2022/08/29

🇱🇹手足のしびれ

手足のしびれは神経からのサインです。きちんと検査をして、適切な対処を心掛けましょう。

手足のしびれは、なぜ起こる?

 「ピリピリする」、「ジンジンする」など人によって訴える症状はさまざまですが、手足のしびれの多くは、体を通る末梢(まっしょう)神経や中枢神経のどこかで神経が刺激されたり、伝導が正常に行われなかったして起こります。痛みや灼熱(しゃくねつ)感を伴う場合もあります。

 原因となる病気で代表的なのは、変形性脊椎(せきつい)症。背骨や周囲の組織が変形し、神経を刺激するために、しびれや痛みを引き起こします。私たち日本人には神経が通る脊柱管(せきちゅうかん)の狭い人が多いために、発症しやすいと見なされています。

 また、パソコンに長時間、向かっている人の中に、手指のしびれを訴える方も多く見られるところですが、この場合は、重症化することはまれです。ただし、しびれが繰り返したり、持続したりしたら、何かの病気のサインである可能性もありますので、専門医の検査をぜひ受けましょう。 

原因をチェック 

●頚椎や腰椎の疾患

 変形性脊椎症は、加齢などによって頸椎(けいつい)や腰椎が変形し、神経を圧迫するものです。多くの場合、頸椎なら手に、腰椎なら脚に症状が現れます。

 脊椎症の一つである腰部脊柱管狭窄(きょうさく)症では、歩くと脚がしびれ、立ち止まって前かがみになると治まるのが特徴で、50代以上で発症します。

 骨と骨との間のクッションの役割を果たしている椎間板(ついかんばん)が、衝撃などによって突出してしまい、神経を圧迫するのが椎間板ヘルニア。こちらは、青壮年期に多く発症します。 

●末梢神経の障害

 女性の方に多く発症するのが、手根管(しゅこんかん)症候群。手首を通る神経の通り道が狭くなり、小指以外の4本の指がしびれます。肘部管(ちゅうぶかん)症候群では、小指や薬指の一部がしびれます。ひじの内側を通る神経が、関節の変形や良性の腫瘍(しゅよう)などにより圧迫されて、発症します。 

●血行不良 

 動脈硬化により血行が悪くなり、脚がしびれるのが閉塞(へいそく)性動脈硬化症です。中高年の男性の方に多く、初期には歩くと脚にしびれや痛みが出て、しばらく休むと治まります。

 上胸部で手指への血行が悪くなることで発症するのが、胸郭出口症候群です。なで肩の若い女性の方に多く見られ、手がしびれたり、肩が凝ったりします。

●その他

 骨折脱臼切り傷などで神経が傷付き、しびれが出るケースもあります。また、糖尿病が進行すると、末梢神経障害で手足の先がしびれます。

 脳血管障害の初期やその後遺症、さらに脊髄腫瘍骨のがんウイルスや細菌の感染などでも、手足がしびれることがあります。 

対策へのアドバイス

●同じ姿勢を避ける

 デスクワークなどで同じ姿勢を続けていると、当然、体に負荷がかかります。約30分に一度、首や肩を回したり、腰を伸ばしたりして、体を動かしましょう。

 椅子(いす)の高さは、自分の体に合わせて調節しておきましょう。 

●日常生活での注意

 しびれの原因となる病気によって、日常生活での対処法は異なります。

 脊椎症の場合は、まず体重を増やさないことが大切で、コルセットも有効。無理な運動は避け、しびれや痛みがとれてから、医師の指示に従って腹筋や背筋を鍛えましょう。水泳がお勧めのスポーツです。 

 頸椎症の場合は、首を少し前かがみにすると、症状が和らぎます。反対に、首を後ろに反らす、うがいをする際のような動作は控えましょう。頭の重みが神経を圧迫するので、つらい時は横になりましょう。

 胸郭出口症候群では、肩付近の筋肉を鍛えます。 

●対症療法で症状を緩和

 脊椎症や椎間板ヘルニア、手根管症候群、肘部管症候群では、薬物療法などの対症療法が主となり病状に応じて手術も行われています。

 椎間板ヘルニアの場合では、医師が治療を続けるうちに、突出したヘルニアの塊が体の免疫反応などにより消失し、症状が治まるケースも、よくあります。

●体に負担をかけない姿勢

 不自然な姿勢を続けると、背骨や筋肉に大きな負担がかかります。ふだんから正しい姿勢を心掛けたいものです。    

 ◎いすに座る時

 ・あごを少し引き、背中は真っすぐに伸ばす。

 ・腰とひざはほぼ直角に、太ももの上面はほぼ水平になるように。

 ・両腕はひじ掛けや机に乗せた際、水平になるように。

 ・足の裏全体が床に着くように。

 ◎寝る時

 ・敷き布団は軟らかすぎない物に。

 ・首が自然なカーブになる枕を使う。 

🇱🇻肉離れ

肉離れとは、瞬間的に筋肉の繊維や膜が伸ばされて、断裂が生じた状態です。運動中に筋肉に急激に強い力がかかった時や、足をすべらせるなど予期しない動きをした時に生じ、起こりやすいのはふくらはぎや太もも。

ダッシュやジャンプなどの動作の多い短距離走やハードル、サッカーなどのスポーツでよくみられますが、運動不足の人では、日常的な動作で起こることもあります。

予防には、ウオーミングアップやクーリングダウン、十分なストレッチングを行うことです。寒い日や筋肉が疲労している時などは、特に注意が必要です。

🇲🇩膝痛

■なぜ多い?中高年の膝の痛み

●膝の関節軟骨がすり減って発症

中高年の方々は、膝の不快な痛みを「年のせい」とあきらめていませんか。あきらめてしまう前に、日常生活の見直しをしたいところです。

私たちが体を動かすために欠かせない部分が、関節です。骨と骨とが連結している部分のことですが、実は、関節では骨と骨は直接ぶつかっていないのです。

関節の骨と骨の透き間を埋めているのは、軟らかくて弾力性のある「関節軟骨」と、「滑膜(かつまく)」という薄い膜から分泌される「関節液」。関節軟骨は関節部分の骨を覆っていて、厚さは3~4ミリで、非常に弾力性があります。そして、関節液が潤滑油の役割を果たし、私たちは関節をスムーズに動かすことができるのです。

とはいえど、膝の関節の場合は、肩や腰など全身の関節の中でも特に大きな負担がかかっていて、痛みを起こしやすいものです。常に体重を支えながら、立ったり歩いたり、階段を上ったり下りたりするのですから、かかる負担は大。平地を歩行する時で体重の約2~3倍、階段を上り下りする時では約3~4倍、走る際には約6倍もの力がかかっています。

同時に、膝関節は広い範囲の曲げ伸ばし運動など、複雑な動きを行うことを強いられています。歩行時には約60度、しゃがむ動作では約100度、正座では約140度の曲げ伸ばしとなります。

衝撃を柔らげる役割を果たしている関節軟骨も、加齢とともに水分が失われ、弾力性がなくなってしまいます。そこに体重の増加、仕事や運動などによる負担が加わると、関節軟骨は次第に、すり減ります。

結果として、関節に炎症を起こしたり、骨が変形したりして、痛みが生じることになります。この変形性膝(しつ)関節症が、膝の痛みの原因として最も多いのです。ほかにも、けがや免疫の病気、代謝の病気が、原因として考えられます。

軟骨は一度すり減ると、残念ながら再生しません。「年齢」、「体重」、「習慣」が変形性膝関節症の三大要因といわれていますので、膝への負担を少しでも減らすことが、日常生活で大切になります。

●疑われる関節の病気

◆変形性膝(しつ)関節症

関節の軟骨がすり減ったために、痛みが生じる病気が変形性関節症で、中でも一番多いのが、膝の部分に痛みが出る変形性膝関節症。膝が痛む病気としても、最多です。

加齢で増加する病気であり、通常は50代から発症するケースが多いのですが、肥満の人は40代でも発症します。

初期では、立ち上がる際や歩き始めに痛みますが、時間がたてば治まります。進行すると、正座や階段の上り下りで感じる痛みが大きくなり、膝を真っすぐに伸ばしたり、十分に曲げたりできなくなります。悪化すると、じっとしていても痛みを感じ、歩けなくなれば手術も必要となります。

O脚の人の場合、膝の内側に圧力がかかるため、内側の関節軟骨がすり減って発症しやすく、女性に多いのが特徴ですが、はっきりした理由は不明です。

◆半月板損傷

膝の関節内でクッションの役割を担っているのが、半月板です。この繊維性の軟骨は、スポーツなどで急に方向転換をしたり、膝を素早く曲げ伸ばししたりすると、切れることがあります。

切れた場合には、膝の全体が腫れて痛みが出たり、ロックされたように膝が動かなくなったりし、自然に治癒することはありません。損傷がひどいケースでは、手術が行われます。

加齢によって柔軟性がなくなるので、中高年は半月板の損傷に注意が必要。半月板損傷と変形性膝関節症とが合併する例も、みられます。

◆関節リウマチ

自己免疫反応の異常により、膝だけでなく全身の関節が炎症を起こす病気が、関節リウマチ。膝、指、手首、肘(ひじ)などの関節の滑膜に炎症が起こり、そこから出る物質が関節軟骨や骨を破壊するため、痛みや腫れが生じ、関節が変形します。

40代以上の女性に多くみられ、出産後に発病することも。朝、手や指がこわばって動かしにくいのが、症状の特徴となります。こわばりが30分以上、6週間続く、腫れが3カ所以上ある、腫れが左右対称である、などのケースでは、関節リウマチが疑われます。

◆化膿性関節炎

体のある部分が黄色ブドウ球菌などの細菌によって化膿(かのう)した場合、その感染が関節におよび、炎症を起こすことがあります。炎症は膝だけでなく、全身の関節で起こります。

関節が赤く腫れ上がって熱を持ち、痛みも徐々に強くなって自由に動かせなくなります。体温も上がり、緊急手術が必要。熱があって激しい痛みがあれば、すぐに医療機関へ行くべきです。

◆大腿(だいたい)骨顆骨壊死

大腿骨顆骨という、膝の上側の骨の一部が壊死して、強い痛みが生じます。50歳以上の女性に多く、症状が変形性膝関節症に似ています。

◆痛風

血液中の尿酸が関節にたまることで、炎症を起こします。尿酸は細胞の燃えカスで、プリン体という物質からできています。

炎症はまず、足の親指の付け根に起こることが多く、中高年の男性に多い病気です。

■心掛けたい「膝痛」対策

●原因を明白にさせる

まずは、膝の痛みの原因を突き止めることです。歩きすぎなどのはっきりした原因があり、2~3日で治るようであれば、それほど心配はありません。

心当たりがないのに激しく痛んだり、だんだん痛みが増してきたりしたら、専門医を受診しましょう。

膝の痛みが急に悪化し、腫れや熱を持っている場合は、氷などで冷やして炎症を抑えましょう。慢性的な痛みの場合は、ゆっくり入浴して膝を温め、血行をよくしましょう。

●膝への負担を減らす

膝の関節に負担をかけないためには、日常生活の改善が最も大事です。

体重をかけて膝を曲げることが膝関節への一番の負担になりますので、椅子や洋式トイレを使用して、しゃがまない、正座をしない、横座りをしないように心掛けましょう。

長時間、立ち続けるのもよくありませんし、重い荷物を持つのもよくありません。肥満の人は、減量を試みましょう。

階段を上り下りする時は、体重の3~4倍の負担が膝にかかります。膝の悪い人が外出する際には、エスカレーターやエレベーターを利用しましょう。負担がかからない靴を履くようにし、関節の保護と保温のためにサポーターを利用するのもよいでしょう。

寒い季節には、体を冷やさないように注意し、入浴で血行をよくしましょう。

●筋トレで太ももを鍛える

膝は筋肉によって支えられています。太ももの筋肉を柔軟にし、筋力を向上することで、膝への負担を減らすことが可能になります。

高低差の少ないコースでのウオーキングや水泳が、お勧めのトレーニングです。水中ウオーキングも、膝への体重の負担が少なくてよいでしょう。

家でできる筋トレもあります。寒くて家に閉じこもりがちな季節の場合、じっとしているだけでは関節は弱る一方です。簡単な体操や適度な運動で、関節痛を解消、ないし予防しましょう。変形性膝関節症の慢性期は、適度なトレーニングで症状が改善します。

まずは、太ももの前側の筋力を強化する方法の紹介。足の裏がちょうど床につく程度の高さの椅子に座って、足首を上に曲げたまま片脚を5秒くらいかけてゆっくり上げ、膝が伸びたところで10秒静止します。同様に、ゆっくり下ろし、反対側の脚の上げ、止め、下げを行います。これを1セット10~20回、朝、昼、晩に行いましょう。

関節軟骨の一カ所に負担が集中することがなくなり、膝の曲げ伸ばしの力も強くなります。注意すべき点は、・沈み込まない椅子を選ぶ、・腰などに痛みがある人、膝が伸びない人は無理をしない、・膝の症状が進行している人は医師と相談の上行う、ことです。

太ももを強化する他の方法としては、・畳やカーペットに仰向けに寝て、片脚は膝を曲げたまま、もう一方の脚をゆっくり上げる、・横向きに寝て、股を開けるようにゆっくりと片脚を上げる。上げない方の脚は、曲げていてもよい、・太ももでボールやまくらをはさみ、膝を内側にねじったり曲げたりしないようにしながら、ボールなどを押すように力を入れる、などを試してもよいでしょう。

次は、太ももの背面の筋肉を柔軟にするストレッチ。両膝を真っすぐに伸ばして、床に座ります。右の手のひらを右膝、左の手のひらを左膝に当て、膝のお皿の上あたりを押すと、膝の後ろ側が伸びます。反動をつけず、ゆっくり行いましょう。

膝の曲げ伸ばしをお風呂の中でするのも、よい方法です。関節を伸ばす時に力を入れながら、ゆっくりと行うのが要領。

●関節によい成分をとる

痛み止めを使わずにいると、しばらくするとまた関節が痛くなってくる…そんな経験を持つ人も多いのでは。これは薬で痛みや炎症を抑えていても、軟骨がすり減っている、という根本的な原因が解決されていないから。

ここで注目したいのが、最近話題のグルコサミンやコンドロイチン、MSM(メチルスルフォニルメタン)など。軟骨の成分でもあるこれらには、軟骨細胞の再生を促す作用があるのです。

グルコサミンは、軟骨の原料となる物質を作る。アミノ糖の一種。生体内に広く分布しているが、特に軟骨細胞に多い。若いうちは体内でスムーズに作られますが、加齢とともに生成量が減り不足気味に。

コンドロイチンは、細胞に水分を補給し、栄養を与えて老廃物を排出する。ムコ多糖の一種。骨や軟骨、皮膚など広く生体内にある。加齢とともに生成量が減り不足気味に。また、目の角膜や水晶体の透明感や弾力性の維持の働きもあります。

MSM(メチルスルフォニルメタン)は、たんぱく質やコラーゲンの生成に不可欠。有機イオウ化合物の一種で、人間を含むほとんどの動植物にとって必須の成分。調理により大部分が失われるので、通常の食事だけでは不足しがち。

サプリメントでとる場合、グルコサミンとコンドロイチンは、食後ならいつでもOK。1日分をまとめて飲んでも、分けて飲んでもOK。MSMは朝食後、夕食後と分けて飲むとよいでしょう。

🇫🇮委縮性膣炎

閉経後に自浄作用が低下して細菌が繁殖するため、膣壁が委縮して起こる膣炎

委縮性膣炎(ちつえん)とは、卵巣から分泌される女性ホルモンのエストロゲンが閉経後に低下し、それとともに自浄作用も低下して細菌が繁殖するために、膣壁が委縮して起こる膣炎。老人性膣炎とも呼ばれます。

通常は加齢に伴って発症するもので、生理が止まった閉経後の女性の多くが委縮性膣炎を生じている状態にあります。また、出産から最初の月経までの期間の産婦や、悪性腫瘍(しゅよう)で卵巣を摘出する手術をした女性にも発症することがあります。

女性生殖器系の器官である腟は、骨盤内にあって子宮と体外とをつなぐ管状の器官で、伸び縮みできる構造をしています。腟の前方には膀胱(ぼうこう)や尿道があり、後方には直腸があります。腟壁は粘膜に覆われ、その粘膜面には横に走るひだがあります。このひだは正中部で集合し、前壁と後壁で中央に縦に走るひだになっています。このひだは出産の経験のない人に、多く認められます。

この腟の中は、温かく湿っていて有機物が豊富にある状態で、細菌の繁殖に適しています。しかし、腟には自浄作用という働きがあります。腟壁上皮は卵巣から分泌されるエストロゲンの作用により、表皮細胞への分化が促され、細胞質の内にグリコーゲンが蓄積されます。剥離(はくり)した細胞内のグリコーゲンは、ブドウ糖に分解されて、腟内の乳酸桿菌(かんきん)によって乳酸菌に換えられます。これにより腟内は酸性となり、酸性環境に弱い細菌の増殖が抑制されます。

閉経後の女性の場合は、卵巣から分泌されるエストロゲンや卵胞ホルモンが低下するため、ブドウ糖が不足し腟内の乳酸菌が著しく減少する結果、細菌が繁殖します。

また、閉経後の女性の場合は、腟壁は女性ホルモンや少量の男性ホルモンの働きにより、閉経後十数年たっても若い時代の3分の2の厚さが保たれていますが、一部の女性ホルモンが不足してくると腟のひだが少なくなるとともに、腟壁のコラーゲンが少なくなり、壁そのものも委縮して薄くなり、乾燥も起こります。この薄くなった腟の壁は、腟内に細菌が繁殖すると、充血して炎症を生じます。

そのために、委縮性膣炎を発症すると、下り物が黄色っぽくなる、下り物に血が混じる、下り物に悪臭を伴うなどの症状が、現れることがあります。腟壁の痛みや灼熱(しゃくねつ)感などの不快感、腟入口の乾燥感、掻痒(そうよう)感、違和感などの症状が、現れることもあります。性行為に際して、痛みを伴ったり、出血、掻痒感などの症状が、現れることもあります。

エストロゲンの分泌が低下したり、膣壁が委縮して薄くなること自体は、閉経後の女性であれば当たり前のことですので、無症状であったり、症状が軽いこともあります。

必ずしも治療が必要なわけではありませんが、黄色い下り物は子宮体がんなどに伴う症状の可能性もありますので、注意が必要となります。

委縮性膣炎の検査と診断と治療

婦人科、産婦人科の医師による診断では、膣や外陰部の肉眼的な観察を主に行います。細菌性膣炎を合併していることが多く、腟内の細菌検査を必要とする場合もあります。同時に、がん細胞の有無も確認します。

明らかにエストロゲンが低下している年齢でなければ、ホルモン検査を行うこともあります。

近年は、診断と治療的効果判定の数値化を目的に腟健康指数を用いて診断する方法も行われるようになりました。

婦人科、産婦人科の医師による治療では、がん細胞がない場合は、女性ホルモンの膣錠、エストロゲンの経口剤や貼付剤、女性ホルモンの補充療法などで、症状の改善を図ります。

軽度の炎症であれば、膣洗浄によって細菌を流し、症状を改善させることもあります。細菌感染がひどい場合は、抗生物質が入った腟錠を併用することもあります。性交痛などに対して、潤滑ゼリーを勧めることもあります。

多くは1~2週間の治療で治りますが、1カ月程度にわたって薬剤を使用しないと治らない人もいます。

子宮体がんや乳がんなどの病歴がある人に対しては、別の治療法が選択されることもあります。

🟧東京都で新たに1万5834人が新型コロナ感染 前週の同じ曜日から8946人減

 東京都は28日、都内で新たに10歳未満から100歳以上の1万5834人が新型コロナウイルスに感染していることを確認したと発表しました。

 1週間前の日曜日より8946人減り、これで1週間続けて前の週の同じ曜日を下回りました。28日までの7日間平均は1万9544・4人で、前の週の75・5%となりました。

 新規感染者を年代別にみると、20歳代が2653人と最も多く、40歳代が2622人、30歳代が2571人と続きました。65歳以上の高齢者は1694人でした。

 ワクチンの接種状況別では、2回接種済みが1万65人、未接種は3009人でした。

 人工呼吸器か体外式膜型人工肺(ECMO<エクモ>)を使っている重症の患者は、27日より2人増え40人でした。

 一方、都は感染が確認された40歳代から90歳代までの男女、合わせて23人が死亡したことを発表しました。

 また、確認された感染者のうち、他県内の陽性者登録センターなどを通じて申請があったのは768人で、都外から持ち込まれた検体を都内の医療機関で検査したのは648人でした。

 東京都の累計の感染者数は288万6324人となり、累計の死者数は5237人になりました。

 2022年8月28日(日)

2022/08/28

🇸🇪息切れ

●苦しい時は適切な対応を

 息切れが気になっても、年齢や風邪のせいにしていませんか。適切な対応をしないと、生死にかかわるケースもあるので、注意したいところです。

●肺は壊れると元に戻らない

人体の臓器の中で唯一、直接外気に触れているのが、呼吸器である「肺」です。容量も臓器の中で最大で、左右一対ある肺には一日、約1万リットルの空気が出入りしています。

肺に空気が運ばれていく通路が「気管」で、気管は胸のほぼ中央で左右に分かれて「気管支」となります。気管支は「肺門」から肺に入り、肺の奥に進むにつれて枝分かれして細くなっていき、末端は「肺胞」と呼ばれる小さな袋の集まりとなっています。

 肺胞の数は大人で3億~7億個、総面積はおよそテニスコート1枚分。肺胞の壁は毛細血管と接しており、空気中の酸素と血液中の炭酸ガスの交換が絶え間なく行われています。

酸素と炭酸ガスの交換を一般に「呼吸」と呼びますが、呼吸は脳の呼吸中枢によってコントロールされていて、肺だけではなく鼻、のど、胸郭、横隔膜などが複雑に動き、血液の循環とも密接な関係にあります。

こうした一連の動きがうまくいかない時、私たちに息切れが起こります。そのため、息切れにはさまざまな原因が考えられるのです。

急性の息切れでは、緊急に対応しないと命にかかわることもありますので、すぐに病院へ行く必要があります。慢性の息切れのケースも、放置は厳禁です。

肺は一度、壊れたら元に戻らないことが、怖いのです。肺の機能が衰えると、苦しいために体を動かさなくなり、やがては全身の筋肉が弱まってしまい、寝たきりになる危険性があります。

●息切れの原因のチェック

◎慢性の息切れ

◎COPD(慢性閉塞性肺疾患)

中高年にみられる呼吸器の病気の代表格。たばこや大気汚染によって、肺胞が壊されたり、細い気管支の壁が厚くなって管が細くなったりした結果、肺の中の空気が出しにくくなるもので、肺気腫、慢性気管支炎が含まれます。

徐々に進行し、症状が息切れ、せき、たんであるため、慢性的な風邪と勘違いしているケースもあります。喫煙者の15~20パーセントに起こる、と見なされているところ。

◎気管支ぜんそく

全年齢層にみられる病気。気管支が慢性的な炎症で狭くなり、空気が通過しにくくなります。せき、たんが出るのはCOPDと同様ですが、夜中や夜明けに症状が出るケースが目立ちます。

原因はアレルギー、と見なされているところ。

◎その他

高度の貧血によって、全身の臓器に酸素がいきわたらないと、息切れになります。

肺が徐々に硬く縮み、空気を吸い込むことができずに息切れするのは、間質性肺炎や肺線維症です。

また、肺結核、肺がんや気管支拡張症、神経や筋肉の疾患、甲状腺疾患、緑内障の点眼薬(βブロッカー)の副作用などでも、息切れが起こります。

◎加齢によるもの

肺機能は男女とも25歳がピークで、加齢とともにゆるやかに低下していきます。健康であっても、誰にでも起こること。日常生活に支障がなければ、問題はありません。

 ただし、体力が落ちていて日頃から元気のない高齢者の場合、肺炎を起こしても息苦しさや、高熱などの症状が現れにくいことに、注意が必要です。「おかしい」と思ったら、手遅れにならないように、早めに医療機関へ。

◎危険な急性の息切れ

◎自然気胸

若い元気な人に多く、突然起こります。肺に穴が開き、肺から出た空気によって、肺が圧迫されて縮んでしまいます。急激な息切れ、胸痛を伴います。

◎うっ血性心不全

 心筋梗塞などによって、心臓のポンプ機能が低下し、体に十分な血液が送り出せない状態になると、肺に水分がたまり、呼吸が速くなります。「寝ると息苦しい」、「水っぽい、たんが出る」などの症状があります。

◎エコノミー症候群

前触れもなく、急に息苦しくなります。飛行機の座席などで、水分不足のまま何時間もじっとしていると、脚の静脈に血栓ができます。その血栓が肺動脈に運ばれ、急に血流を止めてしまうケースがあります。

●心掛けたい息切れ対策

◎専門医を受診する目安

息切れの感じ方は人によってさまざまで、痛みの感じ方と似ています。中には、実際には病気があるのにあまり感じない人もいます。

息切れに伴って、せき、たんがある場合には一度、専門医を受診しましょう。また、同年代の人と一緒に歩いている際に自分だけ歩調が遅れるのも、重要なシグナルとなります。

◎COPDには禁煙が最も有効 

年齢が上がるにつれて増加するCOPDの主要因は、たばこです。たばこの煙の粒子は非常に小さく、肺の奥深くまで入り込んで沈着し、炎症を起こすのです。

喫煙者でも、元には戻らないものの、たばこをやめた時点から肺の機能低下がゆるやかになるので、すぐに禁煙を実行しましょう。

◎ウォーキングと腹式呼吸を

COPDの人の場合、息が切れると動くのが面倒になり、運動不足になって運動機能が低下し呼吸困難がさらに悪化する、という悪循環になりがちです。そのため、全身の筋肉を鍛えることが大切になります。

最も勧めたい対策は、ウォーキングなどの軽い運動です。腹式呼吸も効果的で、横隔膜を十分に使って呼吸することで、肺の容量が大きくなります。腹筋を縮めるようにして、口をすぼめた状態でゆっくり息を吐く、口すぼめ呼吸も効果的で、気管や気管支での空気の通りがよくなります。

◎日常生活を楽にする工夫

COPDの人は、体に余計な負担をかけない工夫をすると、日常生活が楽になります。床に置いたものを取る際には、かがんで持ち上げるといった工夫です。

重症になると、息を吸う時に横隔膜だけでなく、首や腕などの筋肉の助けも必要になります。これらの筋肉を使わない、息を吐く時だけ体を動かすように、そしてリズムをつけて動くようにしましょう。階段を上がる際には、息を吐きながら歩を進め、息を吸う時は立ち止まりましょう。

🇳🇴かぜ症候群

かぜは、口、鼻から肺までの空気の通り道である呼吸器が、微生物や寒さの刺激を受けたことにより、さまざまな反応を起こした状態(急性炎症)を示します。正確には「かぜ症候群」あるいは「かぜ疾患群」といいます。

ごく軽いかぜを含めると、人は1年間に平均6回かぜをひくという統計があります。呼吸器は四六時中、外の空気に接していますから、トラブルが多くなるのも無理からぬことです。

軽い症状のまま約1週間で治ってしまうことがほとんどですが、場合によっては重い合併症を起こすこともあります。昔から「かぜは万病のもと」といわれてきたように、かぜを決してあなどってはいけません。

●なぜ、かぜにかかるのか?

1.かぜの原因

かぜは寒さやアレルギー反応で起こることもありますが、多くの場合、病原微生物(病原体)の感染が原因で起こる呼吸器の急性炎症です。かぜを起こす病原体にはウイルス、マイコプラズマ、細菌、クラミジアがありますが、かぜの原因の80~90%をウイルス(かぜウイルス)が占めています。かぜウイルスには、インフルエンザウイルス、パラインフルエンザウイルス、RSウイルス、アデノウイルス、ライノウイルス、コクサッキーウイルス、エコーウイルス、コロナウイルス、レオウイルスがあります。これらのウイルスは呼吸器以外でも感染を起こすものがあり、アデノウイルスは眼の病気や乳児の下痢症、エコーウイルスは髄膜炎の原因にもなります。

2.かぜに何回もかかる理由

体は、ウイルスに一度感染するとその免疫ができて、次にそのウイルスが入ってきたときには、迅速に攻撃してやっつけてしまう仕組みを備えています。しかし、この免疫はいつまでも残っているわけではありません。また、ウイルスには多数の型があり、同じ種類のウイルスでも型が違うと免疫は十分には働きません。そのため、異なるウイルス、また違う型のウイルスが侵入してくるたびに、かぜをひくことになります。

3.ウイルスの感染とからだの反応

ウイルスによるかぜをひいている人の痰や鼻水は、たくさんのウイルスを含んでおり、くしゃみや咳をしたときにしぶきとなって飛び出し、空気中に漂います。そして、近くにいる人に吸い込まれ、ほとんどが鼻の粘膜にくっつきます。ウイルスは粘膜にある感染防御機構と戦い、それに勝利すると粘膜の細胞の中に入り込んで増え始めます(感染の成立)。

やがて、ウイルスは細胞内を埋め尽くして、ついには細胞を壊します。体は、これに対して「炎症」で応じます。これが急性鼻炎です。そして、感染が奥に進むにつれ、咽頭炎、喉頭炎、気管支炎、肺炎が起こります(病名で○○炎というのは、炎症の炎なのです)。

(なお、かぜウイルスの中には痰や鼻水だけでなく、結膜や便の中にも出てくるものがあります。その場合は、結膜や便に直接触れることでも感染します。)

●症状 

1.炎症の場所によって異なる症状

鼻の炎症は急性鼻炎といい、くしゃみ、鼻水(水状→粘液状→黄色い膿状)、鼻づまりなどの症状を起こし、のどの炎症である咽頭(いんとう)炎では、のどの粘膜の充血や腫れ、痛みを訴えます。さらに、感染が呼吸器の奥へと進んだ喉頭(こうとう)炎では、声がれ、ときには呼吸困難を起こし、気管、気管支、肺にいたると、咳や痰が出るようになります。

2.その他の症状

かぜには、前述のような呼吸器症状の他に、頭痛、発熱、腰痛、全身のだるさ、食欲不振などの全身症状があります。また、腹痛、下痢などの消化器症状が加わることもあります。

3.かぜの病型

これまで説明したように、かぜの症状はさまざまです。そこで、全身症状があるのかないのか、呼吸器症状は何が中心かということで、8つの型(病型)に分けられています。個々のかぜウイルスについて、よく見られる病型というものはありますが、同じウイルスでも場合によってさまざまな病型のかぜを起こします。

主な病原体によるかぜの病型

* インフルエンザ:インフルエンザウイルス

* 普通感冒:すべてのかぜウイルス、マイコプラズマ

* 咽頭炎:すべてのかぜウイルス、マイコプラズマ、細菌(レンサ球菌)

* 咽頭結膜熱:アデノウイルス

* クループ:パラインフルエンザ・インフルエンザウイルス

* 気管支炎:マイコプラズマ、インフルエンザ、パラインフルエンザ、RSウイルス、コクサッキーエコーウイルス、細菌(レンサ球菌)

* 異型肺炎:マイコプラズマ、インフルエンザ、パラインフルエンザ、RSウイルス、コクサッキーエコーウイルス

* 肺炎:インフルエンザ、パラインフルエンザ、RSウイルス、コクサッキーエコーウイルス、細菌(レンサ球菌)

4.インフルエンザ

1.インフルエンザとインフルエンザウイルス

インフルエンザは高熱、頭痛、筋肉痛、関節痛、全身のだるさといった全身症状が強い型のかぜをいいます。悪寒とともに39~40℃に発熱し、3、4日続きます。結膜の充血、鼻炎、のどの痛み、咳、痰、扁桃(へんとう)の腫れなどの呼吸器症状は、全身症状のあとに現れてきます。

こういった全身症状が強いかぜは、インフルエンザウイルスによって起こることが多いのですが、その他のかぜウイルスが起こすこともあります。

また、インフルエンザウイルスが起こすかぜは、大抵インフルエンザ(型)ですが、鼻かぜ(鼻水、鼻づまりが中心で、のどの痛みや咳は少ない型のかぜ)、咽頭炎、気管支炎、肺炎などを起こすこともあります。

インフルエンザウイルスが感染して症状がでるまでの潜伏期間は2日前後で、日本では空気の乾燥する12月から3月にかけて流行します。

2.インフルエンザが怖いわけ

インフルエンザが怖いのは、65歳以上を中心にインフルエンザウイルスに感染したひとの約1%が肺炎を合併するからです。インフルエンザに肺炎を合併すると、熱が続き、咳、痰、時には血痰が出て、呼吸困難を起こすこともあります。インフルエンザにかかってから2、3日で呼吸困難になることがたまにあり、また、いったん治ったように見えながら2~3日で肺炎になることもあります。

インフルエンザウイルスには、A型、B型、C型がありますが、C型は症状が軽く流行も目立ちません。一方、A型とB型(とくにA型)は症状が強く、世界的に流行して命にかかわることも珍しくありません。ソ連型、香港型というのはA型のインフルエンザウイルスで、交互に流行がみられます。

5.マイコプラズマ肺炎

マイコプラズマ肺炎は、細菌より小さくウイルスよりやや大きいマイコプラズマという病原体が起こす異型肺炎という型のかぜです。

のどが赤く腫れて痛み、38℃前後の発熱、激しい乾いた咳、胸痛があります。潜伏期が2~3週間と比較的長く、感染力も強くないため、爆発的に流行することはありませんが、約4年ごとに流行しています。時として、重い合併症を起こすことがあります。

●合併症

かぜの合併症としては、中耳炎(ちゅうじえん)、副鼻腔炎(ふくびくうえん)などが一般的ですが、最も注意を要するのが肺炎です。肺炎は、ウイルスによるかぜで抵抗力が弱ったところに、細菌(ブドウ球菌、インフルエンザ桿菌、肺炎球菌、レンサ球菌など)が感染して起こします。インフルエンザによる死亡の8割は肺炎が原因です。

その他、筋炎、心筋炎、また、神経系の合併症(ライ症候群、脳症、ギランバレー症候群、急性小脳失調症、脊髄炎(せきずいえん)、多発神経炎、髄膜炎など)もあり、うっ血性心不全や心筋症などの慢性の病気が悪化することもあります。

●治療法

1.一般療法

体の回復力を高めるには、安静と睡眠が大切です。38℃以上の熱がある場合は、安静を助けるために水枕、氷枕をあてます。体力をつけるには食事も大切です。かぜの時には胃腸の働きが落ちるため、葛湯、おかゆ、スープなど、消化が良く水分の多いものにします。

かぜをひいた人が休んでいる部屋は、気温を18~20℃、湿度を60~70%に保ちます。空気が乾燥していると、呼吸器の粘膜が乾燥して抵抗力が弱くなり、感染しやすくなるからです。乾燥はインフルエンザウイルスの好むところで、湿度30%で最も盛んに増えるためでもあります。

2.薬物療法

かぜの時に使われる薬は、かぜの症状を抑えるためのもの(対症療法)と、細菌を殺すためのもの(化学療法)とに大別されます。かぜの原因のほとんどはウイルスですが、現在のところ、かぜウイルスに効く薬はありません。

1. 対症療法

●抗ヒスタミン剤:鼻水、鼻づまり、くしゃみを抑えます。

●うがい薬、口腔用製剤(トローチ):咽頭(いんとう)痛がある時に使います。

●解熱鎮痛剤:発熱は、病原体をやっつけようとするからだの正常な反応です。ですから、やたらに熱をさげるのはいいことではありません。そこで、解熱剤は38℃以上の発熱、強い頭痛や筋肉痛があり、苦痛のために身体が衰弱するような場合に限って使います。

●消炎鎮痛解熱剤:頭痛やのどの痛みが強い時に使います。熱を下げる作用もあります。

●鎮咳剤:咳には、痰を伴う湿った咳と、痰を伴わない乾いた咳とがあります。痰がある場合は、咳は痰を出す役目をするので、止めない方がよいのです。しかし、乾いた咳は安静や睡眠を妨げて体力を消耗させるだけなので、鎮咳剤で止めてしまいます。

●去痰剤:痰の粘りけが強く、気道にくっついて、なかなか出せない場合に使います。痰に水分を補ったり、痰を分解する働きのある薬です。

●総合感冒剤:以上の対症療法剤を2種類以上組み合わせた製剤です。製剤によって、組み合わせや量が異なるので、症状に合わせて選ぶ必要があります。

2. 化学療法

●抗生物質:抗生物質は、細菌の増殖を抑えたり、殺したりする薬です。かぜでは、細菌が原因であることは少ないのですが、かぜで抵抗力が落ちたところに細菌が感染(二次感染)するのを予防するために、抗生物質を使うことが少なくありません。発熱がある場合、特に重症になる恐れのある高齢者や慢性の病気を持っている人には欠くことのできない治療です。

●かぜの予防

1.簡単にできること

空気中には、ウイルスを含む細かい粒子が浮かんでいて、特に混み合った電車やバス、保育園や学校の教室など、人が多く集まる場所、また、かぜをひいた人がいる部屋では、ウイルスが高濃度で漂っています。そこで、かぜの予防の第一は、このような場所を避けることです。

インフルエンザウイルスやライノウイルスに感染した人が休んでいる部屋では、湿度を60~70%に保つと、ウイルスの増殖が抑えられ、呼吸器の抵抗力を保つことにもなり、家族への感染を少なくすることができます。頻回な手洗いやうがいも予防に効果があります。

そして、何よりも体調を整えて免疫力を保つことです。生活の乱れ(睡眠不足、栄養不足、気のゆるみ)、強すぎる精神的ストレスがないようにしましょう。女性では、生理中はホルモンの関係でかぜをひきやすくなるのでご用心ください。

2.ワクチン

ワクチンとは、ウイルスの一部(ワクチン)を体に入れて免疫を作らせ、本当のウイルスがやってきた時に、その免疫でやっつけてしまうというものです。現在のところ、かぜウイルスでは、インフルエンザウイルスだけにワクチンがあります。

流行の直前に、流行するインフルエンザウイルスと同じ型のワクチンを打っておけば、そのウイルスがからだに入ってきた時、確実にやっつけることができます。また、ワクチンの型が流行しているインフルエンザウイルスと少し異なっていても、侵入してきたウイルスの増え方を抑える効果があります。つまり、ワクチンを打っておけば病院にかかるほどの症状にはなりにくく、なったとしても入院するほどの重症化しない、重い合併症で命を落とす危険が少なくなります。

このようにワクチンはインフルエンザの予防に有効です。特に、体力や免疫力が低いためにインフルエンザにかかると重症になりやすい高齢者や乳幼児、また、集団生活が流行の温床となる幼少児にとって、確実に役に立つ予防法です。

3.重症になりやすい人

かぜは一般には軽い病気ですが、高齢者や乳幼児、慢性の病気(基礎疾患)を持つ人では、合併症を起こして重症になることも珍しくありません。

これらの方々は、かぜにかからないよう普段から予防することが大切です。頻回の手洗いやうがいを励行し、インフルエンザが流行する時期に近づいたら、先述したワクチンを受けておきましょう。また、人混みに近づかないことも立派な予防法です。うっかり、かかってしまった場合は、重症になるのを防ぐために早めに治療を受けてください。

呼吸器の病気を持つ人 気管支喘息、慢性気管支炎、肺結核、肺気腫、気管支拡張症、びまん性汎細気管支炎など

心臓の病気を持つ人 うっ血性心不全、弁膜症、狭心症など

腎臓の病気を持つ人 慢性腎不全、透析患者、腎移植など

代謝性の病気を持つ人 糖尿病、アジソン病など

免疫力が低下している人 免疫不全状態

その他の人 高齢者、妊産婦、乳幼児など

「かぜ症候群」について説明しました。皆さんの健康を守るために少しでもお役に立てれば幸いです。わからない点や心配な点などある場合は、お近くの掛かり付け医などの医療機関にご相談ください。

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