2022/08/17

🟩日本発のデルタ型、東京オリンピック開幕後に海外20カ国・地域で確認 大規模流行の報告なし

 昨年の東京オリンピック・パラリンピックを切っ掛けに、日本で発生した新型コロナウイルスのデルタ型が、韓国など海外20カ国・地域に拡散したことがわかりました。

 井元清哉教授(ゲノム情報学)が率いる東京大学医科学研究所の研究チームは16日、昨年夏の第5波で主流となったデルタ型の派生型「AY・29」が昨年7~8月の東京オリンピック・パラリンピック開幕後、海外の20カ国・地域で確認されたという分析結果を発表しました。

 井元教授がウイルスのゲノム(全遺伝情報)が登録された国際データベースを分析してみると、日本国内の「AY・29」感染者数はオリンピック開幕前の昨年6月から増え、7~8月の「第5波」で拡散しました。

 昨年7月23日の東京オリンピック開幕後には、韓国を始めアメリカやイギリス、タイなど海外の20カ国・地域でも「AY・29」が確認されました。

 日本政府は東京オリンピック期間中に関係者と外部の接触を遮断するなど感染防止対策を行ったものの、オリンピック・パラリンピック期間中に大会関係者836人の感染者が報告され、このうち日本居住者以外の感染者は254人でした。

 ただし、この「AY・29」に感染した感染者は、日本では8万人以上だったのに対して、海外では118人で、大規模に流行したという報告はありませんでした。

 研究チームは「当時、アジア、アフリカ、南アメリカなどの地域ではほとんどワクチン接種が行われていない状況だった。特にゲノム分析が行われていない国や地域はワクチン接種率も低い傾向にあり、『AY・29』が実際に与えた影響は予測することができない」とし、さらに広く拡散した可能性を排除しませんでした。

  順天堂大学の堀賢教授(感染制御学)は、 「水際対策でウイルスの流入と流出を完全に防ぐことは難しい。大規模イベントではマスクやワクチン接種など個人の対策の徹底も重要だ」と話しています。

 2022年8月17日(水)

🟩インフルエンザ、秋から冬に流行の恐れ 感染症学会が提言

 日本感染症学会は季節性インフルエンザが今季、国内で流行する可能性が高いとする提言をまとめました。オーストラリアなど南半球で2022年に入ってから流行していることを踏まえました。国内では新型コロナウイルス感染症の影響で過去2年間はインフルエンザがほぼ流行しなかった半面、社会全体の集団免疫が下がっているとして、高齢者や子供へのワクチン接種が重要と呼び掛けました。

 北半球で冬季にインフルエンザが流行するか予測する際、約半年先立つ南半球の冬季の流行状況が参考になるとされます。オーストラリアでは新型コロナウイルス感染症の世界的大流行(パンデミック)が起きて以降、インフルエンザの報告はほとんどありませんでした。

 だが、2022年4月後半から報告が増え、5月から6月にかけては1週間当たりの報告数が過去5年間で最多となりました。その後減ったものの、流行規模の小さかった2018年と比べるとなお多い状態が続いています。

 日本感染症学会は、今後海外からの入国制限が緩和されて人の行き来が増えれば国内にウイルスが持ち込まれ、「今秋から冬には同様の流行が起こる可能性がある」と指摘し、いったん感染が起きると、インフルエンザへの免疫が下がっている子供を中心に大流行する恐れもあるとしました。6月には東京都内の小学校でインフルエンザによる学年閉鎖が起きたことから、こうした季節外れの流行の可能性にも触れました。

 その上で、感染すると肺炎を起こすリスクの高い高齢者や5歳未満の子供、心臓や肺に持病のある人などへのワクチン接種が特に必要と指摘しました。こうした人と同居する人も積極的に接種を受けてほしいと呼び掛けています。

 2022年8月17日(水)

🟩救急搬送困難、14日までの1週間に6747件 3週連続過去最多

 新型コロナウイルスの感染が拡大する中、14日までの1週間に、救急患者の受け入れ先がすぐに決まらない「搬送が困難な事例」は6747件と、3週連続で過去最多となったことが総務省消防庁のまとめでわかりました。

 総務省消防庁は、救急隊が医療機関に患者の受け入れが可能か4回以上問い合わせ、現場に30分以上とどまったケースを「搬送が困難な事例」として、県庁所在地の消防本部など全国の52の消防機関の報告をもとに、2020年4月から1週間ごとに取りまとめています。

 14日までの1週間は6747件で、前週から158件(2%)増え、3週連続で過去最多となりました。

 これは、第6波で最多だった今年2月の6064件より683件多く、新型コロナウイルスの感染拡大前に当たる2019年の同じ時期の約6倍となっています。

 このうち、新型コロナウイルスの感染が疑われるケースは2836件で、全体の42%を占めています。前週まで3週連続で過去最多を更新していましたが、前週から37件(1%)減少しました。

 「搬送が困難な事例」を地域別にみると、東京都が2856件、大阪市が560件、横浜市が401件、千葉市と名古屋市が273件、さいたま市が230件、仙台市が221件、札幌市が207件、神戸市が196件、京都市が175件、福岡市が171件などとなっています。

 新型コロナウイルスの感染拡大前に当たる2019年の同じ時期と比べると、東京都で6・13倍、大阪市で3・86倍、横浜市で13・37倍、千葉市で3・03倍、名古屋市で39倍、さいたま市で5・9倍、仙台市で5・14倍、札幌市で10・89倍、神戸市で19・6倍、京都市で10・29倍、福岡市で19倍となっています。

 このほか、大都市と比べると件数自体は多くないものの、全国各地で「搬送が困難な事例」が感染拡大前に比べて増えています。

 総務省消防庁は、「引き続き厳しい状況で、厚生労働省と連携しながら対応していきたい」としています。

 2022年8月17日(水)

🍾脱水症

脱水症とは、体重の2パーセント以上の水分、すなわち体重60キロの人で1200ミリリットルに相当する水分が急に減り、体液のバランスが崩れることで現れる症状です。

平均で、男性は体重の約60パーセント、女性は約55パーセント、子供は男女とも約70パーセントが、血液、体液などの水分で成り立っています。この水分が暑い夏には、汗や呼気などから多量に失われるため、自分で気付かないうちに、軽症の脱水症である日射病や、死に至ることもある熱射病など危険な状態になっていることがあります。

のどが渇く、軽いめまいがする、尿量が減るなどの症状に始まり、脱水状態が進むと、頭痛、吐き気、筋肉のけいれん、意識障害、腎(じん)不全などが現れます。体重の8パーセント以上、すなわち体重60キロの人で4800ミリリットル以上のひどい脱水状態になると、体の熱を発散できず、体温が上昇して死に至ることもあるのです。

引き起こしやすいのは、夏の炎天下など高温の環境にいる時、スポーツや外回りの仕事で大量に汗をかいた時、下痢や嘔吐(おうと)、発熱している時です。

脱水症が進んで体内に熱がこもると、生命にかかわる危険な状態。頭がボーッとしたり、体がフラフラしたり、水分補給がうまくできなくなったら、点滴などの処置が必要なケースです。すぐに病院で受診してください。

予防のためは、のどの渇きを感じる前に、心掛けて水分の補給をすることが大切です。1回にたくさん飲むより、何回かに分けて少量ずつ飲むほうが、吸収がよくなります。

市販のスポーツ飲料なら、ミネラルや糖分が含まれており、水よりも早く体に吸収されます。10度程度に冷やした状態が、最も早く吸収されると見なされています。

スポーツや外回りの仕事の休憩時間には、夏ミカンやオレンジ、グレープフルーツといった水分の多い果物のほか、果菜のスイカに自然塩を少々振って食べるのもお勧めです。含まれているビタミンCや果糖などが、疲労の回復にも役立ちます。

🇮🇩脱腸(鼠径ヘルニア)

足の付け根などから腸などの臓器が脱出した状態

脱腸とは、足の付け根の特に内側の部分や下腹部から、腸などの臓器が脱出した状態。脱腸は通称であり、医学的には鼠径(そけい)ヘルニアと呼ばれます。

おなかを覆う腹膜が弱いことが原因になって、腹筋の圧力で臓器が脱出します。先天性(若年性)と後天性のものがあります。

男性の場合、脱出した臓器は主に陰嚢(いんのう)に飛び出るため、袋が大きく膨らみます。女性の場合、または男性でも部位によっては、下腹部にポコッとした膨らみができます。膨らんだ部分によって、脱腸(鼠径ヘルニア)は細かく外鼠径ヘルニア、内鼠径ヘルニア、大腿(だいたい)ヘルニアに分けられます。

体の中の至る所にできるヘルニアの中で最も多いのが外鼠径へルニアで、大部分は小児期、特に乳幼児期に発生し、右側、左側、そして両側の順に多く、男女比は4対1です。乳幼児の場合は、泣いた時、入浴させた後、おむつを取り替える時などに気付きます。

胎児の段階で、袋状になっている腹膜鞘状(しょうじょう)突起というものが形成され、成長に従って陰嚢に下がってきて、本来であれば袋の口がふさがります。生まれ付き、袋の口がふさがっていなかったり、ふさがっていても不十分だったりすることが、先天性鼠径ヘルニアの原因になります。

生後1年以内で自然に治る可能性がありますが、年を加えるにつれて、その可能性は少なくなります。また、学童期に近付いて運動が激しくなるにつれて、症状が著明になります。

後天性鼠径ヘルニアは高齢者にみられ、加齢することで腹膜や筋肉が弱るために、小腸などの臓器が鼠径部分に脱出してきます。たいてい脱出する穴であるヘルニア門が非常に大きく、ヘルニアの内容部が大きく袋状に突き出ます。 起こしやすいのは、ふだんから立って作業することが多い人や、重い荷物を持ち上げることの多い人、便秘気味でトイレで気張る人、妊婦、前立腺(ぜんりつせん)肥大の人、せきやくしゃみをよくする人、太った人など。

当初のうちは、腹に力を入れると下腹部に軟らかい膨らみを感じる程度で、手で押したり、横になってリラックスすれば簡単に引っ込のが普通です。しかし、何回も繰り返していくうちに、ヘルニア門が広がってきて突き出す部分が増え、痛みや便秘などの症状を伴うことになります。

まれに、臓器の突き出した部分がヘルニア門で締め付けられて戻らなくなってしまうことがあります。これを嵌頓(かんとん)ヘルニアと呼び、締め付けられた状態が長期に及ぶと、血流の流れが妨げられて、腸が腐る壊死(えし)に至ることがあり、激しい痛み、嘔吐(おうと)などの腸閉塞の症状が出現します。

脱腸の検査と診断と治療

大人の脱腸(鼠径ヘルニア)の場合、放置していると悪化していく一方で、嵌頓ヘルニアにもなりやすいので、早めに消化器科、外科を受診します。乳幼児の場合も、見た目で気付きやすいので、早めに受診します。

生後1年以内で自然に治る可能性がある乳幼児の鼠径ヘルニアの治療としては、ヘルニアバンドによってヘルニア内容物の脱出、増大を防ぎます。乳児ではヘルニアバンドをしているだけで自然に治る可能性があります。

年長児や大人の鼠径ヘルニアの治療としては、一応、臓器が突出しないようにヘルニアバンドで抑える方法もありますが、常時装着しておく必要があるなど通常生活にかなりの負担を強いることになり、早いうちに手術を受けることが勧められます。

臓器の突き出した部分が戻らなくなる嵌頓ヘルニアの場合、専門的な医師による整復処置でとりあえず元に戻りますが、整復処置をしても元に戻らない場合は、ヘルニア内容物の腸や精巣、卵巣などが血行障害に陥って障害される危険があるため、嵌頓を解除する緊急手術も考慮されます。

乳幼児期の手術に関しては、生後3カ月以降であれば発見次第すぐ行う医療機関と、ある程度の年齢まで待機して行う医療機関とがあります。未熟児で生まれた乳児では、手術可能な時期は生後3か月よりも遅くなります。

整復処置で嵌頓が解除された場合も、ヘルニアの原因は修復されていないため、後に手術で原因となった構造を修復する必要があります。 特に女児の場合は、卵巣などの女性付属器が絶えずヘルニアとして飛び出していることが多く、手術は早めにしたほうがよいとされています。

手術は大きく分けて、従来法の手術(バッシーニ法)、腹腔(ふくくう)鏡下手術、メッシュ法の3種類が行われます。

従来法の手術は、腸管などの出てくる穴を周囲の筋肉を寄せて縫い合わせてふさぐ方法。入院が1週間と長い、術後に痛みがある、再発率が15パーセントと高いなどの問題があって、今はそれほど行われない手術法です。

腹腔鏡下手術は、腹部に小さな穴を3カ所開けて、モニターを見ながら手術を行う方法。脱出部に、腹腔内からポリプロピレン製のメッシュで閉鎖固定をして補強します。手術時間が1時間と長いというデメリットがある。

手術の主流となっているのは、メッシュ法。全世界の鼠径ヘルニア手術の90パーセントを占め、日本でも85パーセントを占めています。再発率が3パーセントと低い、手術時間が15~20分と短い、局所麻酔で行える、手術創が3~4センチと小さくて痛みが軽いなどのメリットがあります。

メッシュ法の中のメッシュ&プラグ法では、脱出した小腸などを押し戻して穴にふたをするように、ポリプロピレン製のバドミントンの羽根のような形のプラグを入れ、さらに、鼠径管内にメッシュシートを入れて補強し、皮膚を縫合します。メッシュ法にはこのほか、リヒテンシュタイン法、クーゲル法、PHS(プロリン・ヘルニア・システム)法などがあります。

脱腸(鼠径ヘルニア)は、立ち仕事の人、重い荷物を持ち上げることの多い人、せきをよくする人、妊娠している人、便秘症の人、太っている人がなりやすいといわれています。その点から、食生活で行う予防方法は以下の3点です。

野菜を積極的に摂取。野菜は葉物と根の物をバランスよく、また赤、黄、緑、白など色合いも考えて1日350グラムは取るようにすると、肥満予防に結び付きます。

食物繊維を十分に摂取。今日の日本人の食物繊維摂取量は1日平均15グラムですが、1日平均20~25グラムにします。そのために、豆類、海藻類、キノコ類、山菜類を積極的に取ると、バナナのような健康的な硬さの便になります。

ヨーグルトやオリゴ糖を摂取。腸内の善玉菌であるビフィズス菌はヨーグルトで増え、オリゴ糖はビフィズス菌のエサになります。善玉菌が優位になると便秘知らずに。

🇮🇩多乳房症、多乳頭症

乳腺ないし乳頭が3つ以上ある状態

多乳房症、多乳頭症とは、乳房の通常の存在部位である両側前胸部とは異なった部位に、乳腺(にゅうせん)組織、乳頭、乳輪が存在し、乳腺ないし乳頭が3つ以上ある状態。副乳腺、副乳頭とも呼ばれます。

これは生まれ付きのものであり、多乳房(副乳腺)、多乳頭(副乳頭)の多くは、わきの下や、通常の乳房の下内側に存在します。

多乳房、多乳頭の起源は、胎児期にあります。胎生6週ころに、両わきの下から乳頭、腹部の左右、ももの内側に至る乳腺提という表皮の堤状の肥厚ができ、この乳腺提に7~9対の乳腺元基という乳腺の基が現れます。胎生9週には、1対は通常の乳房になり、残りは退縮します。しかし、いくつかの乳腺元基が残って、発育することがあります。これが多乳房、多乳頭であり、乳腺提の線上のどこにでも発育する可能性があります。

そもそも、人間や象のような少産種のほ乳動物では、1対のみの乳房を発育させるのに対して、ネズミやイノシシのような多産種のほ乳動物では、前足の両わきの下から後ろ足の間に至る乳腺提の線上に、複数対の乳房を発育させます。人間も胎児期には、通常の乳房以外の部位に乳房を発育させる要素を持っているため、多乳房、多乳頭はそれほど異常な存在ではありません。

実際、左右ともに、あるいは片側だけに多乳房、多乳頭のある人は、女性の5パーセント、男性の2パーセントに認められるといわれています。

多乳房、多乳頭は不完全で退化した乳房であるため、外から見てわかる乳首、乳輪を備えていることは少なく、あっても気付かないこともあります。目立たないため、ほくろやいぼと認識されることも多く、乳腺提の線上に対になったほくろがある場合、多乳房症、多乳頭症の可能性もあります。

まれに乳腺が少し発育して膨らみを生じ、小さないぼ状の乳首を伴うことがあります。

女性が妊娠時に、わきの下に違和感を覚え、熱く感じたり、その部分の色が濃くなってきて、多乳房、多乳頭の存在に初めて気が付くことがしばしばあります。

乳腺組織が存在する場合、通常の乳腺と同様にホルモン分泌に反応するため、女性では生理前のホルモン分泌の多い黄体期に多乳房がはれてきたり、痛みを伴うことがまれにあります。

また、妊娠授乳期にも正常な乳腺と同様に乳腺も発育するため、乳汁(母乳)が出てくる産後3~4目ころからゴルフボールのようなしこりになって、はれたり、痛みを伴うことがあります。乳腺自体から乳汁が出てくることもありますが、多乳房には乳汁が出る乳口がないことも多いので、中に乳汁がたまって乳腺炎を起こすこともあります。

妊娠授乳期においてのはれ、痛みの多くは、一時的なものであり、間もなく自然に消失します。しかし、強い痛みが生じたり、痛みが持続することもあります。妊娠ごとに、はれ、痛みを繰り返し生じることもあります。

多乳房の乳腺がはれた場合は、局所を冷却し炎症を抑えることで少しずつ治めることができます。保冷剤をガーゼで包み、冷湿布することを何回か繰り返すと、はれも引き、しぼむような形になります。熱感がある場合は、洗面器の水にペパーミントの精油を5、6滴垂らし、おしぼりを数本入れて絞って冷蔵庫で保存、これで冷湿布することを何回か繰り返すと、かなり楽になるでしょう。

ちなみに、多乳房にできる乳がん(異所性乳がん)は極めてまれであり、乳がん全体の0・4パーセントほどの頻度で生じ、そのうち3分の2はわきの下にできます。また、乳房の痛みを伴う乳がんは、あまり多いものではありませんので、多乳房が痛んでも心配はいりません。

乳頭を備えていないけれど、わきの下に違和感を覚え、熱く感じたり、多乳房が異常に大きいようで心配な場合は、婦人科、産婦人科、あるいは乳腺科、乳腺外科を受診することが勧められます。

多乳房症、多乳頭症の検査と診断と治療

婦人科、産婦人科、あるいは乳腺科、乳腺外科の医師による診断では、わきの下のしこりが疾患によって生じていないかどうか検査します。

考えられるものとして、乳がん、リンパ腺(せん)の炎症、ほかの臓器のがんからの転移、リンパの悪性腫瘍(しゅよう)、汗腺や皮脂腺の疾患などがあり、多乳房(副乳腺)との見分けがつきにくい場合には、しこりの一部を採取して顕微鏡で調べる生検を行うこともあります。

婦人科、産婦人科、あるいは乳腺科、乳腺外科の医師による治療では、多乳房に強い痛みが生じたり、痛みが持続する場合、ホルモン剤を投与し、ホルモン分泌を抑えます。

多乳房に乳腺炎が起きた場合は、初期には冷湿布して、乳汁は注射針を刺して吸引した上、抗生物質を注射か内服で投与し、鎮痛消炎剤を内服で投与します。

多乳頭(副乳頭)だけの場合には、外科的手術でほくろやいぼを切除するような要領で切除して、皮膚を縫合することも可能です。

多乳房の場合には、皮膚切除に加えて乳腺もくり抜いて切除することも可能です。くり抜いた部分が陥没しないように修正して、皮膚を縫合します。通常の乳腺と多乳房の乳腺はつながっていないことがほとんどのため、外科的には乳房温存治療ができる可能性が高いといえます。

🇱🇰多尿

1日の排尿量が3リットル以上と、多量にある状態

多尿とは、1日の排尿量が3リットル以上と、多量にある状態。1日の排尿量が多量になくても、日中または夜間に頻回な排尿を必要とする頻尿とは、少し異なります。

多尿は、単に水分の摂取量が多くて尿が多量に出るケースと、多尿を来す疾患があって尿が多量に出るケースとに分けられます。また、排尿中に水分そのものが多い水利尿と、排尿中に溶質が多い浸透圧利尿(溶質利尿)とに大きく分けられます。

尿を作る人間の腎臓(じんぞう)は非常に精密にできており、水分の摂取量によって排尿の量を変化させ、体の中の水分の量を一定にしています。従って、水分を大量に摂取すれば排尿の量も増えることになります。通常、1日の排尿量は1〜2リットルであり、昼間に排尿をする回数は7回程度ですが、水分をたくさん摂取して2リットル以上の尿を出す正常な人もいて、昼間に排尿をする回数も増えます。

多尿を来す代表的な疾患は、糖尿病、中枢性尿崩症、腎性尿崩症、急性腎不全、慢性腎不全、慢性腎盂(じんう)腎炎です。また、水利尿を来す代表的疾患が中枢性尿崩症、腎性尿崩症で、浸透圧利尿を来す代表的疾患が糖尿病です。

異常にのどが渇くために水分を大量に摂取し、その結果として多尿となるのは、糖尿病の症状です。糖尿病では、血液中の糖分が増加して尿に漏れ出し、尿の浸透圧が上昇して尿の量が増えます。また、糖分が尿に漏れ出すと腎臓で尿を濃くする尿濃縮力が悪くなるのも、尿の量が増える原因となります。この場合には、糖分が含まれた濃く、比重の高い尿が多量に出ます。

腎臓で尿濃縮を行って、排尿量を適量に抑えているホルモンは抗利尿ホルモンと呼ばれ、大脳の下部に位置する視床下部で合成され、神経連絡路を通って脳下垂体後葉に運ばれて貯蔵され、血液中に放出されます。抗利尿ホルモンが分泌されると尿は濃くなり排尿量は減少しますが、逆に抗利尿ホルモンが分泌されないと尿は薄くなり排尿量は増加します。従って、脳下垂体が外傷、腫瘍(しゅよう)、脳出血、脳炎などによって障害を受けると、抗利尿ホルモンが分泌されずに、多尿になります。これを中枢性尿崩症(下垂体性尿崩症)といいます。

次に、この抗利尿ホルモンが正常に分泌されても、作用部位である腎臓の尿細管の障害があると抗利尿ホルモンに反応しないため、老廃物や塩類を排出するために排尿量を多くする必要が出てきます。この時も、のどが渇くために水分を大量に摂取し、その結果として多尿になります。この場合には、薄く、比重の低い尿が多量に出ます。これを腎性尿崩症といいます。

この腎性尿崩症には、遺伝によるものと、他の疾患などから尿細管の障害が引き起こされた続発性の2つがあります。

続発性腎性尿崩症の原因としては、慢性腎不全、慢性腎盂(じんう)腎炎、間質性腎炎、閉塞(へいそく)性尿路疾患などの腎疾患、シェーグレン症候群、多発性骨髄腫、高カルシウム血症、リチウムやデメクロサイクリンなどの薬剤の副作用があります。

尿崩症の症状はいずれの年代でも、徐々にあるいは突然、発症します。発症すると、脱水状態になるため、のどが渇いて過剰に水分を摂取するといった症状が現れ、多尿になります。1日に排出される尿量は3~15リットルにもなります。ひどい時には、1日30リットル〜40リットルになることもあります。薄い尿の大量排出は、特に夜間に著しくなります。水をたくさん飲むために、食べ物があまり取れず、体重は減少します。

続発性尿崩症では、口渇、多飲、多尿に加えて、原因となる疾患の症状を示します。腫瘍が原因の場合、腫瘍が拡大すれば頭痛、視野障害、視床下部・脳下垂体前葉機能低下症状などを示します。脳下垂体前葉機能低下の程度が強く、高度の副腎皮質刺激ホルモンの分泌不全を伴うと尿量は減少し、尿崩症の症状ははっきりしなくなります。この場合、副腎皮質ホルモンを補充すると多尿がはっきりしてきます。

一般に、口渇中枢は正常であるため、多尿に見合った飲水をしていれば脱水状態になることはありませんが、続発性尿崩症で口渇中枢も障害されている場合は重症の脱水を来すことがあります。

水分の多飲による多尿は、精神的な障害でも起こります。精神的原因で強迫的に多飲する心因性多飲症や、脳腫瘍などで起こる症候性多飲症に分けられます。心因性多飲症は、更年期障害で起こる症状の1つとして中年女性に多くみられます。症候性多飲症は、脳下垂体の障害で起こる抗利尿ホルモン分泌低下とは異なり、脳での飲水中枢障害によるものです。

1日3リットル以上の著しい多尿や口渇、多飲などの症状がみられた際には、糖尿病や腎疾患、心因性多飲症とともに尿崩症である可能性があります。泌尿器科、腎臓内科、内分泌内科、頭部外傷や脳手術の既往歴がある人は脳外科か脳神経外科の専門医と相談して下さい。

多尿の検査と診断と治療

泌尿器科、腎臓内科、内分泌内科の医師による診断では、多尿を来す疾患が中枢性尿崩症か腎性尿崩症と見なした場合には、まず多飲、多尿を示す糖尿病、腎疾患を除外する必要があります。これらが除外された後、心因性多飲症などとの鑑別が必要になります。

血漿(けっしょう)浸透圧と血中の抗利尿ホルモンを測定して、鑑別診断に用います。鑑別が難しい場合、水制限試験を行います。水分摂取の制限を行っても、中枢性尿崩症では尿浸透圧が血漿浸透圧を超えることはありませんが、心因性多飲症では尿浸透圧が血漿浸透圧を超えて濃縮がみられます。腎性尿崩症では、抗利尿ホルモンは高値になります。

中枢性尿崩症では、下垂体後葉に抗利尿ホルモンの枯渇を反映する変化がみられます。また、続発性尿崩症の原因となる脳腫瘍などの疾患の検索にも有用です。

中枢性尿崩症と腎性尿崩症の区別は、利尿ホルモンの合成類似体であるバソプレシン剤の投与によって、尿が濃縮されるかで調べます。尿が濃縮されるのが中枢性であり、反応しないのが腎性です。

泌尿器科、腎臓内科、内分泌内科の医師による治療では、中枢性尿崩症には補充療法としてバソプレシン剤や、デスモプレシン剤を点鼻液、あるいはスプレーとして用います。1日2〜3回使用すると、尿量は普通並みに減少します。その他、注射製剤も使用できます。

意識がなくなったり、胃腸障害で水が飲めなくなった時には、速やかに点滴静脈注射をして水分を補給します。腫瘍が原因で続発性尿崩症が起こった時には、手術をして腫瘍を取り除きます。

腎性尿崩症には、有効な薬剤は今のところありません。多くの場合、バソプレシン剤や、デスモプレシン剤を用いた治療を行います。 尿量を減らす目的で、抗利尿ホルモンの産生を刺激するサイアザイド系利尿薬を使用することもあります。

なお、糖尿病で異常にのどが渇くために水分を大量に摂取し、その結果として多尿となる人が水分補給に関して注意しておくべきは、のどが渇いても糖分が多い飲み物をなるべく飲まないということです。乳飲料、果実系飲料、炭酸飲料などの糖分が多い飲み物は血液中の糖分濃度を上げるので、再びのどが渇くという悪循環を繰り返すようになりますので、水や白湯(さゆ)、あるいはお茶などを飲むようにしましょう。

🟥インフルエンザ感染者、2週連続増加 1医療機関当たり11・33人

 厚生労働省は23日、全国約3000の定点医療機関から12~18日の1週間に報告されたインフルエンザの感染者数は計4万3027人で、1医療機関当たり11・33人だったと発表した。前週比1・07倍で、2週連続の増加となった。全国平均で警報レベルとされる1医療機関当たり30人を下回...