先月の世界の平均気温は6月としては観測史上、最も高くなりました。海面の平均水温も高くなっていて、世界気象機関(WMO)は異常気象が発生する可能性が高まっていると警鐘を鳴らしています。
WMOなどが10日までにまとめたところによりますと、世界の先月・6月の平均気温は、1991年から2020年の平均を約0・5度上回り、6月としては観測史上、最も高くなりました。
WMOは、こうした記録的な暑さは、エルニーニョ現象の発生と同じ時期に観測されたとした上で、今後さらに気温が上昇する恐れがあると懸念を示しています。
また、海面の平均水温も5月と6月でそれぞれこの時期としては過去最高を記録したほか、南極海の氷の面積は人工衛星での観測が始まって以降、6月としては最も小さくなり、平均より17%少なくなったということです。
温暖化はハリケーンや熱帯低気圧の増加につながると指摘されていて、WMOの担当者は10日に開いた会見で、「熱帯低気圧が発生すれば、漁業など沿岸部だけでなく、内陸部でも犠牲者を出す恐れのある大雨など、すべてが影響を受ける」などと述べて警鐘を鳴らしました。
こうした中、7月、アメリカではニューヨーク州など東部で大雨による洪水被害が出ているほか、インドでも西部や北部で大雨によって少なくとも22人が死亡するなど世界各地で災害が相次いでいます。
2023年7月13日(木)