2024/01/18

🟧京都第一赤十字病院、手術の説明や診療記録で不適切対応 京都市が改善求める行政指導

 患者に対する手術の説明や診療記録の取り扱いが不適切だったとして、京都市が18日までに、東山区にある京都第一赤十字病院に対し、改善を求める行政指導をしていたことが明らかになりました。対象となった3件のほか、手術後に患者が死亡するなどした事例が複数あるとし、市は3月までに再検証した上、改めて報告するよう求めています。

 市によると、いずれも同病院の脳神経外科で確認されました。2020年に行われた脳腫瘍の手術を巡っては、予定外の再手術となったことを家族に説明した記録がありませんでした。同年、手術後に死亡した別の患者の死亡診断書には、「手術なし」と事実と異なる記載をしていました。また、2021年には、研修医の医療処置を受けた患者が死亡したものの、遺族には処置を施した説明をしていなかったといいます。

 市は外部からの情報提供を受け、昨年10月から医療法に基づく立ち入り検査を3回行いました。病院は脳腫瘍の再手術が行われた患者について、「医療事故という認識はあった」と市に説明しました。一方、院内の医療安全管理委員会には適切に報告されなかったといいます。また、患者が死亡したにもかかわらず、最も低い評価として報告された例もありました。

 市には3人の患者以外にも、2019~2021年にかけて手術後などに9人が死亡し、ほかにも3人の患者で不適切な対応があったとの情報が寄せられており、病院に再検証を要請しています。

 京都第一赤十字病院は、「市からの病院運営に関する指導を真摯(しんし)に受け止め、適切に対応していきたい」とコメントしています。

 2024年1月18日(木)

🟧緊急避妊薬が必要な未成年を支援、看護師などが医療機関へ同行  東京都が春から開始

 意図しない妊娠を防ぐ「緊急避妊薬」を必要とする若者を支援しようと、東京都は2024年春から、都の相談窓口にいる看護師などが医療機関に同行する取り組みを始めることにしています。

 この取り組みは、中学生以上の10歳代を対象に体や性に関する相談を受け付けることを目的に都がすでに設置している「とうきょう若者ヘルスサポート」、通称「わかさぽ」が行います。

 「わかさぽ」にはこれまでに「予期せぬ妊娠をしたかもしれない」などの相談が寄せられていて、都は、こうした悩みを抱える若者への支援を拡大しようと取り組みの実施を決めました。

 具体的には、この春から「わかさぽ」に相談した未成年女性のうち、避妊の失敗や、性暴力などによる意図しない妊娠を防ぐ「緊急避妊薬」が必要な場合に、相談員の看護師などの専門職が医療機関に同行することにしています。

 都の担当者は、「不安や悩みを抱えた方が一人で抱え込むことがないように若者のセーフティーネットになりたい」と話しています。

 2023年1月18日(木)

🟧歯周疾患検診の対象に20歳と30歳追加へ 4月以降、若年層患者増加で厚労省

 全身の病気リスクに影響する歯周病の患者が若年層でも増えているのを受け、厚生労働省が4月以降、健康増進法に基づく自治体の歯周疾患検診の対象年齢を拡大し、20歳と30歳を追加する方針であることが18日、明らかになりました。切れ目のない歯科検診体制を整えて早期治療を促し、健康寿命の延伸につなげます。

 現行は、乳幼児期と学齢期はそれぞれ母子保健法と学校保健安全法に基づき、歯科検診が実施されています。歯周疾患検診は40歳から10歳ごとに70歳までが対象で、75歳以上は高齢者医療確保法による検診があります。20、30歳代は国費の検診が手当てされていません。

 2022年の歯科疾患実態調査によると、歯周病が進行した状態の4ミリ以上の歯周ポケットがある人は15~24歳で17・8%、25~34歳で32・7%と、2005年調査に対していずれも10ポイント以上増えました。

 高齢者だけでなく若年層にも歯周病の増加がみられることから、2024年度以降の自治体の歯周疾患検診は、40歳以上と同様に20歳と30歳についても国が費用を補助します。

 2024年1月18日(木)

2024/01/17

🟧国内の海藻・海草が炭素36万トン吸収 「ブルーカーボン」世界初算定、国連に報告へ

 政府は、2022年度に国内の海の海藻・海草に吸収・固定された二酸化炭素(CO2)由来の炭素「ブルーカーボン」を約36万トンと算定し、国連に報告する方針を固めました。今後、国内で排出された温室効果ガスの量から差し引いて、実質排出量を算出します。海藻・海草による吸収量を算定したのは世界で初めて。

 地球温暖化対策として各国は、人類の活動による排出量から、植物の光合成などによる吸収量を差し引いた実質的な排出量を算出し、将来の削減目標を策定しています。日本は実質排出量を2030年度に2013年度比で46%削減、2050年までにゼロとする目標を掲げ、最新の数値を国連に毎年報告しています。

 各国は、植物のうち、海藻・海草による吸収量については算定方法が確立されていないなどの理由で、国連に報告していません。そこで政府は、ワカメやアマモなど海藻・海草の種別の吸収量と沿岸部の藻場面積を基に国内全体の吸収量を算定する方法を考案。2022年度は、一般家庭約14万世帯分の年間排出量に相当する約36万トンと算定しました。1月22日の有識者らによる環境省の検討会で正式に確定します。

 国内で2021年度に植物が吸収したCO2量4760万トンのほとんどは、森林が吸収源。森林は今後、老化で吸収量が減退する見通しで、吸収量全体に占めるブルーカーボンの割合は2030年に1割に達するとの試算もあります。環境省は、「海に囲まれた地形をいかし、藻場の造成などブルーカーボンを活用した脱炭素化に努めたい」としています。

 2024年1月17日(水)

🟩スーパー中和抗体、オミクロン型にも効果 富山大などが改良に成功

 富山大と富山県衛生研究所などの研究チームは16日、新型コロナウイルス感染症から回復した患者の血液を基に作った「スーパー中和抗体」を、オミクロン型に対しても感染予防効果を持つよう改良することに成功したと発表しました。分子シミュレーション解析の技術を活用したもので、この技術を今後の広範な変異型にも応用することを目指します。

 スーパー中和抗体は、ウイルスの特定の部分に結合して人などの細胞への侵入を防ぎ、感染を予防します。これまでの研究では、オミクロン型に対しては感染予防効果が落ちることが報告されていました。同チームは今回、分子シミュレーション解析を用いて抗体内のウイルスとの結合箇所を変異させ、オミクロン型にも効果を持つよう改良しました。

 今回の手法を使えば抗体医薬品の改良設計が1カ月程度で可能になるといい、今後の広範な変異型にも迅速に対応できるといいます。

 成果は16日付けの国際学術雑誌に掲載されました。同チームは、「今後同様の事例を積み重ねることで分子シミュレーション解析での予測精度の向上が見込まれ、ウイルスの非常に素早い変異速度を超えて、対抗できる中和抗体開発が進むことが期待される」としています。

 2024年1月17日(水)

🟧サワイグループホールディングス、アメリカの後発薬事業から撤退 台湾企業に譲渡

 ジェネリック医薬品(後発医薬品)大手の沢井製薬の親会社サワイグループホールディングスは17日、後発薬を手掛けるアメリカ子会社のアップシャー・スミス・ラボラトリーズなどを、台湾の医薬品メーカーのボラ・ファーマシューティカルズに譲渡すると発表しました。アメリカ事業から撤退し、品質不正で揺らぐ日本国内の後発薬事業に経営資源を集中させ、立て直しを急ぎます。

 サワイグループホールディングスは、アメリカ子会社の株式80%を3月末に約227億円で譲渡するなど、最大で約300億円を受け取る予定。アメリカ子会社の株式20%を保有していた住友商事も同様に売却します。

 サワイグループホールディングスは、2017年にアメリカ市場に進出したものの、競合他社の増加や価格競争の激化に見舞われ、2022年3月期にはアップシャー・スミス・ラボラトリーズの減損などで282億円の最終赤字になるなど業績が悪化していました。

 2024年1月17日(水)

🟧世界の喫煙者、2030年には12億人下回る WHOが推計を発表

 世界保健機関(WHO)は16日、世界中の15歳以上の喫煙者が2022年に12億4500万人おり、2030年には12億人を下回るとの推計を発表しました。2000年の13億6200万人から減少が続いています。

 WHOは「近年のたばこ規制でよい進展がみられる」と評価し、公衆衛生向上のため各国政府にさらなる規制を呼び掛けました。

 推計によると、15歳以上の人口に対する喫煙者の割合も、2022年の20・9%(男性34・4%、女性7・4%)から、2030年には18・1%(男性30・6%、女性5・7%)に減る見通しです。

 地域別では、2022年で東南アジア地域事務局管内が最も高い26・5%。ヨーロッパ地域事務局管内(旧ソ連諸国やトルコを含む)が25・3%と続きます。ヨーロッパでは女性喫煙者の割合がほかの地域よりも高く、減少する勢いも小さいといいます。

 調査対象は加熱式を含む紙巻きたばこや葉巻、無煙たばこなどで、化学物質が入った液体を蒸気化して吸う「電子たばこ」は除外されています。

 2024年1月17日(水)

🟥サンフランシスコ市、超加工食品の製造業者提訴 健康被害への責任追及

 アメリカのカリフォルニア州サンフランシスコ市は2日、超加工食品の製造業者を相手取り訴訟を起こしたことを明らかにした。超加工食品を巡っては、数十年にわたる過剰摂取の結果、多くのアメリカ人が肥満になったと専門家らは指摘している。  訴訟の対象には、クラフト・ハインツ、コカ・コーラ...