厚生労働省は21日、新型コロナウイルスの重症化率や致死率の最新値を公表しました。2022年7~8月の感染者のうち、重症化した人の割合は60歳未満で0・01%、60~70歳代は0・26%、80歳以上が1・86%で、季節性インフルエンザとほぼ同水準でした。政府が検討する感染症法上の位置付け見直しの判断材料になります。
厚労省が21日に開いた助言組織「アドバイザリーボード」の会合で示しました。インフルの重症化率は60歳未満が0・03%、60~70歳代は0・37%、80歳以上は2・17%でした。新型コロナの致死率は60~70歳代が0・18%、80歳以上が1・69%で、いずれもインフルの0・19%、1・73%と大きな差はありませんでした。
新型コロナの重症化率は2021年7~10月には、60歳代で0・56%、60~70歳代で3・88%、80歳以上では10・21%と高くなっていました。オミクロン型への置き換わりや医療対応の改善などで低下したとみられる。
新型コロナの重症化率は石川、茨城、広島の3県のデータを用いました。インフルは2017年9月~2020年8月の全国データをもとに算出しました。
感染症法は新型コロナを「新型インフルエンザ等感染症」に分類していますが、政府はより低リスクな「5類」相当などに変更することを検討しています。
専門家の中には、コロナの致死率などは過小評価の可能性があり、インフルとの単純比較では不十分で、コロナの感染力の高さや合併症、後遺症を加味してリスク評価する必要があるとの意見があります。厚労省は23日に開く感染症部会でも位置付け変更の議論を始めます。医療体制への影響が焦点になり、感染規模拡大による死者増にも留意します。
2022年12月22日(木)