2022/08/19

🇵🇰肥厚性腱鞘炎

手の指に起きる腱鞘炎の一種で、手の指を曲げ伸ばしする際にばね現象が発生

肥厚性腱鞘(けんしょう)炎とは、手の指に起きる腱鞘炎の一種。ばね指、弾発指(だんばつし)とも呼ばれます。

手の指には、指の関節を曲げたり伸ばしたりする腱というものが備わっています。手を握ったりする強い力を発揮する筋肉は前腕にあり、その力を筋肉と骨を結び付けている腱が伝えます。腱のうち指を曲げる腱を屈筋腱といい、親指には1本あり、人差し指から小指には深指(しんし)屈筋腱と浅指(せんし)屈筋腱の2本がそれぞれあります。

計9本の屈筋腱の外囲には、筒状に包む腱鞘という組織があります。腱鞘には、指を曲げる時に腱が浮き上がらないようにする硬い靭帯(じんたい)性腱鞘と、靱帯性腱鞘を裏打ちしている滑膜性腱鞘があり、滑液という油のようなものを分泌して、屈筋腱と靱帯性腱鞘が擦れて摩擦が生じにくいようになっています。そのほかの腱の周囲は、パラテノンという軟らかい軟部組織が覆う構造になっています。

しかし、指の付け根の手のひら側で、機械的刺激によって力が掛かりやすい部位で、屈筋腱と靱帯性腱鞘の間で炎症が起こると腱鞘炎になります。腱の動きがスムーズでなくなり、指の付け根に痛み、はれ、熱感が生じます。朝方に症状が強く、日中は手を使っていると症状が軽減することも少なくありません。

この腱鞘炎が進行して、指を動かす時の痛みとともに腱の動きが悪くなって、腱が厚く硬くなったり、腱鞘が厚くなると、ばね現象を現すようになり、肥厚性腱鞘炎となります。ばね現象とは、腱鞘炎のために動きの悪くなった指が伸びたままになったり、曲がったままになって、それを無理に伸ばそうとしたり、曲げようとしたりすると抵抗があり、ばね仕掛けのようにピクンと曲がったり、伸びたりする現象です。

指の付け根に腫瘤(しゅりゅう)を触れ、圧痛があります。重症例では、安静時にも痛みがあったり、発赤などの症状があったり、指が動かない状態になることもあります。

肥厚性腱鞘炎は手の酷使による機械的刺激で発生しますが、主に妊娠時、産後や更年期の女性に多く発生することから、ホルモンバランスの影響も考えられています。ゴルフ、テニス、野球などのスポーツをする人や、指をよく使う仕事の人にも多いのも特徴で、最近ではパソコンや携帯電話で指を酷使する人にも発生します。糖尿病、リウマチ、透析患者にもよく発生します。

小児にも肥厚性腱鞘炎は発生しますが、親指以外の発生は多くありません。親指に発生する肥厚性腱鞘炎はばね母指とも呼ばれ、先天性で、靭帯性腱鞘の入り口で屈筋腱がこぶのように大きくなって引き起こされると考えられています。親指の関節が曲がったままで、無理に伸ばすとばね現象がみらます。指の付け根に軟骨のような硬い腫瘤を触れますが、痛み、圧痛はありません。

肥厚性腱鞘炎の検査と診断と治療

整形外科の医師による診断は、指の付け根に腫瘤や圧痛があり、ばね現象があれば容易につきます。小児の場合は、握り母指症や先天性母指屈指症との区別が必要です。

整形外科の医師による治療は、成人の肥厚性腱鞘炎の場合、まず指の過度の使用を避けるよう指導します。また、湿布剤、軟こうなどの使用、非ステロイド性鎮痛消炎剤の投与を行います。時には、副木(ふくぼく)を当てて固定することもあります。

症状が強い時には、局所麻酔薬入りステロイド剤(副腎〔ふくじん〕皮質ホルモン)を発症している腱鞘に直接注射するのが有効です。3回以上の直接注射は、腱の損傷を起こすことがあるので避けます。

以上の保存療法で効果のない時、慢性化して治りにくい時には、腱鞘を切開する手術が行われる場合があります。手術は局所麻酔を用い、腫瘤が触れる指の付け根に約1cmほどの皮膚切開を入れて、靭帯性腱鞘を縦に切ってトンネルを開放し、腱の滑りをよくします。手術後はすぐに、指の曲げ伸ばしを行うことになります。

幼児のばね母指の場合、全身麻酔を用いた手術で腱鞘切開をすることがありますが、成人になると自然に治るのが普通なので、気長に親指を伸ばしたり、曲げたりする訓練をするのも一つの方法です。

成人の肥厚性腱鞘炎を予防するには、手の酷使を避けることが一番大切です。

🇵🇰肥厚性瘢痕

皮膚の傷が治る過程で、本来は傷を埋めるための組織が増殖して、しこりになったもの

肥厚性瘢痕(はんこん)とは、傷が治る過程において、本来は傷を埋めるための組織が過剰に増殖し、皮膚がやや赤く盛り上がってしこりになったもの。

肥厚性瘢痕の症状はケロイドに似ていますが、組織の過剰増殖が一時的で、傷の範囲内に限られ、周囲の正常な皮膚にまで拡大していくことはないものが肥厚性瘢痕に相当し、ゆっくりしながらも持続的、進行性で傷の範囲を超えて、周囲の正常な皮膚にまで拡大するものがケロイドに相当します。

皮膚の表皮の下にある真皮に達する外傷や手術などで損傷が加わると、損傷部位では毛細血管がつながって線維組織(線維芽細胞)による修復が行われて治癒しますが、この修復された傷跡を瘢痕と呼びます。瘢痕は通常約3~6カ月間、やや赤く硬さを帯びているものの、徐々に白く柔らかい成熟した瘢痕となっていきます。その過程を創傷治癒と呼びます。

この創傷治癒がうまく進まずに、傷を埋める線維組織が過剰に増殖して、やや赤く硬い状態が長く続き、徐々に赤みや硬さが強くなっていくのが、肥厚性瘢痕です。時には、かゆみや痛みなどを伴うことがあります。

また、瘢痕は縮もうとする性質があるため、損傷が関節にまたがるような場合には、肥厚性瘢痕が縮むことによって関節の曲げ伸ばしが制限される瘢痕拘縮(こうしゅく)が生じることがあります。

同じような外傷や手術を経験しても、きれいに治癒する人がいる一方で、肥厚性瘢痕を生じる人がいます。この体質は遺伝することがありますが、遺伝しないこともあります。

同じ個人であっても、小学校高学年から思春期に生じやすく、高齢になると生じにくいという年齢的な要素もあります。また、同じ個人でも、肥厚性瘢痕を生じやすい部位と、生じにくい部位とがあります。一般的には、前胸部、背部、下腹部、耳など皮膚が引っ張られる部位に肥厚性瘢痕は生じやすく、手のひらや足底、顔面、頭部、下腿(かたい)などの部位には肥厚性瘢痕は発生しにくいと見なされています。

さらに、皮膚にかかる力学的緊張や炎症の強弱も関連します。外傷や手術後、特に1~2カ月のうちに、活発な運動によって皮膚の引き伸ばしが反復された場合や、傷跡が化膿(かのう)して創傷治癒するまでに時間がかかった場合などには、肥厚性瘢痕が生じやすくなります。

数年から数十年の経過で、肥厚性瘢痕は自然に縮小することがあります。

肥厚性瘢痕の見た目が気になる場合は、皮膚科、皮膚泌尿器科、あるいは形成外科の医師を受診し、病変部の大きさや時期に適した治療を受けることが勧められます。

肥厚性瘢痕の検査と診断と治療

皮膚科、皮膚泌尿器科、形成外科の医師による診断では、通常、見た目だけで確定できます。ほかの疾患、特に悪性腫瘍(しゅよう)などの可能性を捨て切れない際には、組織の一部を採取して検査します。

皮膚科、皮膚泌尿器科、形成外科の医師による治療では、圧迫療法、薬物治療、外科的治療が主となります。

圧迫療法は、スポンジ、シリコンゲルシート・クッションなどを病変部に当て、サポーター、包帯、粘着テープなどで圧迫する方法です。外傷や手術後では、傷が治ったら早いうちに圧迫療法で傷跡のケアをすると、肥厚性瘢痕になる率を低く抑えることができます。

薬物治療としては、ステロイド軟こう(副腎〔ふくじん〕皮質ホルモン軟こう)を病変部に塗ったり、ステロイド剤を病変部に直接注射する方法が効果的です。ステロイド軟こうには、炎症を抑制する効果、組織を委縮する効果などがあり、痛みやかゆみの症状軽減、盛り上がりや発赤の改善などの効果を認めます。ステロイド剤を注射する場合、多くは1~2回の注射によって痛みやかゆみの症状が軽減し、病変が平らになります。

肥厚性瘢痕の発生や進行、痛みやかゆみなどの症状にはアレルギー反応が関与しているため、トラニラストという抗アレルギー剤の内服が行われることもあります。

圧迫療法、薬物治療による保存的治療が一般的ですが、1つの治療法では不十分なことが多く、症状に応じていくつかの治療法を併せて行います。近年では、放射線の一種である電子線照射や、レーザー治療もしばしば行われています。

外科的治療は、手術で肥厚性瘢痕を切除し、皮膚をZ字のようにジグザグに縫い合わせると、引っ張られる力を分散させることができ、再発を防ぐことができます。体のほかの部分から皮膚を取ってきて、足りない部分に移植する植皮術も行われます。瘢痕拘縮がある場合には、手術を行うほうがよいとされます。

手術の後は、半年から1年間は傷に力が入らないような生活を心掛け、粘着テープを張るなどして皮膚を圧迫します。運動や仕事を切っ掛けに再発する例もあり、しばらく安静な生活を送る必要があります。

🇧🇩肥厚性鼻炎

肥厚(ひこう)性鼻炎とは、鼻粘膜の炎症が長引いて、粘膜が厚く、硬く、ごつごつと肥厚した病状です。

ウイルスや細菌感染による急性鼻炎を繰り返した場合、あるいは長引いた場合に起こります。また、鼻中隔(びちゅうかく)湾曲症があれば、湾曲によって広くなった鼻腔(びこう、びくう)側の粘膜が腫(は)れて、慢性肥厚性鼻炎が起こります。化学物質や物理的な刺激、さらに降圧剤や末梢(まっしょう)血管収縮薬の副作用でも起こります。

症状としては、鼻詰まり、嗅覚(きゅうかく)障害、鼻漏(びろう)、前頭部の頭痛などがみられるほかに、鼻部の不快感、イライラ感、鼻出血なども生じることがあります。鼻漏は粘性が多く、鼻汁がかみきれないこともあります。鼻漏がのどに落ちる、すなわち後鼻漏(こうびろう)もよく起こります。

この肥厚性鼻炎は、薬ではなかなか治りません。病状の原因を除去し、少しずつ炎症を鎮めていくことになります。症状がひどいケースでは、手術が行われます。肥厚した粘膜を減らすために、電気やレーザーで焼いて取り除いたり、アルゴンプラズマで凝固したり、切除したりして、鼻詰まりをとります。

🇧🇩肥厚性幽門狭窄症

胃の出口の幽門の筋肉が先天的に厚くなり、胃の内容物が停滞する疾患

肥厚性幽門狭窄(ゆうもんきょうさく)症とは、胃と十二指腸の境界部にある幽門の幽門輪という部分の筋肉が先天的に厚くなっていて、新生児の母乳やミルクの通りが悪くなる疾患。単に幽門狭窄症とも呼ばれます。

新生児の2000人に1人の割合でみられ、新生児が飲んだ母乳やミルクを噴水状に嘔吐(おうと)するケースもあります。

肥厚性幽門狭窄症の原因は、胃の出口で十二指腸につながる幽門の異常です。通常は食道から胃に食べ物が届くと、幽門を通って十二指腸に運ばれます。しかし、幽門の幽門輪の筋肉が厚くなって幽門が狭くなると、食べ物は先へ進めず逆流します。

なぜ幽門に筋肉が作用してしまうのか、根本的な理由はまだはっきりしていません。筋肉の肥厚は先天的な理由とされていますが、確定していません。しかし、統計的には男の子、特に第一子の男の子に多くみられるとされています。

肥厚性幽門狭窄の症状は、生後2~3週ころから1カ月にはわかるようになり、母乳やミルクを欲しがって飲んでも吐くようになります。最初はダラッと戻す程度ですが、嘔吐は治まらず、やがて口や鼻から噴水のように勢いよく吐き出します。

胃で消化する時間もないまま吐いてしまうので、空腹でまた飲みたがり、そして、母乳やミルクが胃にいっぱいたまったら嘔吐するという繰り返しを続けます。

結果、どんなに母乳やミルクを与えても、栄養を摂取できずに脱水します。栄養不足から体重も増加せず、元気がなくなってしまいます。

嘔吐が徐々にひどくなる、顔色が土色になる、尿量や排便量が減ってくるなどの症状がみられたら、すぐに小児科の医師を受診しましょう。

これらの症状を発見できずにいると、胃にたまった内容物が胃拡張を引き起こす恐れもあります。症状が軽いと、生理的な嘔吐と見分けが付かず、噴水状に吐き出して初めて肥厚性幽門狭窄症に気が付くこともあります。

また、噴水のような嘔吐が目立たないケースもあります。しかし、嘔吐量や鼻からもミルクが戻ってしまうことも、診断ポイントです。授乳時の様子に少しでも違和感を感じた時は、早急に医師に相談すると安心です。

新生児が栄養を摂取できずに嘔吐を繰り返すと、低カリウム血症の恐れが出てきます。肥厚性幽門狭窄症での激しい嘔吐により、体内のカリウムが消化液とともに吐き出されます。カリウムが欠乏すると、嘔吐や倦怠(けんたい)感が増します。

低カリウム血症は悪化すると、全身の至る個所に不具合が生じます。重症に陥ると、不整脈や四肢まひを引き起こします。

肥厚性胃幽門狭窄症の検査と診断と治療

小児科の医師による診断は、比較的容易であり、最近では超音波検査で幽門筋の肥厚の程度まで測定することができます。

小児科の医師による治療は、新生児の吐き方の程度が著しくて食べ物が摂取できない場合には、輸液で栄養を補給してから、手術(ラムステット手術)をすることが基本になります。

まず点滴をして、体液のバランスを改善します。点滴と母乳やミルクの経口摂取を中止すれば、次第に嘔吐は治まります。次に胃の幽門の筋肉に切り込みを入れて、狭くなっている部分を広げます。手術は1時間くらいで終わり、入院は1週間から10日くらいすることになります。この疾患による後遺症などの心配は、ありません。通常の手術は1回だけで済み、手術後は母乳もミルクも飲めるようになります。

また、近年は内視鏡を使って幽門筋を広げたり(鏡視下手術)、アトロピン(硫酸アトロピン)という薬を静脈内に注射することにより、幽門筋を弛緩させて治療する方法を使うこともあります。

低カリウム血症に対する治療は、原因となる先天性肥厚性幽門狭窄症を改善することが有効ですが、新生児が自力で回復できない場合はカリウムを補充します。 

💅肥厚爪

爪の甲の表面の中央部分が肥大化し、極端に盛り上がる状態

肥厚爪(そう、つめ)とは、爪の甲の表面の中央部分が肥大化し、極端に盛り上がる状態。爪肥厚症、巨爪症、オニキクシス、ハイパートロフィーとも呼ばれます。

爪の甲は先端に向かって押し進むように長く伸びますが、何らかの原因で圧迫されて伸びが妨害されると、成長する部分が厚くなったりします。厚くなった部分は、後から伸びてくる爪の甲の成長を阻害し、さらに盛り上がってくるという悪循環になります。

肥厚爪の原因は、遺伝、物理的圧迫、けが、糖尿病、内臓の疾患、細菌感染、血行不良、栄養不足などさまざまです。

中でも、長期間にわたって爪に何らかの物理的圧迫が加わって、肥厚爪になることが多く、手の爪よりも足の爪でしばしばみられます。原因となる物理的圧迫としては、足の形に合っていない靴が挙げられます。特に、先端が細くなったハイヒールを履き続けた時、足の指先に体重がかかりやすく、足先に持続的に圧力がかかることになり、爪の甲がはがれてしまうことがあります。これを何回も繰り返した場合に、肥厚爪が起こることがあります。

同様の理由で、足の形に合っていないシューズで長距離ランニングした場合に、肥厚爪や、爪の両端が指の肉に食い込む陥入爪が起こることがあります。陥入爪、深爪が原因で、正常な爪の成長が妨げられ、肥厚爪が起こることもあります。

肥厚爪があると、爪が割れやすくなったり、はがれやすくなったりします。そのため、割れた爪が衣服や布団に引っ掛かり、はがれた部分から細菌が入って化膿(かのう)などのトラブルを起こすことがあります。

この場合、盛り上がった部分に触ると、激しい痛みがあり、ほかの爪にも移ります。靴を履くのが困難になるのはもちろんのこと、布団がこすれても痛みを感じます。また、肥厚爪の症状として、爪の変色も挙げられます。

この肥厚爪はたまに、爪白癬(そうはくせん、つめはくせん)と間違えられることがあります。白癬菌と呼ばれる一群の真菌(カビ)が感染して起こる爪白癬は、いわゆる水虫、足白癬や手白癬が爪に発生したもので、爪が白く濁り、爪の下が厚く、硬くなります。症状が似ていても違う疾患ですので、水虫用の治療を独自で行うと、肥厚爪が完治するまでに時間がかかるなど、さらに厄介なことになる可能性があります。

肥厚爪の検査と診断と治療

皮膚科、皮膚泌尿器科の医師による診断では、肥厚爪の原因がかなり多岐にわたっているため、その原因を見極めることがポイントになります。

症状が似ている爪白癬と鑑別するためには、皮膚真菌検査を行うのが一般的。ピンセットやメスで採取した爪を水酸化カリウムで溶かし、溶けずに残る白癬菌を顕微鏡で観察します。時には、培養を行って、原因菌の同定を行うこともあります。爪では皮膚と違って菌を見付けにくく、菌の形態が不整形で判定しにくいことが多いので、注意が必要です。

皮膚科、皮膚泌尿器科の医師による治療では、肥厚爪の症状が軽い場合は、保湿してマッサージすることで少しずつ改善します。また、爪やすりで厚い部分を滑らかに磨いたり、磨き粉で仕上げ磨きしたりして、爪の成長を阻害する盛り上がっている部分を平らにすれば、正常な爪の甲が再生してきます。

肥厚爪の症状が重い場合は、局所麻酔下で爪の甲を根本から抜きます。手術後は、3カ月から半年程度、爪を薄く生やすための処置を続けます。

原因となる菌が同定された場合は、その増殖を止めたり、死滅させる抗生物質(抗生剤)を用います。

栄養不足が原因で肥厚爪を生じている場合、栄養バランスのとれた1日3食の食生活を心掛け、爪の健康に必要な栄養素である蛋白(たんぱく)質、カルシウム、マグネシウム、亜鉛、ビタミンB、さらにコラーゲン、野菜や海藻類に多く含まれるミネラル類などをしっかり摂取してもらいます。

内臓などの疾患が原因で肥厚爪を生じている場合は、その原因となる疾患を治療することが先決です。

自分でできる対処法としては、むやみに肥厚爪になった患部を触らないようにします。刺激を与えないことはもちろん、ほかの隣接する指と接しないように気を付けます。

肥厚爪にならないためには、いつも清潔を心掛け、正しい爪の切り方をしていることが大切で、自分の足に適した履きやすい靴を選ぶことも予防となります。どうしてもハイヒールを履く必要がある時は、なるべく長く歩かないようにします。

🇧🇩腓骨神経まひ

自力で足首、足指を上げることができなくなり、感覚の障害、しびれが生じる疾患

腓骨(ひこつ)神経まひとは、足関節と足指、下腿(かたい)外側に支配領域を持っている腓骨神経がまひし、自力で足首や足指を上げることができなくなる疾患。

腓骨神経は、下腿を走行する神経であり、膝(ひざ、しつ)関節の後方で坐骨(ざこつ)神経から分岐し、膝の外側を通り、腓骨の側面を下降して、足関節を通り足指に達します。

腓骨神経まひの原因として最も多いのは、膝の外側(腓骨頭部)への外部からの圧迫により生じるものです。車に同乗中、交差点で出合い頭の衝突事故が起こり、膝の外側をダッシュボードに打ちつけるといった形での腓骨頭骨折や、その他の膝の外傷、開放創や挫傷(ざしょう)などによって生じます。下肢の牽引(けんいん)などで仰向けに寝た姿勢が続いたり、ギプス固定をしている時に、膝の外側が後ろから圧迫されて生じることもあります。

長時間に渡って足を組む姿勢をとることや、草むしりのような膝を曲げた姿勢をとること、硬い床の上で横向きに寝ることで生じることもあります。関節リウマチによる関節の変形、ガングリオン(結節腫〔しゅ〕)などの腫瘤(しゅりゅう)、腫瘍(しゅよう)によっても生じます。

腓骨神経まひが生じると、足首や足指が下に垂れたままの状態となり、自力で背屈ができなくなります。これを下垂足(垂れ足)といいます。下腿の外側から足背(足の甲)ならびに小指を除いた足指背側にかけて感覚が障害されて、しびれたり、触った感じが鈍くなります。

具体的には、下垂足が明らかでない時でも、障子の敷居で足を引っ掛けたり、スリッパやサンダルが歩いているうちに脱げやすいといった症状がみられることがあります。

下垂足が明らかになると足首と足指が下に垂れた状態となるため、靴下や靴を履く際には、その都度座って片手で足を支えないと、うまく履くことができません。車の運転でも、右足にまひが起こればアクセルやブレーキを踏むことはできません。

重症になると、正座、和式トイレの使用はできず、下腿をしっかり保持できないので、杖(つえ)の使用が常時必要となります。深刻なのは、下腿部の疼痛(とうつう)と筋拘縮(こうしゅく)です。下腿部には常にしびれたような疼痛が持続して、血流障害が発生し、下腿全体の筋肉が拘縮、委縮を示します。放置すれば、下腿は廃用性委縮となり、スカートを身に着けることができなくなります。

腓骨神経まひの検査と診断と治療

整形外科、神経内科の医師による診断では、下垂足を示して感覚障害があり、チネルサインがあれば、傷害部位が確定できます。チネルサインとは、破損した末梢(まっしょう)神経を確かめる検査で、障害部分をたたくと障害部位の支配領域に放散痛が生じます。

腰椎椎間板(ようついついかんばん)ヘルニアや坐骨神経障害との鑑別診断が、必要なこともあります。確定診断には、筋電図検査、X線(レントゲン)検査、MRI検査、超音波検査など必要に応じて行います。

整形外科、神経内科の医師による治療では、回復の可能性のあるものや原因が明らかでないものは、保存療法を行います。保存療法には、圧迫の回避・除去、局所の安静、薬剤内服、運動療法などがあります。症状が軽く、足を組むなどの明らかな誘因がある場合には、生活習慣の改善で軽快することがほとんどです。

3カ月ほど様子を見て回復しないもの、まひが進行するものでは、手術が必要になります。骨折などの外傷や腫瘤によるものは、早期に手術が必要です。

神経損傷のあるものでは、神経剥離(はくり)、神経縫合、神経移植などの手術が行われます。神経の手術で回復の望みの少ないものは、ほかの筋肉で動かすようにする腱(けん)移行手術が行われます。下垂足のままだと、歩くことも困難で日常生活を送るのにも非常に不便ですから、足首を固定する距腿(きょたい)関節固定術が行われることもあります。

🇲🇳皮脂欠乏症

全身の皮膚が乾燥してカサカサし、細かくはがれ落ちてくる疾患

皮脂欠乏症とは、皮膚の表面の脂肪分が減っていくことで水分量も減っていき、全身の皮膚が乾燥してカサカサし、表面が細かくはがれ落ちてくる疾患。乾皮(かんぴ)症とも呼ばれます。

冬の寒い時期にできることが多く、中高年者に多くみられます。女性のほうが男性よりやや早い40〜50歳代から起こってきますが、強く出るのは60歳以降の男性です。

初期の症状としては、手足、特に下肢の皮膚がカサカサして脂気がなくなり、表面にウロコ状の鱗屑(りんせつ)が付着し、はがれ落ちてきます。かゆみもわずかにあるため、何となくかかずにはいられなくなり、そのために症状が悪化するという状態になり、二次的に湿疹(しっしん)の症状がみられることも多くなります。

進行すると、 亀(かめ)の甲羅のように皮膚がひび割れて、赤みが生じ、かゆみはかなり強くなります。さらに進行すると、乾燥性湿疹になり、夜中に目覚めるほどのかゆみが出ます。

この皮脂欠乏症は、皮膚の潤いを保っている3つの物質が減ることで起こります。皮膚は通常、皮膚の表面を覆っている皮脂膜、角質細胞と角質細胞の透き間を埋めている角質細胞間脂質、水分をつかまえて離さない天然保湿因子の3つの物質によって、潤いが保たれています。加齢とともに、皮脂、角質細胞間脂質、天然保湿因子ともに減り、角質で水分が保てなくなって、角質細胞がはがれて透き間ができ、その透き間から水分が逃げてしまうために起こります。

そして、種々の環境因子が、皮脂欠乏症を悪化させます。第一の因子が、日本の冬の低温、低湿という気象条件。そもそも、高齢者の皮膚は皮脂腺(せん)と汗腺の働きの低下のために、皮膚の表面の脂肪分が少なくなり、水分を保つことも困難になって乾燥を防止できず、カサカサしています。これが冬にはさらにひどくなるわけで、皮膚が非常に敏感になり、非常に弱い刺激でもかゆみの原因となってしまうのです。

皮脂欠乏症は、大気が乾燥する秋から冬に始まり、真冬になると症状はひどく、多くは春先まで続きます。しかし、高温、高湿で汗をかきやすい夏は、症状が軽くなり、自然に治ったりもします。

第二の悪化因子が、入浴です。高齢者は一般的に入浴が好きで、1日2回入ったり、長湯をする人が多いようです。入浴そのものはかまわないのですが、脂肪分の少ない皮膚は入浴により、さらに皮膚の表面の脂肪分が流れ落ちてしまうのです。

第三の悪化因子は、エアコンや電気毛布、電気シーツ、ホットカーペット。これらの電熱のために皮膚の水分が蒸発し、皮膚の乾燥化が進み、加温のために皮膚の表面の血行が促進されて、かゆみが増加します。

第四の因子が、下着です。高齢者は保温のためにラクダの下着を使用している人が多いようですが、直接、下着の繊維が皮膚に触ると、その刺激でかゆみを感じることがあります。

その他の悪化因子として、精神的な不安、イライラもかゆみに影響します。

皮脂欠乏症の検査と診断と治療

かゆみの原因が皮膚のカサカサにあるため、皮膚の表面に脂肪と水分を補って、人工の保護膜を作る必要がありますので、市販の保湿剤を使います。

保湿剤として、昔はワセリンとか硼酸(ほうさん)亜鉛華軟こうなどというベタベタした軟こうを塗ったのですが、最近は尿素軟こうを使うことが多くなっています。尿素は水分と結合する力が非常に強いので、尿素を含有した軟こうを皮膚の表面に塗っておけば、空気中の水分を吸収して皮膚の表面に薄い膜を作り、皮膚のカサカサを緩和してくれます。湯上がり、まだ肌に水気が残っているうちに塗ることが、効果的です。一日に、何回塗ってもかまいません。

それでも治まらずに、かゆみや赤みがある時は、皮膚科の専門医を受診します。医師の治療では、外用剤として保湿剤を用い、かゆみの強い時に抗ヒスタミン剤の内服を併用したり、湿疹の炎症症状の強い時に副腎(ふくじん)皮質ホルモン含有軟こうを用います。ホルモン含有軟こうの長期使用は避けるべきで、強い炎症症状が治まったら、ホルモンを含まない外用剤に変えます。

次のような工夫で、皮膚の乾燥はかなり予防することができますので、スキンケアを習慣にします。

毎日入浴する場合は、よほど脂ぎった人でもない限り、せっけんでゴシゴシ洗わないほうが、皮膚にとっては安全です。せっけんは洗浄力の強いものを避け、保湿剤入りのものを使うのが、お勧めです。保湿剤入りの入浴剤もあります。ナイロンタオル、ボディソープを使用すると、皮脂が取れ過ぎて悪化することがあるので、お勧めできません。

エアコンや電気毛布、電気シーツ、ホットカーペットなどの電気器具は、室内を乾燥させる元凶です。まず使い過ぎをセーブすることですが、加湿器、ぬれタオル、湯タンポ、観葉植物、水槽などで加湿の工夫をします。ただし、加湿器はカビが発生しやすいので手入れはまめに。

ラクダの下着を使用している人は、繊維の刺激でかゆみを感じることがありますので、肌に優しい木綿の下着を下につけることが大切です。ぴったりと長めの下着で、特にひざから下を覆えば乾燥を防ぐことができます。

できるだけ皮膚をかかないように気を付け、つめは短く切ります。精神的な不安、イライラもかゆみに影響しますので、安らかな気持ちで生活を送ることも必要です。規則正しい生活を心掛け、十分な睡眠を確保し、バランスの良い食事を取ります。刺激の強い食品、辛い食品はかゆみが増すので、避けるようにします。

🟥ロッテ、ガム3商品3万個を自主回収へ 国内で認められていない食品添加物を使用

 ロッテは26日、「めっちゃふくらむフーセンガムボトル」(2024年7月発売)などガム3商品を自主回収すると発表した。回収個数は計約3万個になる見込み。原材料である「エンドウたんぱく」に、国内で使うことが認められていない食品添加物「メチルパラベン」「PEGエステル類」が含まれて...