2023/10/02

🟧果物を食べない日本人、20歳以上の38%は1日摂取量が0グラム 目標は1日200グラム

 春から夏にかけてはイチゴにサクランボ、スイカにメロン、秋になれば梨、ブドウ、柿、栗。冬にはリンゴとミカン。日本では四季折々の果物が楽しめますが、日本人は驚くほど果物を食べていません。厚生労働省の国民健康・栄養調査の最新結果では、20歳以上の38%は、果物の1日摂取量が0グラムです。若い世代ほどその割合が高く、20歳代は61%、30歳代は55%、40歳代は53%となっています。

 この調査は、ある特定の1日の食事内容を調べるため、1年を通して全く食べない人の割合とはいえないものの、果物を食べる習慣のない人が相当数いることを示しています。

 ただ、果物は野菜と同じように生活習慣病のリスクを減らし、健康維持に大きな役割を果たしています。

 厚労省は今年、2024年から開始する「健康日本21(第三次)」で、果物摂取量の目標値を1日200グラムと定めました。

 健康日本21は、生活習慣の改善、社会環境の質向上といった健康づくりの各種指標を定めたもの。食生活に関して品目別に挙げられているのは、果物のほか、野菜と食塩の摂取量のみです。「疾患予防に寄与する科学的根拠がそろっている項目を、指標に設定した」と担当者は話しています。

 2023年10月2日(月)

🟧保管温度が不適切なコロナワクチンを170人に接種 滋賀県草津市

 滋賀県草津市は9月22日、冷凍庫での保管温度が適正に保たれていなかった新型コロナウイルスのワクチンを170人に接種していたと発表しました。冷凍庫の異常が原因とみられます。健康被害の報告はないといい、市は対象者全員に連絡し、抗体検査を実施するとともに抗体のない人には追加接種する、としています。

 市によると、ワクチンはアメリカのファイザー社製のオミクロン型派生型「XBB・1・5」対応品で、9月11日に冷凍庫の適正温度(零下60~90度)を確認して保管を始めたものの、18日に一時的に零下28・4度まで上昇していました。冷凍庫は警報アラームが鳴るものの、同日は祝日で職員が不在でした。

 その後、保管温度は適正値に戻っていたといいます。22日朝に零下54度に上がり、職員が警報に気付きました。この際、冷凍庫のログを調べ、18日にも保管温度を超えていたことが判明しました。

 保管温度が不適切だったワクチンは、20日に始まった秋接種で7医療機関と1集団接種会場で計170人に使われていました。市は未使用だった約9100回分を廃棄する予定で、ほかの自治体からワクチンの融通を受けるなど接種に影響が出ないようにするといいます。

 市は冷凍庫の故障の可能性もあるとみて、メーカーに原因調査を求めています。

 橋川渉市長は、「市民の皆様にご迷惑をおかけし、深くおわび申し上げる。確認体制の強化や再発防止策を講じる」とコメントしました。

 2023年10月2日(月)

2023/10/01

🟧肝臓の線維化を血液で手軽に検査できる試薬を発売 シーメンスヘルスケア・ダイアグノスティクス

 シーメンスヘルスケア傘下で診断薬事業を手掛けるシーメンスヘルスケア・ダイアグノスティクス(東京都品川区)は、慢性肝疾患を持つ患者の肝臓の線維化(肝線維化)の程度を診断する血液検査用試薬「ケミルミTIMPー1」を発売しました。国内では初の製品。これまでは患者から病理組織を切り取って診断していたものの、より手軽に検査できるようになります。

 肝線維化とは肝臓が損傷した細胞を修復する過程で起き、組織が固くなって機能しなくなる状態。ウイルス性肝炎や過度のアルコール摂取、脂肪性肝疾患などで起こり、進行すると肝硬変や肝不全、肝細胞がんになる可能性があります。同社が発売したケミルミTIMPー1は、血清中の「組織メタプロテアーゼ阻害物質」を測定する試薬で、同社の免疫自動分析装置「アテリカ シーアイ1900」と組み合わせて使用します。

 組織メタプロテアーゼ阻害物質とヒアルロン酸数値、プロコラーゲンⅢペプチドの値を組み合わせて「強化肝線維症(ELF)スコア」と呼ばれる数値を算出し、線維化の程度を示します。

 肝線維化の診断には患者の体内に針を入れ、肝臓の一部を切除して検査する「肝生検」という手法が主流なものの、対応できる病院が限られていることや、入院する必要があるなどの課題がありました。

 切り出す組織によっても、肝臓の線維化が進んでいるかどうか判断が分かれる可能性があるといいます。同じ症例であっても、検体を見る医師によって約4割の確率で診断が異なるなど正確な診断ができないリスクも加わります。

 血液で検査できるため、開業医などでも検査できるようになります。従来の肝生検の手法では入院が必要なため、7万円から8万円ほどかかるのに対して、安価に抑えられます。

 肝生検の検査では痛みや合併症のリスクがあるなど患者の体にも負担がかかるため、一度しか検査できません。血液による検査では同じ患者でも複数回検査ができるため、早期の病状把握につながるほか、病状の改善なども数値で追いやすくなります。

 国内ではB型肝炎やC型肝炎などウイルス性による肝疾患の割合は減少しているものの、アルコールの摂取が少ないにもかかわらず肝臓の病気が進行する非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)や非アルコール性脂肪肝炎(NASH)の患者数は増加傾向にあります。

 国内の有病率は男性が3〜4割で、女性は1〜2割ですが、検査し切れていない潜在的な患者も多く、全体では2000万人以上の患者がいると推定されています。

 非アルコール性脂肪肝炎については現在は治療薬がなく、生活習慣の改善などで進行を遅らせる対応が主流。そのため手軽な検査のニーズが低かったものの、アメリカなどでは治療薬の開発が進んでおり、実用化に向けて血液による検査の需要が高まっています。

 横浜市立大学大学院・医学研究科の中島淳主任教授は、「肝生検以外の方法でハイリスク患者を拾い上げる方法の確立が急務だった。新薬が登場した際には治療効果の評価にも使える」と期待を寄せています。

 2023年10月1日(日)

🟧粉末調味料2種の回収発表 ディズニーリゾートの飲食施設で販売

 オリエンタルランドは9月30日、東京ディズニーランドと東京ディズニーシー内の飲食施設で販売した商品に含まれる2種類の調味料について、一部で原材料のアレルゲンなどの表示が誤っていたとして、5144セットを回収することを発表しました。

 オリエンタルランドによりますと、9月1日から29日まで東京ディズニーランドと東京ディズニーシー内の飲食施設で販売した「シーズナルグルメチケットセット」(4000円)に付けた粉末調味料「シーズニングパウダー」の「トリュフ塩(白色)」と「マロングラッセシュガー(茶色)」のセットについて、内容物の入れ違いにより、一部に原材料のアレルゲンなどの表示に誤りのある商品があることがわかったということです。

 問題のあった粉末調味料は、東京ディズニーリゾート40周年のロゴの絵柄がプリントされた透明の包装袋に入っているもので、オリエンタルランドはこの商品5144セットの回収を決めました。

 仕入れ先の宮崎市の会社が袋詰めした際、トリュフ塩の袋に乳成分が含まれるマロングラッセシュガーが混入し、検品されないまま販売されました。

 オリエンタルランドは、乳アレルギーのある人はこのポップコーンやチュロスに振り掛けて使う粉末調味料を摂取しないよう呼び掛けています。

 9月30日時点で、購入した人から健康被害の申し出はないということです。 

 問い合わせは通話無料の特別対応窓口、電話(0120)131676。10月1日から土日祝日を含めて午前10時から午後5時まで受け付けます。

 2023年10月1日(日)

🟧コロナ治療薬、1日から有料 3000円から9000円の自己負担

 これまで全額公費負担だった高額な新型コロナウイルスの治療薬代が、10月1日から有料となります。医療費の窓口負担割合に応じて3000円から9000円の自己負担が生じ、支払額に上乗せされます。医療機関を受診した人が混乱しないよう厚生労働省は周知を徹底したいとしています。

 有料となる薬は抗ウイルス薬のラゲブリオやパキロビッド、ゾコーバなど。10月以降は薬の種類にかかわらず、医療費の自己負担が3割の人は9000円、2割の人は6000円、1割の人は3000円を上限に自己負担が生じます。

 厚労省の想定では、75歳以上で1割負担の人が医療機関で診察を受けた場合、これまでは診察料や調剤料などで窓口での支払額は1000円程度でしたが、治療薬代3000円が上乗せされます。

 1人分の薬価はラゲブリオ約9万4000円、パキロビッド約9万9000円、ゾコーバ約5万2000円で、インフルエンザ治療薬のタミフル約2000円、ゾフルーザ約5000円と比較して高額です。

 2023年10月1日(日)

2023/09/30

🟧乳がんの再発リスクを調べる遺伝子検査「オンコタイプDX」、9月から公的医療保険の対象に

 乳がん患者一人ひとりの再発リスクを数値で示す遺伝子検査「オンコタイプDX」が9月、公的医療保険で認められました。脱毛などの副作用がある抗がん剤治療が、手術後に必要かどうかの判断材料となります。検査はこれまで、約45万円かかる自費診療でした。保険適用で費用負担が軽減され、望む患者が受けやすくなりました。

 乳がんは日本の女性に最も多いがんで、2019年には新たに9万7142人が診断されました。女性の9人に1人が生涯にかかるとされています。

 治療の基本は手術となります。さらに、再発予防のため薬物治療を行います。

 どの薬を選ぶかは、がんのタイプで異なります。女性ホルモンと、「 HER2(ハーツー )」と呼ばれるタンパク質が、それぞれがんの増殖にかかわる「陽性」かどうかで、大きく4つに分かれます。

 ただ、その分類だけでは選択しづらいこともあります。特に、ホルモン陽性でHER2陰性の場合は悩む例が多いです。

 このタイプは、ホルモン療法のみか、抗がん剤を併用するかを選びます。抗がん剤は脱毛や吐き気などの副作用があります。このため、再発を防ぐ効果があると見込まれる患者にのみ併用するのが望ましいですが、その見極めが難しい患者が少なからずいます。

 新たに保険適用になった遺伝子検査「オンコタイプDX」は、このタイプのうち、わきの下のリンパ節転移が0~3個の患者が対象です。がん組織を調べて、再発に関わる21種類の遺伝子を解析、結果は0~100の数値「再発スコア」で示されます。点数が高いほど再発しやすく、抗がん剤の併用が勧められます。25以下は抗がん剤の効果はないため、原則、併用の必要性は低いと判定されます。

 検査費(公定価格)は43万5000円。3割負担だと13万500円です。所得によっては、医療費の自己負担に上限を設ける高額療養費制度が適用され、さらに負担が抑えられます。製造販売元のエグザクトサイエンス(東京都千代田区)は、乳がん患者の約半数がこの検査の対象になるとみています。

 相良病院(鹿児島市)院長の大野真司さんは検査について、「再発のリスクや抗がん剤の効果を予測するものです。再発するかが確実にわかるわけではありませんが、病理検査と組み合わせて、より正確に抗がん剤治療の必要性を判断できます」と話しています。

 2023年9月30日(土)

🟧さいたま市、すべての市立中学校の校門にAEDを新たに設置へ

 12年前、小学6年生の女の子が心臓発作で死亡した事故を切っ掛けに自動体外式除細動器(AED)の普及を進めているさいたま市は、すべての市立中学校58校の校門にAEDを新たに設置することになりました。

 30日はさいたま市北区の日進中学校で市内の中学校に設置されるAEDの贈呈式が行われ、市内の酒造会社から清水勇人市長にAEDが手渡されました。

 30日は市立日進小6年だった12年前に駅伝選考会中に心臓発作で倒れて亡くなった桐田明日香さんの命日で、明日香さんが通うはずだった私立日進中学校で行われた贈呈式には母親の寿子さんも出席しました。

 この事故を切っ掛けにさいたま市は学校の校内へのAEDの普及を進めてきましたが、30日に寄贈されたAEDはすべての市立中学校の校門に設置する予定です。

 学校の屋外に屋外型収納ボックスに無施錠で入れたAEDを設置しておくことで、地域の人が夜間や休日も使えるようになるため24時間救命措置が可能になるということです。

 収納ボックスを開けると、本体の遠隔監視システムが作動し、位置情報などがさいたま市教育委員会に伝わるため故障や盗難などへの対応も可能。今後は詳細な利用マニュアルを定めるとしています。

 AEDを寄贈した西区の「小山本家酒造」の小山景市会長は、「地域に貢献したい思いで寄贈しました。同じような事故が起きないようにしてほしい」と話していました。

 明日香さんの母親の寿子さんは、「長年の願いだった24時間、誰もが使えるAEDの設置が決まり非常にうれしく思います。こうした取り組みを全国に広げてもらいたいです」と話しています。

 2023年9月30日(土)

🟥横浜市の30歳代女性がはしか感染、今年5人目 海外渡航歴なく経路不明

 横浜市は13日、市内に住む30歳代女性がはしか(麻疹)に感染したと発表しました。同市でのはしか患者の確認は今年5人目。女性は感染の可能性がある期間に海外へ渡航しておらず、市は感染経路を調査しています。  市によると、女性は3月6日に発症し、12日にはしかと診断されました。  ...