に拡張したり、大動脈解離を生じた時は手術が勧められます。手術の成績は、昔に比べて非常によくなっています。

治療に使用される薬剤は、血圧を下げたり血管の保護を目的として、β遮断薬やACE(アンジオテンシン変換酵素)阻害薬などが主に使用されます。

このマルファン症候群は人によって症状が異なるため、定期的に主治医と相談し、症状や心臓血管系の状態に合わせて生活管理をする必要があります。血圧を上げる動作や激しい運動、体が接触する運動は避けて、大動脈や目、骨が傷付く危険を回避することも必要です。適切な治療により、発症者の平均余命は一般人の平均余命に近いものになります。

喫煙はマルファン症候群の人にもともと不足している蛋白質であるエラスチンを破壊しますので、避けたほうがよいでしょう。

🇭🇳マロリー・ワイス症候群

激しい嘔吐により、食道と胃の境界付近の粘膜が裂けて出血する疾患

マロリー・ワイス症候群とは、激しい嘔吐(おうと)によって、食道と胃の境界付近の粘膜が裂けて出血する疾患。出血により吐血、または下血を起こします。

疾患名は、1929年に初めて報告した2人の医師、ジョージ・ケネス・マロリーとソーマ・ワイスに由来します。日本における発症は男性に多く、発症年齢は平均45〜50歳とされています。

一般に酒を飲んだ後に嘔吐して起こることが多いのですが、胃と十二指腸の境界部にある幽門に狭窄(きょうさく)があるために、胃から十二指腸への食べ物の通過が悪くなって嘔吐する時や、食中毒、乗り物酔い(動揺病)、妊娠中のつわりで嘔吐する時、腹部を打撲した時、排便時に力んだ時にも起こります。

むかつきがあるなど強い圧力が胃に加わると、胃の幽門は閉じて、幽門近くから縮まり、胃の中のものを上に押し上げます。これによって、食道と胃の境界付近がアコーディオンのように押し込められて、中の圧力が著しく高くなり、ついには粘膜に縦長の裂傷ができて出血します。

症状は、吐血、下血のほか、鋭い胸の痛み、呼吸困難、立ちくらみなどがあります。吐血は強い嘔吐を何度か繰り返した後にみられますが、1回目の嘔吐で吐血することもあります。鋭い胸の痛みを伴う場合は、特発性食道破裂の可能性があります。

大量出血した場合は、精神的な影響も加わってショック状態となり、意識はもうろうとなります。

マロリー・ワイス症候群の検査と診断と治療

ほとんどのケースで保存的治療が可能ですので、嘔吐した時や出血した場合は、なるべく早く内視鏡検査が行える診療所、病院を受診します。

医師は一般の血液検査で、貧血の状態をみます。裂傷部分の判定には、以前は胃X線検査を行っていたのですが、裂傷部が浅い場合はわからないため、現在は上部内視鏡検査(胃カメラ)を行っています。内視鏡検査では、どこから出血しているか、裂傷の深さ、大きさ、出血がどのような形態か、すなわち動脈性か、じわじわとした出血か、すでに止まっているかなどを観察します。

治療としては、軽症で出血が少ない場合は入院して、安静と絶食をしながら点滴を受け、裂けてしまった粘膜が自然に止血して回復するのを待ちます。出血が多く続く場合や、出血が止まっていても避けている部分が大きくて再出血する可能性が高い場合は、内視鏡下でレーザーを使って粘膜の裂傷部分を閉じ止血処置をします。止血処置には、裂傷の露出している血管にクリップをかける方法、血管を電気焼灼(しょうしゃく)する方法などがあります。

処置後は、安静、絶食、点滴などの治療を行い、裂傷の治療としてH2ブロッカーなどの胃酸分泌抑制剤を服用します。

大量出血した場合は、輸血が必要となることもあります。止血に時間がかかる場合は、内視鏡下で止血し、それでもなお止血が困難であれば手術をすることもあります。なお、食道破裂の場合は、すぐに手術する必要があります。

🇭🇳慢性胃炎

長い年月をかけて進行し、はっきりとした症状がみられない胃炎

慢性胃炎とは、症状がはっきりせず、胃のもたれ、不快感、食欲不振などが何となく起こるといった不定愁訴が、特徴的に認められる疾患。

それらの症状のほとんどは、いつから始まったのか、はっきりしません。また、全く症状がないこともあります。日本人にみられる慢性胃炎のほとんどは、ピロリ菌(ヘリコバクター・ピロリ)の感染が原因であることが、1980年代の初めから解明されています。ピロリ菌に感染し、その後、長い年月をかけて胃炎が進行して、慢性胃炎となるのです。

ピロリ菌は、胃の粘膜に生息している細菌。1980年代の初めに発見され、慢性胃炎や胃潰瘍(かいよう)の発生に関係していることがわかっています。通常、胃の中は、胃酸が分泌されて強い酸性に保たれているため、細菌が生息することはできません。しかし、ピロリ菌は、胃の粘膜が胃酸から胃壁を守るために分泌している、中性の粘液の中に生息し、直接胃酸に触れないように身を守っているのです。

ピロリ菌はウレアーゼという尿素分解酵素を分泌して、胃の中に入ってくる食べ物に含まれる尿素を分解し、アンモニアを作り出します。このアンモニアも胃の粘膜に影響を及ぼし、慢性胃炎の原因の一つになるのだと考えられています。

ただし、ピロリ菌に感染している人すべてに、症状が現れるわけではありません。感染しても、自覚症状がない場合、そのまま普通の生活を送ることができます。

ピロリ菌に感染している人の割合は、年を取るほど高くなる傾向があり、中高年の場合、70~80パーセントにも上ります。このように、年齢によって感染率に違いがあるのは、育った時代の衛生環境に関係していると見なされています。

慢性胃炎の検査と診断と治療

 慢性胃炎では、はっきりとした症状がないことが多いため、以下のような検査で胃に炎症が起きているかどうか調べます。

(1) 内視鏡検査:内視鏡で、胃の粘膜の様子を直接観察します。進行した慢性胃炎である委縮性胃炎では、粘膜が委縮して、薄くなり、血管が透けて見えたり、白っぽく見えます。

(2)組織診:内視鏡の中に器具を通し、胃の粘膜から組織の一部を採取してきて、顕微鏡で炎症があるかどうか調べます。また、慢性胃炎のほとんどの人はピロリ菌に感染していることがわかっていますから、慢性胃炎であるかどうかをより確実に知るためには、ピロリ菌に感染しているかどうかを調べることが必要になります。

ピロリ菌に感染しているかどうか調べる検査には、次のような方法があります。

内視鏡を使う方法

内視鏡によって胃の粘膜の組織を採取し、そこにピロリ菌がいるかどうかを調べる検査です。次の3つの方法があります。

1.ウレアーゼ試験:採取した組織を、尿素とpH指示液(酸性度、アルカリ性度を調べる)の入ったテスト溶液の中に入れて、色の変化を調べます。もし、ピロリ菌がいれば、ピロリ菌の出すウレアーゼによって、アンモニアが発生し、テスト溶液がアルカリ性になり、その結果、色が変わります。

2.組織診:採取した胃の粘膜の組織を顕微鏡で観察し、ピロリ菌の有無を調べます。

3.培養検査:採取した組織をピロリ菌が繁殖しやすい環境で培養し、その後、顕微鏡でピロリ菌の有無を調べます。

内視鏡を使わない方法

 内視鏡で組織を採取する方法に比べて、発症者の肉体的負担が軽い検査です。次の3つの方法があります。

1.血液検査:ピロリ菌に感染すると、それに対する抗体ができます。血液中にこの抗体があるかどうか調べる検査です。

2 .尿検査:血液検査と同様に、尿中にピロリ菌の抗体があるかどうかを調べます。

3.尿素呼気テスト:ピロリ菌はウレアーゼを分泌し、それによって、尿素をアンモニアと炭酸ガスに分解します。この炭酸ガスは、呼気にも出てきます。そこで、特殊な炭素を含んだ尿素(標識尿素)を飲み、15~20分後に呼気を採取して、その成分を調べます。ピロリ菌に感染している場合、標識された炭素を含む炭酸ガスが呼気の中に出てきます。

慢性胃炎の治療法としては、従来は対症療法だけが行われてきましたが、ピロリ菌が原因となることがわかってからは、抗生物質による根本治療も行われるようになっています。

(1)対症療法:急性胃炎と同様に、胃酸分泌抑制薬、胃粘膜保護薬、運動機能改善薬を服用します。

(2) 根本治療:2~3種類の抗生物質を、同時に1~2週間服用し続けることで、胃の中に生息しているピロリ菌を除菌します。2~3種類の抗生物質を用いるのは、1種類だけよりも効果が高いのと、その抗生物質に対する耐性菌(抗生物質が効かない菌)ができてしまうのを防ぐためです。

🇭🇳慢性陰茎海綿体炎

男性の陰茎の内部にある海綿体が炎症を起こして、慢性的にはれ上がっている状態

慢性陰茎海綿体炎とは、男性の性器である陰茎の内部にある海綿体が炎症を起こして、慢性的にはれ上がっている状態。単に陰茎海綿体炎とも呼ばれます。

陰茎は、主に3つの海綿体で構成されています。陰茎の下側に尿道海綿体があり、中に尿道が通っています。その尿道海綿体の上方に、勃起(ぼっき)に関係する左右一対の陰茎海綿体があります。

細菌の感染によって発症するほか、事故などによる外傷のために、あるいは勃起した陰茎に過度の力が加わったために、発症することがあります。さらに、ブドウ球菌やクラミジアなどに感染して尿道炎を起こしたために、急性陰茎海綿体炎を生じ、それを放置したり、適切な治療をしなかったことを原因として、慢性化して発症することもあります。

また、陰茎がんや尿道がんなどの泌尿生殖器系の悪性腫瘍(しゅよう)の海綿体への直接浸潤、勃起不全に対する海綿体注射などにより発症することがあります。原因不明のことも多く、病像は明確ではありません。

慢性陰茎海綿体炎を発症すると、陰茎海綿体に慢性的な炎症が起きるために、発熱、陰茎部痛、会陰(えいん)部から陰茎部の発赤や圧痛を伴うはれ、膿(うみ)が混じった膿尿(のうにょう)などの症状が発生します。

炎症が長引くと、陰茎が勃起した時に根元や途中から曲がる陰茎湾曲や、尿道の内腔(ないくう)が狭くなって尿が出にくくなる尿道狭窄(きょうさく)につながり、勃起機能の低下の原因となることもあります。

慢性陰茎海綿体炎の検査と診断と治療

泌尿器科の医師による診断では、陰茎部の症状の視診、触診を行います。以前に打撲などによる外傷や炎症があったかどうかが、参考になります。

次に、超音波(エコー)検査、MRI(磁気共鳴画像撮影)検査を行って、陰茎の内部を観察し、正確に診断するために、病変部の一部を切除して組織検査を行うこともあります。

泌尿器科の医師による治療では、細菌の感染で発症している場合には、抗生物質(抗生剤)を投与します。多くの症例では、完全に治療することができます。

陰茎部に膿瘍(のうよう)がある場合には、外科手術によって切開して排膿します。悪性腫瘍の陰茎海綿体への直接浸潤などで症状が悪化した場合には、外科手術によって病変部を切除することもあります。

重い勃起障害がある場合には、陰茎海綿体の中にシリコンの支柱材を埋め込むプロステーシス手術も検討されます。

プロステーシス手術には、半固定式と膨張式の2種類があり、半固定式の場合は、陰茎は常に約80パーセントの勃起状態のままになります。シリコンの中には針金が通っているので、性交以外の時には、陰茎を上や下に折り曲げて、目立たせなくすることが可能です。

一方、膨張式の場合は、小型ポンプで生理食塩水などの液体を送ってシリコンの支柱材を伸縮させることができるため、陰茎の硬さを自由に調整できます。

🟥インフルエンザ感染者、2週連続増加 1医療機関当たり11・33人

 厚生労働省は23日、全国約3000の定点医療機関から12~18日の1週間に報告されたインフルエンザの感染者数は計4万3027人で、1医療機関当たり11・33人だったと発表した。前週比1・07倍で、2週連続の増加となった。全国平均で警報レベルとされる1医療機関当たり30人を下回...