北海道釧路市の総合病院で新型コロナウイルスの大規模なクラスター(感染者集団)が発生し、10日までに患者と職員合わせて109人の感染が確認されました。
病院では緊急性の低い外来の診療を制限するなど、地域医療への影響が出ています。
釧路市の市立釧路総合病院によりますと、11月3日ごろから患者や職員の感染者が急増してクラスターが発生し、10日午後4時までに患者73人、職員36人の合わせて109人の感染が確認されたということです。
これを受けて、病院では緊急性の低い一部の外来や入院を制限しているほか、市内のほかの病院と交代で24時間患者を受け入れる「2次救急」を11月23日まで原則停止しています。
高度な医療を担当する3次救急については、釧路管内では市立釧路総合病院が唯一の医療機関のため、通常どおり対応するということです。
病院には、厚生労働省の災害派遣医療チーム(DMAT)の医師2人が派遣されており、院内でクラスターの拡大防止に当たっているということです。
市立釧路総合病院は「クラスターを一刻も早く収拾させるため、職員一丸となって取り組む」と話しています。
北海道東部の釧路地方で新型コロナウイルスのクラスターの発生が相次いでいることを受けて、保健所では定期的な換気など基本的な感染対策を改めて徹底するよう呼び掛けています。
釧路保健所の高垣正計所長は「秋になって増えてきたことを考えると、換気が一つの鍵だといえる。室内では可能な範囲で空気を入れ替えることが大切だ」と指摘しました。
その上で「3密を避けるなどこれまでいわれてきた感染対策を再度振り返り、各場面で実際にできているかどうかを再度点検してもらいたい」と述べました。
そして「体調が悪い時には無理して出勤しない、外に出歩かない、学校に行かないなどの配慮が周りの人への感染を抑える。一人ひとりの行動が地域の感染対策につながる」と述べ、これまでの基本的な感染対策を改めて徹底するよう呼び掛けています。
2022年11月10日(木)