2024/01/02

🟧東京都、もちをのどに詰まらせ男女7人が救急搬送 70歳代の女性1人が意識不明の重体

 東京消防庁は1日、元日(午後3時時点)に東京都内でもちをのどに詰まらせた70~80歳代の男女7人が病院に救急搬送され、このうち70歳代の女性1人が意識不明の重体となったと発表しました。正月はもちを食べる機会が多くなることから、東京消防庁は、食べる際は小さく切り、急がず、ゆっくり食べるよう呼び掛けています。

 発表によると、江戸川区の70歳代女性は1日午前10時頃、自宅でもちを食べている最中にもちをのどに詰まらせたといいます。

 東京消防庁は、「乳幼児や高齢者と一緒にもちを食べる際は、注意して様子を見てほしい」としています。

 2024年1月2日(火)

2024/01/01

🟧臓器移植見送り、東大・京大・東北大で昨年60件超 提供件数が伸び、対応できる限界超え

 脳死者から提供された臓器の移植手術実績が上位の3大学病院で2023年、人員や病床などが不足し、臓器の受け入れを断念する例が60件超あったことがわかりました。東京大では少なくとも35件あり、前年の4倍に急増しました。京都大で約20件、東北大で7件ありました。提供件数が大きく伸び、限られた移植施設に要請が集中したためで、受け入れ体制の脆弱(ぜいじゃく)さが浮き彫りになりました。

 2023年に、脳死ドナー(提供者)からの心臓、肺、肝臓の移植手術は国内で352件行われました。最多は東大の88件で、京大36件、東北大34件が続きました。

 東大によると、▽手術に携わる看護師や臨床工学技士を確保できない▽手術後の患者が入る集中治療室(ICU)が不足している――などの理由で35件(心臓10件、肺14件、肝臓11件)の受け入れを断りました。2022年は8件でした。京大は、ICUや麻酔科医らの不足により肺と肝臓で約20件断念したことを明らかにしました。東北大も手術に携わる医師の不足により肺で7件あったとしました。

 断念する例が増えた背景には、脳死下の臓器提供が増加していることがあります。2023年は132件と過去最多となりました。これに伴い、臓器の摘出手術が複数行われる日が急増し、移植施設に、同時期に臓器の受け入れ要請が重なる例が増えました。

 1997年の臓器移植法施行以降、国内で行われた脳死下の臓器提供1028件について、日本臓器移植ネットワーク(JOT)の公表データを分析すると、複数の摘出手術が行われた日は、2023年は29日を数えました。提供条件を緩和した2010年の改正法施行以降、増加傾向にあります。

 東大に手術が集中するのは、待機患者を多く抱えているためとみられます。心臓、肺、肝臓合わせて昨年12月21日現在で458人。国内でこの3臓器の移植を待つ患者の4分の1を占めます。田中栄・東大病院長は「臓器提供が増えているのは望ましく、受け入れるように尽くしてきた。スタッフも病床も対応できる限界を超え、病院だけで改善するのは難しい」と話しています。

 東大病院は、心臓、肺、肝臓などの移植施設に選ばれており、2023年は、同日に2臓器を受け入れた日が23日を数え、2022年の15日から急増している。看護師や、生命維持装置などを扱う臨床工学技士が確保できないため、1日に行える移植手術は2件が限界で、3臓器目は受け入れを断念せざるを得ないといいます。

 厚生労働省移植医療対策推進室の担当者は、「臓器の受け入れが難しくなっていることは把握しているが、詳しい原因は確認していない」と話しています。

 日本臓器移植ネットワークは移植を待つ患者リストから、臓器ごとに優先順位を出して上位から順に移植施設に受け入れを要請します。施設が断った場合は、別の施設に確認します。

 移植を受けた患者らでつくるNPO法人「グリーンリボン推進協会」の大久保通方(みちかた)理事長は「ドナー増を見据えた移植体制の整備を国を通じて要望してきた。施設側の都合で移植が受けられなかった患者がいることに憤りを感じる。国と移植施設は早急に体制を整えてほしい」と求めています。

 2024年1月1日(月)

🟧群馬県で高病原性鳥インフル陽性確認、36万羽殺処分へ 養鶏場では全国で今季5例目

 群馬県は1日、同県高山村の養鶏場で見付かった高病原性鳥インフルエンザ(H5亜型)に感染した疑いのある鶏について、遺伝子検査で陽性が確認されたと発表しました。12月31日に養鶏場から、死んだ鶏の確認数が増えていると保健所に連絡があり、県が13羽を簡易検査したところ、すべて陽性でした。

 県は殺処分を速やかに実施するため、1日午前、自衛隊に災害派遣を要請し、この養鶏場で飼育する採卵鶏約36万羽の殺処分を始めたといいます。群馬県内での感染確認は今季初めてで、昨年1月以来では通算4例目。都道府県別では、鹿児島県や埼玉県などに次いで今季5例目となります。

 感染確認に伴い、県はこの養鶏場から半径3キロ以内にある3養鶏場(計約6万羽)について、鶏や卵の移動を制限。3~10キロ以内の7養鶏場(計約3000羽)については、域外への搬出を制限しました。この10養鶏場の鶏に異常は出ていないといいます。

 殺処分数は昨年1月の前橋市の約45万羽に次ぐ規模。県は7日までに殺処分を終え、10日までに消毒などの防疫措置を完了させる計画で、周辺の移動制限は1月下旬の解除を目指しています。

 2024年1月1日(月)

2023/12/31

🟧犬を飼う高齢者、認知症発症リスクが4割低下 東京都健康長寿医療センターが1万人調査

 犬を飼っている高齢者は飼っていない高齢者と比べて認知症の発症リスクが4割低かったとする研究結果を、東京都健康長寿医療センター(鳥羽研二理事長)の研究チームがまとめました。65歳以上の1万人以上を調査した結果で、ペット飼育と認知症との関連を明らかにしたのは国内で初めてといいます。猫では大きな差はなく、犬との散歩による運動や地域の人との交流が関係しているとみられています。

 この調査は、同センター「社会参加と地域保健研究チーム」の協力研究員で国立環境研究所の谷口優主任研究員らが、大田区に在住する65歳以上の男女1万1194人を対象に、2016年から2020年までのデータを分析しました。平均年齢は74・2歳で、女性がやや多く51・5%。調査時点で犬を飼っている人は959人で調査対象の8・6%、猫を飼っている人は704人で6・3%でした。

 追跡期間中の4年間で認知症を発症した人は、認知症の有無を調べることができた人の5%でした。このうち現在犬や猫を飼っている人、過去に飼った人、飼ったことのない人と認知症発症の有無との関係について、発症リスクを示す「オッズ比」を算定して比較しまし

た。

 その結果、犬や猫を現在飼っていない人のオッズ比を1にした場合、犬を飼っている人は0・6、猫を飼っている人は0・98。犬を飼っている人は飼っていない人に比べ、認知症になるリスクが4割低かった一方、猫はほぼ変わりありませんでした。高血圧などの高齢者特有の疾患については、犬や猫を飼っている/飼っていない、との関係に有意差はありませんでした。

 さらに犬を飼っている人のうち、運動習慣の有無や、社会的に孤立しているか、との関係を調べました。犬を飼っておらず、運動習慣がない人の認知症リスクであるオッズ比を1にした場合、犬を飼っていて定期的な運動習慣がある人のオッズ比は0・37。犬を飼っていて社会的孤立がない人は0・41で、いずれも認知症発症リスクが大きく低下する傾向にあることもわかりました。

 犬の飼育が認知症発症リスクを下げる要因が何かについて、今回の研究は結論を出していません。ただ、一連の研究結果について研究チームは、10月11日に研究論文が掲載された国際科学誌「プリベンティブ・メディシン・リポーツ」中で、高齢者が犬を散歩させることで運動や社会的な交流の機会を増やすことがよい効果を上げている可能性を指摘しています。

 研究チームはまた、日本の犬猫飼育率は欧米より低いことから、今回の研究結果が欧米でも当てはまるかを評価し、犬を飼うことの心理的要因も検討する必要があるとしました。

 2023年12月31日(日)

🟧長崎大病院、ロボット手術再開へ 医療事故調査結果「過失なかった」

 長崎大学病院(長崎市)は28日、ロボットを使った子宮体がん手術を受けた長崎県内在住の女性(当時54)が手術から2週間後に大量出血し亡くなった医療事故について、手術中や術後の管理に過失はなかったとする調査結果を公表しました。事故後に停止していた同手術を来年2月から再開すると明らかにしました。

 女性はステージ1の子宮体がんと診断され、昨年7月21日に手術支援型ロボット「ダビンチ」を使って子宮を全摘出。8月1日に退院しましたが、同4日夜、自宅で下半身から大量出血して意識不明に陥り、出血性ショックで死亡し、搬送先の病院で死亡が確認されました。同5日に長崎大学病院で病理解剖し、子宮に近い左外腸骨動脈に約2ミリの穴が確認されました。

 長崎大学病院は昨年11月、外部の専門家9人を含む委員17人で構成する「医療事故院内調査委員会」を設置。4月に報告書を取りまとめ、遺族に結果を説明していました。

 報告書によると、委員による手術ビデオの確認で「血管への明らかな熱損傷は認められなかった」などとしました。女性は術後感染症を発症していたと考えられ、死因については「外腸骨動脈の全層に波及した化膿(かのう)性炎症による壁破壊に起因した動脈性出血」と判断。「感染性血管炎による血管破綻は想定外の稀有(けう)な合併症であり、退院時または死亡前に診断することは難しかった」と過失を否定しています。

 再発防止策として、血液検査の回数を増やし、手術部位の感染が否定できない場合は感染症診療科の医師に必ず相談することや、術後15日目まで入院してもらうことなどを決めました。

 会見した中尾一彦病院長は、「ご遺族には今後も丁寧に説明していきたい」と述べました。

 2023年12月31日(日)

2023/12/30

🟧認知症基本法、新年に施行 本人や家族の意見反映

 認知症の人が尊厳や希望を持って暮らせる共生社会実現が目的の新法、認知症基本法が2024年1月1日に施行されます。岸田文雄首相が本部長の「認知症施策推進本部」設置を規定し、国が本人や家族らの意見を反映した「基本計画」を作ります。都道府県や市区町村にも「推進計画}の策定を促し、各地域で本人の社会参加や相談・ケア体制整備などが期待されます。

 認知症に特化した初の法律で、2023年6月14日に議員立法で制定。団塊世代が全員75歳以上となる2025年には認知症の人は推計675万~730万人で、高齢者の約5人に1人に上ると見込まれます。

 法律は基本理念に、国や自治体が対策に取り組む責務があり、国民も認知症の理解を深めることに努めると明記。施策として、(1)学校教育などで理解増進(2)交通安全の確保、使いやすい製品普及(3)社会参加の機会確保や雇用継続へ啓発(4)適切な保健医療や福祉サービス提供(5)本人や家族の相談体制整備―などが盛り込まれました。

 政府はこうした対策の「基本計画」作りに向け、本人や家族、医療関係者などから意見を聞きます。都道府県や市区町村は努力義務として、各地域の本人らの意見を踏まえ「推進計画」を策定します。

 2023年12月30日(土)

🟧感染症、来年1月から2月に警戒が必要 インフル高止まり、コロナ増加傾向

 新型コロナウイルス感染症の感染症法上の位置付けが「5類」に移行してから初めての年末年始を迎える折、季節性インフルエンザの感染は高止まりし、東京都内では溶連菌感染症の一種、A群溶血性レンサ球菌咽頭炎の初の流行警報が発出されました。加えて、新型コロナウイルスの感染者も増加傾向。医療関係者は、「来年1~2月はコロナ禍の過去3年間よりも大変な冬になるかもしれない」と警鐘を鳴らしています。

 厚生労働省は22日、全国約5000の定点医療機関が11~17日に報告したインフルエンザの患者数が14万7858人で、1医療機関当たり29・94人だったと公表しました。前週よりやや減ったといえど、30人超の「警報レベル」に近く、予断を許しません。

 東京都は21日、A群溶血性レンサ球菌咽頭炎の患者が都内で増えているとして、1999年の感染症法施行以来初の警報を発出しました。子供が多く感染し、急な発熱や、のどの痛みなどの症状がみられます。

 のどや目などに症状が出る咽頭結膜熱も、例年の同時期より大幅に増えています。

 浜松医療センター感染症管理特別顧問の矢野邦夫医師は、「コロナ禍のマスクや手洗いで多様な感染症ウイルスにさらされていない期間が長かったため、免疫が確立されていないことが感染症流行の要因と考えられる。呼吸器系の感染症以外にも食中毒も多い。流行の中心は子供だが、大人も注意が必要だ」と語っています。

 新型コロナも4週連続で増加傾向です。世界保健機関(WHO)は19日、変異型「JN・1」を「注目すべき変異型」に分類したと発表しました。既存のワクチンに効果があるとし、公衆衛生に大きな脅威をもたらすリスクは低いとの認識を示しました。

 矢野医師は、「この冬は医薬品不足も問題になっている。コロナ以外の感染症も加わり、医療機関の病床がひっ迫したり、救急搬送困難事案などが増えることも予想される」と危惧しています。

 忘新年会や帰省、Uターンなど人の動きも活発になる年末年始の感染拡大も心配です。

 矢野医師は、「コロナ禍のような過度な対策は必要ないが、受験生や高齢者を守る行動は必要だ。公共交通機関で移動する際にはマスクを着用するほか、唾液を経由する感染症もあるので、会食で食卓を囲む際にも、はしやスプーンを共有しないことを勧める」と助言しました。

 2023年12月30日(土)

🟥ゴールドウイン、PFAS不使用に 年内に衣料品の素材切り替え、海外拡大で

 アパレル大手で衣料品の素材として有機フッ素化合物「PFAS(ピーファス)」を使うことを取りやめる動きが広がっている。「ザ・ノース・フェイス」などを展開するゴールドウインは2025年内で代替素材に切り替える。PFASは熱に強く、アウトドア向け衣料で活用されている。健康への有害性...