2022/09/13

🟪新型出生前診断、連携小規模施設204カ所認定 以前の3倍以上に増加

 妊婦の血液から胎児の染色体異常を調べる新型出生前診断について、国や関連学会でつくる運営委員会は12日、すでに実施が認められている大学病院などの「基幹施設」と連携して検査を行う小規模施設204カ所を新たに認定したと発表しました。「連携施設」などと呼ばれ、地域のクリニックが含まれます。運用は26日から始まる予定。

 連携施設などは全国に169カ所ある基幹施設の下に設けられる形で、基本的には同一地域にあります。基幹施設と合わせ、計373カ所で検査や相談ができることになります。認定された施設数は以前の体制の3倍以上に増え、希望する妊婦の利便性が向上します。

 連携施設名は近くホームページで公表します。12日にオンラインで記者会見した岡明委員長は、「連携施設ができることで検査を受けるだけでなく、遺伝カウンセリングなどいろいろな情報を得る窓口が増える」と述べました。

 診断で染色体異常の可能性があるとの結果が出た場合は、基幹施設が妊婦へのカウンセリングを実施する方針といいます。 

 2022年9月12日(月)

2022/09/12

🟪iPS細胞の心筋シート、大阪大以外で初移植 新幹線で500キロ運び順天堂大で実施

 順天堂大学(東京都文京区)は12日、iPS細胞(人工多能性幹細胞)からつくった心筋細胞のシートを、重い心不全の虚血性心筋症の患者1人に移植したと発表しました。大阪大学が主導して、2020年に3例の移植を行った臨床試験(治験)の一環で、大阪大以外の施設での移植は初めてといいます。

 手術は8月中旬に行われました。患者は60歳代男性で、左胸を約7センチ切った肋骨(ろっこつ)の間から、直径3センチほどのシート3枚を心臓に貼りました。シートから出る物質が血管新生を促し、心臓機能の改善が期待されるといいます。経過は順調で、患者は息切れの自覚症状が軽くなったと話しているといいます。今後、治療効果の客観的な評価も行います。

 今回使った心筋シートは、京都大学iPS細胞研究財団が備蓄する他人のiPS細胞を使い、大阪府にある連携企業の施設でつくりました。低温を保つ専用容器に入れ、新幹線で約500キロ離れた順天堂大病院まで運びました。手術直前の手術室で、2時間ほど最終的な調整を行い、移植に使ったといいます。

 研究チームは、「約2日以内ならば手術に適した品質で輸送可能だ」としています。移植手術についても長時間の訓練は不要で、通常の手術ができる施設ならば実施できるため普及しやすいとしています。

 今後は九州大学などで数例移植して有効性や安全性を調べるということで、2025年ごろの実用化を目指します。

 2022年9月12日(月)

🟪全国で新たに5万2918人が新型コロナに感染 前週比1万5108人減、145人死亡

 国内では12日午後6時30分の時点で、東京都で5654人、神奈川県で4476人、埼玉県3689人、千葉県で2881人、大阪府で2634人、福岡県で2542人、愛知県で2512人、兵庫県で2277人、北海道で2147人など全47都道府県と空港検疫で、新たに5万2918人の新型コロナウイルスへの感染が発表されました。

 1日当たりの新規感染者は前週の月曜日と比べ1万5108人少なく、18日連続で前週の同じ曜日を下回りました。10万人を下回るのは4日連続。

 また、東京都で19人、埼玉県で17人、千葉県で12人、兵庫県で11人、北海道で8人、愛知県で8人、福岡県で8人、沖縄県で6人、京都府で5人、新潟県で5人、熊本県で5人、大阪府で4人、鹿児島県で4人など計145人の死亡の発表がありました。

 国内で感染が確認された人は、空港検疫などを含め2022万6698人、クルーズ船の乗客・乗員が712人で、合わせて2022万7410人となっています。

 感染して亡くなった人は、国内で感染が確認された人が4万2807人、クルーズ船の乗船者が13人で、合わせて4万2820人です。

 厚生労働省によりますと、新型コロナウイルスへの感染が確認された人で、人工呼吸器や集中治療室などで治療を受けるなどしている重症者は、前日より7人減って12日時点で412人となっています。

 大阪府は12日、新型コロナウイルスの新たな感染者を2634人確認したと発表しました。感染者数は前週同曜日(3558人)と比べ924人減りました。府内の感染者の累計は201万1964人。

 新たに80~90歳代の男性4人の死亡が判明し、府内の累計死者数は6245人。

 12日時点の重症者は前日から5人増の60人で、重症病床(593床)の同日の実質使用率(重い持病などを抱える軽症・中等症患者らを含む)は16・2%になりました。軽症・中等症病床には2003人が入院しており、軽症・中等症病床(4167床)の使用率は48・1%となりました。

 新規感染者のうち、感染者と同居して症状があり、PCR検査を受けずに医師の診断で陽性と判断された濃厚接触者は38人でした。自宅療養者は6万2707人。公費によるPCR検査などを1万4583件実施しました。

 2022年9月12日(月)

🟪オミクロン型対応ワクチンの国内での使用を特例承認 9月中にも接種開始へ

 厚生労働省は12日夜、新型コロナウイルスのオミクロン型に対応したワクチンの製造販売を特例承認しました。対象はアメリカのファイザー製が12歳以上、アメリカのモデルナ製が18歳以上で、従来のワクチンを2回以上接種した人に限ります。現在5カ月以上としている接種間隔の短縮も検討します。主流であるオミクロン型への重症化や感染の予防効果を高め、感染再拡大に備えます。

 特例承認は海外で認められた医薬品を迅速に審査する仕組み。オミクロン型の派生型「BA・1」に対応した2価ワクチンが対象となり、現在主流の「BA・5」も含めて効果があると期待されています。

 厚労省は19日ごろから3週間かけて、ファイザー製を約2800万回分、モデルナ製を約200万回分配送する方針で、現行のワクチンを順次切り替えます。

 14日に開く専門分科会で予防接種法上の公費接種とすることを決める見通しで、早ければ9月中にも接種できるようになります。

 政府はまず4回目接種の対象となっている60歳以上の高齢者や基礎疾患のある人への接種を進める方針。3回目もしくは2回目を打ってから一定の期間がたった人が当面の主な対象となります。4回目の接種を済ませた人は、一定の期間をおく必要があります。

 自治体は高齢者らの接種が進み次第、医療従事者を含むエッセンシャルワーカーにも接種対象を広げます。10月半ば以降には12歳以上全員の接種を始められるよう調整し、職場での接種に向けた検討も進めます。

 岸田文雄首相は去る6日、オミクロン型の対応ワクチンについて「10~11月に接種券の配布、会場確保など1日100万回を超えるペースの体制を整備して接種を加速する」と語っていました。政府は自衛隊が運営する大規模接種会場も活用する方向で調整しています。

 2022年9月12日(月)

🇰🇭水いぼ

幼児に多いウイルス性のいぼで、他人にも移りやすい疾患

水いぼとは、6歳以下の子供の皮膚に多くできる小さな、丸い突起物。正式には、伝染性軟属腫(しゅ)といいます。

でき初めは水っぽく見えるので、水いぼという名前があります。ウイルス感染が原因で起こり、自分の皮膚に移って広がるだけでなく、プールなどで他人にも移りやすい疾患です。

背中や首、ひざの裏など皮膚の薄いところにできやすく、直径1~3ミリほど、肌色や白色、赤みがかったものがあります。半球状に盛り上がり、表面は滑らかで光沢があり、成長したものでは中央にへそのようなくぼみができるのが特徴です。

自覚症状は少ないものの、時に多少のかゆみを伴うこともあります。気になって絶えずいじることも多く、このため自分の体に次々と移して数を増やすことになります。

放っておいて自然治癒することもあります。しかし、半年から2年、長いと4年ほどかかりますし、その間に水いぼの数が増えてしまう恐れもあります。早めに皮膚科の専門医を受診することが勧められます。

水いぼの検査と診断と治療

先が輪っかになった特殊なピンセットで、水いぼをつまみ取るのが、最も早く効果的な方法です。いぼの中にあるウイルスの白い塊を取り除くのです。ただ、痛みがあるので、泣いたり暴れたりする子供もいます。痛みを和らげるために、事前に局所麻酔剤付きのテープを張った後に行うこともあります。

一部の医師では、痛くない治療として、いぼを液体窒素で凍らせウイルスを死滅させる方法や、硝酸銀溶液を塗って焼き取る方法などをしています。しかし、治療期間が長くなったり、効果が出にくかったり、硝酸銀の場合、患部回りの皮膚にまで薬剤がついてしまい、軽いやけどの跡が残ってしまうこともあるなど一長一短です。治療内容を問い合わせてから、受診するとよいでしょう。

家庭での注意としては、軽いかゆみを感じることがあっても、いじって、いぼをつぶさないこと。ウイルスが散って症状が広がったり、他人に移すことになります。 水を介して移ることはなく、裸同士の接触で感染すると考えられています。治るまで入浴は兄弟姉妹と別々にし、タオルも使い分けます。保育園などのプールは、治療がすむまで控えることが望まれます。

🟫東京都、新型コロナに5654人感染確認 前週比22日連続減

 東京都は12日、都内で新たに10歳未満から100歳以上の5654人が新型コロナウイルスに感染していることを確認したと発表しました。

 1週間前の月曜日より1642人減り、22日続けて前の週の同じ曜日を下回りました。12日までの週平均の感染者は1日あたり9475・1人で、前週(1万2286・1人)の77・2%でした。

 新規感染者を年代別にみると、10歳未満が985人と最も多く、40歳代が950人、30歳代が945人と続きました。65歳以上の高齢者は453人でした。

 ワクチンの接種状況別では、2回接種済みが3287人、未接種は1156人でした。

 病床使用率は38・9%。また、都が緊急事態宣言の要請を判断する指標を30~40%としている重症者用病床使用率は25・2%。「人工呼吸器か体外式膜型人工肺(ECMO<エクモ>)を使用」とする都基準の重症者数は、前日と変わらず32人でした。

 一方、都は、感染が確認された60歳代から100歳以上の男女の19人が死亡したことを発表しました。

 また、確認された感染者のうち、都外から持ち込まれた検体を都内の医療機関で検査したのは159人でした。他県内の陽性者登録センターなどを通じた申請はありませんでした。

 東京都の累計の感染者数は304万8301人となり、累計の死者数は5655人になりました。

 2022年9月12日(月)

🇨🇻顔の運動異常

■ピクピクと顔面が動くのはなぜ?■

 顔の筋肉が、自らの意思と関係なく動いたりする運動異常。原因はいくつかあり、対処の仕方が異なります。

 疲れた時に、まぶたや口の周りピクピクするのは誰でも経験することで、放っておいても自然に治ります。しかしながら、症状が長く続いたり、範囲が広がったりしたら、注意が必要です。

 人体の中でも、顔は特に、精密な運動を行っている個所です。たくさんの筋肉があり、それらの筋肉は細かい表情を作るために絶えず、複雑な動きを要求されていますから、顔を支配している神経は通常でも、かなり無理をしています。

 結果的に、いろいろな運動異常が起こりやすい、と考えられています。

 顔の運動異常の多くは命にかかわる病気ではありませんが、隠すことができないため、日常生活に深刻な影響を与えかねません。

 それだけに、病気をきちんと識別して、適切な対処をすることが重要になってきます。  

■症状のチェックを■ 

1.片方の筋肉がピクピク動く片側(へんそく)顔面けいれん 

 通常は下まぶたがピクピクすることから始まり、次第に広がって、片方の顔の筋肉が全体にピクピク動きます。痛みはありませんが、けいれんは寝ている間も続き、不快感が強く、生活に支障をきたします。

 顔面神経が脳から出てきたところで動脈と接触し、その拍動で神経に傷がついて発病すると考えられています。頭が小さくて血管が神経を圧迫しやすい女性に多く、40~50代で多く発症します。

2.まばたきが増え、目が開けにくい眼瞼(がんけん)けいれん

 光がまぶしい、目がショボショボするなどの症状から始まり、次第にまばたきが増えて目が開けにくくなり、2、3年の間にうまく目が開けられなくなります。

 目の開閉にかかわる眼輪筋が意思に関係なく収縮するもので、脳の中の目の運動プログラムをつかさどる個所が機能障害を起こしている、と考えられています。50代で多く発症しますが、20代で発症する人もいます。 

3.筋肉が動かなくなる顔面神経まひ

 発症年齢は、子供から高齢者までにおよびます。ウイルス感染が引き金になるとされ、急激に起こって、症状は数日でピークに達します。片側だけに起こるものが多く、まひの程度は軽いものから、完全に動かなくなるものまで、さまざまです。

 多くはヘルペスウイルスが原因となっており、そのうち水痘帯状疱疹(ほうしん)ウイルスによるものは重症になります。後遺症で、片側顔面けいれんと同じ症状が出ることもあります。 

4.瞬間的にまぶたが閉じるチック

 自らは意図していないのに、まばたきをしたり、口をゆがめるなど瞬間的な動きが出るのが、チック。意思で止めることはできますが、ずっと止めておくことはできません。

 顔に限らず、手、足、声でも起こり、長期的には症状の現れる個所が移動するのが、チックの特徴です。精神的なストレスでチックを起こす子供が多いのですが、遺伝の場合も。小児期と青年期が中心の症状です。

5.疲れた時にピクピクするミオキミア

 疲れた時などに、目じりやまぶたがピクピク動く現象。健康な人なら、ほとんどが2、3日で治ります。ただし、脳に腫瘍(しゅよう)があるなどの重大な病気が隠れていることもあり、けいれんが両側に同時に起こったり、強さがいつもと違ったり、続けて起こったりしたら、医療機関へ。

■治療へのアドバイス■ 

 顔の運動異常の症状が現れたら、まず神経内科や脳神経外科、または眼科を受診することをお勧めします。病気によって、治療法は異なります。 

1.片側顔面けいれん

 通常は命にまでかかわりませんが、まれに腫瘍や血管の奇形が見付かることがあるので、検査を受けておく必要があります。 

 治療法は、2種あります。根本的に治すことを望む人は、耳の後ろから頭蓋骨(ずがいこつ)に穴を開けて、神経に接触している血管を離す手術をします。

 もう一つがボツリヌス療法。このボツリヌス療法とは、食中毒を起こすボツリヌス毒素が持っている、神経の働きを抑える作用を利用したものです。顔のピクピク動いているところに、筋肉内注射をします。

 神経から筋肉へ情報が行かないようにするもので、副作用はほとんどありません。注射は約3カ月ごとに繰り返す必要がありますが、治療を続ければ効果が持続します。

 この治療により、90パーセント以上の患者で症状が抑えられる、と見なされています。ただし、ボツリヌス療法ができるのは、特定の講習を受けた医師に限られております。  

 2種の治療法とも、有効率は90パーセントを超えます。

2.眼瞼けいれん

 上記のボツリヌス療法が第一選択です。それがうまくいかない場合は、眼輪筋を切離する手術も行われます。  

3.顔面神経まひ

 まひの程度にもよりますが、大半は放っておいても治ります。ただ、早めに受診して治療をしたほうが、患者にとっては楽です。

 決定的な治療法はなく、医師によって各種の治療が行われており、1年以内に8割の人は治癒します。後遺症でけいれんが起こった際には、ボツリヌス療法が有効とされています。  

4.チック

 チックには、抗精神病薬がある程度、効果を発揮します。心理的な影響が強い人には、心理療法が施されます。 

 小児期、青年期のチックの多くは、長期間を経て軽減しますが、遺伝性の場合もありますので、医師の診察を受けることがお勧めです。  

🟪「がん予防」うたう再生医療で敗血症、厚労省がクリニック運営法人などに改善命令

 医療法人輝鳳(きほう)会(東京都豊島区)が運営する医療機関で自由診療の再生医療を受けた2人が敗血症となった事案で、厚生労働省は24日、再生医療安全性確保法に基づき、輝鳳会と都内の医療機関代表2人に対し、再発防止策の策定などを求める改善命令を出しました。調査では複数の法令違反や...