2022/08/19

🇲🇲風土病

風土病とは、ある一定の地方特有の病気で、地域によっては地方病とも呼ばれています。その地方の特異な自然環境と生活習慣の中から発生します。

風土病の多くは、カニ、淡水魚、巻貝、ダニといった中間宿主を必要として、その生息状況や、その地方の生活習慣に応じて、病気の分布も地域的な特殊性を示すことが多くなります。

代表的なものではマラリア、コレラが挙げられ、国内では日本住血吸虫病、ツツガムシ病、肝吸虫病、フィラリア病、肺吸虫病、糞線虫病などが挙げられます。

🇲🇲封入体結膜炎

性行為によって、微生物のクラミジア・トラコマーティスが目に感染し、引き起こされる結膜炎

封入体結膜炎とは、性行為によって、細菌よりも微細なクラミジア・トラコマーティスという微生物が目に感染し、引き起こされる結膜炎。クラミジア結膜炎とも呼ばれます。

封入体結膜炎という疾患名は、まぶたの裏側から眼球につながる結膜の上皮細胞内に寄生し、増殖するクラミジア・トラコマーティスの塊が「封入体」と呼ばれることに、由来しています。

同じクラミジア・トラコマーティスによって引き起こされる結膜炎にトラコーマがありますが、こちらはクラミジア・トラコマーティス血清型A、B、Ba、Cによって起こり、年齢的には10歳未満の小児や子供に多くみられます。

封入体結膜炎は、クラミジア・トラコマーティス血清型D、E、F、G、H、I、J、Kによって起こり、成人に多くみられます。同じクラミジア・トラコマーティス血清型D〜Kは、性行為により性器に感染して性器クラミジア感染症も引き起こします。

>封入体結膜炎はほとんどの場合、性器にクラミジア・トラコマーティス血清型D〜Kの感染を持っている人との性行為の後、発症します。まれに、汚染されたプールの水から伝染し、発症することもあります。また、新生児が母親から産道感染して、発症することもあります。

2〜19日の潜伏期の後、上下のまぶたの裏側と、眼球の表面から黒目の周囲までを覆う結膜の急性の炎症として、まぶたがはれ、まぶたの裏側の眼瞼(がんけん)結膜が充血してむくみ、膿性(のうせい)の目やにが出ます。

かゆみやヒリヒリした痛みが生じ、涙が多く出ます。下のまぶたの眼瞼結膜には、多数の小さなぶつぶつ(ろ胞)が現れます。明るい光に対して過敏になり、まぶしく感じます。

眼球の黒目の前面を覆う透明な膜である角膜の上皮下に、点状混濁ができることもあります。小さなぶつぶつが大きくなり、血管が徐々に発達して結膜から角膜の上にまで侵入する新血管形成が現れることもあります。

目やにが出ると、特に朝、目が開けにくくなります。視界もぼやけますが、目やにを洗い流すと元のように見えます。角膜にまで感染が広がった場合、視界のぼやけは目を洗っても解消しません。

非常にまれですが、重度の感染により結膜に瘢痕(はんこん、ひきつれ)ができて荒れた粘膜となると、涙液の層に異常が生じることがあり、長期間に渡って視力が障害されます。

通常、初めは片目だけに症状が現れることが多いものの、放置しておくと両目ともに症状が現れることもあります。

目の症状のほか、多くの場合、感染した目と同じ側の耳の前のリンパ節がはれ、痛みを伴います。通常、このような症状が1~3週間続きます。

出生時に、母親の産道を通る際に感染した新生児では、生後1週間前後で発症し、まぶたのはれ、充血、膿性の目やになどが起こります。しばしば、偽膜という分泌物の塊が結膜にできます。

中耳炎や肺炎を合併することもあります。性器クラミジア感染症にかかり、十分な治療をしていない母親の場合、出産時に産道のクラミジア・トラコマーティスが新生児の結膜のほか、のど、肺などにも付着するためです。

なお、新生児の封入体結膜炎では、眼瞼結膜に多数の小さなぶつぶつが現れる、ろ胞性結膜炎とはなりません。

封入体結膜炎に気付いた、早めに眼科の専門医の診察を受けることが勧められます。

封入体結膜炎の検査と診断と治療

眼科の医師による診断では、症状の視診と目の検査を行います。目の検査では、目の表面を拡大して見るスリットランプという機器を用いて、詳細に調べます。スリットランプを使うと、結膜の炎症や、角膜、目の前方部分に当たる前房への感染の様子を観察できます。

また、点眼麻酔後、結膜表面から綿棒で擦過して得られた上皮細胞サンプルを顕微鏡で調べると、封入体と呼ばれる増殖するクラミジア・トラコマーティスの塊が見付かります。血液検査でクラミジア・トラコマーティス抗原のタイプを調べると、より綿密な治療方針を決めることができます。上皮細胞サンプルからクラミジア・トラコマーティスを培養する方法もありますが、時間がかかります。

性行為の相手に、性器クラミジア感染症があるかないかの情報も重要です。最近では特に、不特定多数との性行為と封入体結膜炎の関係が注目されているところです。新生児の発症では、母親の性器に性器クラミジア感染症があります。

眼科の医師による治療では、クラミジア・トラコマーティスに有効な、エリスロマイシンやアジスロマイシンなどのマクロライド系、ドキシサイクリンやミノサイクリンなどのテトラサイクリン系の抗生物質(抗生剤、抗菌剤)の点眼剤や、眼軟こうが用いられます。

点眼剤は涙で洗い流されてしまうので、2~3時間ごとに点眼します。軟こうは長くとどまるので、6時間ごとの使用ですみますが、ものがぼやけて見えるという難点があります。

重篤な場合や性器クラミジア感染症があれば、抗生物質の内服も一緒に行います。点眼剤と内服薬が同時に処方される理由は、新生児の場合、のどや肺にも感染が起きていることが多いからです。大人の場合は、性器から感染し、女性では子宮の入り口に当たる子宮頸管(けいかん)、尿道などでクラミジア・トラコマーティスが増殖しているからです。

治療の原則は、抗生物質の眼軟こうを8週、抗生物質の内服薬を3週ほど続けることです。新生児の場合、2カ月ほど毎日点眼することが原則で、かなり根気が必要です。病原体のクラミジア・トラコマーティスそのものを除去し、完治するには少し時間がかかり、数週間から数か月ぐらい薬が必要となります。

封入体結膜炎にかかったら、まぶたを水道水ときれいな布でやさしく洗って、目やにのない清潔な状態に保ちます。冷湿布をすると目のかゆみや痛みが和らぐことがあります。感染力が強いので、目を洗ったり薬を塗った後には、手をよく洗う必要があります。

さらに、感染している目に触れた後で、感染していない目に触れないように気を付けます。感染している目をふいたタオルや布は、ほかのタオル類と別にしておかなくてはいけません。

封入体結膜炎にかかった場合は、風邪を引いた時と同じように学校や仕事を数日間休むようにします。疾患を完全に治し、感染を防ぐために、性交渉のパートナーの検査、治療も必要です。

🏊プール熱

プール熱とは、アデノウイルスによって起こる急性ウイルス感染症で、結膜充血、咽頭発赤(いんとうほっせき)、発熱が三大症状です。幼児から学童に多く見られ、夏期に学校のプールを介して流行することが多いために、この病名が付けられています。別名は咽頭結膜炎。

原因となるのは、夏風邪のウイルスの一種であるアデノウイルス3型、4型、7型の感染です。結膜の充血はほとんどが下まぶたに起こり、角膜に症状が現れることはほとんどありません。目には痛みやかゆみがあり、目やにが出て、まぶしくなったり、涙が止まらなくなることもあります。

この目の症状は、一般的に片方から始まり、多くの場合、もう一方にも広がります。

39度前後 の発熱が、数日、続きます。のどの痛みも、飲食物が飲み込めないほどひどくなることがあります。幼児では、吐き気や下痢を伴うこともあります。時には、結膜充血、咽頭発赤、発熱の主症状が、全部そろわないことも。

医師による治療では、結膜炎に対しては抗生剤の目薬を使い、熱が高い時は、解熱剤を使います。ウイルス性の病気なので、プール熱の特効薬はありません。

家庭での看護では、口の中が痛くなることが多いので、簡単に飲めるスープ、ジュースに、口当たりのよいゼリーやプリンなどを用意すればよいでしょう。飲食物を全く受け入れられない時には、子供の脱水に気を付けましょう。

1週間くらいでよくなりますが、数週間、便の中にウイルスが出ています。プール熱が治っても、学校側からすぐにプールの許可が下りないのは、このためです。

集団感染の予防のためには、プールでの水泳後の手洗い、洗眼、うがい、シャワー浴びを必ず実行し、目やにから接触感染することがあるため、タオルの貸し借りはやめるなどの注意が必要です。

🇲🇲フェニルアラニン水酸化酵素欠損症

アミノ酸のフェニルアラニンを代謝する酵素の異常で、フェニルケトンが尿中に排出される疾患

フェニルアラニン水酸化酵素欠損症とは、アミノ酸の一つのフェニルアラニンを代謝する際に必要なフェニルアラニン水酸化酵素に異常があるために、フェニルケトンという物質を発生し尿中に排出される疾患。フェニルケトン尿症、高フェニルアラニン血症とも呼ばれ、先天性代謝異常症の一種です。

人間が成長、発育していくには、蛋白(たんぱく)質、糖質、脂肪、ビタミン、ミネラルなどの栄養分が必要であり、これらの栄養分は胃、腸で分解され、小腸より吸収されて、肝臓などの内臓や脳、筋肉に運ばれます。内臓ではさらに、それぞれの臓器を構成するのに必要な成分に分解、合成されます。

このように栄養分を分解、合成する代謝には酵素の働きが必要ですが、その酵素が生まれ付きできないために、関係する成分の蓄積が起こって、いろいろな症状が現れるのが、先天性代謝異常症です。

たくさんの種類がある先天性代謝異常症の中で、フェニルアラニン水酸化酵素欠損症は比較的頻度が高く、早期発見により正常な発育を期待できるため、新生児の集団スクリーニングの実施対象疾患となっています。新生児の約8万人に1人の割合で、フェニルアラニン水酸化酵素欠損症を発症するとされています。

口から摂取した蛋白質は、胃でアミノ酸に分解され、腸より吸収されます。そのアミノ酸の一つであるフェニルアラニンは、体内で合成することができず、肉類を始めとして魚貝類、卵、チーズ、脱脂粉乳、大豆などの食品中に多く含まれるものを摂取して補わなければならない必須(ひっす)アミノ酸の一つでもあり、フェニルアラニン水酸化酵素の働きによって、大部分が別のアミノ酸であるチロシンに変換されます。

このフェニルアラニン水酸化酵素が生まれ付き欠けていると、フェニルアラニンが体内に過剰に蓄積し、血液中ではフェニルアラニンが高値となり、尿中では多量のフェニルケトンが排出されるようになるのが、フェニルアラニン水酸化酵素欠損症です。

新生児にすぐに症状が出ることはほとんどありませんが、時には活気がなかったり、授乳不良がみられることがあります。一般的には、授乳を開始することにより新生児の体内にフェニルアラニンが蓄積し、生後3〜4カ月ころから症状が現れます。

フェニルアラニンの過剰な蓄積によって、脳に障害が起こり、精神遅滞、知能障害、脳波異常、けいれんがみられます。血液中のフェニルアラニン濃度は、正常なら1mg/dL(ミリグラムパーデシリットル)前後なのに、20mg/dL以上になっています。

また、体臭や尿がネズミ臭くなります。汗や尿に、フェニルアラニンの代謝産物のフェニル酢酸が含まれるためです。メラニン欠乏による色白や赤毛、吐き気や嘔吐(おうと)、湿疹(しっしん)様の発疹も現れます。

ただし、新生児の集団スクリーニングで早期発見、早期治療が可能となった現在では、このような症状をみることはほとんどなくなりました。

フェニルアラニン水酸化酵素欠損症の検査と診断と治療

フェニルアラニン水酸化酵素欠損症は、新生児の集団スクリーニングという集団検診の対象疾患になっています。具体的なスクリーニングの流れは、まず産科医療機関で生後4~7日目の新生児のかかとからごく少量の血液をろ紙に採り、スクリーニングセンターに郵送します。センターでスクリーニング検査を行い、血液中のフェニルアラニン濃度を測ることによりフェニルアラニン水酸化酵素欠損症を発見しています。

結果に異常のある場合、小児科の医師による精密検査を受け、フェニルアラニン水酸化酵素欠損症と診断されると、フェニルアラニンの過剰な蓄積を改善するために、できるだけ早期にフェニルアラニン制限食を開始します。

治療には、フェニルアラニンを含まないか、含む量を減らした特殊ミルクを用います。フェニルアラニンは食事中の蛋白質に含まれているので、食事は基本的に低蛋白食になります。

フェニルアラニンは体内で合成できないため、食べ物から摂取する必要がある必須アミノ酸であるため、発育に必要な最小限のフェニルアラニンを母乳や普通ミルク、もしくは低蛋白食によって与え、不足する栄養素を特殊ミルクで補います。

乳児期は、血液中のフェニルアラニン濃度を2〜4mg/dLになるようにコントロールします。成長するに従い、フェニルアラニンの摂取制限の緩和も可能ですが、脳の発達が終わった後も、ある程度のフェニルアラニン制限食は生涯続けることが望ましいとされます。味のよい低フェニルアラニン食品も開発されており、バラエティに富んだ料理を作ることができるようになってきました。

血液中のフェニルアラニン濃度の管理に注意しなければならないものの、早期発見、早期治療によって精神遅滞などは防ぐことができ、健常者と同様な生活を送ることができます。

ビオプテリン代謝異常症とも呼ばれる、一部のビオプテリン反応性フェニルアラニン水酸化酵素欠損症では、食事療法以外にも、酵素の働きを助ける補酵素であるテトラヒドロビオプテリン(BH4)の投与で、血液中のフェニルアラニン値が低下します。その投与を併用することで、食事制限の緩和が可能であり、食事療法を中止し、その単独投与での治療も可能となっています。

しかし、ビオプテリン代謝異常症は、フェニルアラニン制限食だけでは精神遅滞やけいれんは改善できないのが特徴で、脳内で信号や情報を伝える役割を持つ神経伝達物質であるカテコールアミンやセロトニンが欠乏しているので、テトラヒドロビオプテリンの投与とともに、神経伝達物質の前駆体であるL−ドーパや5−ヒドロキシトリプトファンの補充療法が行われています。

また、テトラヒドロビオプテリンの投与の長期安全性は不明ですので、使用に際しては医師の十分な説明と保護者の同意が求められています。

🇱🇦フェニルケトン尿症

アミノ酸のフェニルアラニンを代謝する酵素の異常で、フェニルケトン体が尿中に排出される疾患

フェニルケトン尿症とは、アミノ酸の一つのフェニルアラニンを代謝する際に必要な酵素に異常があるために、フェニルケトン体という物質を発生し尿中に排出される疾患。先天性代謝異常症の一種です。

人間が成長、発育していくには、蛋白(たんぱく)質、糖質、脂肪、ビタミン、ミネラルなどの栄養分が必要であり、これらの栄養分は胃、腸で分解され、小腸より吸収されて、肝臓などの内臓や脳、筋肉に運ばれます。内臓ではさらに、それぞれの臓器を構成するのに必要な成分に分解、合成されます。

このように栄養分を分解、合成する代謝には酵素の働きが必要ですが、その酵素が生まれ付きできないために、関係する成分の蓄積が起こって、いろいろな症状が現れるのが、先天性代謝異常症です。

先天性代謝異常症の種類はたくさんありますが、フェニルケトン尿症は比較的頻度が高く、早期発見により正常な発育を期待できるため、新生児の集団スクリーニングの実施対象疾患となっています。新生児の約8万人に1人の割合で、フェニルケトン尿症を発症するとされています。

口から摂取した蛋白質は胃でアミノ酸に分解され、腸より吸収されます。そのアミノ酸の一つであるフェニルアラニンは、体内で合成することができず、肉類を始めとして魚貝類、卵、チーズ、脱脂粉乳、大豆などの食品中に多く含まれるものを摂取して補わなければならない必須(ひっす)アミノ酸の一つでもあり、フェニルアラニン水酸化酵素の働きによって、大部分が別のアミノ酸であるチロシンに変換されます。

このフェニルアラニン水酸化酵素が生まれ付き欠けていると、フェニルアラニンが体内に過剰に蓄積し、多量のフェニルケトン体が尿中に排出されるようになります。これがフェニルケトン尿症です。

新生児にすぐに症状が出ることはほとんどありませんが、時には活気がなかったり、授乳不良がみられることがあります。一般的には、授乳を開始することにより新生児の体内にフェニルアラニンが蓄積し、生後3〜4カ月ころから症状が現れます。

フェニルアラニンの過剰蓄積によって、脳に障害が起こり、精神遅滞、知能障害、脳波異常、けいれんがみられます。血液中のフェニルアラニン濃度は、正常なら1mg/dL(ミリグラムパーデシリットル)前後なのに、20mg/dL以上になっています。

また、体臭や尿がネズミ臭くなります。汗や尿に、フェニルアラニンの代謝産物のフェニル酢酸が含まれるためです。メラニン欠乏による色白や赤毛、吐き気や嘔吐(おうと)、湿疹(しっしん)様の発疹も現れます。

ただし、新生児の集団スクリーニングで早期発見、早期治療が可能となった現在では、このような症状をみることはほとんどなくなりました。

フェニルケトン尿症の検査と診断と治療

フェニルケトン尿症は、新生児の集団スクリーニングという集団検診の対象疾患になっています。具体的なスクリーニングの流れは、まず産科医療機関で生後4~7日目の新生児のかかとからごく少量の血液をろ紙に採り、スクリーニングセンターに郵送します。センターでスクリーニング検査を行い、血液中のフェニルアラニン濃度を測ることによりフェニルケトン尿症を発見しています。

結果に異常のある場合、小児科の医師による精密検査を受け、フェニルケトン尿症と診断されると、フェニルアラニンの過剰な蓄積を改善するために、できるだけ早期にフェニルアラニン制限食を開始します。

治療には、フェニルアラニンを含まないか、含む量を減らした特殊ミルクを用います。フェニルアラニンは食事中の蛋白質に含まれているので、食事は基本的に低蛋白食になります。

フェニルアラニンは必須アミノ酸であるため、発育に必要な最小限のフェニルアラニンを母乳や普通ミルク、もしくは低蛋白食によって与えることにし、不足する栄養素を特殊ミルクで補います。

乳児期は、血液中のフェニルアラニン濃度を2〜4mg/dLになるようにコントロールします。 成長するに従い、フェニルアラニンの摂取制限の緩和も可能ですが、脳の発達が終わった後も、ある程度のフェニルアラニン制限食は生涯続けることが望ましいとされます。味のよい低フェニルアラニン食品も開発されており、バラエティに富んだ料理を作ることができるようになってきました。

血液中のフェニルアラニン濃度の管理に注意しなければならないものの、早期発見、早期治療によって精神遅滞などは防ぐことができ、健常者と同様な生活を送ることができます。

ビオプテリン代謝異常症とも呼ばれる、一部の軽症なフェニルケトン尿症では、食事療法以外にも、酵素の働きを助ける補酵素であるテトラヒドロビオプテリン(BH4)の投与で、血液中のフェニルアラニン値が低下します。その投与を併用することで、食事制限の緩和が可能であり、食事療法を中止し、その単独投与での治療も可能となっています。

しかし、テトラヒドロビオプテリンの投与の長期安全性は不明ですので、使用に際しては保護者への十分な説明と同意が求められています。

🎾フォアハンドテニス肘

テニスによる手首や腕の使い過ぎで、利き腕の肘の内側に痛みが起こる障害

フォアハンドテニス肘(ひじ)とは、テニスによる手首や腕の使い過ぎで慢性的な衝撃がかかることによって、利き腕の肘の内側に炎症や痛みが起こる関節障害。医学的には上腕骨内側上顆(じょうわんこつないそくそくじょうか)炎と呼ばれ、俗にはゴルフ肘、野球肘、スーツケース肘とも呼ばれます。

上腕骨は肩から肘にかけての大きな骨で、その肘の部位には親指側と小指側に2つの突起部があり、手のひらを天井に向けた時に肘の親指側の突起部が外側上顆、肘の小指側の突起部が内側上顆です。外側上顆には手の甲を顔に向ける回外筋群や、指や手首を伸ばす伸筋群が付いており、内側上顆には手のひらを顔の方へ向ける回内筋群や、指や手首を手のひら側に曲げる屈筋群が付いています。

フォアハンドテニス肘は、手首を過剰な力で手のひら側に曲げることによって、上腕骨内側上顆に慢性的な衝撃が繰り返し加わり、回内筋群や屈筋群に微小断裂や損傷を来して起こると考えられています。

フォアハンドテニス肘は、一定の動作を繰り返し行うことで症状を発症するオーバーユース症候群として知られており、特に中年以降のテニス愛好家にフォアハンドストロークの繰り返しで生じやすいのが特徴

です。テニス以外にも、ゴルフ、野球などのスポーツや手の使いすぎが原因となって、誰にでも発症する可能性がある関節障害でもあります。

フォアハンドテニス肘を起こす要因としては、肩や手の筋肉が弱い、テニスでサーブを強打したりオーバーハンドサーブやトップスピンサーブをする、濡れて重くなったボールを打つ、ラケットが重すぎるかグリップが細すぎる、ラケットのガットの張りが強すぎる、ゴルフの一部のスイングをやり過ぎる、野球の投球動作をやり過ぎる、重いスーツケースを持ち運び過ぎるなどが挙げられます。

症状としては、テニスではフォアハンドストロークのたびに、ゴルフでは一部のスイングのたびに、肘の内側に疼痛(とうつう)が現れます。ズキズキする痛みがあるのに運動を続けると、筋肉を骨に結び付けている腱(けん)が上腕骨内側上顆からはがれてしまい、出血を起こすこともあります。

また、テニスやゴルフ以外の日常生活でも、物をつかんで持ち上げる、タオルを絞る、ドアのノブを回すなどの手首を使う動作のたびに、肘の内側から前腕の小指側にかけて疼痛が出現します。多くの場合、安静時の痛みはありません。

フォアハンドテニス肘の検査と診断と治療

整形外科の医師による診断では、肘の内側に圧痛が認められます。また、抵抗を加えた状態で手首を甲側に曲げてもらうトムセンテスト、肘を伸ばした状態で椅子を持ち上げてもらうチェアーテストなどの疼痛を誘発する検査を行い、肘の内側から前腕にかけての痛みが誘発されたら、フォアハンドテニス肘と確定診断します。

整形外科の医師による治療法は、大きく分けて4つあります。1つは、肘の近くの腕をバンド状のサポーター(テニスバンド)で押さえること。2つ目は、痛い所を冷やして行う冷マッサージ、超音波を当てるなどのリハビリテーションを行うこと。3つ目は、痛みや炎症を抑える飲み薬や湿布薬を使用する薬物治療を行うこと。4つ目は、炎症を抑えるステロイド剤と局所麻酔剤を混合して痛い部分への注射を行うこと。

同時に日常生活では、強く手を握る動作や、タオルを絞る、かばんを持ち上げるなどの動作をなるべく避けるようにします。物を持つ時には、肘を曲げて手のひらを上にして行うことを心掛けます。

このような治療で、大部分の人が3〜6カ月ほどで治ると考えられています。障害が治癒したら、患部の筋肉と、手首や肩の筋肉を強化します。手術が必要となることはまれで、多くの場合、安静や投薬といった保存的治療で治ります。治癒を早める目的で、筋肉から瘢痕(はんこん)化した組織を切除するニルシュル法が行われることもあります。

手指や前腕の筋肉は日常生活で非常によく使うため、安静がなかなか取れずに痛みが長引く場合もありますが、根気よく治療を続けることが大切です。治っていないのにテニスなどの運動を続けると、内側側副靭帯(そくふくじんたい)の緩みや骨に付着する部分での断裂を起こし、靭帯を修復するための手術が必要になることもありますので、無茶は禁物です。

🇱🇦不応性貧血(骨髄異形成症候群)

赤血球などの血球減少に加えて、血球形態の異形成がみられる疾患

不応性貧血とは、骨髄の中の造血幹細胞に異常が生じて、十分な量の血球を作ることができなくなるために血球減少を起こす疾患。難治性で予後が悪いのが特徴で、日本では難病に指定されています。

赤血球、白血球、血小板といった血球は、造血幹細胞から作られています。血球の寿命は短いため、骨髄の中では生涯に渡って大量の血球が作り続けられていますが、何らかの理由で十分に血球が作られなくなると血球減少を起こす結果、赤血球減少による貧血、白血球の一つである好中球減少、血小板減少などの症状が現れます。

異常が生じた造血幹細胞から作られた血球は、形態も異常となります。このように、造血幹細胞に内在する異常の結果、血球形態にも異常を生じることを異形成と呼びます。最近では、血球形態の異形成と血球減少を認める疾患群ということから、骨髄異形成症候群(MDS:myelodysplastic syndrome)という名称が一般的に用いられています。

成人から高齢者に発症しますが、近年では男性の高齢者に多く発症しています。日本全国の患者数は9000人と推定され、特に70歳代がピークになっています。しかし、欧米に比べると日本を含むアジアでは、40〜50歳代での発症者が多いことが知られています。

この不応性貧血を起こす環境因子や遺伝背景はわかっていませんが、年齢とともに発症率が高まることと、抗がん剤や放射線治療を受けた人で発症率が高まることから、自然界を含む放射能被曝(ひばく)、化学薬物や天然の発がん物質への暴露との関連が示唆されています。老化現象や有害物質により、造血幹細胞の遺伝子損傷が起こり、修復できないまま損傷が蓄積されていった結果、異常な造血幹細胞が生まれ、不応性貧血を発症するのでないかと考えられています。

症状としては、血球減少による貧血症状、つまり、顔色不良、息切れ、動悸(どうき)、全身倦怠(けんたい)感、脱力感、易疲労感がみられます。高度の白血球減少が起これば、細菌やかびなどの病原体に対する抵抗力が低下し、肺炎、腸炎、さらには敗血症といった感染症を起こします。血小板が減少すると、ささいなことで出血しやすくなり、軽度の打撲で大きなあざを作る、抜歯後や歯磨き後の歯肉出血が止まりにくい、鼻出血を繰り返すといった症状がみられます。外傷や感染症を契機として、頭の中や胃腸などに重大な出血を起こすこともあります。

また、機能が異常な白血球が作られることで、原因のわからない熱が続いたり、関節がはれたり、広い範囲に皮疹(ひしん)が出ることもあります。約半数の発症者は5年以内に、急性骨髄性白血病になるといわれています。

症状の進行に個人差が大きいことが特徴の一つですが、一般的には症状がゆっくりと進行するために、貧血を自覚することがあまりありません。多くの場合、検診などで貧血と診断されたり、白血球減少による感染症や、血小板減少による出血症状を切っ掛けに、不応性貧血であることが判明します。

不応性貧血、骨髄異形成症候群の治療法としては、発症者の年齢が若くて、HLA(ヒト白血球抗原)が一致する骨髄提供者があれば、骨髄移植が行われます。骨髄移植は治癒の可能性が最も高い治療法の一つですが、肉体的に負担が掛かるため高齢者には実施できません。

最近では、免疫抑制療法も効果があることがわかっており、抗リンパ球グロブリン(ATG)の内服で60パーセント、シクロスポリン(CSA)の内服で80パーセントの発症者が改善するようになってきました。

ほかに行われる治療法としては、赤血球の産生を促進するエリスロポエチン、顆粒(かりゅう)球増加因子を用いるサイトカイン療法、蛋白(たんぱく)同化ホルモンによる造血刺激療法、ビタミンDやビタミンKによる分化誘導療法、化学療法などが行われています。これらの治療法に伴って、赤血球輸血や抗生物質、血小板輸血などの対症療法も多く行われています。

🟥ロッテ、ガム3商品3万個を自主回収へ 国内で認められていない食品添加物を使用

 ロッテは26日、「めっちゃふくらむフーセンガムボトル」(2024年7月発売)などガム3商品を自主回収すると発表した。回収個数は計約3万個になる見込み。原材料である「エンドウたんぱく」に、国内で使うことが認められていない食品添加物「メチルパラベン」「PEGエステル類」が含まれて...