2023/10/05

🟧「性風俗業はコロナ給付金の対象外」再び「合憲」 東京高裁

 新型コロナウイルスの経済対策として行われた国の給付金制度で性風俗業が対象外とされたことについて、「職業差別で法の下の平等を定めた憲法に違反する」として、事業者が国を訴えた裁判の2審で、東京高等裁判所は「給付対象にすると、国民の理解を得るのが難しいと判断した理由には合理性がある」として、1審に続いて憲法に違反しないと判断し、訴えを退けました。

 関西地方でデリバリーヘルス(派遣型風俗店)を営む性風俗事業者は、新型コロナの影響を受けた事業者に国が支給する「持続化給付金」や「家賃支援給付金」の制度の対象から外されたことについて、「職業差別で法の下の平等を定めた憲法に違反する」と主張して、国などに賠償と給付金計約446万円の支給を求めました。

 1審の東京地方裁判所は昨年、「性風俗業の特徴は、大多数の国民の道徳意識に反するもので、異なる取り扱いをすることには合理的な根拠がある。国庫からの支出で事業継続を下支えすることは相当でない」として、憲法には違反しないと判断し、訴えを退けました。

 5日の2審の判決で、東京高等裁判所の松本利幸裁判長は「給付対象とすると、国民の理解を得るのが難しいと判断した理由には合理性がある。性の在り方に関する価値観は多様化しているが、性風俗業を公的に認めるのは相当ではないとする考えが失われたわけではない」として、1審に続いて憲法に違反しないと判断し、事業者の訴えを退けました。

 2023年10月5日(木)

🟧今年の北半球は史上最も暑い、異常な9月に EU気象機関が発表

 ヨーロッパ連合(EU)の気象情報機関「コペルニクス気候変動サービス(C3S)」は5日、観測史上最も暑い9月となった先月の気温は、例年を「異常」に上回ったと発表しました。

 観測史上最も暑い年となることが予想されている今年、北半球の夏は史上最高気温を記録。世界の多くの地域では、9月に入っても季節外れの暑さが続きました。

 C3Sによると、世界の9月の平均気温は、2020年の記録を0・5度上回る16・38度でした。

 1940年まで逆上る記録の中で「最も異常な暑い月」となり、産業革命前の1850~1900年の9月の平均気温よりも1・75度高かったといいます。また、1991〜2020年の平均気温を0・93度上回りました。

 C3Sのカルロ・ブオンテンポ所長は、「気候の観点からこれまでで最も驚異的な夏だった。信じられないほどだ。気候変動は10年後に起こる何かではなく、今ここにある」と語りました。

 サマンサ・バージェス副所長も、前例のない9月の気温は「異常なほど記録を塗り替えた」と述べました。

 また、C3Sは5日、今年の世界の気温が観測史上最高を更新するとの見通しを示しました。年初からの平均気温は過去の平均を0・52度上回り、産業革命以前の平均気温を1・4度上回ったとしました。

 昨年の世界の平均気温は産業革命以前の平均を1・2度上回ったものの、記録は更新しませんでした。これまでの記録は2016年と2020年のもので、平均気温が産業革命以前の平均を1・25度上回りました。

 2023年10月5日(木)

🟧イギリス、紙巻きたばこ生涯禁止 2009年以降生まれ対象に法案導入へ

 イギリスのリシ・スナク首相は4日、紙巻きたばこの解禁年齢を段階的に引き上げ、喫煙人口の抑制を目指す法案を議会に提出する考えを表明しました。 

 スナク首相はイギリス中部マンチェスターで行われた与党・保守党の年次党大会で演説。「重い病気を引き起こすたばこが公的医療制度の負担になっている」と指摘し、「今後、たばこの解禁年齢を毎年1歳ずつ引き上げていくことを提案する。現在の14歳は合法的にたばこを生涯買えなくなる。たばこを吸うことなく成長できる」と語りました。

  現在、イギリスではたばこの購入は18歳以上に制限されています。2027年から段階的引き上げを開始すれば、2009年以降に生まれた現在14歳以下の⼈は生涯、たばこを買えなくなります。イギリス政府によると、早ければ2040年にも若者の喫煙をほぼ完全になくせる可能性があります。

 スナク首相は、法案の採決は各議員が党の方針に縛られない自由投票で行われる、としています。

 今回の法案は電子たばこは対象に入っていませんが、今後、規制する措置を検討するということです。

 紙巻きたばこの販売禁⽌を巡っては、ニュージーランドも2009年以降に⽣まれた⼈を対象にした法律をすでに整備しています。 

 がん研究機関キャンサー・リサーチUKのミシェル・ミッチェル最高経営責任者(CEO)は、「スナク首相はたばこ業界の利益よりもイギリス国民の健康を優先する姿勢を打ち出した」と歓迎し、「全議員が法案を支持することを望む」と述べました。

 2023年10月5日(木)

🟧「梅毒」の患者が岩手県で増加、9月時点で年間最多に並ぶ 長野市は過去最多

 岩手県内で性感染症の「梅毒」の患者数が増えています。今年は9月24日時点で29人となり、すでに年間患者数が過去最多だった昨年と同数に上っています。全国的に増加する中、県は各保健所で無料・匿名の検査を行っているほか、早期の医療機関の受診を呼び掛けています。

 県感染症情報センターの集計によると、県内の今年の患者報告数は、9月18~24日が2人で、累計29人となりました。全数把握が始まった1999年以降で最多だった2018年と2022年(速報値)の年間患者数29人と早くも並びました。

 一方、長野市保健所は4日、性感染症の「梅毒」の患者報告数が1日時点で25人となり、記録のある2006年以降最多となったと明らかにしました。全国や長野県全体の患者数も過去最多ペースで増加。交流サイト(SNS)やマッチングアプリで、見知らぬ人とも簡単に出会えるようになったことが一因とみられ、県や市は適切な予防を呼び掛けています。

 市保健所によると、2006年~2017年の年別の梅毒患者報告数は1ケタ台で推移し、2018年に初めて10人を超えました。今年は3カ月を残して、これまで最多だった2019年の23人を上回りました。今年の県全体の報告数は10月1日時点で63人に達しており、過去最多だった2022年の71人(速報値)を超えるペースとなっています。

 梅毒は「梅毒トレポネーマ」という細菌が、人との粘膜接触などによって体内に侵入する感染症。感染後数週間で、侵入した部位にしこりや潰瘍などができることがあり、治療をしなくても症状はいったん軽くなります。数カ月で手のひらなどに赤い発疹が現れます。

 早期の薬物治療で完治が可能なものの、放置すると脳や心臓に合併症を起こします。また、妊婦が感染すると流産や死産の危険性が高まり、赤ちゃんが先天性梅毒を患ったりする恐れもあります。

 2023年10月5日(木)

2023/10/04

🟧武田薬品、アメリカで肺がん治療薬の販売中止 迅速承認後に治験で効果示せず 

 武田薬品工業)は3日、2021年にアメリカ食品医薬品局(FDA)から条件付きで販売できる「迅速承認」を受けた肺がん治療薬について、アメリカでの販売を自主的に中止すると発表しました。正式承認の取得に向けて続けていた後期臨床試験(治験)で、効果が示せなかったことが理由。

 対象は経口投与する「エクスキビティ(一般名:モボセルチニブ)」で、アメリカ以外にスイス、韓国、オーストラリア、中国でも条件付きで承認されていましたが、治験のつまずきにより有効性を確認するデータ提出の要件が満たせなくなりました。アメリカ株式市場引け後の時間外取引(アフター・マーケット)で株価は約6%下落しました。

 武田薬品は7月に、目標を達成する見込みがないとして治験中止を発表していました。また、2022年にヨーロッパ連合(EU)での販売承認申請を取り下げました。

 治験は非小細胞肺がん(NSCLC)患者を対象に、化学療法との比較で安全性と有効性を評価しましたが、薬の投与によって病気の進行を防ぐ期間の評価項目を達成できませんでした。後期治験の全データを学会か、査読のある学術誌で発表します。

 アメリカ以外にエクスキビティを承認した各国でも販売を中止する方針で、当局と協議を進めています。

 2023年10月4日(水)

🟧不登校の小中学生、過去最多の29万9048人 いじめ認知件数も過去最多の68万1948件

 不登校の状態にある小中学生は、昨年度およそ29万9000人となり、10年連続で増加して過去最多となったことがわかりました。いじめの認知件数や暴力行為も過去最多となっており、調査した文部科学省は「コロナ禍での生活環境の変化や、学校生活での制限による交友関係の築きにくさなどが背景にある」とみています。

 文部科学省は全国の小中学校と高校、それに特別支援学校を対象に不登校やいじめ、自殺などの状況を毎年調査していて、昨年度の結果をまとめました。

 それによりますと、小中学校を30日以上欠席した不登校の状態にある子供は、前の年度から5万4000人余り、率にして22%増え、29万9048人となりました。10年連続で増加し、過去最多となっています。

 このうち小学生が10万5112人で、10年前の2012年度の5倍に、中学生が19万3936人で、10年前の2倍に増えています。このほか高校生も増加して6万575人でした。

 また、認知されたいじめの件数は、小学校が55万1944件、中学校が11万1404件、高校が1万5568件、特別支援学校が3032件で、合わせて68万1948件と、前の年度より6万件余り増え、過去最多となりました。

 いじめによる自殺や不登校などの「重大事態」と認定された件数も200件余り増えて923件と過去最も多く、4割近くは「重大事態」として把握するまで学校がいじめと認知しておらず、課題がみられました。

 調査では、小中学校と高校の暴力行為の発生件数が9万5426件と過去最多となったほか、自殺した児童や生徒は小学生が19人、中学生が123人、高校生が269人で合わせて411人となり、過去2番目に多くなりました。

 こうした状況について文部科学省は、「児童生徒の自殺が後を絶たないことは、極めて憂慮すべき状況だ。不登校などの増加はコロナ禍の長期化で生活環境が変化したことや、学校生活でのさまざまな制限で交友関係が築きにくくなったことなどが背景にある」と分析しています。

 2023年10月4日(水)

🟧長野県民の9割以上が塩分取り過ぎ 調味料から取る量が多いことや漬物などを多く食べる食文化が影響か

 長野県民の9割以上が食塩を取り過ぎていることが、県の県民健康・栄養調査(速報値)でわかりました。塩分の取り過ぎは脳血管疾患の要因とされており、調味料から取る量が多いことや、漬物、魚の加工品を多く食べる食文化が影響している可能性があるとみて、県は減塩を呼び掛けます。

 調査はおおむね3年に1度行っており、今回は昨年10~12月、県内42地区の599世帯約1250人が回答しました。

 それによると、20歳以上の1日当たりの食塩摂取量の平均は男性11・5グラム、女性9・6グラム。国の定める目標量は男性7・5グラム未満、女性6・5グラム未満で、目標量を上回る男性は93・5%(前回比0・3ポイント増)、女性は90・0%(前回比2・0ポイント減)でした。県は男女ともに8グラム以下を目標に減塩を呼び掛けているものの、摂取量は横ばいでした。

 また、野菜の摂取量の平均は近年横ばいで、男性が333グラム、女性が298グラムでした。全国的にみると、県民の野菜摂取量は多いとみられるものの、男女ともに国の目標量の350グラムより少なくなりました。

 肥満とされるBMI(体格指数)25以上の20歳以上の男性は27・1%、「やせ」とされるBMI18・5未満の20歳以上の女性は14・0%で、ともに横ばい。一方、65歳以上の低栄養傾向の女性は、前回よりも9・6ポイント多い36%と急増していました。

 長野県は2020年時点で平均寿命が男性が全国2位の82・68歳、女性が全国4位の88・23歳ですが、2010年時点の健康寿命の男性72・55歳、女性74・99歳との差は大きくなっています。また、脳血管疾患の死亡率は全国上位であり、脳卒中は要介護の主な原因となっています。

 2023年10月4日(水)

🟪熱中症で救急搬送、今年初の1万人超え 6月30日~7月6日、前週比2倍に

 連日、猛烈な暑さが続く中、6日までの1週間に熱中症で医療機関に救急搬送された人は、全国で1万人余りと、前の週の2倍以上に増えたことが、総務省消防庁のまとめでわかりました。  総務省消防庁によりますと、6月30日から7月6日までの1週間に熱中症で医療機関に運ばれた人は、全国で合...