2024/03/06

🟧ヨーロッパ各国で「オウム病」急増 5人死亡、多数が入院

 ヨーロッパ各国で細菌感染症の「オウム病」の症例が、昨年から今年にかけて急増しています。世界保健機関(WHO)は5日、これまでに5人が死亡したと発表しました。

 オウム病は、野鳥やペットの鳥に感染する細菌のオウム病クラミジアを原因とする疾患。感染した鳥に症状がなくても、呼吸や糞(ふん)を通じて人に感染することがあります。

 アメリカ疾病対策センターによると、人には鳥の分泌物が混じった埃(ほこり)を吸い込んだり、鳥にかまれたり、くちばしと口で接触するなどして感染します。人から人に感染する可能性はあるものの、極めてまれだといいます。

 感染すると、5~14日で頭痛、筋肉痛、せき、発熱、悪寒などの症状が現れます。抗生剤で治療でき、人が死に至ることは極めてまれ。

 WHOによれば、今回はペットの鳥や野鳥を通じて感染した症例が大多数を占めています。

 オーストリアでは2023年に14例が確認され、今年は3月4日までにさらに4例が確認されました。人から人への感染は確認されていません。いずれも海外への渡航歴はなく、野鳥とも接触していませんでした。

 デンマークでは2月27日までに23例が確認されました。実際の数はもっと多いと保健当局はみています。感染者のうち17人は入院して15人が肺炎になり、4人が死亡しました。

 ドイツでは2023年に14例、今年に入って5例を確認。ほぼ全員が肺炎を発症し、16人が入院しました。

 スウェーデンでは11月~12月にかけて症例が急増して26例になり、今年に入って13例を確認しました。

 オランダは昨年12月下旬から今年2月29日にかけて確認された症例が21例に上り、前年に比べて倍増。全員が入院し、1人が死亡しました。

 関係国は発生源を特定する調査などを実施。WHOは現時点で深刻なリスクとして評価していないものの、状況監視を続けるとしています。

 2024年3月6日(水)

2024/03/05

🟧大正製薬、内臓脂肪減少薬「アライ」を4月に発売 国内で初めて

 大正製薬は4日、4月8日に内臓脂肪を減らす市販薬「アライ」(一般名・オルリスタット)を全国で発売すると発表しました。内臓脂肪を減らす薬は国内で初めて。薬局で薬剤師が対面販売する要指導医薬品として、医師の処方箋がなくても一定の条件を満たしていれば買えます。食事で取り入れた脂肪の約25%を吸収せずに排出します。

 アライは飲み薬で、脂肪の分解・吸収を抑え、便と一緒に排出します。日本人の臨床試験では、生活習慣の改善に取り組みながら1日3回、約1年間にわたり服用した人は、内臓脂肪の面積が約21・5%、腹囲が約4・7センチ減少しました。

 対象者は18歳以上の健康障害がない成人で、腹囲が男性85センチ以上、女性90センチ以上。運動など生活習慣の改善に取り組んでいる場合に限ります。購入前に対象となるか判断するためのチェックシートに記入し、薬剤師の確認を受ける必要があります。

 価格は18カプセル(6日分)で2530円、90カプセル(30日分)で8800円。1日3回、1カプセルを服用します。油分を便として排出するため、副作用として下痢や軟便、油漏れなどの消化器症状が想定されます。

 2023年2月17日に医療用医薬品をへずに最初から市販薬として扱う「ダイレクトOTC」として製造販売承認を得ました。薬の有効成分「オルリスタット」は諸外国では市販薬として承認されています。

 2024年3月5日(火)

2024/03/04

🟧世界初の生体肺肝同時移植手術に成功 京都大病院で10歳未満の男児に両親と祖父が提供

 京都大医学部付属病院は4日、世界で初めて、生体の肺と肝臓を1人の患者に同時に移植する手術を実施し、成功したと発表しました。先天性の疾患がある関東在住の10歳未満の男児に、両親の肺、祖父の肝臓のそれぞれ一部を移植しました。手術は2023年11月15日に行われ、男児は3月1日に退院しました。

 同病院によると、海外では脳死患者から提供された肺と肝臓の同時移植は少数ながら行われています。日本は海外と比べて脳死による臓器提供が少ない現状があり、脳死でも実施事例がありませんでした。生きている健康な人が提供者となる同時移植は世界初で、同病院は「新しい治療の可能性を広げた意義は大きい」としています。

 男児は、染色体の異常が原因で、全身の臓器などに影響が出る「先天性角化(かくか)不全症」の患者。根治療法はなく、国内の重症患者数は約200人とされます。

 男児は2歳で血液細胞が減少する再生不良性貧血になったため、4歳の時に妹から骨髄移植を受けました。しかし、その後に肺や肝臓の疾患も発症し、移植が必要になりました。

 手術は、父親(40歳代)の右肺の一部、母親(40歳代)の左肺の一部、祖父(60歳代)の肝臓の一部をそれぞれ移植。4つの手術室を使い、医師ら約30人が参加して、約18時間かかりました。両親と祖父は、すでに社会復帰しているといいます。

 男児の両親は病院を通じ、「当初はもう打つ手はないものと絶望的な気持ちで、(移植手術は)唯一の希望でした。今回の移植を機に、これまで移植をあきらめるしかなく、何もできないもどかしさや絶望感を抱えている患者さんや親族の方の一筋の光になればうれしいと考えております」とコメントしました。

 2024年3月4日(月)

🟧アステラス製薬、更年期障害薬の日本での最終段階の治験を開始

 アステラス製薬は4日、更年期障害向け治療薬「フェゾリネタント」について、日本で臨床試験(治験)の最終段階に当たる「第3相治験」を始めたと発表しました。治験の結果を踏まえて、日本でも承認を申請する方針です。

 フェゾリネタントは、女性の閉経に伴って現れる、顔のほてりやのぼせなど「ホットフラッシュ」と呼ばれる症状を治療する経口薬。2023年5月に承認を取得したアメリカでは、「ベオーザ」の製品名で販売を始めています。

 更年期障害の症状に対して、エストロゲン製剤を用いたホルモン補充療法が行われることもあるものの、乳がんや血栓症の発症リスクを高める可能性が指摘されています。これに対して、初の非ホルモン治療薬としてアメリカで承認されたのがフェゾリネタントで、日本でも更年期障害の治療に向けた新たな選択肢となる可能性があります。

 アステラス製薬は同薬のピーク時の売上高を最大5000億円と見込み、注力製品の一つと位置付けています。アメリカのほか、ヨーロッパでも2023年12月に承認を取得しています。

 2024年3月4日(月)

2024/03/03

🟧環境保護活動家がPFAS生産停止訴え化学工場に侵入、8人逮捕 フランス南東部リヨン

 フランス南東部リヨン近郊で2日、環境保護活動家グループが有機フッ素化合物「PFAS(ピーファス)」の生産停止を訴えて化学工場の敷地に侵入し、8人が逮捕される騒ぎがありました。

 環境保護団体「絶滅への反逆」と「ユース・フォー・クライメート」のメンバーがフェンスを破り、フランスの化学大手アルケマのピエールベニット工場に乱入しました。

 団体の報道担当者によると、約300人が抗議に参加しました。警察は約150人としています。

 同担当者は、「我々はアルケマによる『フォーエバー・ケミカル(永遠の化学物質、PFAS)』のローヌ川への廃棄を阻止したい」と説明し、「ここで秘密裏に行われていることを公にしたい」とも語りました。

 同工場の近くでは、空調大手のダイキン工業が新工場建設を計画しており、地元住民の反対に遭っています。地元当局は、「2024年末までに界面活性剤としてのPFASの使用停止を2022年9月に命じられたアルケマと違い、ダイキンの新工場ではPFASの水系への流出はない」としています。

 2024年3月3日(日)

2024/03/02

🟧アメリカCDC、新型コロナ感染後5日間の隔離推奨を見直し 24時間の自宅待機を推奨

 アメリカ疾病対策センター(CDC)は新型コロナウイルスに感染した人に対し、5日間の隔離を推奨していたこれまでのガイドラインを見直し、今後は発熱などの症状を目安にして24時間の自宅待機を推奨する新たなガイドラインを公表しました。

 CDCは1日、新型コロナウイルスに感染した場合のガイドラインの改定を公表しました。

 これまでは新型コロナに感染した人に対し、5日間の隔離を推奨していましたが、改定されたガイドラインでは、新型コロナに感染しているかどうかにかかわらず、発熱などの症状があった際は、熱が下がるなどしてから少なくとも24時間たつまでは自宅で待機することを推奨するとしています。

 また、その後5日間は周囲にうつさないよう、換気や手洗い、マスク着用、対人距離の確保など、感染を広げない行動を推奨しています。

 CDCによりますと、アメリカでは、ワクチンやこれまでの感染により98%を超える人が新型コロナに対する何らかの免疫があるということで、「新型コロナを巡る状況はかつてのような緊急事態ではなくなった」としています。

 今回の更新はこうした現状に合わせるとともに、症状を目安にしたガイドラインにすることで、インフルエンザなどほかの感染症にも有効な対策にする狙いがあるということです。

 2024年3月2日(土)

2024/03/01

🟧東京都のインフルエンザ患者報告数「16・74人」で2週連続減少 新型コロナは3週連続減少

 東京都のインフルエンザ患者報告者数は2週連続で減少しました。新型コロナウイルス患者も3週連続で減少しています。

 「東京都感染症情報センター」によりますと、2月19日から25日の1週間でインフルエンザの患者報告数は1医療機関当たり「16・74人」で、前の週の「21・47人」から約22%減少しました。

 減少は2週連続で、約8割が14歳以下の子供です。依然として注意報レベルの「10人」を超えています。

 また、新型コロナウイルスの患者報告数は「5・3人」で、3週連続で減少しています。

 入院患者数は1349人で、前の週から350人減少しました。

 2024年3月1日(金)

🟪小中学生の体力調査、中学生男子はコロナ感染拡大前を上回る

 全国の小学5年生と中学2年生を対象に、50メートル走など8つの項目で体力や運動能力を調べる今年度の国の調査で、中学生の男子の合計点は新型コロナウイルスの感染拡大前を上回りました。一方で、小学生の男女は低下傾向にあり、スポーツ庁は運動の機会を増やす取り組みに力を入れていく方針で...