2023/05/03

🟧オスのマウスのiPS細胞で卵子作製、子供も誕生 大阪大など世界初

 オスのマウスのiPS細胞(人工多能性幹細胞)から卵子を作り、別のマウスの精子と受精させて子供を誕生させることに、大阪大学の林克彦教授らの研究チームが成功しました。哺乳類のオスの細胞から卵子を作製したのは世界初で、絶滅が心配される動物の保全などに役立てたいとしています。

 研究成果の概要は2日までに、イギリスの科学誌「ネイチャー」に掲載されました。

 マウスや人の性別はXとYの性染色体の組み合わせで決まり、「XY」なら雄、「XX」なら雌になります。生殖遺伝学が専門の林教授らは、加齢によってY染色体が消え、X1本だけの細胞があることに着目。オスのマウスから作製したiPS細胞を数代にわたって培養し、Y染色体のない細胞を作った上で、特殊な化合物を使って「XX」の細胞を作り出しました。

 これを卵子に育てて別のオスの精子と体外受精させ、計630個をメスの子宮に移植。7匹の子供が誕生し、すべての子が成長することも確認できました。

 この技術を活用するとX染色体を増やすことが可能となり、林教授は「(女性のX染色体が欠けて発症する)ターナー症候群などの治療法開発に役立つのではないか」と説明しました。

 ただ、人の誕生に応用するには課題が多く、iPS細胞から人の卵子を作るには技術的に10年程度かかると見込まれるだけでなく、倫理的な議論が欠かせません。林教授は「技術の安全性を調べるのは我々の責任だが、どう使うかは社会に決めてもらうしかない」と話しています。

 研究チームでは、アフリカ中部に生息してきたものの、密漁や環境破壊によりケニアの施設で保護されているメス2頭しか生き残っていないキタシロサイのiPS細胞から卵子や精子のもとになる細胞を作る研究も進めていて、今回の成果を活用したいとしています。

 2023年5月3日(水)

🟧全国で新たに1万6631人感染 新型コロナ、前週比3400人増

 厚生労働省は3日、新型コロナウイルスの新規感染者が全国で1万6631人確認されたと発表しました。前週の水曜日より約3400人増えました。

 また、国内で感染して亡くなった人は、北海道で3人、埼玉県で2人、大阪府で2人、東京都で2人、神奈川県で2人、福島県で2人、茨城県で2人、静岡県で2人、三重県で1人、兵庫県で1人、和歌山県で1人、大分県で1人、富山県で1人、山形県で1人、岐阜県で1人、広島県で1人、愛媛県で1人、愛知県で1人の合わせて27人、累計で7万4596人となっています。

 都道府県別の新規感染者数の最多は東京都で2187人。次いで大阪府の1282人、北海道の1188人、神奈川県の975人、埼玉県の830人、愛知県の805人、千葉県の700人、兵庫県の659人、福岡県の650人、広島県の502人、長野県の439人、新潟県の432人と続きました。

 新型コロナウイルスへの感染が確認された人で、人工呼吸器や体外式膜型人工肺(ECMO<エクモ>)をつけたり、集中治療室などで治療を受けたりしている重症者は、3日時点で71人となっています。重症者の数は、2日と比べて7人増えました。

 一方、北海道は3日、道内で新たに1188人が新型コロナウイルスに感染し、死者はいなかったと発表。前週の水曜より167人多く、3日連続で前週の同じ曜日を上回りました。

 発表者別の感染者数は道立保健所管内が651人、札幌市が301人、旭川市が82人、函館市が129人、小樽市が25人。

 北海道内の感染者数は延べ136万628人となりました。死者は計4605人。

 2023年5月3日(水)

🟧東京都で新たに2187人感染 新型コロナ、3日連続で1週間前を上回る

 東京都は3日、新型コロナウイルスの感染者を都内で新たに2187人確認したと発表しました。前週の同じ曜日から442人増え、3日連続で1週間前を上回りました。

 1週間平均の新規感染者数は、3日時点で1685・0人で、前の週に比べて121・2%。

 新規感染者2187人年代別でみると、0歳15人、1~4歳18人、5~9歳39人、10歳代215人、20歳代412人、30歳代344人、40歳代335人、50歳代351人、60~64歳145人、65~69歳69人、70歳代140人、80歳代76人、90歳以上28人。重症化しやすいとされる65歳以上の高齢者は313人でした。

 入院患者は764人で、病床使用率は15・2%。人工呼吸器か体外式膜型人工肺(ECMO<エクモ>)を使っている重症の患者は、2日より1人減って6人でした。

 一方、感染が確認された60歳代女性と80歳代男性の2人が死亡しました。

 東京都の累計は感染者438万266人、死者8111人となりました。

 2023年5月3日(水)

🟧マダニが媒介するSFTS、宮崎県の感染者計100人に 全国の自治体で初

 マダニが媒介するウイルス感染症「重症熱性血小板減少症候群(SFTS)」の宮崎県の発生報告者数が、統計を取り始めた2013年以降、全国の自治体で初めて100人になりました。感染者100人のうち、年齢別では70歳代が最多の38人で、市町村別では宮崎市が25人と最も多くなっています。

 ゴールデンウイーク期間中、キャンプやハイキングなど野外活動が増えることから、宮崎県は「5月の感染が最も多い。肌の露出をできる限り避け、感染予防に努めてほしい」と注意を呼び掛けています。

 一方、宮崎市にある宮崎大学の産業動物防疫リサーチセンターは2日、マダニが媒介するSFTSにかかったペットが確認されたのが4月だけで5例と、宮崎県内で急増していると発表しました。

 宮崎大学の産業動物防疫リサーチセンターでは、獣医師からの依頼を受けてペットのネコやイヌのウイルス検査を行っています。

 宮崎県内では4月、SFTSと診断されたネコが5匹確認されたということです。見付かったのは、宮崎市で3匹、都城市と川南町で1匹ずつです。

 これまで県内で1カ月に見付かるのは多くて1匹ほどだったため、大学はウイルスを保有するマダニが増えているのではないかとみています。

 SFTSは人と動物に共通した感染症で、人が感染した場合には発熱や下痢などを引き起こし、最悪、死に至ることもあります。

 西日本を中心に毎年70人以上の発症が報告され、宮崎県は患者の発生が特に多い地域だということです。

 大学はペットの感染を防ぐには、虫除け剤が入ったスプレーの使用や、定期的なブラッシング、屋内での飼育が有効だとしています。

 産業動物防疫リサーチセンターの岡林環樹教授は、「ネコの感染は4月に多いが、翌月には人への感染が増える傾向があるので、飼い主はペットから感染しないよう注意してほしい」と呼び掛けています。

 宮崎県によりますと、県内では、2013年からの10年間に100人のSFTS患者が報告され、このうち26人が亡くなったということです。

 感染したと推定される場所は県北部から南部まで広く分布しているため、県では全域で注意が必要だと指摘しています。

 また、農作業や山林での作業中に感染したとみられるケースが多い一方、庭仕事や自宅周辺の散歩の最中での感染が疑われる事例もあるということです。

 県は、草むらややぶなどマダニがいそうな場所に立ち入る際には、かまれないよう長袖、長ズボン、それに足を完全に覆う靴を着用して肌の露出を少なくすることを呼び掛けています。

 2023年5月3日(水)

2023/05/02

🟧がん患者に販売の違法株収益を「寄付金」 偽装容疑で健康食品会社社長らを逮捕

 「がんに効果がある製品開発をしている」などとがん患者や家族を勧誘し、無登録で会社の株を売り出していたなどとして逮捕・起訴された東京都の健康食品販売会社の社長らが、違法な株の販売で得た金を「寄付」による集金と装ったとして組織犯罪処罰法違反(犯罪収益等隠匿)の疑いで2日、逮捕されました。

 逮捕されたのは、東京都千代田区の健康食品販売会社「ウィンメディックス」の社長、白木茂被告(45)=金融商品取引法違反(無登録など)で起訴=ら3人。

 警視庁生活経済課によりますと、一昨年から昨年にかけて、法律に定められた登録を受けずに会社の株を売り出して得た金について、「寄付」による集金と装ったとして組織犯罪処罰法違反の疑いが持たれています。

 違法な株の販売で1500人余りから合わせて約7億円を集めていましたが、株の購入者に対しては寄付金の受領書を送るなどして無償で株を譲ったように装っていたということです。

 調べに対し、社長は容疑を認めているということです。

 株の購入者の多くはがんの患者やその家族で、「がん治療に効き、副作用のない飲料水を開発している」「新たながん治療薬を開発中で医薬品として承認されれば高額な配当を受けられる」などと言って勧誘していたとみられますが、これまでに配当は確認されていないということです。

 警視庁によりますと、昨年4月までの約5年間に全国の1万5000人余りに株を売り出し、約80億円を集めていたとみられます。白木容疑者はそのうち8億円以上を遊興費に利用していたということです。

 2023年5月2日(火)

🟧子供のコロナ感染、3・9%は発症から1カ月以上続く後遺症に悩む 小児科学会が4606人の情報を分析

 国内で新型コロナウイルスに感染した20歳未満の子供のうち、発症から1カ月以上たっても続く後遺症がある割合は3・9%だったとの調査結果を、日本小児科学会の研究チームが1日までにまとめました。症状は発熱やせき、嗅覚障害、倦怠(けんたい)感などが目立ち、入院したり、学校や保育園などを休んだりしたケースもありました。子供の後遺症に関して国内でまとまった数のデータが判明するのは初めて。

 大人に比べると少ないものの、子供も一定の割合で後遺症に悩んでいる実態が判明。コロナの法的な取り扱いは8日に5類に引き下げられる一方で、後遺症の治療、相談体制の整備は今後も課題となります。

 研究にかかわった聖マリアンナ医大の勝田友博准教授(小児感染症学)は、「半年後までによくなることが多いが、気になる症状があれば気軽にかかりつけ医に相談してほしい」と呼び掛けています。

 2020年2月から2023年の4月11日までに、日本小児科学会のデータベースに小児科医らから任意で寄せられた感染者4606人の情報を分析しました。症状が明らかに他の病気の影響と考えられるケースは除外しました。

 1カ月後も症状が残っていたのは181人で、30%に発熱やせき、18%に嗅覚障害、17%に倦怠感、15%に味覚障害がありました。嗅覚や味覚の障害は、オミクロン型が広がった2022年以降は発症する割合が減りました。

 他に腹痛や頭痛、下痢、嘔吐(おうと)なども報告され、数は少ないものの筋肉痛、意識の障害や胸の痛み、うつ状態の症例もありました。

 2023年5月2日(火)

🟧東京都で新たに2604人感染確認 新型コロナ、2000人超は2月14日以来

 厚生労働省は2日、都内で新たに2604人が新型コロナウイルスに感染していることを確認したと発表しました。2000人を上回るのは2月14日以来で、1週間前の火曜日より695人増えました。

 1週間平均の新規感染者数は、2日時点で1621・9人で、前の週に比べて119・5%。

 新規感染者2604人を年代別でみると、0歳14人、1~4歳33人、5~9歳31人、10歳代230人、20歳代479人、30歳代395人、40歳代394人、50歳代417人、60~64歳171人、65~69歳85人、70歳代216人、80歳代108人、90歳以上29人。重症化しやすいとされる65歳以上の高齢者は438人でした。

 入院患者は767人で、病床使用率は15・2%。人工呼吸器か体外式膜型人工肺(ECMO<エクモ>)を使っている重症の患者は、1日より2人増えて7人でした。

 一方、感染が確認された1人が死亡しました。

 東京都の累計は感染者437万8079人、死者8109人となりました。

 2023年5月2日(火)

🟧東京都内、正月三が日に餅をのどに詰まらせ9人搬送2人死亡 石川県内では高齢者4人搬送1人死亡

 元日から3日までに東京都内では高齢者が餅をのどに詰まらせて病院に搬送されるケースが相次いでいて、2人が死亡しました。  東京消防庁は餅を小さく切って食べやすい大きさにすることなど注意を呼び掛けています。  東京消防庁によりますと、今年の正月三が日、東京都内では73歳から84歳...