2023/01/07

🟪新型コロナ死者の葬儀、制限を大幅緩和 厚労省がガイドライン改定

 厚生労働省と経済産業省は6日、新型コロナウイルス感染症で亡くなった人の遺体の処置や葬儀に関するガイドライン(指針)の改定版を公表し、自治体に通知しました。遺体を包む「納体袋」を不要とするなど制限を大幅に緩和しました。コロナ以外の死亡者と同様に、故人に触れて最後の別れを告げることが可能となります。

 ガイドラインは主に葬儀業者や医療機関に向けて、2020年7月に作成されました。コロナで亡くなった人の遺体や葬儀の対応について、これまでは▽体液に触れないよう納体袋に収容する▽遺体に触れることは控える▽通夜や葬儀は可能であれば開催を検討し、オンラインも推奨するなどと定めていました。厚労省は今回、国立感染症研究所の協力を得て、遺体からの感染率が極めて低いとの最新の知見に基づいて改定しました。

 遺体の鼻などに詰め物をして体液の漏出を防ぐ処置を取れば、通常の遺体と同様の取り扱いが可能で、外傷などがある場合を除いて納体袋への収容は不要としました。「遺体との接触を控える」との記載は削除し、触れた場合は手指消毒を求めます。

 火葬や葬儀は、遺族の意向を踏まえて原則執り行うよう求めました。従来、葬儀などへの参列を控えるよう求めてきた濃厚接触者の遺族については、検査での陰性確認を条件に出席を容認します。

 改定版の運用は、それぞれの医療機関や葬儀業者で準備が整い次第、始められます。

 厚労省がガイドラインの改定を行ったのは、コロナで亡くなった人の遺族から「最期の別れができなかった」と批判の声が高まっていたためです。

 厚労省が昨年9~10月に全国の火葬場1162施設を対象に行った調査では、コロナ死亡者の遺族に火葬場への「入場を認めていない」と回答した施設は16%で、「入場の人数を制限している」(38%)と合わせると半数超が制限を設けていました。一般の火葬と時間帯を分けるなど「コロナ枠」を設けている火葬場は6割超に上りました。

 厚労省は一部で過剰な対応が取られているとして、改定版では一般の火葬と時間帯や動線を分けたり、拾骨を制限したりすることは不要と明記しました。

 指針の改定について、葬儀業界の関係者は「遺族に寄り添う内容の指針となり、よりよい最期の別れの実現につながるのではないか」と評価する一方、「業者や遺族にとって大きな運用変更になる。国は相談窓口を設け、新たな指針の内容や制限緩和の根拠について、広く国民に周知してほしい」と注文を付けました。

 2023年1月7日(土)

🟪季節性インフルエンザ、30都道府県で流行期入り

 1月1日までの1週間に報告された全国の季節性インフルエンザの患者数は、前の週に続き、流行期入りの目安となる「1人」を超えていて、地域別でも30の都道府県でこの目安を上回っています。

 厚生労働省は、インフルエンザワクチンの接種を検討するとともに、マスクの着用や換気といった基本的な感染対策の徹底を呼び掛けています。

 厚労省によりますと、1月1日までの1週間に、全国約5000カ所の定点医療機関から報告された季節性インフルエンザの患者数は、前の週より3665人多い9768人でした。

 インフルエンザは、1医療機関当たりの1週間の患者数が全国で「1人」を超えると、「全国的な流行期」入りとされ、今回は「2・05人」と、「1・24人」だった前の週より0・81ポイント高くなり、引き続きこの目安を超えています。

 地域別では、沖縄県が9・89人と最も高く、次いで富山県が5・96人、福岡県が4・19人、大阪府が3・73人、神奈川県が3・70人、宮崎県が3・29人などと、30の都道府県で「1人」を上回っています。特に九州地方などで感染が広がっています。

 厚労省は、インフルエンザワクチンの接種を検討するとともに、適切なマスクの着用や消毒、換気といった基本的な感染対策の徹底、それに、体調不良時に備えて検査キットや解熱鎮痛薬を用意することなどを呼び掛けています。

 感染症に詳しい東邦大学の舘田一博教授は「流行に近付きつつある水準となっていて、新型コロナの第8波のピークと重なる可能性もある」と述べ、同時流行に警戒が必要だと話しています。

 2023年1月7日(土)

🟪エスカレーター、間隔3段でコロナ感染リスク減 マスクせずせき、京都工芸繊維大など試算

 エスカレーターでマスクを着けていない人がせきをした場合、新型コロナウイルスを含む飛沫が周囲にどう広がるかコンピューターで試算した結果を京都工芸繊維大などの研究チームが5日までに発表しました。下りより上りのほうが後ろに並ぶ人の感染リスクは高く、研究チームは「間隔を3段空けるとリスクを十分下げられる」としています。

 研究チームは身長175センチの男性10人がエスカレーターに1列に並び、最前列の人が前方にせきをした状況を想定。1・5ミリ以下の飛沫がどう広がるか計算しました。

 下りでは飛沫はすぐに上昇し、人の上を通りすぎた一方で、上りでは腰付近まで落ちた後に再浮上し、人の間を長時間浮遊しました。

 山川勝史教授(流体力学)は、「人が動くと気流が複雑になって飛沫が拡散するため、距離を空けることが大切だ」と話しました。

 今回の試算はマスクを着けない前提ですが、適切に着用すれば周囲に広がる飛沫の量を大幅に減らせるといいます。

 2023年1月7日(土)

2023/01/06

🟪全国の新型コロナ死者、過去最多456人 累計感染者数3000万人超え

 厚生労働省によりますと、6日に発表した新型コロナウイルスによる全国の死者数は456人で、昨年12月29日の420人を上回って、1日の発表としては、これまでで最も多くなりました。

 また、6日に発表した国内の新たな感染者は、空港の検疫などを含め24万5542人で、昨夏の第7波のピーク(26万1004人)に迫りつつあり、国内の累計感染者数は3004万4377人となり3000万人を超えました。

 国内で感染して亡くなった人は、栃木県で33人、北海道で30人、大阪府で29人、東京都で29人、福岡県で29人、埼玉県で25人、兵庫県で18人、群馬県で18人、愛知県で16人、三重県で14人、熊本県で14人、千葉県で13人、岡山県で11人、愛媛県で9人、新潟県で9人、大分県で8人、山口県で8人、福島県で8人、静岡県で8人、香川県で8人、鹿児島県で8人、和歌山県で7人、宮城県で7人、長崎県で7人、長野県で7人、高知県で7人、島根県で6人、神奈川県で6人、佐賀県で5人、奈良県で5人、岩手県で5人、広島県で5人、徳島県で5人、滋賀県で5人、秋田県で5人、京都府で4人、宮崎県で4人、石川県で4人、茨城県で4人、青森県で4人、岐阜県で3人、富山県で2人、福井県で2人、山形県で1人、鳥取県で1人の合わせて456人、累計で5万8952人となっています。

 都道府県別の新規感染者は、東京都が2万720人で最も多く、次いで大阪府が1万5957人、愛知県が1万5928人、福岡県が1万4859人、兵庫県が1万2210人、神奈川県が1万1773人、埼玉県が1万1429人、千葉県が9578人、静岡県が8471人、広島県が8046人と続きました。静岡、大分、茨城、和歌山、鳥取、岡山、山梨の7つの県で、過去最多となりました。

 また、新型コロナウイルスへの感染が確認された人で、人工呼吸器や体外式膜型人工肺(ECMO<エクモ>)をつけたり、集中治療室などで治療を受けたりしている重症者は、6日時点で659人となっています。重症者の数は、5日と比べて9人増えました。

 一方、厚生労働省は6日、大阪府内で新たに1万5957人が新型コロナウイルスに感染していることを確認したと発表しました。これで大阪府内の感染者の累計は260万1938人となりました。

 また、29人の死亡が発表され、府内で感染して亡くなった人は合わせて7274人となっています。重症者は5日より6人多い75人。

 2023年1月6日(金)

🟪新型コロナ、東京都で2万720人感染 前週比6195人増、死者最多35人

 東京都は6日、新型コロナウイルス感染者を新たに2万720人確認したと発表しました。新規感染者は前週の金曜日と比べ6195人増えました。感染者が前週の同じ曜日を上回ったのは2日連続です。新規感染者が2万人を超えたのも2日連続です。

 20歳代から100歳以上の35人の死亡も発表しました。死者数は1日の発表数としては最多となりました。都の担当者は「年末年始に死亡した方のぶんがまとめて報告された影響もある。引き続き注視していく」と説明しています。

 6日までの週平均の感染者は1万2792・7人で、前週(1万6823・6人)の76・0%でした。

 新規感染者の年代は20歳代の4605人が最多で、30歳代3826人、40歳代3269人など。重症化しやすいとされる65歳以上の高齢者は2306人でした。発表人数以外に、医師の陽性判定を受けていない感染者も少なくないと見なされます。

 「人工呼吸器か体外式膜型人工肺(ECMO<エクモ>)を使用」とする都基準の重症者は、前日より2人増えて55人でした。

 重症者用の病床使用率は0・3ポイント下がって36・0%、全体の病床使用率は0・7ポイント上がって56・0%となっています。

 2023年1月6日(金)

🟪薬の電子処方箋システム、今月から全国で運用開始 適切な服薬に期待

 薬の処方箋を電子化し、医療機関と薬局の間でオンラインでやり取りする「電子処方箋」のシステムの運用が、今月から全国で始まります。同じ薬の重複や、飲み合わせが悪い薬の処方を避けることなどが狙いで、適切な服薬につながることが期待されます。

 薬の処方を受けるには通常、医療機関に紙の処方箋を発行してもらい薬局に持参する必要があります。

 しかし、処方箋は医療機関ごとに発行されることから、別々の病院で同じ薬が処方され、高齢者を中心に重複して薬を飲むケースが課題となっていました。

 このため、厚生労働省は処方箋を電子化し、オンラインを使って、患者が服用している薬などの情報を医療機関と薬局の間でやり取りするシステムの運用を全国で始めることにしました。

 これによって患者のデータが一元化され、医療機関が処方歴などを正確に把握できるようになるため、重複した処方や、飲み合わせが悪い薬の併用を避けられるなど、安全性が高まり適切な服薬につながると期待されています。

 この電子処方箋のシステムは山形県や福島県、千葉県、広島県の4つの地域で、すでに昨年10月末からモデル事業として行われており、1月26日以降、システムを導入した全国の医療機関や薬局で順次、運用が始まります。

 2023年1月6日(金)

2023/01/05

🟪アメリカ、中絶薬が一般の薬局でも入手可能に 食品医薬品局が規制緩和

 アメリカ食品医薬品局(FDA)は3日、経口妊娠中絶薬に関する規制を緩和しました。処方箋などがあれば、認定された一般の薬局で中絶薬を受け取れるようになります。ただ中絶を禁止する保守的な州の一般の薬局での販売は困難とみられ、中絶措置が必要な女性への支援は引き続き課題になります。

 FDAは3日、妊娠を続けるために必要な黄体ホルモンの働きを抑える経口妊娠中絶薬の「ミフェプリストン」について、処方箋と本人の同意書があれば認定された一般の薬局が販売できるとしました。薬局は中絶薬を郵送することもできます。これまでは医師や医療機関、限られた通信販売薬局から直接または郵送で中絶薬を受け取る必要がありました。

 アメリカ産科婦人科学会は4日、「中絶へのアクセスを確保するための重要な一歩だ」と歓迎する声明を発表しました。一方で、「すべての人にとってアクセスの問題が解決されたわけではない」とも指摘しました。中絶を禁止する州にある薬局での販売は困難とみられるためです。

 中絶の権利の是非は、アメリカ世論を二分するテーマになっています。保守派判事が多数を占める連邦最高裁判所は2022年6月、人工妊娠中絶を憲法上の権利と認めた1973年の判決を覆し、各州に判断を委ねました。アメリカメディアによると現在、南部テキサス州など少なくとも13州が中絶を原則として禁じています。

 中絶を禁じる州に住む女性は他州に行き、中絶措置を受けるケースが多くなっています。中絶の権利を擁護するリベラルな州では、女性や医療機関を支援したり、州憲法に中絶の権利を明記したりする動きが出ています。ジョー・バイデン政権にとっても、安全な中絶措置へのアクセスの確保は重要課題になっています。

 アメリカのガットマッハー研究所によると、2022年2月現在、アメリカで実施される中絶のうち54%が中絶薬によるものといいます。薬による中絶の割合は新型コロナウイルスが流行した2020年に50%を超えたことがわかりました。中絶薬の需要は今後も増加するとみられています。

 2023年1月5日(木)

🟪小中学生の体力調査、中学生男子はコロナ感染拡大前を上回る

 全国の小学5年生と中学2年生を対象に、50メートル走など8つの項目で体力や運動能力を調べる今年度の国の調査で、中学生の男子の合計点は新型コロナウイルスの感染拡大前を上回りました。一方で、小学生の男女は低下傾向にあり、スポーツ庁は運動の機会を増やす取り組みに力を入れていく方針で...