2023/04/08

🟩オプジーボ関連特許訴訟で和解 小野薬品、アメリカの研究所に契約一時金支払い

 がん免疫治療薬「オプジーボ」を巡る特許に関する訴訟で、小野薬品工業は7日、アメリカの研究所と全面的に和解したと発表しました。オプジーボの特許権を持つ小野薬品とアメリカのブリストルマイヤーズスクイブ(BMS)が、訴訟を起こした研究所に契約一時金を支払うことで和解します。オプジーボの販売量が大きく増えた場合などには、アメリカの研究所に対し追加の支払いが発生します。

 和解したのはダナファーバーがん研究所。小野薬品が支払う契約一時金などの金額は非公表で、2023年3月期の連結業績に与える影響は5月の決算発表時に公表するとしています。

 クライブ・ウッド博士とダナファーバーがん研究所のゴードン・フリーマン博士は、本庶佑京都大学特別教授とオプジーボの仕組みである「PDー1」ががん細胞と関係していることを明らかにした論文を共同執筆していました。両氏はオプジーボを始め、PDー1などに関する特許に、共同発明者であるとして加えるよう求めた訴訟をアメリカで起こしており、2019年にアメリカ連邦地方裁判所は2人を共同発明者として認定しました。

 小野薬品はオプジーボの特許を巡り、ノーベル生理学・医学賞を受賞した本庶氏とも争った経緯があります。小野薬品がアメリカの製薬会社メルクとの特許侵害訴訟の和解で受け取った金額に対し、本庶氏側への分配金が少ないことなどを理由に訴訟を提起されました。2021年秋に本庶氏に50億円を支払い、京都大学に設立した基金に230億円を寄付して和解していました。

 今回、ダナファーバーがん研究所との和解が成立したことで、特許権者を巡った一連の訴訟は落ち着くことになります。ただ小野薬品やBMSが、他社から受け取った売上高に応じたロイヤルティー収入の配分などの調整や、イギリスのアストラゼネカが販売する治療薬についての特許侵害訴訟などもあります。特許権を行使できるのは小野薬品やBMSという構図は変わらないものの、巨大な収益を生んでいる超大型医薬品を巡った争いは、しばらく続きそうです。

 2023年4月8日(土)

🟩全国で新たに8468人感染 新型コロナ、累計死者7万4081人

 厚生労働省は8日、新型コロナウイルスの新規感染者が全国で8468人確認されたと発表しました。前週の土曜日より約1000人増えました。

 また、国内で感染して亡くなった人は、大阪府で4人、三重県で3人、兵庫県で2人、北海道で2人、埼玉県で2人、群馬県で2人、千葉県で1人、宮崎県で1人、山口県で1人、広島県で1人、東京都で1人、香川県で1人の合わせて21人、累計で7万4081人となっています。

 都道府県別の新規感染者数の最多は東京都で1261人。次いで北海道の614人、神奈川県の594人、大阪府の547人、愛知県の455人、埼玉県の408人、千葉県の401人、兵庫県の277人、広島県の256人、福岡県254人、新潟県の224人と続きました。

 また、新型コロナウイルスへの感染が確認された人で、人工呼吸器や体外式膜型人工肺(ECMO<エクモ>)をつけたり、集中治療室などで治療を受けたりしている重症者は、8日時点で50人となっています。重症者の数は、7日と比べて5人減りました。

 2023年4月8日(土)

🟩東京都で新たに1261人感染 新型コロナ、累計感染者434万6335人

 厚生労働省は8日、都内で新たに1261人が新型コロナウイルスに感染していることを確認したと発表しました。1週間前の土曜日より270人増えました。

 1週間平均の新規感染者数は、8日時点で1039・0人で、前の週に比べて124・8%。

 新規感染者1261人を年代別でみると、0歳5人、1~4歳24人、5~9歳33人、10歳代92人、20歳代247人、30歳代224人、40歳代191人、50歳代215人、60~64歳63人、65~69歳35人、70歳代76人、80歳代41人、90歳以上15人。重症化しやすいとされる65歳以上の高齢者は167人でした。

 入院患者は485人で、病床使用率は9・4%。人工呼吸器か体外式膜型人工肺(ECMO<エクモ>)を使っている重症の患者は、7日と同じ3人でした。

 一方、感染が確認された50歳代の女性1人が死亡しました。

 東京都の累計は感染者434万6335人、死者8069人となりました。

 2023年4月8日(土)

2023/04/07

🟩WHO、新型コロナ起源解明で情報共有求める

 世界保健機関(WHO)のテドロス・アダノム事務局長は6日の記者会見で、新型コロナウイルスの起源解明について、新たな感染症に備えるという科学的側面からだけでなく「700万人近くが亡くなり、大勢の人が苦しんでいることからも、道義的な責務がある」として、引き続き注力する構えを示しました。大規模な感染が最初に確認された中国に対して、すべての情報を提供するよう改めて求めました。

 中国疾病予防コントロールセンターは5日、湖北省武漢市の「華南海鮮卸売市場」で採取した検体の分析結果をイギリスの科学誌「ネイチャー」に発表。タヌキなど宿主となり得る動物がいたことを確認したものの、「これらの動物が感染していたと証明できない」とし、新型コロナの起源は特定できなかったとしました。

 だが、WHOで新型コロナの技術責任者を務めるマリア・バンケルコフ氏は、同市場で取り扱われていた動物の入手経路や、市場で働いていた人たちの血液検査データなどはまだ得られていないと指摘し、WHOが中国側に提案してきた調査も「これまでに実際に行われたかどうかすら不明だ」と述べ、中国の対応への不満を示しました。

 バンケルコフ氏は、確度は不十分ながら武漢市の研究所からウイルスが流出した可能性が高いとの報告をまとめたアメリカのエネルギー省に対しても、結論に至ったデータの開示も要求したと言及。あらゆる可能性を検討するため、WHOの科学諮問団との情報共有が必要だと訴えました。

 2023年4月7日(金)

🟩エムポックス(サル痘)、沖縄県で初確認 40歳代男性に発熱や発疹

 沖縄県は7日、県内で初めて、 ウイルス感染症「エムポックス(サル痘)」の患者を確認したと発表しました。県内に住む40歳代の男性で、発熱のほか発疹、咽頭痛の症状があり、状態は安定しているといいます。

 県内医療機関から保健所にエムポックス疑いの報告が6日にあり、県衛生環境研究所が検査したところ陽性が判明しました。発生届は7日付。男性は、潜伏期間に当たる症状が出る前の3週間は海外への渡航歴がないということで、管轄保健所が感染経路を調べています。

 エムポックスは昨年5月以降、欧米を中心に感染が広がり、国内では昨年7月25日に初めて感染者が確認され、昨年は計8人の感染が公表されました。海外では現在、感染者が減っているものの、国内で公表された感染者は1月に7人、2月に12人、3月に55人、4月(4日時点)に13人と増えて、計95例が確認されています。

 エムポックスの潜伏期間は通常6~13日(最大5~21日)で、発熱や頭痛などの1~3日後に顔や手足などに発疹がみられます。多くの場合は自然治癒するものの、子供の場合は健康状態や合併症などにより重症化することがあります。

 誰でもエムポックスに感染する可能性はありますが、厚生労働省によると、国際的に男性同性間の性的接触での感染報告が多いといいます。国内で確認されている患者は全員男性で、9割以上は海外渡航歴がありません。

 沖縄県は、「過剰に心配せず、発熱や発疹などの症状がある場合には近くの医療機関に相談し、手の消毒など基本的な感染対策を行ってほしい」としています。

 2023年4月7日(金)

🟩RSウイルス感染症のワクチン、妊婦に接種で生まれた赤ちゃんに効果

 アメリカなどの国際研究チームは5日、乳幼児に肺炎などを引き起こすRSウイルス感染症に対するワクチンの臨床試験(治験)の結果を発表しました。アメリカのファイザー社が開発中のワクチンで、接種した妊婦から生まれた赤ちゃんでは、生後3カ月以内で57・1%の発症予防効果が確認されました。アメリカの医学誌「ニュー・イングランド・ジャーナル・オブ・メディシン」に掲載されました。

 ワクチンは、妊婦に接種することで赤ちゃんが抗体を持つことを狙ったもの。治験では、日本やアメリカなど18カ国の妊娠24~36週の妊婦7358人をワクチンを接種したグループと、有効成分が含まれていない偽薬(プラセボ)を使ったグループとに分け、生まれてきた赤ちゃんの予防効果をみました。その結果、発症を予防する効果は生後3カ月以内で57・1%、同半年以内で51・3%。重症を予防する効果は生後3カ月以内で81・8%、同半年以内で69・4%でした。

 倦怠(けんたい)感や頭痛などの副反応がみられたものの、ファイザー社は「安全性に問題はない」としています。

 別の論文では、60歳以上の高齢者への効果も発表。RSウイルスに関連した呼吸器疾患への発症予防効果は62・1%だったといいます。

 RSウイルスワクチンはファイザー社のほか、イギリスのグラクソ・スミスクライン社やアメリカのモデルナ社なども開発を進めています。承認されれば世界で初めてのRSウイルスワクチンとなります。

 国際研究チームは、「妊婦がワクチンを接種することで、生まれてくる子供が重い症状になるのを防ぐ効果が認められ、安全面での懸念は確認されなかった」としています。

 2023年4月7日(金)

🟩東京都で新たに1133人感染 新型コロナ、前週比279人

 厚生労働省は7日、東京都内で新たに1133人が新型コロナウイルスに感染していることを確認したと発表しました。1週間前の金曜日より279人増えました。前の週の同じ曜日を上回るのは7日連続です。

 1週間平均の新規感染者数は、7日時点で1000・4人で、前の週に比べて122・9%。

 新規感染者1133人を年代別でみると、0歳12人、1~4歳19人、5~9歳20人、10歳代80人、20歳代232人、30歳代168人、40歳代191人、50歳代216人、60~64歳55人、65~69歳31人、70歳代49人、80歳代39人、90歳以上21人。重症化しやすいとされる65歳以上の高齢者は140人でした。

 入院患者は463人で、病床使用率は9・0%。人工呼吸器か体外式膜型人工肺(ECMO<エクモ>)を使っている重症の患者は、6日より1人増えて3人でした。

 一方、感染が確認された2人が死亡しました。

 東京都の累計は感染者434万5074人、死者8068人となりました。

 2023年4月7日(金)

🟪新型コロナ、沖縄県が独自で注意喚起へ 流行時に「拡大準備情報」を発出 

 沖縄県は19日、新型コロナウイルス感染症の流行が疑われる場合、県独自で「新型コロナ感染拡大準備情報」を発出すると発表しました。新型コロナについては、過去の感染データの蓄積が乏しいことなどから、国がインフルエンザのような注意報や警報の発令基準を設けていない一方、重症化する高齢者...