2022/08/31

🇧🇬委縮性鼻炎

鼻腔の粘膜が委縮し、鼻腔が広がって乾燥が進む鼻炎

委縮性鼻炎とは、慢性鼻炎の一種で、鼻腔(びくう)の粘膜が委縮し、鼻腔内が極度に広くなって乾燥が進む鼻炎。

正常な鼻腔は血管が密集した粘膜に覆われており、広い表面積と多くの血管があることで、外から入ってくる空気を素早く温め、加湿することができます。また、正常な鼻腔の粘膜には、線毛と呼ばれる極めて細かい毛のような突起を持っている多列円柱上皮という細胞があり、この多列円柱上皮は適度な量の粘液を分泌し、ほこりなどの異物粒子をのどの奥へと運んで取り除く働きをします。

委縮性鼻炎になると、多列円柱上皮細胞が失われ、皮膚のような重層扁平(へんぺい)上皮という細胞に置き換わって、鼻腔の粘膜は薄く硬くなります。

そうなると鼻腔の中は潤いがなくなって乾燥するために、かさぶたが多量に付着するようになります。かさぶたは汚く、雑菌が増えることで悪臭がするようになります。

鼻出血を繰り返すことも多く、鼻詰まりや頭痛が起こります。症状が進行すると、嗅覚(きゅうかく)も鈍くなり、臭いがわかりにくくなります。しばしば、のどが乾燥し、痛みや違和感が出ます。

鼻腔に引き続く副鼻腔の粘膜も、線毛を持ち粘液を分泌する細胞でできた粘膜で覆われており、委縮性鼻炎になると、副鼻腔の粘膜も次第に委縮してゆくため炎症や感染が起こりやすくなり、慢性副鼻腔炎の症状も加わってきます。

委縮性鼻炎が生じる原因はいまだ特定されていませんが、ビタミンAやDの慢性的な不足で抵抗力が低下することで、発症すると考えられています。また、女性の場合はホルモン異常により、さまざまなホルモンのバランスが崩れることで、発症することもあると考えられています。

さらに、慢性副鼻腔炎の根治手術で鼻腔内の骨や粘膜のかなりの部分を切除した人が、委縮性鼻炎を発症することもまれにあります。

昔に比べて近年は、委縮性鼻炎は随分少なくなっています。その理由としては、生活習慣の変化や栄養改善による鼻腔の粘膜の変化、抗生剤治療の発達による感染症の軽症化と短期化、アレルギー性鼻炎の増加など、さまざまな要因が考えられています。

委縮性鼻炎の長く症状が続いた場合は、早めに耳鼻咽喉(いんこう)科を受診することが勧められます。

委縮性鼻炎の検査と診断と治療

耳鼻咽喉科の医師による診断では、特別な検査は行わずに、鼻鏡を用いて鼻の入り口から鼻腔内を調べ、鼻腔が広くなっていて、臭いの強いかさぶたが多量に付着していることで、委縮性鼻炎と確定します。

ウェゲナー肉芽腫(にくげしゅ)症、悪性リンパ腫(しゅ)、梅毒などと区別するために、血液検査や病理検査を行うこともあります。

耳鼻咽喉科の医師による治療では、かさぶたができることを防ぎ、悪臭をなくし、感染を抑えるために、抗生剤含有の軟こうや、副腎(ふくじん)皮質ホルモンなどのステロイド剤含有の軟こうを鼻腔の中に塗布、あるいは噴霧します。鼻腔、副鼻腔を洗浄することもあります。

同時に、ビタミンA剤やビタミンD剤、あるいは女性ホルモンのエストロゲン剤も内服して、鼻腔内の粘膜が粘度を取り戻せるようにします。冬の空気が乾燥する季節には、保湿効果のあるワセリン基剤の点鼻剤を塗布して、鼻腔内が乾燥しないようにします。

広くなった鼻腔を狭くするため、粘膜や骨の移植手術を行うこともまれにあります。移植手術を行うと、鼻を通る空気の量が少なくなり、かさぶたの形成が減るという効果があります。

🇺🇿太田母斑

褐青色の色素斑が、まぶたから額、頬にかけてできる皮膚の疾患

太田母斑(おおたぼはん)とは、片側のまぶたから額、頬(ほお)にかけてできる、境界の不明瞭な褐青色の色素斑。眼上顎部(がんじょうがくぶ)褐青色母斑とも呼ばれます。

母斑は、皮膚の一部分に色調や形状の異常が現れる状態で、あざとも呼ばれ、皮膚から盛り上がることはありません。

太田母斑は、詩人や作家としてのペンネーム木下杢太郎(もくたろう)でも知られる皮膚科の医学者・太田正雄東大教授が、1939年(昭和14年)に初めて報告した疾患で、日本人など東洋人に比較的多くみられます。

通常は顔の片側に色素斑ができますが、両側にできる場合もあります。また、生後間もなく色素斑ができる早発型と、小児期や思春期に色素斑ができて徐々に拡大する遅発型の2種類があります。

さらに、色素斑は顔面の皮膚だけでなく、眼球結膜や口の粘膜、鼓膜にできることがあります。

色素斑は、三叉(さんさ)神経の第1・第2枝の支配領域にみられ、青みを帯びた色素斑の中に褐色調の小さな斑点が散在した状態で現れます。皮膚の表面は滑らかで、盛り上がったりしません。

原因は、メラノサイト(メラニン細胞、メラニン形成細胞、色素細胞)にあります。通常は表皮にあって、メラニンという皮膚の色を濃くする色素を作り出すメラノサイトが、深い部分の真皮の上層に存在し増殖しているために、皮膚が褐青色に見えてしまいます。

色素斑が拡大したり、色調が濃くなったりすることもあり、自然に消えることはありませんが、悪性化を心配することもありません。

なお、同様の色素斑が肩から上腕に見られることがあり、これは伊藤母斑と呼ばれます。

本人が特に気にしなければ、太田母斑の治療の必要はありません。見た目が気になるようなら、カバーマークによる化粧で色を隠すのも選択肢の一つですが、皮膚科、皮膚泌尿器科、ないし形成外科を受診し色素斑を除去することも勧められます。

太田母斑の検査と診断と治療

皮膚科、皮膚泌尿器科、ないし形成外科の医師による診断では、部位や色素斑の様子から視診で判断します。皮膚をほんの少し切り取って病理組織検査を行うと、真皮上層に色素含有メラノサイトが認められます。

また、異所性蒙古(もうこ)斑、青色母斑などの皮膚疾患と鑑別します。

皮膚科、皮膚泌尿器科、ないし形成外科の医師による治療では、悪性化の心配はないため、見た目の問題で気になるならQスイッチレーザー治療により、色素斑を除去します。

Qスイッチレーザーには、ルビーレーザー、アレキサンドライトレーザー、ヤグレーザーなどがあり、レーザーの種類により多少の効果や経過の違いがみられます。特定のレーザー光線を照射すると、皮膚の中にあるメラニン色素に対してのみ反応するため、周辺の正常な皮膚組織へのダメージを極力抑えながら、色素斑の元になっているメラニン色素だけを破壊することができます。

いずれのレーザー治療も痛みを伴うため、麻酔シール、注射などを使用して痛みの緩和を行います。治療対象となる太田母斑の色が濃く、範囲が広い場合は、1〜2回のレーザー照射だけは不十分で、およそ3カ月の間隔で、少なくとも5~6回の照射を行います。

治療時期は何歳からでも可能ですが、小児の場合は全身麻酔が必要なため3歳ごろから開始するのが普通で、早期から開始するほうが効果が高いといわれています。成人の場合でも、かなり色調が改善し、完全に色素斑を除去できることもあります。

眼球の色素斑はレーザー照射ができないので、現在は治療法がありません。

2022/08/30

🟩全国で新たに15万2546人の新型コロナ感染確認 前週比5万5939人減

 国内では30日午後6時10分の時点で、大阪府で1万6364人、東京都で1万4219人、愛知県で1万3785人、兵庫県で7007人、福岡県で6881人、神奈川県で6775人など全47都道府県と空港検疫で、新たに15万2546人の新型コロナウイルスへの感染が発表されました。

 前週の同じ曜日(23日)より5万5939人少なく、6日連続で前週の同じ曜日を下回りました。

 また、大阪府で30人、東京都で26人、福岡県で18人、埼玉県で15人、愛知県で14人、長野県で14人、北海道で13人、神奈川県で13人、長崎県で13人、千葉県で11人、京都府で9人、愛媛県で9人、奈良県で8人、沖縄県で8人、高知県で8人など計319人の死亡の発表がありました。死亡の発表は16日連続で200人を超えました。

 国内で感染が確認された人は、空港検疫などを含め1879万7522人、クルーズ船の乗客・乗員が712人で、合わせて1879万8234人となっています。

 感染して亡くなった人は、国内で感染が確認された人が3万9604人、クルーズ船の乗船者が13人で、合わせて3万9617人です。

 厚生労働省によりますと、新型コロナウイルスへの感染が確認された人で、人工呼吸器や集中治療室などで治療を受けるなどしている重症者は、前日より10人減って30日時点で618人となっています。

 大阪府は30日、新たに1万6364人が新型コロナウイルスに感染していることが確認されたと発表しました。先週の火曜日と比べて6560人少なくなりました。これで大阪府内の感染者の累計は190万4044人となりました。

 また、30人の死亡が発表され、府内で感染して亡くなった人は合わせて5989人となりました。

 重症者は29日から1人増えて82人です。

 2022年8月30日(火)

🟩東京都の新型コロナ感染1万4219人 前週比7551人減、26人死亡

 東京都は30日、都内で新たに10歳未満から100歳以上の1万4219人が新型コロナウイルスに感染していることを確認したと発表しました。

 1週間前の火曜日(23日)より7551人減り、9日続けて前の週の同じ曜日を下回りました。30日までの7日間平均は1万7722・1人で、前の週の72・4%となりました。

 30日の新規感染者を年代別にみると、最多は30歳代の2460人。以下、40歳代が2371人、20歳代が2329人と続きました。10歳未満は1846人、65歳以上は1537人でした。

 ワクチンの接種状況別では、2回接種済みが9214人、未接種は2572人でした。

 病床使用率は50・7%。また、都が緊急事態宣言の要請を判断する指標を30~40%としている重症者用病床使用率は30・7%。「人工呼吸器か体外式膜型人工肺(ECMO<エクモ>)を使用」とする都基準の重症者は、前日より5人減って36人でした。

 一方、都は、感染が確認された50歳代から100歳以上の男女、合わせて26人が死亡したことを発表しました。

 また、確認された感染者のうち、他県内の陽性者登録センターなどを通じて申請があったのは247人で、都外から持ち込まれた検体を都内の医療機関で検査したのは258人でした。

 東京都の累計の感染者数は291万423人となり、累計の死者数は5293人になりました。

 2022年8月30日(火)

🟩ファイザー製ワクチン、5~11歳の3回目接種での使用を承認 厚労省

 アメリカの製薬大手ファイザー製の新型コロナウイルスワクチンについて、厚生労働省は5歳から11歳までの子供の3回目接種で使用することを正式に承認しました。5歳から11歳までの3回目接種のワクチンが承認されるのは、国内では初めてです。

 5歳から11歳の子供のワクチン接種は、今年2月からファイザー製のワクチンを使って1回目と2回目が行われています。

 厚労省は、29日夜に開いた専門家の部会で、5歳から11歳までの3回目の接種でファイザー製のワクチンを使用することを了承し、30日正式に承認しました。

 ファイザーによりますと、海外で2回目の接種から約6カ月たった5歳から11歳の子供に3回目の接種を行ったところ、ウイルスの働きを抑える中和抗体の値が約6倍に増えたということです。

 厚労省は3回目の接種について、大人と同様に2回目を打って以降少なくとも5カ月以上間隔を開けることとする方針で、接種を開始する時期などについて今後、議論を行う予定です。

 5歳から11歳の子供のワクチン接種を巡っては、オミクロン型への効果や安全性に関するデータが集まってきたとして、接種を受けるよう保護者が努めなければならない「努力義務」とするための政令が9月にも閣議決定される見通しです。

 2022年8月30日(火)

🇧🇬肉芽腫性鼓膜炎

外耳と中耳の境界にある鼓膜に、肉芽やびらんが生じる慢性の炎症疾患

肉芽腫(にくげしゅ)性鼓膜炎とは、外耳と中耳の境界である鼓膜の薄い膜の外側表面に炎症が起き、肉芽やびらんの生じる慢性疾患。

鼓膜は、耳に入ってくる音を振動に変換し、耳小骨経由で内耳に伝える働きのほか、外耳と中耳を境界する役目をしている器官です。その構造は、直径約9ミリ、厚さ0・1ミリの薄い膜状で、耳の入り口から約3センチのところに位置しており、外耳道のほうに向かって開いたパラボラアンテナのような形態をしています。

体の中には、いくつかの膜状構造物がありますが、鼓膜は常に外界に交通しているため、外力に弱い器官といえるでしょう。

この肉芽腫性鼓膜炎は、細菌感染が主な原因といわれていますが、まだはっきりしません。子供よりも20〜40歳代の成人女性に多く、両側の耳に起こることはまれです。

肉芽腫性鼓膜炎が引き起こされると、鼓膜の表皮が異常に増殖して、赤く柔らかい粒状の結合組織である肉芽や、赤くただれているように見えるびらんを生じます。

軽度の痛みを覚え、慢性的で頑固な耳垂れが続きます。肉芽などの影響によって鼓膜が肥厚化した場合には、耳の奥のほうのかゆみ、耳の詰まった感じや耳鳴り、難聴を覚えることもいます。

鼓膜の奥にある中耳の慢性炎症の影響を受けていることもあります。

肉芽腫性鼓膜炎の検査と診断と治療

耳鼻咽喉科の医師による診断では、顕微鏡やファイバースコープで、鼓膜を拡大して観察します。観察すると、20パーセントに小さな穴を認め、中耳の慢性炎症の影響を受けていることがあります。

中耳の疾患が疑わしい場合は、側頭骨CT(コンピュータ断層撮影)検査なども行うことがあります。また、耳垂れを調べて起炎菌を検出し、その感受性検査を行います。

耳鼻咽喉科の医師による治療では、耳垂れの起炎菌の感受性検査の結果から、適切な抗生剤を耳浴、点耳などで局所投与します。耳垂れは短期間で止まるものの、しばらくするとまた再度、耳垂れが出てくることもあります。

根本的に耳垂れを治すためには、鉗子(かんし)で耳垂れを出す肉芽を切除し、トリクロリールなどの薬品で焼灼(しょうしゃく)することもあります。肉芽を切除すると、その部位に小さな穴があることがありますが、通常は非常に小さく、自然に閉じます。

薬物療法のみでなく、適切な焼灼などの局所処置が重要で、週1〜2回根気よく繰り返すことで徐々に軽快していきます。

肉芽がなくなると耳垂れの繰り返しの再発はなくなりますが、時に肉芽が再発することがあり、その場合は同じ局所処置が必要となります。とりわけ、中耳に炎症が隠れていると再発しやすくなり、治療が長期にわたることもあります。

肉芽腫性鼓膜炎の予防法は、解明されていません。いったん発症した場合は、耳に水が入らないように気を付けることが重要です。

🇷🇴鼻詰まり

■慢性的な鼻詰まりの原因は?

●空気の通る道が狭くなる状態

 私たち人間の鼻の中は、鼻腔(びくう)と呼ばれる空洞が広がり、鼻腔の表面はひだ状の粘膜で覆われています。鼻には、この鼻腔上部の粘膜上皮に約五百万個ある嗅細胞でにおいを嗅ぐ嗅覚機能のほかにも、呼吸作用を効率よく行うための役割があります。

 まず、鼻から吸い込まれた冷たい空気がそのまま肺に送られとよくないので、鼻甲介の血管の収縮によって、空気を吸い込んだ瞬間に三十度くらいまでに温度を上げる暖房の機能、加温機能があります。

 その次は加湿機能で、鼻の中の粘膜は水分が九十五パーセント前後あり、入ってきた乾燥した空気に湿り気を与え、喉などの粘膜を保護するわけです。

また、鼻腔内の数百万本も生えている繊毛によって、外から侵入するホコリなどを体外へ排出する浄化機能という役目も、鼻は果たしています。

 しかしながら、風邪のウイルスや異物などが鼻粘膜の内部にまで入り込み、さらに細菌感染も加わって炎症を起こすと、粘膜が腫れるために過剰な粘液が分泌されて、空気の通る道が狭くなります。この状態が、鼻詰まりなのです。

 長く続く鼻詰まりで圧倒的に多いのはアレルギー性鼻炎で、それに続くのが慢性副鼻腔炎、鼻中隔わん曲症。それらが重なっているケースも、多く見られます。

 鼻詰まりの症状がひどいと、日常生活にも支障が出るので、適切な対処をする必要があります。注意したいのは、嗅覚障害や頭痛、睡眠不足などを招いたり、乾燥した空気を吸うために呼吸器系に悪影響を与えたりすることです。集中力が欠ける原因や、口臭の原因にもなります。 

●多くみられる鼻詰まりの原因

 それぞれの病気や症状により、薬物療法や手術などが医師によって行われます。

アレルギー性鼻炎

 鼻から吸い込んだ異物に対して免疫システムが過剰に反応するため、すなわちアレルギー反応を起こすために、鼻腔の粘膜が腫れて、くしゃみ、鼻水、鼻詰まりを招きます。透明で水のような鼻水が出るのが特徴ですが、少し黄色い場合も。

 代表的なのは、スギ、ヒノキなどの花粉によって起こる花粉症。そのほかにハウスダスト、ダニ、カビなどが原因となりますので、原因物質を避けることが大切です。 

慢性副鼻腔炎(蓄膿症)

 副鼻腔とは、鼻腔に続いて周囲の骨内に陥入している四対の小さい空洞です。鼻詰まりが長引くと、副鼻腔の中でも炎症が起こり、うみがたまります。この状態が3カ月以上続くのが慢性副鼻腔炎で、急性副鼻腔炎と違って治りにくいとされています。黄色く粘り気のある鼻汁が特徴で、うみが口臭を引き起こすこともあります。

 耳鼻咽喉科では、定期的に鼻腔や副鼻腔内を洗浄し、噴霧薬や内服薬などによる治療が行われます。内服薬では、粘膜によい影響があるとされるマクロライド系の抗生物質が最近、一般的に使われ、少量ずつ、効果を確かめながら2、3カ月服用します。ひどい症状のケースでは、手術も。 

鼻中隔わん曲症

 鼻中隔とは、鼻腔を左右に分ける隔壁であり、板状の薄い骨からなっています。前方は軟骨で、周囲は三つの骨で構成されていますが、それぞれの骨の成長速度の違いから、隔壁がわん曲します。日本人の約85パーセントは、左か右、どちらかに曲がっているとされています。

 その曲がり方がはなはだしい場合は、鼻詰まりの原因となります。鼻中隔わん曲症は、10歳から15歳の成長段階に発症する鼻の構造異常。鼻中隔が飛び出ている側だけでなく、反対側も粘膜が厚くなって、左右とも鼻詰まりになりますが、比較的安全な手術で治ります。 

●その他の鼻詰まりの原因

鼻たけ

 鼻たけとは、鼻の粘膜にできる寒天状のポリーフ。慢性副鼻腔炎が進行してできるケースが多く、空気の通り道が狭くなるために、鼻詰まりを招きます。軽い副鼻腔炎で、大きな鼻たけができるケースもあります。

 長い期間をかけて作られるので、口呼吸が習慣化している人では、鼻詰まりの自覚症状がない場合もあります。 

アデノイド肥大

 アデノイドとは、鼻の奥にある扁桃(へんとう)組織です。幼児期に大きくなり、10代以降は自然に小さくなります。

 そのため、小学生までの子供にはアデノイド肥大は珍しくなく、鼻詰まりがはなはだしかったり、炎症を起こしたりしなければ問題はありませんが、大きいケースは手術も行われます。 

腫瘍

 鼻の中に、鼻たけに似たブヨブヨした腫瘍がいくつもできると、鼻詰まりの原因になります。腫瘍はほとんどが良性ですが、まれには鼻腔がん、副鼻腔がんなどの悪性の腫瘍もあります。

 片側の鼻が常に詰まっていたり、少量の鼻血が度々、出たりするケースでは、耳鼻咽喉科の診察を受けましょう。 

■心掛けたい「鼻詰まり」対策

●鼻うがいの実行を

 鼻の炎症を抑えるには、鼻うがいも効果的です。蒸留水か生理食塩水で鼻の中を洗い流す際には、市販されている鼻うがい専用の器具を使うのがよいでしょう。

 なお、蒸留水は薬局で購入できますが、生理食塩水は医師の処方箋が必要となります。 

●鼻は強くかまない

 鼻は優しくかみましょう。鼻の奥には耳に通じる穴があり、強く鼻をかむと、その圧力で鼻にたまったうみが耳へと流れ、中耳炎を起こす病原菌となってしまう可能性があるからです。 

●点鼻薬は一日一回まで

 血管収縮性(粘膜収縮性)の点鼻薬は粘膜を縮ませますので、すぐに鼻詰まりに効きます。しかし、効果は一時的で依存性もあるものなので、使用は鼻詰まりで眠れない時などに限って、一日一回までに。

 長期にわたって乱用すると、作用しにくくなったり、かえって使用前よりも粘膜が腫れる点鼻薬性の鼻炎を起こすので、注意が必要です。 

●風邪をひかない 

 風邪をひかない、ひいたらこじらせない。二点が、鼻詰まりへの最も有効な対策です。鼻への刺激を減らすには、マスクが有効。空気が乾燥すると、鼻の粘膜は炎症を起こしやすいため、特に冬期には有効です。

 また、花粉症の人も早めにマスクの利用を。スギ花粉の平均的な飛散開始時期は、九州や四国の南部が2月上旬、関東南部が2月中旬、関東北部が2月下旬、東北地方は3月で、気温の上昇に伴って増加します。

●食材で風邪を予防する

 風邪のウイルスに打ち勝つためには、ビタミンA(お勧め食材は春菊、ホウレンソウ、ニラなどの青菜類)、ビタミンC(お勧め食材はジャガイモ、サツマイモ、カボス、スダチ、ユズ)、ビタミンE(お勧め食材はゴマ、豆乳、カボチャ)と良質なたんぱく質が必要です。

ビタミンAは、鼻やのどの粘膜を強化します。ビタミンCは、体内の抗酸化力を高めます。ビタミンA、Cの働きを助けるのが、ビタミンEです。

体を温めることも大切で、鍋料理がお勧め。体を温める効果があるショウガ、ネギ、ニンニク、唐辛子などの香辛野菜を、料理に添えることも忘れずに。

🟩中国から輸入のスナック菓子から国内使用禁止の酸化防止剤、輸入業者に回収と廃棄命令

 千葉市は23日、同市美浜区の食品輸入業者「清水物産ホールディングス」が中国から輸入したスナック菓子から、国内で使用が禁止されている食品添加物が検出されたと発表しました。千葉市保健所は同日、同社に回収と廃棄を命じました。  違反のあった菓子は「フライドポテト うすしお味」(1袋...