2023/02/16

🟪赤道ギニアで「マールブルグ病」を初確認、9人死亡 致死率最大88%

 世界保健機関(WHO)は13日、アフリカ中部の赤道ギニアで、エボラ出血熱とよく似たマールブルグ病の最初の感染が確認されたと発表しました。これまでに少なくとも9人が死亡し、感染が疑われる人は16人に上っています。

 赤道ギニアの北東部・キエンテム県では先週、200人以上を隔離し、行動制限措置を講じました。隣国カメルーンも感染防止対策として、国境沿いで行動制限措置を講じました。

 マールブルグ病によく似ているとされるのが、2014年にアフリカで猛威を振るったエボラ出血熱で、アメリカやイギリスなどでも感染が確認され、世界中で1万人以上が死亡しました。

 WHOによると、マールブルグウイルスに感染すると、突然の高熱や頭痛、倦怠(けんたい)感のほか、5~7日後に血液の混じった嘔吐や下痢などの症状がみられます。致死率は最高で88%に上ります。エボラ出血熱と同じウイルス性出血熱の一種で、ワクチンや承認された抗ウイルス治療薬などはありません。感染経路にコウモリが疑われているものの不明で、感染した人からは血液や体液に触れることでうつるといいます。

 2005年には、アフリカ南西部のアンゴラで大流行し、200人以上が死亡しています。

 WHOのアフリカ地域ディレクター、マトシディソ・モエティ氏は、「感染確認過程における赤道ギニア当局の迅速かつ断固たる行動のお陰で、すぐに全力で緊急対応に動くことができた」と述べました。

 マールブルグ病の感染が拡大する可能性について、長崎大学・高度感染症研究センターの安田二朗教授は、「現地の対応次第だと思う。(エボラ出血熱の時は)どの国も対応がまずかった。初期段階で(マールブルグ病を)見付けているので、きちんと検査して陽性者を隔離すれば、封じ込めることができると思っている」と指摘しています。

 日本の感染症法上の位置付けでは、現在の新型コロナウイルス感染症よりも上で、危険度が最も高い「1類」に該当しています。

 松野博一官房長官は15日の会見で、「昨日(14日)厚生労働省から、検疫所・地方自治体・医療関係者に対し、赤道ギニアにおけるマールブルグ病の発生に関する注意喚起を行っている」と話しました。

 厚労省は14日、渡航者への注意を呼び掛けたり、患者の搬送体制を確認したりするよう求める通知を都道府県などに出しました。厚労省結核感染症課は、「引き続き海外の感染状況や知見の収集、専門家の意見を伺いながら適切に対応したい」と述べました。

 2023年2月16日(木)

🟪iPS細胞「心筋細胞シート」、九州大でも移植手術 大阪大など開発

 iPS細胞(人工多能性幹細胞)から心臓の筋肉の細胞を作ってシート状にした「心筋細胞シート」を心臓病の患者に移植する手術を行ったと、九州大学と大阪大学の研究チームが発表しました。

 心筋細胞シートを開発した大阪大学以外で手術が行われるのは2カ所目で、安全性と有効性を確認し、保険が適用される治療法としての承認を目指すとしています。

 これは14日、九州大学と大阪大学が記者会見で発表しました。それによりますと、九州大学では1月中旬、iPS細胞から心臓の筋肉の細胞を作ってシート状に培養した心筋細胞シートを、虚血性心筋症という重い心臓病の50歳代の男性の心臓の表面に貼り付けて移植する手術を行ったということです。

 心筋細胞シートは大阪大学などの研究チームが開発したもので、大阪府にある施設で作り、新幹線で九州大学に運んだということです。

 患者の手術後の経過は順調で、14日退院したということです。

 九州大学の塩瀬明教授(心臓血管外科)は、「地域の心臓病治療の拠点となっている九州大学でも手術が安全に実施できることが確認できてよかった」と話していました。

 また、治験を主導する大阪大学の澤芳樹特任教授は、「安全性や有効性の確認を進め、多くの患者に届けられるように努めたい」と話していました。

 澤特任教授によると、九州大学より前に大阪大学と順天堂大学で手術を受けた5人の経過はいずれも順調で、懸念されていた腫瘍(しゅよう)化も確認されていません。近日中に予定する8例目の手術で治験は終了し、6カ月の経過観察の後、安全性と有効性のデータをまとめて薬事承認の審査を申請するといいます。

 心筋細胞シートは、iPS細胞から心臓の筋肉である心筋の細胞を作製し、厚さ0・1ミリのシート状に培養したものです。シートは直径数センチの大きさで、1回の移植に使う3枚には心筋細胞が約1億個含まれています。

 シートの状態でも心臓と同じように拍動していて、手術ではこのシートを3枚、全身に血液を送り出す役割を担う「左心室」の辺りに直接、貼り付けて移植します。

 今回、九州大学でiPS細胞から作った心筋細胞シートの移植手術を受けたのは、山口県内に住む50歳代の男性です。

 男性は17年前、心筋梗塞になり、その後、心臓の血管の血流が悪くなって全身に血液をうまく送り出せなくなる虚血性心筋症と診断されました。

 これまで手術や薬による治療を受けてきましたが、症状は改善しなかったということです。そうした中、今回の治験があることを知り、参加を決めたということです。

 男性は「手術の前は不安がなかったわけではありませんが、治験に参加することで同じ病気で悩む患者の未来にもつながっていくのではないかと考えています。手術を終え、今は参加してよかったと思っています」と話していました。

 2023年2月16日(木)

🟪「新型コロナ不活化効果」は景品表示法違反 除菌消臭器製造会社に課徴金

 「新型コロナウイルス不活化効果を確認」などとうたった除菌消臭器の表示には合理的な根拠がなく、景品表示法違反(優良誤認)に当たるとして、消費者庁は14日、製造販売会社のマクセル(京都府大山崎町)に3216万円の課徴金納付を命じました。

 消費者庁によると、同社は販売する除菌消臭器「オゾネオ エアロ」について、自社ウェブサイトなどで、奈良県立医科大学との共同研究でコロナに対する効果を確認したと表示。「オゾンの酸化力で『置くだけ』ウイルス対策」「20畳までの空間を快適空間に」などと宣伝していました。

 しかし、共同研究は想定される使用環境とは異なる密閉空間で実施されたもので、消費者庁に提出された資料にも裏付けとなる根拠は示されていませんでした。

 このため、課徴金納付命令に先立ち、消費者庁は2021年7月28日、再発防止策の構築などを求める措置命令を出しました。

 その後の調査で、課徴金の対象期間を2020年10月27日から2021年7月29日までと認定し、景品表示法に基づいて課徴金を算出しました。

 マクセルは措置命令を受けてすでに表示内容を変更しており、14日、自社のウェブサイトに「お客様ならびに関係者の皆様にご迷惑をお掛けしましたことをお詫び申し上げますとともに、再発防止に努めてまいります」とのコメントを出しました。

 2023年2月16日(木)

🟪東京都で1858人が新型コロナ感染 12人死亡、17人重症

 厚生労働省は15日、東京都内で新たに1858人が新型コロナウイルスに感染していることを確認したと発表しました。1週間前の水曜日より754人減りました。前の週の同じ曜日を下回るのは29日連続です。

 1週間平均の新規感染者数は15日時点で1649・4人で、前の週に比べて62・2%。

 新規感染者1858人を年代別でみると、0歳8人、1~4歳69人、5~9歳93人、10歳代201人、20歳代265人、30歳代290人、40歳代296人、50歳代265人、60~64歳80人、65~69歳44人、70歳代118人、80歳代90人、90歳以上39人。重症化しやすいとされる65歳以上の高齢者は291人でした。

 入院患者は1424人で、病床使用率は26・5%。人工呼吸器か体外式膜型人工肺(ECMO<エクモ>)を使っている重症の患者は、14日より1人減って17人でした。

 一方、感染が確認された60~90歳代の男女12人が死亡しました。

 東京都の累計は感染者430万1937人、死者7852人となりました。

 2023年2月16日(木)

2023/02/15

🟪新型コロナ、全国で新たに2万8772人感染 死者は213人

 厚生労働省は15日、新型コロナウイルスの新規感染者が全国で2万8772人確認されたと発表しました。前週の水曜日より1万2800人減りました。

 また、国内で亡くなった人は、福島県で46人、兵庫県で12人、東京都で12人、千葉県で11人、静岡県で9人、埼玉県で8人、大阪府で8人、福岡県で8人、北海道で7人、新潟県で7人、奈良県で6人、栃木県で6人、熊本県で6人、愛媛県で5人、愛知県で5人、沖縄県で5人、京都府で4人、大分県で4人、山口県で4人、岐阜県で4人、長崎県で4人、佐賀県で3人、宮城県で3人、岡山県で3人、広島県で3人、群馬県で3人、鹿児島県で3人、島根県で2人、神奈川県で2人、長野県で2人、高知県で2人、三重県で1人、宮崎県で1人、山梨県で1人、滋賀県で1人、福井県で1人、香川県で1人の合わせて213人、累計で7万1136人となっています。

 都道府県別の新規感染者数の最多は東京都の1858人。次いで愛知県の1814人、大阪府の1744人、兵庫県の1620人、福岡県の1425人、静岡県の1398人、神奈川県の1321人、広島県の1060人、埼玉県の1021人と続きました。

 また、新型コロナウイルスへの感染が確認された人で、人工呼吸器や体外式膜型人工肺(ECMO<エクモ>)をつけたり、集中治療室などで治療を受けたりしている重症者は、15日時点で258人となっています。重症者の数は、14日と比べて12人減りました。

 一方、厚生労働省は15日、大阪府内で新たに1744人が新型コロナウイルスに感染していることを確認したと発表しました。これで、大阪府内の感染者の累計は280万1701人となりました。

 また、8人の死亡が発表され、府内で感染して亡くなった人は、合わせて8266人となっています。重症者は、14日より2人少ない45人です

 2023年2月15日(水)

🟪東京都、マスク着用3月13日から個人判断を尊重 混雑した電車やバスに乗る場合は推奨

 新型コロナ対策としてのマスクの着用について、東京都は3月13日から、個人の判断を尊重するものの、重症化リスクの高い人への感染を防ぐため、通勤ラッシュなどで混雑した電車やバスに乗る場合などでは着用を推奨することになりました。

 新型コロナ対策としてのマスクの着用について、東京都は14日に開かれた対策本部会議で、政府の指針を踏まえた、3月13日からの対応をまとめました。

 都は3月13日以降、都民に対し、基本的な感染防止対策を引き続き行ってほしいとした上で、マスクの着用については「屋内・屋外を問わず、個人の判断を尊重する」としています。

 ただ、高齢者など重症化リスクの高い人への感染を防ぐため、医療機関を受診する際や、高齢者施設などを訪れる際、通勤ラッシュなどで混雑した電車やバスに乗る際、施設の利用やイベント参加時に事業者から呼び掛けられた際は「マスクの着用を推奨する」としています。

 一方で、新型コロナの症状がある人や、家族に検査で陽性となった人がいる場合は、外出を控え、通院などの際にはマスクを着用するよう求めています。

 事業者に対しては、マスクの着用が個人の判断にゆだねられることを踏まえた上で、各業界団体が修正したガイドラインを遵守するよう求めています。

 飲食店については、十分な感染対策を行っている飲食店を都が認証する「第三者認証制度」の基準から、客や従業員にマスクの着用を求める項目を削除することを盛り込んでいます。ただ、飲食店から、感染対策などのために、客や従業員に対してマスクの着用を求めることができるとしています。

 このほか、都立学校では、4月1日以降、「マスクの着用を求めないことを基本とする」としており、3月に行われる卒業式については児童や生徒、教員に限りマスクを外すことを基本としています。

 会議の中で小池百合子知事は、「マスクの着用については混乱が生じないよう、都民や事業者に丁寧に発信してほしい。感染対策をしっかりと行いつつ、みんなの笑顔がわかり、思い出に残る卒業式になってほしい」と述べました。

 東京都医師会の尾崎治夫会長は14日の会見で、「屋外でマスクの着用は必要ない。ただ、屋内で外すなら、部屋の換気がよくされていることや、ある程度換気が悪くても空気清浄機を置いてウイルスを除去するなど、環境整備が必要だ」と述べました。

 また、マスク着用に関する業界団体ごとのガイドラインの見直しについて、「個々人が判断しやすいよう、屋内での換気の状況やウイルスを捕捉できる空気清浄機の設置など、外すことができる客観的な根拠を、ガイドラインの中に盛り込んでほしい」と訴えました。

 2023年2月15日(水)

🟪中国政府、韓国人向け短期ビザの発給再開 韓国の水際対策緩和受け18日から

 在韓国の中国大使館は15日、韓国人への短期ビザ(査証)発給を18日から再開すると発表しました。中国は、韓国が1月2日に新型コロナウイルス対策で中国人へのビザ発給制限を開始し、新型コロナの検査も義務付けたことへの対抗措置として、同10日からビザ発給を停止していました。

 韓国は2月末まで発給制限を続けるとしていましたが「中国の感染状況がピークを過ぎたと判断した」として、11日に中国からの入国者への短期ビザ発給を再開。これを受け、中国外務省は「中国も韓国人への短期ビザ発給を積極的に検討する」と表明し、人的往来の正常化に向けて韓国側と協力する意向を示していました。

 中国入管当局は、韓国人が第三国への乗り継ぎ時に一時入国できる優遇措置なども18日から再開すると発表しました。中国は、日本政府による新型コロナの水際対策強化にも反発し、1月10日にビザ発給停止を発表しましたが、同29日から発給手続きを再開しています。

 2023年2月15日(水)

🟩エムポックスは依然として制御されていない、アフリカ疾病対策センターが警告

 アフリカ連合(AU)の保健機関は10月31日、エムポックス(サル痘)の発生が依然として制御されていないと警告し、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)よりも「さらに深刻な」パンデミック(世界的大流行)を避けるための支援の必要性を訴えました。  アフリカ疾病対策センター...